449円
アクアラインのニュース
■要約
1. 会社概要
アクアライン<6173>は1994年に広島で創業した、水まわり緊急修理サービスを中心とする会社である。生活に欠かすことのできない「水」をテーマに、住環境の充実、生活の質の向上に貢献し、ステークホルダー(消費者、従業員、取引先、株主・投資家、社会)にとっての「FIRST BEST」であることを目指している。水まわり緊急修理業界は家屋の築年数経過などを背景に成長しており、同社は全国展開大手3社の一角を占める。“修理業からサービス業へ”、“職人のIT武装(生産性)”という独自のビジネスモデルのもと、既存の水道工事業者に対して様々な差別化を行い、サービスレベルを高めた。
2. 業績動向
2021年2月期は、売上高が前期比0.3%増の6,025百万円、営業損失が446百万円(前期は17百万円の損失)、経常損失が440百万円(同18百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が645百万円(同34百万円の損失)と増収及び損失悪化の決算となった。売上高に関しては、ミネラルウォーター事業の減収が大きかったものの(同270百万円減)、水まわり緊急修理サービス事業の増収(同142百万円増)と広告メディア事業の新規計上(151百万円)により微増となった。営業利益が大幅に減少したのは、販売費及び一般管理費(以下、販管費)が同414百万円増加した影響が大きい。具体的には、(株)EPARKレスキューのM&Aに伴うのれん償却額(182百万円増)、タウンページ中心からネット集客にシフトするなかで販売手数料及び広告宣伝費の増加(計145百万円増)、下期に中途採用者が増加したなかでの採用・教育費用などが減益要因となった。主力の水まわり緊急修理サービス事業における新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響は、一回目の緊急事態宣言が解除されてからは低減し、それ以降の入電件数は前年比でプラスが続いている。弊社では、いずれの減益要因も積極的な投資が背景にあり、一過性の面が大きく、2022年2月期に向けて好影響を及ぼすものと考えている。
2022年2月期は、売上高が前期比22.7%増の7,392百万円、営業利益が170百万円(前期は446百万円の損失)、経常利益が157百万円(同440百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が174百万円(同645百万円の損失)と大幅増収と各利益の黒字化を予想する。主力の水まわり緊急修理サービス事業では、売上高で20%前後の成長を予想する。コロナ禍の影響がさらに低減するのに加え、2021年2月期に採用した従業員が戦力化し単価向上・生産性向上が見込めるとしている。また、2021年2月期に開始したサブスクリプションサービスによる収益安定化も期待できる。セグメント利益では170百万円前後の黒字に回復する予想だ。広告メディア事業は、売上高で350百万円前後(前期は151百万円)、セグメント利益では損失が大幅に減る見込みである。ミネラルウォーター事業に関しては、備蓄用保存水を各省庁・防災商社に営業強化するのに加え、法人向けの販売を拡大し、2020年2月期の業績(売上高852百万円、セグメント利益43百万円)を目指す。
同社の事業構成上、売上高の90%弱を占める水まわり緊急修理サービス事業の業績が全社業績を左右する。2021年2月期までに人材の採用と教育への投資、ネットによる集客機能を自社傘下に取り込む投資など先行投資を行ってきた。水まわり緊急修理サービス事業のセグメント利益の過去の実績では349百万円(2018年2月期)という期もあり、2022年2月期の予想はその半分程度である。以上の点から、弊社では業績のV字回復が十分可能であると考えている。
3. 中長期戦略
水回り緊急修理サービス事業においては、住宅老朽化とともに、水まわりのトラブルを含む住宅の不具合やそれに伴う修理・取り替えニーズは増える傾向にある。直近ではコロナ禍の影響が短期的にあったものの、2020年6月以降はコロナ禍以前の水準に回復した。同社としては、1)2020年開始のサブスクリプションサービスによる収益安定性の向上、2)水道屋本舗インターネットサイトの改善、3)業務提携先との関係強化、4)現場サービススタッフ教育体制の強化による生産性及び効率性の向上に取り組む。
■Key Points
・水まわり緊急修理サービス業界トップ3に躍進 。修理業からサービス業へ再定義し、職人をIT武装する独自のビジネスモデルに注目
・2021年2月期は増収ながら損失悪化。M&Aのれん代、水まわり緊急修理サービスでの販売手数料増、中途採用増が主要因であり一過性の面が大きい
・2022年2月期は、売上高73億円(前期比22.7%増)、各利益はV字回復(黒字化)予想
・水まわり緊急修理サービス事業でのサブスクリプションサービス育成や自社HP改善、広告メディア事業の本格展開などネット集客への取り組みを強化
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<AS>
1. 会社概要
