＜私の相場観＞＝証券ジャパン・調査情報部長 大谷 正之氏

　今後１カ月程度の株式相場を展望した場合、臨時国会開催、９月中間決算の発表が焦点。政策期待と、企業業績の上方修正を織り込み、日経平均株価は徐々に下値を切り上げる展開となりそうだ。

　懸念要因としては、ウクライナ、中東などでの地政学リスク、欧州景気の停滞、スコットランドが英国からの独立の是非を問う住民投票などが想定されるが、これらを乗り越えて、昨年末高値の１万６３００円水準を目指す推移となりそうだ。

　外国為替市場で急速な円安・ドル高が進行し、自動車など輸出関連企業の業績上方修正期待が高まっている。さらに、積極的なＭ＆Ａ（企業の合併・買収）により、海外資産が拡大した企業にとって、海外保有資産の含みが増大することになる。

　個別銘柄では、パワー半導体などパワエレ機器を始め、発電・産業プラント向け設備も好調な富士電機<6504.T>。海外で光ファイバー需要が伸び、スマホ向けなどにフレキシブルプリント基板が回復しているフジクラ<5803.T>、産業用ロボット向け精密減速装置を増産するハーモニック・ドライブ・システムズ<6324.T>にも注目。


出所：株経通信（株式会社みんかぶ）