ダイコク電機のニュース
ダイコク電機、2期連続で増収増益達成 情報システム事業が過去最高売上を記録、スマート遊技機普及は継続
上期の市場環境
大成俊文氏:管理統括部長の大成です。本日はお忙しい中、当社決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。これより、2025年3月期中間期の決算についてご説明します。
まずは上期の市場環境についてご説明します。パチンコ業界においては、7月の新紙幣発行によりカードユニットや精算機等の設備での改刷対応が、多くのパチンコホールにて行われました。
当社のデータで申しますと、当社製品を導入した店舗のうち約95.5パーセントが改刷対応を実施しました。これは想定より高い数字となっています。
スマート遊技機についてですが、スマートパチスロは9月末時点でパチスロ全体に対する設置割合が46.6パーセント、台数でいうとおよそ62万台と、順調に設置割合を伸ばしています。
スマートパチンコにおいては、しばらく5パーセント付近で停滞していた設置割合が8.7パーセント、台数でいうとおよそ18万台まで伸びました。特に、7月から9月では3.7パーセント増加し、これはスマートパチンコが登場してから四半期ベースで最大の増加率となっています。
遊技機の稼動状況ですが、全体で前年同期比プラス4.2パーセントと好調に推移しています。種別でいいますと、パチスロは前年同期比プラス7.6パーセントと引き続き順調です。中でもスマートパチスロの稼動が好調で、パチスロ増台のための改装工事も活発化しています。
パチンコは前年同期比1.4パーセントと久しぶりに前年同期を上回りました。スマートパチンコにおいては遊技性能が向上した新機種の導入も始まり、スマートパチンコに対する期待は高まっています。
このような状況からも、スマート遊技機は今後もファンの支持を得ながら、順調に設置割合を増やしていくと見込んでいます。
連結損益計算書
2025年3月期中間期の実績です。連結損益計算書(PL)に沿ってご説明します。
連結業績ですが、業績を大きく伸ばした前年同期を上回り、中間期として過去最高の収益を達成しました。
売上は、前年同期比18.2パーセント増の344億6,600万円、営業利益は、前年同期比15.0パーセント増の90億8,600万円でした。
経常利益は、前年同期比15.1パーセント増の91億3,500万円、親会社株主に帰属する中間純利益は、前年同期比12.9パーセント増の62億1,000万円となっています。
好業績の要因は、引き続き好調なスマート遊技機導入に伴う製品販売が好調に推移していることに加え、7月の改刷対応に伴う設備投資需要によるものです。
売上高 増減要因
売上高の増減要因についてご説明します。
情報システム事業ですが、「パチンコホール向け製品等」の売上は、カードユニット「VEGASIA(ベガシア)」の販売が引き続き好調に推移したことや、新紙幣流通に伴うカードユニットの改刷対応、情報公開端末の新製品「REVOLA Ⅱ(レボラツー)」や「DUALINA(デュアリナ)」の販売台数が好調に推移したことにより、前年同期を大幅に上回りました。
「サービス」の売上は、主要なサービスが堅調に推移し、スマート遊技機登場による市場変化への対応に関連した「MIRAIGATE(ミライゲート)サービス」の加盟店舗数が増加したこともあり、前年同期を上回りました。
この結果、情報システム事業の売上は、前年同期比19.2パーセント増の325億2,900万円と 過去最高売上の大幅な増収となりました。
売上高 増減要因
アミューズメント事業ですが、市場にてスマートパチンコの導入が進んでいることにより、パチンコ向け制御ユニットの販売が前年同期を上回りました。
この結果、当事業の売上高は、前年同期比2.5パーセント減の18億4,200万円となりました。
また、当中間連結会計期間より、今年8月に新規設立した株式会社箱根ガラスの森リゾートと、株式取得により、西本産業株式会社及び株式会社LILIUMを連結の範囲に含めたことに伴い、報告セグメントに含まれない事業セグメント「その他」を新たに追加しています。
営業利益 増減要因
営業利益の増減要因についてご説明します。
情報システム事業については、スマート遊技機導入に伴う活発な設備投資需要により、関連製品の販売台数が好調に推移したことに加え、新紙幣流通による改刷対応の需要増に伴い、前年同期比15.1パーセント増の103億2,000万円と、中間期として過去最高益となりました。
アミューズメント事業については、事業の見直し及び取捨選択により利益改善し、前年同期比1億300万円増のマイナス200万円となりました。
連結貸借対照表
連結貸借対照表(BS)についてご説明します。
総資産は、業績が好調に推移したこともあり、棚卸資産が減少していますが、営業債権及び現預金が増加しています。また、当中間連結会計期間に株式譲渡契約を締結し、子会社を増やしたことに伴い、のれんを計上したことで固定資産が増加しています。
この結果、総資産は前連結会計年度末比38億2,300万円増の631億500万円となりました。
負債については、営業債務の決済による減少等により、前連結会計年度末比9億5,300万円減の176億800万円となりました。
純資産については、配当の支払などがありましたが、親会社株主に帰属する中間純利益の計上により、前連結会計年度末比47億7,600万円増の454億9,700万円となりました。
これらの結果、自己資本比率は72.1パーセントとなりました。
キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書(CF)についてご説明します。
