＜クローズアップ＞ 非鉄株が再浮上、今期業績に増額期待（２／２）

　非鉄市況の上昇は、関連銘柄の業績増額修正期待を膨らませている。住友鉱の１５年３月期業績の想定価格は、銅が１ポンド約３．０ドル、ニッケル価格は１トン約１万６０００ドルの水準にある。足もとの銅市況は今期想定価格を約８％、ニッケル価格は約２０％上回る水準にあり、「今期業績には増額修正期待が強まっている」（市場関係者）という。同じくニッケル製錬大手の大平洋金属<5541.T>の業績にも増額期待が膨らんでいる。

　両社の足もとの株価は年初来高値圏に買われているが、過去の最高値は住友鉱が３２８０円（０７年）、大平金が２６８５円（同）と高く一段の上値追い期待は強い。

　同様に亜鉛やアルミ市況も上昇基調にある。亜鉛価格は、ＬＭＥで１トン２２００ドル前後と約２年１０カ月ぶりの水準に上昇。自動車ボディーに使う亜鉛メッキ鋼鈑向けの亜鉛需要が拡大している。傘下に亜鉛・鉛鉱山のＣＢＨリソーシズ社（オーストラリア）を擁する東邦亜鉛<5707.T>への活躍期待が膨らんでいる。

　アルミニウム価格も上昇機運を強めている。ＬＭＥのアルミ相場は１トン１９２０ドル近辺と５月下旬の１７７０ドル近辺を底に上昇基調となっている。アルミニウムに対する供給懸念が強まったことが、市況上昇の要因だ。日本軽金属ホールディングス<5703.T>の株価は年初来高値圏にある。

　非鉄関連では、銅鉱山開発なども手掛ける日鉄鉱業<1515.T>、それに銅製錬絡みで古河機械金属<5715.T>、ＤＯＷＡホールディングス<5714.T>、三菱マテリアル<5711.T>などが注目される。

　さらに、鉱山機械への需要でコマツ<6301.T>や日立建機<6305.T>、資源部門に注力する三井物産<8031.T>や三菱商事<8058.T>など商社株にも見直し気分が強まりそうだ。


出所：株経通信（株式会社みんかぶ）