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品川リフラクトリーズのニュース
*12:40JST 品川リフラ Research Memo(10):高温技術分野で世界的トップランナーを目指す(2)
■品川リフラクトリーズ<5351>の中長期の成長戦略
(4) JFEホールディングスの取り組み
JFEホールディングスは、2021年5月に「気候変動問題への取り組み」を開示した。第7次中期経営計画の最重要課題に気候変動問題の取り組みを位置付けている。「JFEグループ環境経営ビジョン2050」において、2050年のカーボンニュートラル実現を目指すことを表明した。鉄鋼事業では、2030年度のCO2排出量を2013年度比で30%以上の削減を目標とする。2024年から2030年までをトランジション期とし、その後の2050年までをイノベーション期としている。JFEスチールは、2023年度より業界で初めて役員の業績連動報酬に気候変動に関する指標を導入する。
2030年度までのトランジション期の鉄鋼プロセスの低炭素化手段として、省エネ・高効率化、低炭素原燃料活用、低炭素プロセス導入の3つを挙げている。省エネ・高効率化では、2025年に福山地区で高効率コークス炉への更新を計画している。低炭素原燃料活用は、転炉でのスクラップ利用の拡大と還元鉄(HBI)の活用を全地区で進めている。還元鉄の確保のため、Emirates Steel Arkan (UAE)、伊藤忠商事<8001>との間で低炭素還元鉄のサプライチェーン構築に向けた詳細な事業化調査を実施することで合意した。UAEに設立する合弁会社は、還元剤をコークスから天然ガスへ置き換えた低炭素還元鉄の生産とCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)の活用で原油増進回収を行い、CO2排出量を削減する。2025年度下期から年間250万トン程度の規模で直接還元鉄の生産を目指す。JFEスチールは、自社の引き取り分を国内製鉄所で使用する。2030年までのトランジション期において、大型電気炉、フェロコークス、スクラップ・還元鉄対策、LNGなどに1兆円規模の設備投資が必要となると想定している。低炭素技術で生産される鋼材は高コストになるが、従来品と比べ品質や性能面で優位性があるわけではなく、環境価値を適切に評価したグリーン鋼材の市場創出が必須となる。
2050年のカーボンニュートラル実現には、超革新技術の早期確立と実装が必要になる。実用化され削減効果をもたらすのは、2030年以降のイノベーション期と想定している。超革新技術については、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション(GI)基金事業等を活用した複線的な技術開発を推進する。GI基金事業の開発内容は、カーボンリサイクル高炉法、直接還元製鉄法、高効率・大型電気炉である。製鉄プロセスにおける水素活用プロジェクトには、高炉3社と(一財)金属系材料研究開発センターの4社が、コンソーシアムを結成している。超革新技術を実用化するには、コンビナート/企業間連携も含めた、CO2分離回収・利用・貯留技術の活用や大量に安価なカーボンフリー水素や電力の調達も不可欠になる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
<AS>
(4) JFEホールディングスの取り組み
JFEホールディングスは、2021年5月に「気候変動問題への取り組み」を開示した。第7次中期経営計画の最重要課題に気候変動問題の取り組みを位置付けている。「JFEグループ環境経営ビジョン2050」において、2050年のカーボンニュートラル実現を目指すことを表明した。鉄鋼事業では、2030年度のCO2排出量を2013年度比で30%以上の削減を目標とする。2024年から2030年までをトランジション期とし、その後の2050年までをイノベーション期としている。JFEスチールは、2023年度より業界で初めて役員の業績連動報酬に気候変動に関する指標を導入する。
2030年度までのトランジション期の鉄鋼プロセスの低炭素化手段として、省エネ・高効率化、低炭素原燃料活用、低炭素プロセス導入の3つを挙げている。省エネ・高効率化では、2025年に福山地区で高効率コークス炉への更新を計画している。低炭素原燃料活用は、転炉でのスクラップ利用の拡大と還元鉄(HBI)の活用を全地区で進めている。還元鉄の確保のため、Emirates Steel Arkan (UAE)、伊藤忠商事<8001>との間で低炭素還元鉄のサプライチェーン構築に向けた詳細な事業化調査を実施することで合意した。UAEに設立する合弁会社は、還元剤をコークスから天然ガスへ置き換えた低炭素還元鉄の生産とCCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)の活用で原油増進回収を行い、CO2排出量を削減する。2025年度下期から年間250万トン程度の規模で直接還元鉄の生産を目指す。JFEスチールは、自社の引き取り分を国内製鉄所で使用する。2030年までのトランジション期において、大型電気炉、フェロコークス、スクラップ・還元鉄対策、LNGなどに1兆円規模の設備投資が必要となると想定している。低炭素技術で生産される鋼材は高コストになるが、従来品と比べ品質や性能面で優位性があるわけではなく、環境価値を適切に評価したグリーン鋼材の市場創出が必須となる。
2050年のカーボンニュートラル実現には、超革新技術の早期確立と実装が必要になる。実用化され削減効果をもたらすのは、2030年以降のイノベーション期と想定している。超革新技術については、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション(GI)基金事業等を活用した複線的な技術開発を推進する。GI基金事業の開発内容は、カーボンリサイクル高炉法、直接還元製鉄法、高効率・大型電気炉である。製鉄プロセスにおける水素活用プロジェクトには、高炉3社と(一財)金属系材料研究開発センターの4社が、コンソーシアムを結成している。超革新技術を実用化するには、コンビナート/企業間連携も含めた、CO2分離回収・利用・貯留技術の活用や大量に安価なカーボンフリー水素や電力の調達も不可欠になる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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