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*11:34JST ネオマーケ Research Memo(4):減収減益決算ながら、今後の成長に向けて体制を整備
■ネオマーケティング<4196>の業績動向
1. 2024年9月期の業績概要
2024年9月期におけるわが国の経済は、企業収益や個人消費の持ち直しが見られ、加えて円安を背景とした訪日インバウンド需要が旺盛となる等、景気は緩やかな回復基調で推移した。一方で、不安定な世界情勢や金融情勢の影響等を起因とした資源価格の高騰や食品・日用品を含めた生活必需品の物価高傾向が継続し、経済の見通しは依然として不透明な状況が続いている。日本企業は、DX推進、イノベーションの創発、生産性の向上、人口減少のなかでの顧客創造、といったテーマに直面し、急速に変化する市場環境のなかでマーケティングのあり方そのものの見直しを迫られている。そういった課題背景の下、中長期的に同社グループが提供するマーケティング支援事業の需要が喚起されるものと予想される。
このような状況のなか、同社の2024年9月期の連結業績は、売上高2,098百万円(前期比7.8%減)、営業利益15百万円(同95.0%減)、経常利益14百万円(同95.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益147百万円(同25.7%減)となった。2024年9月期第3四半期決算発表時の修正予想に比べ、売上高はおおむね予想どおりに着地したが、販管費が0.7%上回ったことで、営業利益は22.5%下回る結果となった。
売上高の減収は、1) マーケティングコンサルタントの採用は中期経営計画どおり順調に進んでいる半面、採用人員の育成に時間を要したことによる顧客獲得の遅れ、2) 子会社だったセールスサポートの株式譲渡に伴う減少、3) 一部大口案件の終了による減少などが理由である。減収に加えて、採用増加に伴い人件費やエージェントへの支払いが増えたことで販管費が大幅に増加し、営業利益及び経常利益は大幅減益となった。一方、当期純利益の減益率が小さいのは、セールスサポートの株式売却益として特別利益を計上したことによるものだ。
2024年9月期決算を踏まえて、推進中の中期経営計画の目標値を下方修正する結果となったが、それは今後の成長のカギとなるマーケティングコンサルタントの採用・育成を優先した結果であり、来期以降の業績に大きく寄与すると予想される。上半期は育成にリソースを割いたため、売上高の先行指標である商談数が伸び悩んでいたが、新規採用者が電話・メール対応などで徐々に戦力化していることで、2024年9月期下半期の商談数は上半期の約50%増となり、来期以降の業績に貢献する見通しである。
サービス別売上高では、インサイトドリブンは、インサイト起点でのマーケティング戦略立案の需要に対して提案・受注・リピート率が高く、売上高は495百万円(前期比0.7%増)と、堅調に推移した。カスタマードリブンは、採用人員の育成に注力したことで、顧客企業への営業活動が遅延し、売上高は846百万円(同1.6%減)であった。今後は、営業体制と教育体制を見直し、顧客企業への営業活動に注力する。デジタルマーケティング・PRでは、デジタルマーケティングは好調であったが、PRは減収で、売上高は403百万円(同4.0%減)となった。営業体制を見直し、営業活動を強化する。カスタマーサクセス・その他は、年間1億円程度の大型案件1件が2023年9月期で契約が満了したことと、子会社(セールスサポート)の株式譲渡の影響から、売上高は352百万円(同29.9%減)の大幅減収に終わった。ただ、足元では、全体の商談数やデジタルマーケティング・PRなどのコミュニケーション施策案件の相談数が増加しており、来期以降の成長に向けてさらに営業活動に注力する計画だ。
2024年9月期下半期の取り組み事例としては、新規事業として、セルフインタビューツール「リサーチDEMO!」の事業譲受により、より短時間で高品質かつ安価に定性調査を実施できる体制を構築した。マーケティングの内製化を目指す企業に対応するサービスで、セルフ型市場の拡大を見越した対応である。既に、ヴィアゲート(株)とともに、最新のAI技術を駆使した新しいインタビューサービスである「チャットAIリサーチDEMO!」をリリースした。また、消費者起点のインフルエンサーマーケティングサービスにも取り組んだ。独自のマーケティングリサーチ機能である「アイリサーチ」に基づき、ターゲットに最適なインフルエンサーを選定し、効果的なマーケティング戦略を実現するものだ。同社では、今後伸びていく市場と考えている。さらに、海外リサーチサービスの強化にも取り組んだ。すなわち、(株)マーケティングセンターとの協業により、海外のオフラインリサーチのスムーズなオペレーションを提供することで、より深く現地を知りたいという顧客ニーズに対応する。また、オンライン英会話のリーディングカンパニーであるレアジョブ<6096>との協業も開始し、より深く現地を知りたいという顧客ニーズに対応したサービスを提供する計画だ。さらに、株式会社ボーダーリンクとの提携により、在日外国人リサーチサービスの提供も行う体制を整備した。同社では、今後も、日本企業の海外展開や海外からのインバウンド取り込みのニーズを踏まえて、海外リサーチサービスを展開する計画だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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1. 2024年9月期の業績概要
