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コンヴァノ、前年比増収、営業黒字化を達成、人流の回復と顧客単価向上の施策等が寄与、戦略的投資を加速
エグゼクティブサマリ
上四元絢氏:みなさま、こんにちは。代表取締役社長の上四元絢です。本日は株式会社コンヴァノ2024年3月期第3四半期の決算説明会をご覧いただき、誠にありがとうございます。
さっそく、決算概要についてご説明します。こちらは全体のサマリです。
当第3四半期連結累計期間における当社グループの業績は、売上収益は19億7,800万円、前年同期比15.9パーセント増となりました。営業利益は9,700万円、前年同期比は営業損失5,000万円でした。当期利益は5,600万円です。また、当社グループが経営上重要な指標としているEBITDAは2億9,300万円で、前年同期比123.6パーセント増となりました。
この累計期間においては、人流の回復に加えて顧客単価向上などの施策を継続しました。また、マーケティング集客などの各戦略が功を奏し、その効果もあって前年同期比で増収を実現しています。
利益についても予算より超過しているものの、第4四半期以降では先日発表した第2次中期経営計画の達成に向け、戦略的な人材投資をさらに加速させる見込みです。それに伴い費用が先行することを想定し、すでにお示ししている通期の予想自体の変更は決断していません。私としては、中期経営計画を前倒しで達成すべく順調に進捗していると認識しています。
前向きなトピックスとしては、来店客数が非常に伸びています。先にもお伝えしたように、顧客単価が順調に推移しています。また、戦略を推進するための経営体制を強化しており、新たな経営メンバーとともに、企業価値向上に向けてより機動的で実行力のある組織体制を構築しています。
そして、採用投資により、採用のペースおよび教育の拡大を実行しています。足元では入社予定数が大幅に増える見込みです。課題としては、上期に採用の投資を実行しきれなかったことによるネイリストの採用進捗の遅れが挙げられます。その遅れにより、現段階ではまだ機会損失が発生していると認識しています。また、一部店舗の老朽化に伴う改修費用も発生しています。
会社概要
会社概要は、記載のとおりです。
経営体制
役員体制についても、記載のとおりです。
Creation Of New Value And New Opportunities
当社は現在ネイルサロン事業をメインに運営しています。当社の経営理念は、「新しい価値の創造と機会の拡大」です。
これまでネイルサービスは一般的に高価格で時間がかかることから、限られた人の贅沢と考えられてきました。しかし、当社の企業理念に基づき、従来の様式や既成概念にとらわれず、課題にチャレンジし続けることで、「手軽」「リーズナブル」「安定品質」を実現し、業界唯一のトップポジションをこれまで確立してきました。
今後もネイル業界全体の発展により貢献するためにも、さらなるブランド認知の促進を図ります。そして、より多くの方にジェルネイルを体験していただくべく、新規ユーザーの獲得並びに雇用機会の創出に、引き続き取り組んでいきたいと思っています。
ネイルサロンブランド「FAST NAIL」
事業概要として、当社グループは「FAST NAIL」を中心としたネイル事業およびメディア事業を展開しています。中核事業であるネイル事業においては、「FAST NAIL」を中心とした3つのネイルサロンを全国にチェーン展開しています。
メディア事業については、各ネイル店舗において、施術する顧客の目線の先に大型液晶モニタ「ファストネイルビジョン」を設置し、商品広告や手渡しサンプリングの実施、企業の販促やマーケティング活動を支援する広告事業も展開しています。
ネイルサロンの特徴と強み
当社の特徴と強みは大きく3つあります。まず1つ目が高効率のオペレーションです。他社では入店から退店まで1人のネイリストが1人のお客さまに掛かり切りになることが一般的な中、当社では、店内で司令塔と呼ばれるポジションのコンサルタントと、施術を担当するネイリストを完全分業制にすることにより、高い生産性を実現しています。従来、施術時間は90分から120分必要であったものの、当社では基本的に60分で提供しています。
2つ目が自社メディアを中心とした高い顧客獲得力です。当社は「ファストネイルタウン」という自社の予約システムを使って集客しており、8割以上が自社経由での呼び込みとなっています。
3つ目が独自の社員教育制度です。他社では美容専門学校の卒業生や他のサロンで働いていた経験者を採用することが多い中、当社では独自の社員教育制度を実施・整備することで未経験者も採用しています。短期集中の育成プログラムと実務経験を積めるOJTを連携させていることが特徴です。
PLサマリ(IFRS)
