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オービーシステムのニュース
*13:52JST オービーシステム Research Memo(2):売上の約8割を日立製作所グループ、三菱電機ソフトウエアが占める
■会社概要
1. 会社概要
オービーシステム<5576>は、日立製作所グループ、三菱電機ソフトウエア※1等を主要顧客として、金融事業、産業流通事業、社会公共事業、ITイノベーション事業の4つのサービスラインに区分した事業領域において、ソフトウェアの設計・開発・保守等のシステムインテグレーションサービスを展開する独立系IT企業である。48年の取引歴のある日立製作所グループ向け売上高は約7割弱、35年の取引歴のある三菱電機<6503>グループ向け売上高と合わせて売上高の約8割がこの2グループ向けである。2グループからの継続案件、運用保守案件、新規案件を中心に継続的に受注を確保しており、経営基盤は安定している。また、営業にかけるコストを開発投資に振り向けられることも強みの1つである。その他、自社製品「臨床検査システム/CLIP」※2「健診システム/MEX-Plus」※3を全国の病院等に展開している。
※1 2022年4月に三菱電機株のソフトウェア設計子会社6社が経営統合し「三菱電機ソフトウエア」に社名変更している。
※2 血液、血清、細菌、病理、生理といった検査部門ごとにデータ管理する分散型処理機構と検査室の依頼、検査データを一元管理する臨床検査システム。
※3 病院及び健診センターにおける、人間ドックや企業診断等をサポートする健康診断支援システム。
オービック<4684>が同社の発行済株式総数の27.88%を所有する大株主となっているため、同社はオービックの持分法適用会社であるが、これは設立時からの経緯によるもので、役員の派遣はあるものの取引は一切なく、独立性を確保している。オービックはシステム開発を内製化しており、大手SIer(システムインテグレーター)からの受託開発を中心とする同社とは直接競合する関係にはない。
同社の経営理念は、四つの心に基づき、「永遠に伸びる会社」「社員一人ひとりが幸せになれる会社」「社会に貢献できる会社」を目指している。
四つの心
「感謝の心」今ある自分に感謝し、働く喜び、生き甲斐を持とう
「人格向上の心」仕事を通じて自己啓発し、人格向上を図ろう
「生活向上の心」豊かな安定した生活を目指そう
「企業の心」デジタル・IT関連などの情報システム技術、サービスの提供を通じて持続可能な社会の実現に貢献しよう
2. 沿革
創業者である山田孝氏(現 同社相談役)は、1968年に設立されたオービック創業者の野田順弘氏(現 オービック代表取締役会長)と以前勤務していた会社での後輩であった関係から、1972年にオービック向けソフトウェア開発会社として同社を設立した(現在の産業流通事業を開始)。その後、1976年には日立製作所の関西進出時に関西第1号ビジネスパートナーとして取引を開始し、地銀の勘定系システム開発を手掛け、以後、日立製作所グループとの取引関係を拡大していった。
1980年の金融グループの立ち上げ(現在の金融事業を開始)から、1989年には社会グループの立ち上げ(現在の社会公共事業を開始)、2001年には公共グループを順次立ち上げた(現在の社会公共事業に統合)。その間、1988年1月には大阪にテクノセンターを開設し、1991年2月には通商産業省(現 経済産業省)のSIerに登録、1992年2月に業務拡大に伴いテクノセンターを増築し、本社をテクノセンターに移転統合した。1999年3月には東京及び東京周辺の事業拡大のために、大阪本社・東京本社の2本社体制とした。2000年4月には自社製品「臨床検査システム/CLIP」をリリースした。2005年2月には同じく自社製品となる「新健診システム/MEX-Plus」をリリースした。CLIPはバージョンアップを繰り返し、2021年8月には「CLIP-Version5」をリリースした。
情報保護等の品質管理面においては、2007年1月にはプライバシーマーク※1を取得。2019年3月にはISO/IEC 27001:2013/JIS Q 27001:2014※2認証を取得。2021年11月にはISO 9001:2015※3「品質マネジメントシステム」認証を取得した。
※1 プライバシーマーク:日本産業規格「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」に適合して、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備している事業者等を評価して、その旨を示すプライバシーマークを付与し、事業活動に関してプライバシーマークの使用を認める制度
※2 ISO/IEC 27001:国際標準化機構(ISO)が企業・組織の活動に関する情報資産のセキュリティリスクを低減し、発生を予防するためのセキュリティ管理の要求事項を制定した国際規格で、信頼性が高い情報システム管理体制を確立・実施する企業等に対して認証が付与される。
※3 ISO 9001:国際標準化機構(ISO)が制定した国際規格で、企業等が製品やサービスの品質保証を通じて、顧客満足度向上と品質マネジメントシステムの継続的な改善を実現するための規格。
2022年4月には社会・企業のDXに対応するため金融事業からITイノベーション事業を分離独立させ、事業本部を設置した。2023年6月には東京証券取引所スタンダード市場に上場した。2024年4月には業務系・組込み系ソフトウェア開発を行うH&T社を子会社化し、同年4月にAIと金融工学を組み合わせたシステム開発を行うMILIZEと、CLIPシリーズにAIを活用して臨床検査分野でのシステム操作をサポートする機能の実装を共同開発することをリリースした。続けて5月にはマイグレーションソリューションシステムを開発・販売するコリアファステック(韓国)とマイグレーション分野での販売業務提携を行った。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