アクアライン<6173>は1994年に広島で創業した、水まわり緊急修理サービスを中心とする会社である。生活に欠かすことのできない「水」をテーマに、住環境の充実、生活の質の向上に貢献し、ステークホルダー(消費者、従業員、取引先、株主・投資家、社会)にとっての「FIRST BEST」であることを目指している。水まわり緊急修理業界は家屋の築年数経過などを背景に成長しており、同社は全国展開大手3社の一角を占める。“修理業からサービス業へ”、“職人のIT武装(生産性)”という独自のビジネスモデルのもと、既存の水道工事業者に対して様々な差別化を行い、サービスレベルを高めた。
2. 業績動向
2021年2月期は、売上高が前期比0.3%増の6,025百万円、営業損失が446百万円(前期は17百万円の損失)、経常損失が440百万円(同18百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が645百万円(同34百万円の損失)と増収及び損失悪化の決算となった。売上高に関しては、ミネラルウォーター事業の減収が大きかったものの(同270百万円減)、水まわり緊急修理サービス事業の増収(同142百万円増)と広告メディア事業の新規計上(151百万円)により微増となった。営業利益が大幅に減少したのは、販売費及び一般管理費(以下、販管費)が同414百万円増加した影響が大きい。具体的には、(株)EPARKレスキューのM&Aに伴うのれん償却額(182百万円増)、タウンページ中心からネット集客にシフトするなかで販売手数料及び広告宣伝費の増加(計145百万円増)、下期に中途採用者が増加したなかでの採用・教育費用などが減益要因となった。主力の水まわり緊急修理サービス事業における新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響は、一回目の緊急事態宣言が解除されてからは低減し、それ以降の入電件数は前年比でプラスが続いている。弊社では、いずれの減益要因も積極的な投資が背景にあり、一過性の面が大きく、2022年2月期に向けて好影響を及ぼすものと考えている。
2022年2月期は、売上高が前期比22.7%増の7,392百万円、営業利益が170百万円(前期は446百万円の損失)、経常利益が157百万円(同440百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が174百万円(同645百万円の損失)と大幅増収と各利益の黒字化を予想する。主力の水まわり緊急修理サービス事業では、売上高で20%前後の成長を予想する。コロナ禍の影響がさらに低減するのに加え、2021年2月期に採用した従業員が戦力化し単価向上・生産性向上が見込めるとしている。また、2021年2月期に開始したサブスクリプションサービスによる収益安定化も期待できる。セグメント利益では170百万円前後の黒字に回復する予想だ。広告メディア事業は、売上高で350百万円前後(前期は151百万円)、セグメント利益では損失が大幅に減る見込みである。ミネラルウォーター事業に関しては、備蓄用保存水を各省庁・防災商社に営業強化するのに加え、法人向けの販売を拡大し、2020年2月期の業績(売上高852百万円、セグメント利益43百万円)を目指す。
同社の事業構成上、売上高の90%弱を占める水まわり緊急修理サービス事業の業績が全社業績を左右する。2021年2月期までに人材の採用と教育への投資、ネットによる集客機能を自社傘下に取り込む投資など先行投資を行ってきた。水まわり緊急修理サービス事業のセグメント利益の過去の実績では349百万円(2018年2月期)という期もあり、2022年2月期の予想はその半分程度である。以上の点から、弊社では業績のV字回復が十分可能であると考えている。
3. 中長期戦略
水回り緊急修理サービス事業においては、住宅老朽化とともに、水まわりのトラブルを含む住宅の不具合やそれに伴う修理・取り替えニーズは増える傾向にある。直近ではコロナ禍の影響が短期的にあったものの、2020年6月以降はコロナ禍以前の水準に回復した。同社としては、1)2020年開始のサブスクリプションサービスによる収益安定性の向上、2)水道屋本舗インターネットサイトの改善、3)業務提携先との関係強化、4)現場サービススタッフ教育体制の強化による生産性及び効率性の向上に取り組む。
■Key Points
・水まわり緊急修理サービス業界トップ3に躍進 。修理業からサービス業へ再定義し、職人をIT武装する独自のビジネスモデルに注目
・2021年2月期は増収ながら損失悪化。M&Aのれん代、水まわり緊急修理サービスでの販売手数料増、中途採用増が主要因であり一過性の面が大きい
・2022年2月期は、売上高73億円(前期比22.7%増)、各利益はV字回復(黒字化)予想
・水まわり緊急修理サービス事業でのサブスクリプションサービス育成や自社HP改善、広告メディア事業の本格展開などネット集客への取り組みを強化
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<AS>
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