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ZETAのニュース
*15:01JST サイジニア Research Memo(1):デジタルマーケティングの環境変化を契機として成長に弾み
■要約
1. 小売などEC事業者向けにデジタルマーケティングサービスを提供
サイジニア<6031>は、小売など消費者向けインターネット通販(EC)事業者に対し、人工知能(AI)技術やビッグデータ解析技術を活用したデジタルマーケティングサービスを一気通貫で提供している。事業領域は、ターゲティング広告などのネット広告サービスとサイト内検索などのCX※改善サービスとなる。このうちCX改善サービスについては、サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」やカスタマーレビュー機能を容易に実装できる「ZETA VOICE」などのハイエンド型「ZETA CXシリーズ」が好評で、小売を中心に有力企業が導入している。同社は2014年の東京証券取引所マザーズ上場後、米国Yextとの提携やデクワス(株)の子会社化により業容拡大を進め、2021年に高収益・高成長のZETA(株)との経営統合により収益改善している。
※CX(Customer Experience):顧客体験。商品やサービスを顧客視点で評価すること。
2. デジタルマーケティングの環境変化により、ネット広告サービスは厳しい状況
個人情報保護の流れのなかで、サードパーティクッキー(他社サイトでの行動履歴)を使った情報取得が制限されるというクッキー規制(ポストクッキー時代の到来)の影響などにより、デジタルマーケティングの環境は変化している。ポストクッキーではサードパーティクッキーを前提としたリターゲティング広告などが難しくなると言われていることから、広告主は広告手法を見直しはじめ、競争は激化し、同社のネット広告サービスは苦戦を強いられている。一方ポストクッキーでは、ユーザーが能動的に訪問したくなる仕組みや、訪問したユーザーのコンバージョンレート(サイト訪問者のうち、最終成果に至った件数の割合)を引き上げる施策が重要になる。同社のCX改善サービスはこれらを網羅していることに加え、ネット広告サービスで蓄積したリスティングノウハウをCX改善サービスに横展開できることから、ポストクッキーはCX改善サービスにとって追い風になると弊社では見ている。
3. ネット広告サービスを効率化し、CX改善サービスに経営資源を集中
デジタルマーケティング環境が変化するなか、同社は(1) ネット広告サービスの効率化、(2) CX改善サービスへの経営資源集中、(3) コスト効率の改善、を推進することで成長を加速させる方針である。(1) ネット広告サービスの効率化では、リターゲティング広告からリスティング広告にフォーカスし、ネット広告サービスの収益悪化に歯止めをかける。売上高は一時的に減少するが、利益への影響は軽微に留まる見込みだ。(2) CX改善サービスへの経営資源集中では、継続的な成長が見込まれるCX改善サービスに経営資源を集中させる。「ZETA HASHTAG」など、ポストクッキーやリテールメディアテック※を見据えた新サービスを積極的に開発することで、サービス領域を拡大している。(3) コスト効率の改善では、組織の見直しなどを予定している。
※リテールメディア(主にリテール企業のECサイト)を高付加価値化する様々なテクノロジー。代表例は規制されないファーストパーティクッキー(自社サイトでの行動履歴)を利用したECサイト内検索で、一般的な検索サイトよりコンバージョンレートが高く効率的なため注目されている。
4. ポストクッキーの事業モデルを構築することで成長に弾みをつける方針
2023年6月期第3四半期連結業績は、売上高1,684百万円(前年同期比5.9%減)、営業利益76百万円(同39.6%減)となった。前年同期に非連結だったZETAの2022年5月期第1四半期業績を含めた実質値との比較では営業利益は同68.9%増となるが、ネット広告サービスの苦戦により計画は未達となったようだ。2023年6月期連結業績については、売上高2,800百万円(前期比7.9%増)、営業利益370百万円(同1.9%増)とする期初計画を据え置いた。第3四半期はインターネット広告サービスが苦戦したものの、CX改善サービスが好調であることに加え、第4四半期に利益が偏重する傾向があることから、通期業績予想のままとした。なお、デジタルマーケティングの環境変化に対して、本社集約やCX改善サービスの単一セグメント化などの基本方針を策定した。ポストクッキーの事業モデルを構築することで成長に弾みをつける考えだ。
■Key Points
・EC事業者向けにデジタルマーケティングサービスを提供。CX改善が好調を維持
・クッキー規制などによりデジタルマーケティングの環境が変化、競争激化でネット広告サービスは苦戦