<SO>
1. 会社概要
オービーシステム<5576>は、日立製作所グループ、三菱電機ソフトウエア※1等を主要顧客として、金融事業、産業流通事業、社会公共事業、ITイノベーション事業の4つのサービスラインに区分した事業領域において、ソフトウェアの設計・開発・保守等のシステムインテグレーションサービスを展開する独立系IT企業である。48年の取引歴のある日立製作所グループ向け売上高は約7割弱、35年の取引歴のある三菱電機<6503>グループ向け売上高と合わせて売上高の約8割がこの2グループ向けである。2グループからの継続案件、運用保守案件、新規案件を中心に継続的に受注を確保しており、経営基盤は安定している。また、営業にかけるコストを開発投資に振り向けられることも強みの1つである。その他、自社製品「臨床検査システム/CLIP」※2「健診システム/MEX-Plus」※3を全国の病院等に展開している。
※1 2022年4月に三菱電機株のソフトウェア設計子会社6社が経営統合し「三菱電機ソフトウエア」に社名変更している。
※2 血液、血清、細菌、病理、生理といった検査部門ごとにデータ管理する分散型処理機構と検査室の依頼、検査データを一元管理する臨床検査システム。
※3 病院及び健診センターにおける、人間ドックや企業診断等をサポートする健康診断支援システム。
オービック<4684>が同社の発行済株式総数の27.88%を所有する大株主となっているため、同社はオービックの持分法適用会社であるが、これは設立時からの経緯によるもので、役員の派遣はあるものの取引は一切なく、独立性を確保している。オービックはシステム開発を内製化しており、大手SIer(システムインテグレーター)からの受託開発を中心とする同社とは直接競合する関係にはない。
同社の経営理念は、四つの心に基づき、「永遠に伸びる会社」「社員一人ひとりが幸せになれる会社」「社会に貢献できる会社」を目指している。
四つの心
「感謝の心」今ある自分に感謝し、働く喜び、生き甲斐を持とう
「人格向上の心」仕事を通じて自己啓発し、人格向上を図ろう
「生活向上の心」豊かな安定した生活を目指そう
「企業の心」デジタル・IT関連などの情報システム技術、サービスの提供を通じて持続可能な社会の実現に貢献しよう
2. 沿革
創業者である山田孝氏(現 同社相談役)は、1968年に設立されたオービック創業者の野田順弘氏(現 オービック代表取締役会長)と以前勤務していた会社での後輩であった関係から、1972年にオービック向けソフトウェア開発会社として同社を設立した(現在の産業流通事業を開始)。その後、1976年には日立製作所の関西進出時に関西第1号ビジネスパートナーとして取引を開始し、地銀の勘定系システム開発を手掛け、以後、日立製作所グループとの取引関係を拡大していった。
1980年の金融グループの立ち上げ(現在の金融事業を開始)から、1989年には社会グループの立ち上げ(現在の社会公共事業を開始)、2001年には公共グループを順次立ち上げた(現在の社会公共事業に統合)。その間、1988年1月には大阪にテクノセンターを開設し、1991年2月には通商産業省(現 経済産業省)のSIerに登録、1992年2月に業務拡大に伴いテクノセンターを増築し、本社をテクノセンターに移転統合した。1999年3月には東京及び東京周辺の事業拡大のために、大阪本社・東京本社の2本社体制とした。2000年4月には自社製品「臨床検査システム/CLIP」をリリースした。2005年2月には同じく自社製品となる「新健診システム/MEX-Plus」をリリースした。CLIPはバージョンアップを繰り返し、2021年8月には「CLIP-Version5」をリリースした。
情報保護等の品質管理面においては、2007年1月にはプライバシーマーク※1を取得。2019年3月にはISO/IEC 27001:2013/JIS Q 27001:2014※2認証を取得。2021年11月にはISO 9001:2015※3「品質マネジメントシステム」認証を取得した。
※1 プライバシーマーク:日本産業規格「JIS Q 15001個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」に適合して、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備している事業者等を評価して、その旨を示すプライバシーマークを付与し、事業活動に関してプライバシーマークの使用を認める制度
※2 ISO/IEC 27001:国際標準化機構(ISO)が企業・組織の活動に関する情報資産のセキュリティリスクを低減し、発生を予防するためのセキュリティ管理の要求事項を制定した国際規格で、信頼性が高い情報システム管理体制を確立・実施する企業等に対して認証が付与される。
※3 ISO 9001:国際標準化機構(ISO)が制定した国際規格で、企業等が製品やサービスの品質保証を通じて、顧客満足度向上と品質マネジメントシステムの継続的な改善を実現するための規格。
2022年4月には社会・企業のDXに対応するため金融事業からITイノベーション事業を分離独立させ、事業本部を設置した。2023年6月には東京証券取引所スタンダード市場に上場した。2024年4月には業務系・組込み系ソフトウェア開発を行うH&T社を子会社化し、同年4月にAIと金融工学を組み合わせたシステム開発を行うMILIZEと、CLIPシリーズにAIを活用して臨床検査分野でのシステム操作をサポートする機能の実装を共同開発することをリリースした。続けて5月にはマイグレーションソリューションシステムを開発・販売するコリアファステック(韓国)とマイグレーション分野での販売業務提携を行った。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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