「ドローン関連株」が青空圏へテイクオフ、生産基盤の整備に政府本腰 <株探トップ特集>

配信元:株探
投稿:2026/01/21 19:30

―中国製への依存度低減は喫緊の課題、年8万台規模の生産能力確保へ―

 政府は昨年12月19日の閣議で、安定的な供給が滞れば社会・経済への影響が大きい経済安全保障推進法の特定重要物資に追加指定した「無人航空機(ドローン)」の国産化を進める構えだ。ドローンは中国製が世界市場の約7割、日本では産業用途で約9割を占めており、国内機体メーカーはシェア獲得に至っていないのが現状。経済安全保障の観点から自律的なサプライチェーン(供給網)の構築が求められていることから関連銘柄に改めて注目したい。

●需要の6割供給目指す

 経済産業省は昨年12月24日に「無人機産業基盤強化検討会」の中間とりまとめを公表。2030年時点での国内ドローンの年間需要を約14万台と想定し、そのうち点検、物流、防犯用途に使う約8万台の完成機体及び、その生産に必要な重要部品の供給確保体制の構築を目指すとした。部品ではモーターや電子速度制御装置(ESC)が最大48万台(1機体あたり4~6個)、バッテリーは最大40万台(同3~5個)、通信モジュールとフライトコントローラー8万台(同1個)が必要になるという。

 ドローンは、人手不足が深刻化する点検、土木建築、農業などで効率化・無人化の重要なインフラ機能を担っているほか、地政学的な環境変化などによる経済安全保障上のリスクの高まりから防衛分野での活用も進んでいる。政府は国内産業の育成に本腰を入れる構えで、経産省は25年度補正予算で量産体制構築の支援に139億円を確保した。

 双葉電子工業 <6986> [東証P]は今月15日に公表した国内ドローン産業の26年展望で、今年は公的分野の市場拡大や国産化に向けた政策支援を背景に、国内企業向けの投資が加速する見通しだと指摘。同社は機体開発から運用支援までの一貫したドローン機体ソリューション提供体制を強化する方針で、他の関連企業も目が離せない。

●活躍期待の国内メーカー

 ACSL <6232> [東証G]は、18年に世界で初めてドローンの専業メーカーとして上場した企業。創業当初からドローンにとっての「大脳」と「小脳」に該当する独自開発の制御技術を提供しており、あらゆる条件下での飛行に対応するよう設計されている。昨年12月23日には26~28年度を対象期間とする中期経営方針「ACSL Accelerate FY26」を公表しており、年平均の売上成長率20%以上を目指すという。

 ヤマハ発動機 <7272> [東証P]は1980年代のはじめに、農地への薬剤散布を簡単に行える無人ヘリコプターの開発を政府団体から委託されたことをきっかけに、87年に世界初となる産業用無人ヘリコプター「R-50」を実用化し、89年に本格的な販売を開始。2019年には小規模なエリアで機動力を発揮する産業用マルチローター(ドローン)「YMR-08」を発売、20年には自動航行が可能な「YMR-08AP」を発売した。

 Liberaware <218A> [東証G]は狭小空間を安定して飛行することのできるドローンや、非GPS環境下の屋内空間を自動飛行することのできるドローンの技術開発を行っている。同社の「IBIS2」は屋内空間の点検・計測に特化した世界最小級のドローンで、25年1月下旬に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故での下水道管内の調査などで利用された実績を持つ。

 Terra Drone <278A> [東証G]は自社開発した超音波探傷検査(UT)に対応した非破壊検査ドローン「Terra UT」や屋内点検用ドローン「Terra Xross1」を展開しているほか、安全かつ効率的なドローンの運航を支援するための運航管理システム(UTM)を提供。直近では宮城県石巻市とクマ出没時の被害防止に関する協定を結ぶ企業に対し、自社開発の「クマよけスプレー搭載ドローン」の提供及び運用支援を開始した。

 このほか、産業用ドローンを製造・販売するProdrone(名古屋市天白区)に出資しているショーボンドホールディングス <1414> [東証P]、アイサンテクノロジー <4667> [東証S]、ジェイテクト <6473> [東証P]などに注目。産業用ドローンを中心とした自律機器の製造販売を行っているイームズロボティクス(福島県南相馬市)の株主には菊池製作所 <3444> [東証S]やエクセディ <7278> [東証P]が名を連ねている。

●ブルーイノベなどにも注目

 ドローンの更なる需要拡大が見込まれることから他の関連銘柄にも目を向けてみたい。ブルーイノベーション <5597> [東証G]は独自の統合プラットフォーム「Blue Earth Platform」を基盤に、ドローン・ロボットを活用した点検、防災、教育、物流の分野でソリューションを開発・提供。各業界を代表する企業・団体との連携により、社会実装を見据えた新規開発や実証実験をもとに数多くの実績を蓄積している。

 これ以外では東京衡機 <7719> [東証S]が昨年12月23日、グループの先端力学シミュレーション研究所が東京大学とバーチャル空間における高精度なモデル開発・認証の実現に向けた共同研究開発を開始したと発表。これはドローン性能計測システムやドローンシミュレーターを開発し、性能試験からモデル化、認証支援までを見据えた新たな測定ソリューションを目指すもので、これによってドローン開発の効率化・柔軟化、認証コストの低減など、バーチャルエンジニアリングが可能になるという。

 アジア航測 <9233> [東証S]は昨年11月26日、パーソルホールディングス <2181> [東証P]傘下のパーソルビジネスプロセスデザインと共同で、測量分野におけるレベル4(有人地帯での補助者なし目視外飛行)の実現に向けた実証実験を行ったと発表した。実証の結果、安全性と効率性を両立するためには、通信環境や飛行ルート設計におけるリスク評価など、事前の運用設計が不可欠であることが明らかになり、今後の社会実装に向けた知見が得られたとしている。

 また、国内外メーカーのドローンや関連機材を販売するミライト・ワン <1417> [東証P]、産業用ドローン向け緊急パラシュートシステムを扱う日本化薬 <4272> [東証P]、産業用ドローンの開発・販売を行っているFIG <4392> [東証P]、ドローン向け各種部品を展開するミネベアミツミ <6479> [東証P]、フライトコントローラーを手掛ける日本航空電子工業 <6807> [東証P]、各国でドローン用エアバッグの特許を取得している松屋アールアンドディ <7317> [東証G]なども要マークだ。

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