353円
オプトエレクトロニクスのニュース
■要約
TDCソフト<4687>は、金融関連ソフトの開発に強みを持つ、特定の企業系列に属さない独立系のシステムインテグレータである。日本のIT業界の歴史を長く支えてきた確かな技術力をベースに、金融業界からの売上げが約55%と安定的な収益基盤を確立し成長を続けている。2020年3月期は、好調を維持しながらSI事業の高付加価値化・SIモデルの変革に投資し、次世代型システムインテグレータを目指し、継続的な成長基盤の確立に取り組む計画だ。
1. 事業概要
同社の事業は4つに分類される。アプリケーション開発分野(金融)は銀行、クレジット、保険業向けの業務アプリケーション開発を行っており、同社の売上高の54.0%を占めている。アプリケーション開発分野(法人)は流通業、製造業、サービス業、公共向けの業務アプリケーション開発を行っている。ソリューション分野(インフラ・ネットワーク)は、ITインフラの環境設計、構築、運用支援、ネットワーク製品開発、ネットワークインテグレーションをベンダーやキャリアを問わず提供している。ソリューション分野(パッケージ等)は、自社開発のクラウドアプリケーションや、PaaS※1型クライアントサービス「Trustpro」の提供、BI※2/DWH※3、ERP※4/CRM※5など他社パッケージを活用してのソリューション提供を行っている。
※1 PaaS:Platform as a Serviceの略。アプリケーションを実行するためのプラットフォームをインターネット経由で提供するサービス。
※2 BI:Business Intelligenceの略。社内の情報を分析し、経営に生かす手法。
※3 DWH:Data Ware Houseの略。意思決定のために、基幹系など複数システムから必要なデータを収集し、目的別に再構成して時系列に蓄積した統合データベースで、データ分析や意思決定に役立てること。
※4 ERP:Enterprise Resources Planningの略。基幹系情報システムのこと。
※5 CRM:Customer Relationship Managementの略。顧客管理システムのこと。
2. 2019年3月期の業績
2019年3月期は各事業分野の成長戦略が計画どおりに推移した。加えて、市場や顧客の潜在ニーズを捉え最新の要素技術など先回りして獲得するための投資を行い、顧客の競争優位を支える付加価値の高いサービスと、時間や手間などを含めたユーザーコストの低減を両立させた次世代型のシステムインテグレーションサービスを提供するための取り組みを本格的に開始した。また、前期(2018年3月期)に開始したAI・データサイエンス分野や、アジャイル・マイクロサービス分野における産学共同研究等の要素技術の研究フェーズから事業促進フェーズへとステップアップを図るため、技術者の確保・育成や、顧客とのPOC(Proof of Concept:概念実証)を含めた提案活動等を強化し、新規案件を受注するなど当該分野のビジネス拡大を行った。
特に、2019年3月期はアジャイル開発技術者の育成に注力し、アジャイル関係の資格を約20名が取得するなど、当該技術者を50名規模にまで拡大した。
この結果、売上高26,590百万円(前期比11.0%増、計画比6.4%増)、営業利益2,157百万円(前期比16.5%増、計画比7.9%増)、経常利益2,248百万円(前期比17.9%増、計画比10.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,469百万円(前期比17.7%増、計画比10.5%増)となった。
3. 今後の見通し
2020年3月期は、2019年4月から2022年3月における中期経営ビジョン「次世代型システムインテグレーターを目指す」に基づき、本格的なデジタルトランスフォーメーションの到来に向けての準備を行う。顧客の潜在ニーズに対応した次世代型のシステムインテグレーション事業へと進化するため高付加価値サービスを追求するとともに、これまでの慣習にとらわれず新たなビジネスプロセスを整備する。このように増収増益を維持しつつ中期経営計画に向けた投資施策に力点を置き、継続的な売上高・利益の向上に努めていく。2020年3月期の業績は売上高27,000百万円(前期比1.5%増)、営業利益2,200百万円(前期比2.0%増)、経常利益2,250百万円(前期比0.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,490百万円(前期比1.4%増)を見込んでいる。
同社は2020年3月期からの中期経営ビジョンにて、本格的なデジタルトランスフォーメーションの到来に向けた準備を行う。主要な戦略としては、「高付加価値SIサービスの追求」「SIモデル変革の推進」に取り組む予定である。これらの取り組みにより継続的な成長を実現し、2022年3月期には連結売上高300億円、営業利益27億円(営業利益率9.0%)を目指す。
このように、同社は収益基盤である金融関連ソフトの開発事業などで得た利益により、DX(Digital Transformation/デジタル変革)のビジネス機会を捉えるための投資を積極的に行い、案件化にこぎつけるなど、適切な経営戦略策定力と実行力が備わっていることが伺える。企業のIT投資需要が一段と高まる中、顧客からの高い信頼により引き合いも多く、中長期的な成長余地は大きいと考える。
■Key Points
・業歴約60年、金融業界向けアプリ開発という安定収益基盤を持つ独立系システムインテグレータ
・2019年3月期は各事業分野の成長戦略が計画通りに推移し増収増益
・事業の高付加価値化、SIモデルの変革に取り組み次世代型のシステムインテグレータへ進化する
(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山崇行)
<SF>
TDCソフト<4687>は、金融関連ソフトの開発に強みを持つ、特定の企業系列に属さない独立系のシステムインテグレータである。日本のIT業界の歴史を長く支えてきた確かな技術力をベースに、金融業界からの売上げが約55%と安定的な収益基盤を確立し成長を続けている。2020年3月期は、好調を維持しながらSI事業の高付加価値化・SIモデルの変革に投資し、次世代型システムインテグレータを目指し、継続的な成長基盤の確立に取り組む計画だ。
1. 事業概要
