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東洋製罐グループホールディングスのニュース

東洋製罐グループホールディングスのニュース一覧

東洋製罐グループと辻調理師専門学校が食を通じた社会課題解決を目指す「+Recipeプロジェクト」を発表

配信元:PR TIMES
投稿:2024/09/24 13:47
-プロジェクト第一弾は“長期保存できる本格料理”-

東洋製罐グループホールディングス株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:大塚一男)は、辻調理師専門学校(本部:大阪市、理事長:辻芳樹)と共同で、食を通じた社会課題解決を目指す「+Recipeプロジェクト(プラスレシピプロジェクト)」を本格始動します。本プロジェクトの第1弾として、缶詰やレトルトパウチを用いた、長期保存可能な本格料理を開発しました。食に関する社会課題の解決を目指し、プロジェクトおよび共同研究を推進していきます。

「+Recipeプロジェクト」長期保存可能な本格料理イメージ

※共同研究用として開発されたものであり、現時点で一般販売の予定はありません。
【「+Recipeプロジェクト」とは】
近年、食を取り巻く環境は大きく変化し、様々な社会課題が顕在化しています。農業従事者の高齢化と後継者不足、食料自給率の低下、サプライチェーンの各段階で発生する食品残渣や未利用食材を含むフードロス問題、災害時における栄養バランスの取れた食事の確保など、食に関する社会課題は多岐にわたっています。
こうした背景を受けて、世界初の“レトルトパウチ”の実用化など、創業以来100年以上にわたり容器のイノベーションに挑戦し続けている総合包装容器メーカーの東洋製罐グループと、60年以上にわたり食文化の発展に貢献する人材を育成してきた辻調理師専門学校は、食の未来を革新し、持続可能な社会の実現に貢献することを目的として、2021年に「+Recipeプロジェクト」を発足しました。それ以降、レトルトでレストランクオリティの味を再現する研究を軸に、レトルト加工したものを半製品として調理に活用する試みなど、包装容器と調理のノウハウを融合させた様々な取り組みを推進しています。

「+Recipeプロジェクト」動画URL: https://youtu.be/YG1w3MOSryg

【容器のイノベーション×高い調理技術によって実現した“長期保存できる本格料理”】
そしてこのたび、「+Recipeプロジェクト」の一環として、食における様々な社会課題の解決を目指し、缶詰やレトルトパウチなどを活用した『長期保存できる本格的な料理』を開発しました。





トマト・ファルシ(トマトの肉詰め)
2030年頃に建設予定の月面基地でも生産が予定されているトマトを丸ごと使い、南仏の郷土料理であるトマトの肉詰めを缶詰にアレンジ。詰め物には、牛豚合挽き肉と、動物性ミートに比べて環境負荷の軽減が期待される植物性のミートを1:1の割合で用いた。加圧加熱することで、ヘタの部分も含めて100%トマトを可食とすることができた。
だし
昆布と鰹節から引いただしの缶詰。プロのつくる日本料理の味わいや香りに近づけるため、加圧加熱の影響を計算して、原材料の分量や抽出時間を調整した。塩を加えていないので、好みの味付けにしてすぐに使うことが可能。
ぶり大根
通常調理とレトルト製造との違いを知る目的で最初に取り組んだ日本の郷土料理のレトルトパック。加熱工程で様々な操作を加え得るふつうの調理と、圧力釜での加圧加熱が最終工程となるレトルト殺菌との違いを理解し、食材を理想の状態に仕上げるための試行錯誤の末に、濁りがちだった煮汁を澄んだ状態にするための方法を習得するなど、共同研究の成果が詰まった一品。
鹿スネ肉のブレゼ、ソース・エーグル・ドゥース
フランス料理である鹿スネ肉の煮込みを、国産ジビエ認証施設・長野県富士見高原ファームの鹿スネ肉をレトルトすることで実現した一品。農作物に大きな被害を与える野生鳥獣の代表格である鹿の肉の中でも人気のないスネ肉は、本来下処理や加熱に時間がかかるが、レトルトすることで、多くの手間を省きながら、安全でおいしい料理に仕上げることができることがわかった。また、付け合わせを個々にレトルトパックすることで、一皿に異なる風味の素材を盛り付けること、さらに新たな素材との組み合わせでバリエーションが広がる可能性を見出した。レトルトのクオリティを上げることで、常温ストックのレトルト食品を高級料理として提供できる可能性を見出すこともできた。
エスプリ・ド・タタン
1個分のりんごを缶詰にした製品。りんごを少量の砂糖と煮詰め、缶に充填して蓋はせずにオーブンで焼き、さらにレトルト釜で加圧加熱殺菌することにより、長期保存とおいしさを実現。甘さも増して、奥深い味わいに仕上がった。生産段階で農家が廃棄している「訳ありのりんご」などを使用して食品ロスの削減に貢献することを目指しているが、今回は焼き菓子に向いている市販の紅玉を使用。

【関係者による試食会の様子】
レトルトによって長期保存できる本格的な料理の可能性の扉を開くという本プロジェクトの第1弾の成果として、2024年9月23日(月)に食に携わる関係者の皆様に向けた試食会を辻調理師専門学校にて開催いたしました。今後も、未利用食材の活用、食品ロスの軽減、災害時の食環境の改善に向けた取り組みなど、様々な社会課題の解決を目指してプロジェクトを推進してまいります。