2024年9月期におけるわが国の経済は、企業収益や個人消費の持ち直しが見られ、加えて円安を背景とした訪日インバウンド需要が旺盛となる等、景気は緩やかな回復基調で推移した。一方で、不安定な世界情勢や金融情勢の影響等を起因とした資源価格の高騰や食品・日用品を含めた生活必需品の物価高傾向が継続し、経済の見通しは依然として不透明な状況が続いている。日本企業は、DX推進、イノベーションの創発、生産性の向上、人口減少のなかでの顧客創造、といったテーマに直面し、急速に変化する市場環境のなかでマーケティングのあり方そのものの見直しを迫られている。そういった課題背景の下、中長期的に同社グループが提供するマーケティング支援事業の需要が喚起されるものと予想される。
このような状況のなか、同社の2024年9月期の連結業績は、売上高2,098百万円(前期比7.8%減)、営業利益15百万円(同95.0%減)、経常利益14百万円(同95.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益147百万円(同25.7%減)となった。2024年9月期第3四半期決算発表時の修正予想に比べ、売上高はおおむね予想どおりに着地したが、販管費が0.7%上回ったことで、営業利益は22.5%下回る結果となった。
売上高の減収は、1) マーケティングコンサルタントの採用は中期経営計画どおり順調に進んでいる半面、採用人員の育成に時間を要したことによる顧客獲得の遅れ、2) 子会社だったセールスサポートの株式譲渡に伴う減少、3) 一部大口案件の終了による減少などが理由である。減収に加えて、採用増加に伴い人件費やエージェントへの支払いが増えたことで販管費が大幅に増加し、営業利益及び経常利益は大幅減益となった。一方、当期純利益の減益率が小さいのは、セールスサポートの株式売却益として特別利益を計上したことによるものだ。
2024年9月期決算を踏まえて、推進中の中期経営計画の目標値を下方修正する結果となったが、それは今後の成長のカギとなるマーケティングコンサルタントの採用・育成を優先した結果であり、来期以降の業績に大きく寄与すると予想される。上半期は育成にリソースを割いたため、売上高の先行指標である商談数が伸び悩んでいたが、新規採用者が電話・メール対応などで徐々に戦力化していることで、2024年9月期下半期の商談数は上半期の約50%増となり、来期以降の業績に貢献する見通しである。
サービス別売上高では、インサイトドリブンは、インサイト起点でのマーケティング戦略立案の需要に対して提案・受注・リピート率が高く、売上高は495百万円(前期比0.7%増)と、堅調に推移した。カスタマードリブンは、採用人員の育成に注力したことで、顧客企業への営業活動が遅延し、売上高は846百万円(同1.6%減)であった。今後は、営業体制と教育体制を見直し、顧客企業への営業活動に注力する。デジタルマーケティング・PRでは、デジタルマーケティングは好調であったが、PRは減収で、売上高は403百万円(同4.0%減)となった。営業体制を見直し、営業活動を強化する。カスタマーサクセス・その他は、年間1億円程度の大型案件1件が2023年9月期で契約が満了したことと、子会社(セールスサポート)の株式譲渡の影響から、売上高は352百万円(同29.9%減)の大幅減収に終わった。ただ、足元では、全体の商談数やデジタルマーケティング・PRなどのコミュニケーション施策案件の相談数が増加しており、来期以降の成長に向けてさらに営業活動に注力する計画だ。
2024年9月期下半期の取り組み事例としては、新規事業として、セルフインタビューツール「リサーチDEMO!」の事業譲受により、より短時間で高品質かつ安価に定性調査を実施できる体制を構築した。マーケティングの内製化を目指す企業に対応するサービスで、セルフ型市場の拡大を見越した対応である。既に、ヴィアゲート(株)とともに、最新のAI技術を駆使した新しいインタビューサービスである「チャットAIリサーチDEMO!」をリリースした。また、消費者起点のインフルエンサーマーケティングサービスにも取り組んだ。独自のマーケティングリサーチ機能である「アイリサーチ」に基づき、ターゲットに最適なインフルエンサーを選定し、効果的なマーケティング戦略を実現するものだ。同社では、今後伸びていく市場と考えている。さらに、海外リサーチサービスの強化にも取り組んだ。すなわち、(株)マーケティングセンターとの協業により、海外のオフラインリサーチのスムーズなオペレーションを提供することで、より深く現地を知りたいという顧客ニーズに対応する。また、オンライン英会話のリーディングカンパニーであるレアジョブ<6096>との協業も開始し、より深く現地を知りたいという顧客ニーズに対応したサービスを提供する計画だ。さらに、株式会社ボーダーリンクとの提携により、在日外国人リサーチサービスの提供も行う体制を整備した。同社では、今後も、日本企業の海外展開や海外からのインバウンド取り込みのニーズを踏まえて、海外リサーチサービスを展開する計画だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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