フロイント産業のニュース
~医薬品製剤用機械で世界の先端を走り、高採算の医薬品添加剤も拡大~
【ポイント】
・今2025年2月期から、新中期計画をスタートさせた。長期ビジョンでは、1)製剤機械でエリアカバレッジを拡げ、グローバルTOP3を確固たるものにする、2)医薬品添加剤を主力とする化成品で、日本No.1のスペシャリティカンパニーを目指す。グローバル5極体制を活かして、ワンフロイントを超えて進化を続けるという意味を込めて、「ONE FREUND & BEYOND」と名付けた。
・中期3カ年計画では、2027年2月期に売上高250億円、営業利益16億円、ROE 7.0%を目指す。固めの計画であるが、計画の内容は充実しつつある。フロイントUS、フロイントイタリアを活かして、新興国の市場開拓が深掘りできよう。医薬品添加剤の新工場建設もスタートする。30億円を超える大型投資となるが、これは次の中計に本格寄与してこよう。新製品の開発も進んでいる。
・今期は減益計画を組んでいるが、これは前期の4Qに想定以上に納入が進んだことや、基幹システムの稼働が今期にずれ込んだことで、一時的なコストアップが負担となる。受注は好調なので、来期からは増益に転換しよう。3ヵ年計画の達成も射程にある。
・国内の製剤機械の受注は極めて好調である。製薬企業の新規投資に加えて、品質の向上や省人化に向けた更新投資も必要になっているからである。当社にとって受注増は一時的なものではなく、高水準の受注はしばらく続く見通しであり、新製品のニーズも広がっている。
・今期は創立60周年の記念配5年を含めて、配当は25円となろう。新工場建設のファイナンスについては、内部資金でほぼ賄うことができよう。この3ヵ年は経営基盤の強化に向けて、投資が先行することになる。一方で、需要は旺盛なので、今後の成長余地は大きい。
・次の10年では、売上高400億円、営業利益32億円、ROE 10%以上を目標に掲げているが、それに向けた布石は着実に打たれている。経常利益20億円が見えてくれば、PBRも1.2倍を超えてこよう。そのポテンシャルに注目したい。
目次
1.特色 医薬品用製剤機械の独自開発で発展
2.強み 日本では圧倒的No.1、グローバルな拠点も強化
3.中期経営計画 M&Aや合弁の展開で海外市場の拡大が進展
4.当面の業績 好調な受注増の成果は来期から本格貢献
5.企業評価 新市場の開拓に期待
企業レーティング | B |
---|---|
株価 (2024年5月9日) |
813円 |
時価総額 | 150億円 (18.4百万株) |
PBR | 0.91倍 |
ROE | 5.1% |
PER | 17.8倍 |
配当利回り | 3.1% |
総資産 | 25789百万円 |
純資産 | 15023百万円 |
自己資本比率 | 58.3% |
BPS | 889.0円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2016.2 | 19027 | 1346 | 1394 | 961 | 55.7 | 12.5 |
2017.2 | 21164 | 2041 | 2097 | 1064 | 61.7 | 20.0 |
2018.2 | 19801 | 1971 | 1994 | 1477 | 85.7 | 20.0 |
2019.2 | 18408 | 1223 | 1326 | 843 | 50.2 | 20.0 |
2020.2 | 16772 | 558 | 582 | 381 | 22.8 | 20.0 |
2021.2 | 16765 | 1111 | 1308 | 970 | 58.0 | 20.0 |
2022.2 | 17632 | 981 | 1032 | 543 | 32.5 | 20.0 |
2023.2 | 19658 | 451 | 559 | -538 | -32.2 | 20.0 |
2024.2 | 22903 | 1270 | 1285 | 764 | 45.5 | 20.0 |
2025.2(予) | 23500 | 1100 | 1100 | 770 | 45.8 | 25.0 |
2026.2(予) | 24500 | 1400 | 1400 | 970 | 57.4 | 20.0 |
(2024.2ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは2024.2期予想ベース。2016年2月に1:2の株式分割を実施。EPS、配当は修正ベース。2015.2期の配当は50周年記念配2.5円(修正ベース)、2017.2期の配当は上場20周年記念配5.0円を含む。2025.2期は創業60周年記念配5.0円を予定。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/furoinntosanngyou202405.pdf
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