【各担当者のコメント】
辻調理師専門学校 東京 秋元 真一郎先生(西洋料理)
最近では、缶詰や冷凍食品を調理現場で利用するケースも増えてきています。クオリティが上がってきたという事に加え、食材の仕入れや廃棄の課題が背景にはあると考えています。今回のプロジェクトでは、あえて完成した一品料理ではなく、素材としてのベストな状態を常温長期保存できるプロダクトを検討しました。こうしたプロダクトがあれば、素材として料理人がニーズに合わせて無駄なく手軽に使うことができるようになるからです。さらに、アレルギーやハラール対応、離乳食や介護食のほか、災害食においても、料理人の持つアイデアで様々な食を提供できるポテンシャルをこのプロジェクトは持っていると思います。
辻調理師専門学校 東京 野中 覚先生(日本料理)
最初に鰤大根を加圧加熱殺菌したときは、鰤の身は収縮し、煮汁は濁り、味は薄いままでした。そこで、鰤を重曹とカラギーナン溶液に漬け込んで、身の軟度と保水性を保ち、ブランチングによってタンパク質の流出を制御することで、通常の調理に劣らない仕上がりになりました。途中で蓋を開けられないので、事前の作業工程において補う必要があります。レトルト工程を殺菌にとどまらぬ、調理法と捉え直すことで、まだ新たなおいしさの領域があることを実感しました。
辻調理師専門学校 東京 中濱 尚美先生(製菓・製パン)
規格外のリンゴなど、市場に出回る前に廃棄される青果は少なくありません。レストランでもそういった素材を使うことは可能ですが時期や量が限られます。製菓店であれば、同じ素材の保存性を高める工夫をして製品化することで、廃棄食材の課題解決の巾を広げることができるので、社会的なインパクトは大きくなります。今後も包装技術を活用した菓子作りの可能性をもっと追及していきたいと思います。
東洋製罐グループホールディングス株式会社 イノベーション推進室 三木 逸平
私たちは、容器を通じて人々の生活を豊かにすることを目指しています。今回のプロジェクトは、私たちの技術が食の分野で新たな可能性を切り開く、非常に意義のある取り組みだと考えております。弊社が提供する容器の技術力を活かし、持続可能な社会の実現に貢献できることを目指し、辻調理師専門学校様と共に推進してまいります。

【今後に向けて】
「+Recipeプロジェクト」では、“食で社会課題を解決する人と環境をつくること”を目的に、研究開発と社会実装を進めていきます。未来を担う食のプロを育成するため、調理の技術だけでなく、食品包装技術に触れる機会を定期的につくるべく、教育プログラムの検討と実装を目指します。
また、課題を持つ自治体や企業、団体と一緒に「+Recipeプロジェクト」で生まれたソリューションを社会実装すべく、共創を進めていきます。

【東洋製罐グループのオープンイノベーションプロジェクト「OPEN UP! PROJECT」】
東洋製罐グループは、これまで時代によって変化する世の中の課題に対して真剣に向き合い、「日本初の自動製罐」や「アイスクリームの紙コップ」、「世界初のレトルトパウチ」の発明など、容器のイノベーションに常に挑戦し続けてまいりました。そして今、人々が同じものを使い、食し、同じ生き方を求める「大衆の時代」から、それぞれが選んだ生き方を求める「個の時代」へと変化しています。その中で東洋製罐グループは、次の 100 年を創造するべく、大衆にとどまらない細かなニーズと一人ひとりが抱える課題に向き合うことでイノベーションを起こし、より豊かな社会の実現を目指すプロジェクト「OPEN UP! PROJECT」を発足いたしました。本プロジェクトを通じて、様々な社会課題解決に取り組んでまいります。





東洋製罐グループについて
東洋製罐グループは、金属・プラスチック・紙・ガラス等、それぞれの素材が持つ特性を活かした様々な容器をグローバルに提供する総合包装容器メーカーです。包装容器事業のほか、エンジニアリング・充填・物流事業、鋼板関連事業、機能材料関連事業、不動産関連事業の5つの事業を有しています。
当社グループは、社会や地球環境について長期的な視点で考え、すべてのステークホルダーの皆さまに提供する価値が最大化するよう、2050年を見据えた「長期経営ビジョン2050『未来をつつむ』」を2021年5月に策定しました。当社グループの目指す姿・ありたい姿を「世界中のあらゆる人びとを安心・安全・豊かさでつつむ『くらしのプラットフォーム』」と位置づけ、「多様性が受け入れられ、一人ひとりがより自分らしく生活できる社会の実現」「地球環境に負荷を与えずに、人々の幸せなくらしがずっと未来へ受け継がれる社会の実現」を目指し、事業活動を推進してまいります。
1917年に創立し、国内45社(東洋製罐グループホールディングス含む)、海外47社のグループ会社を擁し、約20,000人の従業員が働いています。2024年3月期の連結売上高は9,506億円です。
配信元: PR TIMES
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