同社の事業は4つに分類される。アプリケーション開発分野(金融)は銀行、クレジット、保険業向けの業務アプリケーション開発を行っており、同社の売上高の54.0%を占めている。アプリケーション開発分野(法人)は流通業、製造業、サービス業、公共向けの業務アプリケーション開発を行っている。ソリューション分野(インフラ・ネットワーク)は、ITインフラの環境設計、構築、運用支援、ネットワーク製品開発、ネットワークインテグレーションをベンダーやキャリアを問わず提供している。ソリューション分野(パッケージ等)は、自社開発のクラウドアプリケーションや、PaaS※1型クライアントサービス「Trustpro」の提供、BI※2/DWH※3、ERP※4/CRM※5など他社パッケージを活用してのソリューション提供を行っている。
※1 PaaS:Platform as a Serviceの略。アプリケーションを実行するためのプラットフォームをインターネット経由で提供するサービス。
※2 BI:Business Intelligenceの略。社内の情報を分析し、経営に生かす手法。
※3 DWH:Data Ware Houseの略。意思決定のために、基幹系など複数システムから必要なデータを収集し、目的別に再構成して時系列に蓄積した統合データベースで、データ分析や意思決定に役立てること。
※4 ERP:Enterprise Resources Planningの略。基幹系情報システムのこと。
※5 CRM:Customer Relationship Managementの略。顧客管理システムのこと。
2. 2019年3月期の業績
2019年3月期は各事業分野の成長戦略が計画どおりに推移した。加えて、市場や顧客の潜在ニーズを捉え最新の要素技術など先回りして獲得するための投資を行い、顧客の競争優位を支える付加価値の高いサービスと、時間や手間などを含めたユーザーコストの低減を両立させた次世代型のシステムインテグレーションサービスを提供するための取り組みを本格的に開始した。また、前期(2018年3月期)に開始したAI・データサイエンス分野や、アジャイル・マイクロサービス分野における産学共同研究等の要素技術の研究フェーズから事業促進フェーズへとステップアップを図るため、技術者の確保・育成や、顧客とのPOC(Proof of Concept:概念実証)を含めた提案活動等を強化し、新規案件を受注するなど当該分野のビジネス拡大を行った。
特に、2019年3月期はアジャイル開発技術者の育成に注力し、アジャイル関係の資格を約20名が取得するなど、当該技術者を50名規模にまで拡大した。
この結果、売上高26,590百万円(前期比11.0%増、計画比6.4%増)、営業利益2,157百万円(前期比16.5%増、計画比7.9%増)、経常利益2,248百万円(前期比17.9%増、計画比10.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,469百万円(前期比17.7%増、計画比10.5%増)となった。
3. 今後の見通し
2020年3月期は、2019年4月から2022年3月における中期経営ビジョン「次世代型システムインテグレーターを目指す」に基づき、本格的なデジタルトランスフォーメーションの到来に向けての準備を行う。顧客の潜在ニーズに対応した次世代型のシステムインテグレーション事業へと進化するため高付加価値サービスを追求するとともに、これまでの慣習にとらわれず新たなビジネスプロセスを整備する。このように増収増益を維持しつつ中期経営計画に向けた投資施策に力点を置き、継続的な売上高・利益の向上に努めていく。2020年3月期の業績は売上高27,000百万円(前期比1.5%増)、営業利益2,200百万円(前期比2.0%増)、経常利益2,250百万円(前期比0.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,490百万円(前期比1.4%増)を見込んでいる。
同社は2020年3月期からの中期経営ビジョンにて、本格的なデジタルトランスフォーメーションの到来に向けた準備を行う。主要な戦略としては、「高付加価値SIサービスの追求」「SIモデル変革の推進」に取り組む予定である。これらの取り組みにより継続的な成長を実現し、2022年3月期には連結売上高300億円、営業利益27億円(営業利益率9.0%)を目指す。
このように、同社は収益基盤である金融関連ソフトの開発事業などで得た利益により、DX(Digital Transformation/デジタル変革)のビジネス機会を捉えるための投資を積極的に行い、案件化にこぎつけるなど、適切な経営戦略策定力と実行力が備わっていることが伺える。企業のIT投資需要が一段と高まる中、顧客からの高い信頼により引き合いも多く、中長期的な成長余地は大きいと考える。
■Key Points
・業歴約60年、金融業界向けアプリ開発という安定収益基盤を持つ独立系システムインテグレータ
・2019年3月期は各事業分野の成長戦略が計画通りに推移し増収増益
・事業の高付加価値化、SIモデルの変革に取り組み次世代型のシステムインテグレータへ進化する
(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山崇行)
<SF>
この銘柄の最新ニュース
オプトエレのニュース一覧- 今週の決算発表予定 Jフロント、しまむら、高島屋など (12月23日~27日) 2024/12/22
- 来週の決算発表予定 Jフロント、しまむら、高島屋など (12月23日~27日) 2024/12/20
- 決算マイナス・インパクト銘柄 【東証スタンダード・グロース】 … インテG、放電精密、YEデジタル (9月27日~10月3日発表分) 2024/10/05
- 決算プラス・インパクト銘柄・引け後 … DCM、銚子丸、パレモ・HD (9月27日発表分) 2024/09/30
- 個別銘柄戦略:日精線やエステーなどに注目 2024/09/30
マーケットニュース
おすすめ条件でスクリーニングされた銘柄を見る
オプトエレクトロニクスの取引履歴を振り返りませんか?
オプトエレクトロニクスの株を取引したことがありますか?みんかぶアセットプランナーに取引口座を連携すると売買履歴をチャート上にプロットし、自分の取引を視覚的に確認することができます。
アセットプランナーの取引履歴機能とは※アセプラを初めてご利用の場合は会員登録からお手続き下さい。