・選択と集中による抜本対策でポストクッキーの事業モデルを構築し、成長に弾みをつける方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<AS>
1. 小売などEC事業者向けにデジタルマーケティングサービスを提供
サイジニア<6031>は、小売など消費者向けインターネット通販(EC)事業者に対し、人工知能(AI)技術やビッグデータ解析技術を活用したデジタルマーケティングサービスを一気通貫で提供している。事業領域は、ターゲティング広告などのネット広告サービスとサイト内検索などのCX※改善サービスとなる。このうちCX改善サービスについては、サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」やカスタマーレビュー機能を容易に実装できる「ZETA VOICE」などのハイエンド型「ZETA CXシリーズ」が好評で、小売を中心に有力企業が導入している。同社は2014年の東京証券取引所マザーズ上場後、米国Yext
※CX(Customer Experience):顧客体験。商品やサービスを顧客視点で評価すること。
2. デジタルマーケティングの環境変化により、ネット広告サービスは厳しい状況
個人情報保護の流れのなかで、サードパーティクッキー(他社サイトでの行動履歴)を使った情報取得が制限されるというクッキー規制(ポストクッキー時代の到来)の影響などにより、デジタルマーケティングの環境は変化している。ポストクッキーではサードパーティクッキーを前提としたリターゲティング広告などが難しくなると言われていることから、広告主は広告手法を見直しはじめ、競争は激化し、同社のネット広告サービスは苦戦を強いられている。一方ポストクッキーでは、ユーザーが能動的に訪問したくなる仕組みや、訪問したユーザーのコンバージョンレート(サイト訪問者のうち、最終成果に至った件数の割合)を引き上げる施策が重要になる。同社のCX改善サービスはこれらを網羅していることに加え、ネット広告サービスで蓄積したリスティングノウハウをCX改善サービスに横展開できることから、ポストクッキーはCX改善サービスにとって追い風になると弊社では見ている。
3. ネット広告サービスを効率化し、CX改善サービスに経営資源を集中
デジタルマーケティング環境が変化するなか、同社は(1) ネット広告サービスの効率化、(2) CX改善サービスへの経営資源集中、(3) コスト効率の改善、を推進することで成長を加速させる方針である。(1) ネット広告サービスの効率化では、リターゲティング広告からリスティング広告にフォーカスし、ネット広告サービスの収益悪化に歯止めをかける。売上高は一時的に減少するが、利益への影響は軽微に留まる見込みだ。(2) CX改善サービスへの経営資源集中では、継続的な成長が見込まれるCX改善サービスに経営資源を集中させる。「ZETA HASHTAG」など、ポストクッキーやリテールメディアテック※を見据えた新サービスを積極的に開発することで、サービス領域を拡大している。(3) コスト効率の改善では、組織の見直しなどを予定している。
※リテールメディア(主にリテール企業のECサイト)を高付加価値化する様々なテクノロジー。代表例は規制されないファーストパーティクッキー(自社サイトでの行動履歴)を利用したECサイト内検索で、一般的な検索サイトよりコンバージョンレートが高く効率的なため注目されている。
4. ポストクッキーの事業モデルを構築することで成長に弾みをつける方針
2023年6月期第3四半期連結業績は、売上高1,684百万円(前年同期比5.9%減)、営業利益76百万円(同39.6%減)となった。前年同期に非連結だったZETAの2022年5月期第1四半期業績を含めた実質値との比較では営業利益は同68.9%増となるが、ネット広告サービスの苦戦により計画は未達となったようだ。2023年6月期連結業績については、売上高2,800百万円(前期比7.9%増)、営業利益370百万円(同1.9%増)とする期初計画を据え置いた。第3四半期はインターネット広告サービスが苦戦したものの、CX改善サービスが好調であることに加え、第4四半期に利益が偏重する傾向があることから、通期業績予想のままとした。なお、デジタルマーケティングの環境変化に対して、本社集約やCX改善サービスの単一セグメント化などの基本方針を策定した。ポストクッキーの事業モデルを構築することで成長に弾みをつける考えだ。
■Key Points
・EC事業者向けにデジタルマーケティングサービスを提供。CX改善が好調を維持
・クッキー規制などによりデジタルマーケティングの環境が変化、競争激化でネット広告サービスは苦戦
・選択と集中による抜本対策でポストクッキーの事業モデルを構築し、成長に弾みをつける方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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