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*14:02JST unerry Research Memo(2):リアル空間のデータを収集・蓄積・整理・分析・活用し、UX向上実現(1)
■unerry<5034>の会社概要
1. 会社概要
同社は、「心地よい未来を、データとつくる。」というミッションの下、リアル行動データとAIを活用し、リアル空間を見える化することによってマーケティングや街づくりの領域でソリューションを提供している。中国・北米・日本で特許を取得しているリアル行動ビッグデータプラットフォーム「Beacon Bank」を通じて特定の個人を識別しない人流データを蓄積し、「分析・可視化」「行動変容」「One to One」という3つのサービスを顧客に提供している。人流データは、ユーザーがビーコン電波範囲に入った際に位置情報を取得するBluetoothビーコン(Bluetoothの電波を発信する小さな端末)と、ユーザーの断続的な位置情報を取得するGPSにより位置情報データを取得することで蓄積される。具体的には、同社の「Beacon Bank SDK(ソフトウェア開発キット:ソフトウェアやWebサービスの開発に必要なプログラム、API、仕様書などをパッケージ化したもの)」を組み込んだスマートフォンアプリを介して取得した位置情報データが、リアル行動データプラットフォームである「Beacon Bank」に蓄積され、同社独自開発のAI群によって解析される仕組みだ。
同社が分析対象としているデータは膨大であり、4.2億IDのアプリユーザー(約120以上のアプリが同社の「Beacon Bank SDK」を搭載している)と217万ヶ所のビーコンにより取得する月間840億件以上のログを解析している。こうして膨大かつ網羅的な人流データを分析できることも同社サービスの競争優位の1つだ。併せて、同社はプライバシー対応も実践している。SDKを組み込んだアプリで情報を取得する際はユーザーの事前許諾を得ること、ユーザーがデータ許諾を拒否する方法を明示することなどを徹底し、透明性の高い情報の収集・蓄積を可能にしている。さらに、情報の分析の際にも統計処理の方法を工夫し、情報の蓄積・分析を行っている。特定の個人を識別する可能性を排除するために統計データ化や少数サンプルの秘匿処理などを実践し、安全性向上に注力している。
デジタル化が高度に発達した現代においても、消費の90.6%は実社会でのリアル購買によるものだ(2023年経済産業省)。一方で、実社会におけるデータの収集・蓄積・整理・分析・活用はまだ十分になされていない。そういった意味では今後同社の事業が貢献できる領域は広大であり、伸び代も大きいと言えるだろう。
なお、同社は実社会データを基に一般消費者の状況に応じた最適な情報が提供される世界を「環境知能」とし、「人が意識してコンピュータを操作するのではなく、IoTデバイスが人々を『取り巻く(=ambient)』環境に遍在し、状況を賢くセンシングすることで自然な形で必要な情報が提供され、安全安心な状況が保持される環境が知能を持ち、くらしをサポートしてくれる世界」と定義している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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1. 会社概要
同社は、「心地よい未来を、データとつくる。」というミッションの下、リアル行動データとAIを活用し、リアル空間を見える化することによってマーケティングや街づくりの領域でソリューションを提供している。中国・北米・日本で特許を取得しているリアル行動ビッグデータプラットフォーム「Beacon Bank」を通じて特定の個人を識別しない人流データを蓄積し、「分析・可視化」「行動変容」「One to One」という3つのサービスを顧客に提供している。人流データは、ユーザーがビーコン電波範囲に入った際に位置情報を取得するBluetoothビーコン(Bluetoothの電波を発信する小さな端末)と、ユーザーの断続的な位置情報を取得するGPSにより位置情報データを取得することで蓄積される。具体的には、同社の「Beacon Bank SDK(ソフトウェア開発キット:ソフトウェアやWebサービスの開発に必要なプログラム、API、仕様書などをパッケージ化したもの)」を組み込んだスマートフォンアプリを介して取得した位置情報データが、リアル行動データプラットフォームである「Beacon Bank」に蓄積され、同社独自開発のAI群によって解析される仕組みだ。
同社が分析対象としているデータは膨大であり、4.2億IDのアプリユーザー(約120以上のアプリが同社の「Beacon Bank SDK」を搭載している)と217万ヶ所のビーコンにより取得する月間840億件以上のログを解析している。こうして膨大かつ網羅的な人流データを分析できることも同社サービスの競争優位の1つだ。併せて、同社はプライバシー対応も実践している。SDKを組み込んだアプリで情報を取得する際はユーザーの事前許諾を得ること、ユーザーがデータ許諾を拒否する方法を明示することなどを徹底し、透明性の高い情報の収集・蓄積を可能にしている。さらに、情報の分析の際にも統計処理の方法を工夫し、情報の蓄積・分析を行っている。特定の個人を識別する可能性を排除するために統計データ化や少数サンプルの秘匿処理などを実践し、安全性向上に注力している。
デジタル化が高度に発達した現代においても、消費の90.6%は実社会でのリアル購買によるものだ(2023年経済産業省)。一方で、実社会におけるデータの収集・蓄積・整理・分析・活用はまだ十分になされていない。そういった意味では今後同社の事業が貢献できる領域は広大であり、伸び代も大きいと言えるだろう。
なお、同社は実社会データを基に一般消費者の状況に応じた最適な情報が提供される世界を「環境知能」とし、「人が意識してコンピュータを操作するのではなく、IoTデバイスが人々を『取り巻く(=ambient)』環境に遍在し、状況を賢くセンシングすることで自然な形で必要な情報が提供され、安全安心な状況が保持される環境が知能を持ち、くらしをサポートしてくれる世界」と定義している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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