営業キャッシュフローは、54億8,200万円のプラスとなりました。主な要因として、支出として売上債権の増加や、仕入債務の減少などがありましたが、収入として税金等調整前中間純利益90億8,200万円、棚卸資産の減少15億6,000万円などがあったことによります。
また、投資キャッシュフローは、連結範囲の変更に伴う子会社株式の取得による支出があったことにより、マイナス24億6,600万円となっています。
財務キャッシュフローは、増配を行った配当金の支払い等により、マイナス14億8,200万円となっています。
現金および現金同等物は、219億6,700万円となり、前連結会計年度末比15億3,300万円の増加となりました。
以上、2025年3月期中間期の実績についてご説明しました。
下期の市場環境
栢森雅勝氏:代表取締役社長の栢森です。これより、今後の見通しについてご説明します。
まず、下期の市場環境ですが、稼動が好調な機種も多いスマートパチスロについては、下期も順調に普及が進むと考えています。
一方、スマートパチンコについては、稼動の良い機種も出始めていますので、今後の普及に期待しているところです。
また、パチンコホールについては、パチンコからパチスロへの入替や、パチスロを増台する工事が依然活発化しており、設備投資需要は引き続き堅調に推移するものと予測しています。
中期経営計画の進捗
このような環境における当社の取り組みについてご説明します。
中期経営計画の最終年度となる今期、情報システム事業については、AIやビッグデータなど、最新技術を活用したネットワークサービスをスピーディーに提供できるよう、クラウド開発を強化しています。
それにより、利益率の高いストック型ビジネスである、当社の「MIRAIGATEサービス」を拡大し、安定した収益の増加を目指しています。
さらにその先には、競争力の源を販売し、全国に広げていき、マーケットそのものを作り出すことで、パチンコ業界のDXリーダーとなることを目指しています。
アミューズメント事業については、中期経営計画として、パチンコホールの稼動や集客に貢献し、ファンに支持されるスマートパチスロを開発・製造・販売できるパチスロメーカーを目指しています。
現在、グループ会社であるDAXEL、アロフト、ライリィと連携し、企画開発力の強化に向けた体制を構築しながら、積極的な投資を行っています。
更なる企業価値の向上
さらなる企業価値の向上を目指した事業領域の拡大にも取り組んでいます。
2024年8月に、システム会社であるStaddを子会社化しています。10月には抹茶カフェ「nana’s green tea」を展開する株式会社七葉の第三者割当増資引受を実施しています。11月には「箱根ガラスの森美術館」を運営する株式会社うかいの固定資産を取得しています。
M&Aなどを通じた事業領域の拡大により、企業価値の向上と持続的な成長を目指します。
社内DX、働き方改革
中期経営計画では、社内DXや働き方改革にも取り組んでいます。
社内DXについては、RPAの利用やペーパーレス、キャッシュレスなどを積極的に推進することで、より快適で多様な働き方を実現していきます。
また、テレワーク環境整備やフレックス勤務を通じて、業務効率と社員のエンゲージメントの向上を目的とした、働き方改革を推進しています。
さらに、ネットワーク時代の働き方に適した、新しいオフィスの形を目指した次世代型のオフィスへと本社ビルを改装しています。
今後は、このような社内DXや働き方改革についても、積極的な投資を行っていきます。
2025年3月期 連結業績予想
中期経営計画最終年度となる、今期の通期業績予想についてご説明します。
売上高は、前年同期比2.1パーセント増の550億円、営業利益は、前年同期比3.3パーセント増の124億円の予想です。
経常利益は、前年同期比3.3パーセント増の125億円、当期純利益は、前年同期比0.4パーセント増の85億円の予想です。
以上、過去最高益となった昨年度を超える業績を見込んでいます。
研究開発費、設備投資については、前年同様、積極的に投資を継続しています。
2025年3月期 セグメント別業績予想
セグメント別の通期業績予想です。
情報システム事業については、スマート遊技機の普及に伴う当社設備の販売台数増加や改刷対応により、過去最高の収益となった前年同期と同等の売上・利益を見込んでいます。
アミューズメント事業については、スマートパチスロの販売により、増収増益を見込んでいます。
配当
配当についてご説明します。
当社は、安定配当をベースに、業績に応じた利益還元を実施していますが、足元の業績が非常に好調ですので、2025年3月期については、中間40円、期末80円、合計120円を予定しています。
サステナビリティ(SDGs)
最後に、サステナビリティ、SDGsへの取り組みについてご説明します。
当社は、東証プライム企業の一員として、コーポレートガバナンスコードが定めるサステナビリティに関し、基本方針やマテリアリティを定め、具体的な取り組みを推進しています。
特に、経営理念にある「イノベーションによる新しい価値づくり」に沿った「小学生向けプログラミング教室」や、SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」に沿った、ノイズキャンセリングイヤホン「Wellph(ウェルフ)」は、ステークホルダーのみなさまに大変好評いただいています。
今後は、「会社ゴトから自分ゴトへ」を合言葉に、社員一人ひとりがサステナビリティやSDGsを「自分ゴト」として捉えることができるよう取り組んでいきます。
以上、私からの発表となります。本日はご清聴、誠にありがとうございました。
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