富士通の１１年３月期連結営業利益は９６％増へ、ハード、ソフトとも回復基調に

　富士通は３０日引け後、１０年３月期の連結決算と１１年３月期の連結業績見通しを発表。

　通信情報機器の大手で、１０年３月期の連結売上高は国内や欧州でのＩＣＴ（通信情報技術）投資低迷から、前期比０．３％減の４兆６７９５億円にとどまったが、ＬＳＩ事業の構造改革や欧州地域の再編、全社的なコストダウン効果により、営業利益は９４３億円（前期比３７．２％増）と従来予想を上回った。最終損益はファナック株の売却益計上もあり、９３０億円の黒字（前期は１１２３億円の赤字）と大幅黒字に転じた。

　１１年３月期はサーバー関連やパソコン、電子デバイス、カーナビなどハード（機器）部門の伸長が見込まれるほか、ソフト部門も期後半からの回復が予想されることから、売上高４兆８０００億円（前期比２．６％増）、営業利益１８５０億円（同９６％増）、純利益は株式売却益がなくなることもあり、９５０億円（同２．１％増）と微増の予想だ。

　３０日の終値は１５円高の６６５円。（高野龍一）



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富士通が５日続伸、日本生命に紛失・盗難対策対応ＰＣ５万台納入へ

　富士通が５日続伸。同社は２５日、日本生命保険から、営業職員用新携帯端末として遠隔操作によりデータを消去する「ＣＬＥＡＲＳＵＲＥ（クリアシュア）」機能を搭載したコンバーチブル型ノートＰＣ約５万台を納入すると発表した。新契約申し込みをはじめとした各種手続きの簡素化と、個人情報保護などのセキュリティー強化を図ることが目的。１２年１月から順次配備していく。

　紛失・盗難対策ソリューション「クリアシュア」は、ＰＣに内蔵された専用通信モジュールによりＰＨＳネットワークを利用した遠隔操作でＰＣ内蔵ハードディスク内にあるデータをすべて消去することが可能。端末が盗難にあった場合や紛失した場合でも遠隔操作でデータ消去が可能なため、高い確率で情報の漏えいを防止することができる。なお、営業職員用携帯端末への「クリアシュア」機能搭載は、業界初の取り組み。

　午後２時４８分時点の株価は、前日比６円高の５８２円。



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