決算概要と業績予想についてご説明します。冒頭にもお伝えしましたが、当第3四半期までの累計で売上収益が伸びています。売上収益が約19億円、売上総利益が約7億円、営業利益が9,700万円と、売上収益が前年同期比15.9パーセント増の成長となっています。
売上原価には人件費や店舗運営のための賃料等も含まれているため、こちらもに記載のとおり、増えています。
営業利益増減分析(IFRS)
こちらのグラフは、第3四半期までの累計営業利益について、昨対比の変動要因を分析したものです。季節需要の向上もあり、おかげさまで本当にたくさんのお客さまにご来店いただきました。そのような人流の回復に加え、先ほどお伝えした顧客単価の向上施策に注力してきたため、売上収益が順調に推移しています。
一方、上期の人材採用の遅れにより、適正水準の店舗運営体制の構築が十分にできておらず、そのための投資等がまだまだ実行しきれていません。そのことから費用自体が圧縮され、結果として足元の利益が増加しているものと認識しています。
売上収益・営業利益の四半期推移(IFRS)
こちらのグラフは、2023年3月期第1四半期から2024年3月期第3四半期までの四半期ごとの推移を示しています。当第3四半期単体での売上収益は、前年同期比7.4パーセント増と回復し、順調に成長しています。
第2四半期比では4.9パーセント減となっていますが、夏季はフットネイルの需要やイベントに合わせて顧客単価等が向上する傾向があり、業界的に第2四半期は繁忙期となります。一方で、秋以降は需要が落ち着くことから、この減少分も想定内であると考えています。
営業利益については、先ほどお伝えしたとおり、第2次中期経営計画の達成に向けて、採用と教育の投資を加速させている結果、200万円増の着地となりました。
来店客数と客単価推移
来店客数と客単価の推移です。棒グラフの緑色がリピーター、青色が新規顧客を示しています。当第3四半期の来店客数は13.8万人と、前年同期比7.8パーセント増となりました。おかげさまでたくさんのお客さまにご愛顧いただいています。
一方、新規顧客数が減少傾向です。これは集客の課題というよりは、ネイリストの不足により、予約枠数が最適化できず、機会損失が発生したことが要因だと認識しています。リピーター顧客は増えていますが、新規のお客さまを迎える予約枠が確保できていない状況のため、ネイリストの採用を強化し、予約枠の適正化を進めていきたいと考えています。
折れ線グラフは客単価の推移です。先ほどもご説明しましたが、夏季は需要が高まり、顧客単価も増加する傾向にあるため、今の結果は概ね想定どおりです。今後は中価格帯のサービスへシフトする施策として、商品ラインナップにトレンド性などを取り入れ、サービスの品質向上を推進していきます。
BSサマリ(IFRS)
BSサマリです。BSについては前年同期比で大きな変動はありません。2024年2月7日に第三者割当増資による資金調達を実施しましたが、その貸借対照表への影響については後ほどご説明します。
資産の部について、流動資産は営業債権等が3,400万円増加したことにより前年同期比2,900万円増となっています。非流動資産は有形固定資産が1,100万円、使用権資産が2,800万円増加したことなどにより前年同期比3,300万円増となっています。その結果、資産合計は前年同期比6,300万円増の25億9,800万円となりました。
負債の部について、流動負債は未払い法人所得税が3,000万円増加したことや、短期借入金が2億5,000万円減少したことなどにより、前年同期比1億9,200万円減となっています。非流動負債は長期借入金が1億7,100万円増加したことや、リース負債が1,700万円増加したことなどにより前年同期比1億9,400万円増となっています。その結果、負債合計は前年同期比200万円増の17億2,200万円となりました。
資本の合計は、四半期利益の計上などにより前年同期比6,100万円増の8億7,700万円となっています。
キャッシュ・フロー(IFRS)
キャッシュ・フロー計算書です。期末残高は前年同期比5,400万円増の4億100万円となりました。
営業キャッシュ・フローの増加は、先ほどと同様の季節需要や人流の回復傾向による売上収益の増加が主な要因です。また、それに伴い税引前利益が8,800万円となったことなども影響しています。
投資キャッシュ・フローの減少は、主に新規店舗が3店舗増えたことによる敷金・保証金の支出および固定資産の取得に関わる支出が要因です。財務キャッシュ・フローの減少は、前年同期のような新規の借入が生じていないこと、並びに長期借入金の返済による支出が要因です。
2024年3月期業績見通し(IFRS)
2024年3月期の業績見通しです。結果としては増収、黒字化を達成しており、売上収益自体も計画どおりに推移しています。また、営業利益も第3四半期までは超過傾向です。
