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タクマ Research Memo(3):4つの事業セグメント、ビジネスモデル

配信元:フィスコ
投稿:2024/12/26 14:03
*14:03JST タクマ Research Memo(3):4つの事業セグメント、ビジネスモデル ■タクマ<6013>の会社概要

3. 事業内容
同社の事業内容は、環境・エネルギー(国内)事業、環境・エネルギー(海外)事業、民生熱エネルギー事業、設備・システム事業の4つの事業セグメントに大別される。2025年3月期第2四半期の事業セグメント別の売上高の割合は、主力事業である環境・エネルギー(国内)事業が約77%を占め、他3つの事業セグメントは民生熱エネルギー13%、設備・システム8%、環境・エネルギー(海外)事業2%の順に続く。環境・エネルギー(国内)事業約77%のうち、各製品・サービスの割合は、おおむね一般廃棄物処理プラントのEPCが29%、アフターサービスが35%と約6割以上を占め、エネルギープラント23%、水処理プラント・その他12%が続いている。

(1) 事業セグメント
a) 環境・エネルギー(国内)事業
環境・エネルギー(国内)事業は、さらに一般廃棄物処理プラント(EPC)、一般廃棄物処理プラント(アフターサービス)、エネルギープラント、水処理プラントの4つに区分しており、主力はコアとなる燃焼技術を用いた一般廃棄物処理プラントのEPC事業及びアフターサービスである。

b) 環境・エネルギー(海外)事業
1950年代から同社は東南アジア(特にタイ)にボイラーを多く納入し、現在は現地法人を置くタイ、台湾を中心に、バイオマス発電プラント、廃棄物発電プラントの建設とメンテナンスのサービスを提供している。さとうきびを圧搾した際に発生する繊維質の搾りかすであるバガスを燃料としたタイのバイオマス発電プラントは、引き続き一定の需要が見込まれるが、インド、中国メーカーとの厳しい競争環境が継続している。一方、タイ国政府はバイオマス発電を推進していく方針を掲げており、バガス以外のバイオマスを含めた需要の拡大が期待される。

c) 民生熱エネルギー事業
同社グループである(株)日本サーモエナーを中心に、各業種の生産工場をはじめ、ホテル、病院、商業施設などで使用される汎用ボイラーの製造、販売、メンテナンス及び、関連する熱源装置やシステムの設計と施工を行っている。

d) 設備・システム事業
同社グループの(株)サンプラントと(株)ダン・タクマにて、空調・給排水衛生・消防など各種建築設備の設計・施工と、クリーンルーム、ケミカルフィルタ、磁気シールドチャンバーなど、半導体・電子デバイス産業向け各種装置の販売、メンテナンスを行っている。

(2) 製品・サービス
a) 一般廃棄物処理プラント(EPC)
ごみと空気が効率的に接触でき、不均質な性状なごみでも安定して燃焼させる「ストーカ※式焼却炉」、燃えにくい生ごみや湿った紙などの有機性廃棄物を発酵させ、発生するメタンガスを利用してバイオガス発電を行う「バイオガス回収プラント」、粗大ごみ・不燃ごみ・資源ごみを扱う「リサイクルプラント」等の設計・調達・建設をEPC事業として請け負う。

※ 火格子を階段状に並べた燃焼装置のこと。

b) 一般廃棄物処理プラント(アフターサービス)
同社が納入した一般廃棄物処理プラントのうち、現在120施設以上が稼働しており、定期的なメンテナンスや機能改善・延命化工事、運転管理等のアフターサービスを通じて、地域における安全かつ安定的な廃棄物の適正処理を支えている。加えて蓄積された豊富なノウハウによって長期補修計画を策定するとともに、綿密な現地調査を行ったうえで最適なタイミング・内容でメンテナンスを行い、高度な運転管理技術を持つ技術者によって、施設の機能を最大限に発揮させ、安定運転を実現する。また、DBOやO&Mなどの「長期包括運営委託事業」に対応するため、プラントの運転状況、稼働状況を24時間体制で遠隔監視し、運転支援を行う拠点を設置した。プラントの運転・維持管理データを運転・維持管理総合支援システムで一元化しながら、運転状況や機器の稼働状況をリアルタイムに集約管理している。

c) エネルギープラント
木質チップ、バーク※1などの木質燃料やPKS※2、バガスなど様々なバイオマスから熱や電力を生み出す「バイオマス発電プラント」、使用済みプラスチック等に由来するRPF※3の燃料活用による収益の向上だけでなく、CO2削減やESG投資、SDGsといった企業価値の向上や地球環境の改善にも貢献できる「RPF発電プラント」等をオーダーメイドで設計・建設し、メンテナンスを通じて長期安定稼働に貢献する。

※1 木の樹皮のこと。
※2 Palm Kernel Shellの略。パーム油(アブラヤシの実から搾り取られた油)を絞りとった後の殻のこと。
※3 Refuse Paper and Plastic Fuelの略。マテリアルリサイクルが困難な古紙及びプラスチック類を原料とした固形燃料のこと。

d) 水処理プラント
最大ろ過速度1,000m/日の高速ろ過にも適用可能な砂ろ過装置「ユニフロサンドフィルタ」、低動力竪型撹拌機「バイオブレードミックス」等、確かな性能と高い省エネルギー効果を持つ装置を提供する。汚泥処理では、「階段炉下水汚泥焼却発電システム」により、下水汚泥のエネルギー化を実現し温室効果ガス削減に貢献する。

4. ビジネスモデル
同社の主力事業である環境・エネルギー(国内)事業は、一般廃棄物処理プラントにおけるEPC(2〜5年)からアフターサービス(約20〜30年)の一連の業務を長期にわたって継続して受注する安定したビジネスモデルにより展開している。一般廃棄物処理プラント分野での競合他社は、カナデビア<7004>、JFEエンジニアリング(株)、日鉄エンジニアリング(株)、三菱重工環境・化学エンジニアリング(株)などが挙げられる。同社は、1960年代からの経験に基づく提案力を強みとし、ごみの性質変化や環境規制、エネルギー回収率向上など、多様な要望に対応してきた。一般廃棄物処理プラントでは、施設建設と運営を一括発注するDBO方式や、価格以外に技術力や総合提案を評価する入札方式の増加が追い風となっている。同社が納入した120以上の施設のうち、2024年3月期にはDBOで13施設、長期O&Mで6施設、O&Mで5施設を運営している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
<HN>
配信元: フィスコ
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