ただし、第4四半期以降で第2次中期経営計画の達成のために、主に採用・教育あるいはデジタル化に伴うITに積極的な戦略投資を行う見込みであることから、通期予想は修正しません。計画を前倒しするための新たなチャレンジの年としたいと思っています。
2027/3期 第2次中期経営計画 選択と集中
2023年11月24日に発表した第2次中期経営計画の抜粋をご説明します。この第2次中期経営計画は、「選択と集中」をモットーに進めていきます。2027年3月期までを事業再構築フェーズと宣言して、将来の成長に向けた積極的な投資を優先させます。
向こう10年に飛躍的で持続的な成長を実現するための投資循環モデルを確立するとともに、既存店舗の収益性の向上に集中して、事業の基盤を整えていきたいと思っています。そのため、人材・情報・財務の基盤を整え、まずは事業を再構築させながら進んでいきます。
2027/3期 第2次中期経営計画 財務目標(IFRS)
中期的には2027年3月期に売上高56億円規模の成長を狙っています。ただし、先行投資が進むため、足元の営業利益およびフリー・キャッシュ・フローはマイナスとなる想定です。
2024/3期における経営改善の取り組み サマリー
2024年3月期における経営改善の取り組みテーマと中期経営計画の策定についてです。
1 経営体制の刷新
1つ目は経営体制の刷新です。取締役および執行役員のスキルマトリックスを示しています。
今期は事業戦略や経営企画および会計・ファイナンス、法務・ガバナンス、IT、マーケティングなどの専門的なスキルや経験、マインドセットを持った優秀な人材の積極的な登用を実行しました。これまで弱かった領域に対する人材登用が概ね完了したと認識しており、バランスの良い経営体制となってきましたが、引き続き優秀な人材の積極的な登用を進めていこうと考えています。
2 ネイリスト採用の強化・店舗の稼働率向上
2つ目はネイリストの採用強化および店舗の稼働率向上です。店舗の稼働率向上に向けては、これまでも課題としてきたネイリスト数の不足を改善しようと、採用を積極的に進めています。足元でもエントリー数並びに入社数が大幅に増加しています。
しかし、入社数の増大に伴う人材のばらつきなどの副作用も起きていることから、しっかり改善・対策を取っていきたい考えです。引き続き、母集団の形成や採用プロセスの見直しおよび採用基準の明確化、教育体制などのブラッシュアップを進めていきます。
3 人材教育の変革
3つ目は人材教育の変革です。採用の強化と並行して、2024年2月に新たに研修施設を開設しました。これにより、一度に引き受けられる採用数のキャパシティが20名から50名までに拡大しました。
このように大規模な採用・教育を実行できる体制を整えつつあることから、今後も教育体制および研修プログラムのブラッシュアップを進めていきたいと考えています。質の高い人員をより迅速に店舗へ輩出できるように取り組みを進めていきます。
4 FASTNAILブランド戦略の再構築
4つ目は、「FAST NAIL」ブランド戦略の再構築です。中期経営計画でもお示したとおり、市場環境の変化へ対応していく中で、当社はこれまで戦ってきた低価格市場から中価格帯市場へのシフトを想定しています。これにより顧客単価は6,000円から7,000円のポジションを目指しています。当社の強みであるスピードや接客面での品質はさらなる向上に努め、お客さまに付加価値をもっと提供することにより価格帯の変動を狙っていきます。
また、ブランドコンセプトの見直しも順次進めていきます。直近の課題は、ブランド理念の浸透に伴うフラグシップ店の構築並びに成功体験等を他店舗へ展開していけるような体制の整備です。こちらも順次、取り組みを進めていきます。
5 財務体質の改善・経営合理化
5つ目は、財務体質の改善並びに経営の合理化です。2024年2月7日の臨時株主総会にて決議し、約10億円の第三者割当増資を実施しました。当該資金は資金使途に示したとおり、財務健全性向上および成長のための資金として活用予定です。
2024年3月期末時点での貸借対照表では、当座比率やネットデッドの状況等も大幅に改善すると見込んでいます。これからも財務健全性を維持しながら、積極的な投資を進めていきたいと考えています。取り組みについては以上です。
6 中期経営計画の策定
最後に、昨年11月24日に第2次中期経営計画を発表しました。コーポレートサイトへのリンクとQRコードを記載していますので、お時間があればご一読ください。
これからも株主、投資家のみなさまとお客さまの期待に沿えるよう誠心誠意努めていきたいと思います。引き続きご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
以上で決算説明を終了します。本日は誠にありがとうございました。
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