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トリプルアイズのニュース
*13:08JST トリプルアイズ Research Memo(8):ソフトウェアや投資有価証券の減損を実施し、当期純利益が大幅な赤字に
■業績動向
1. 2023年8月期の業績概要
トリプルアイズ<5026>の2023年8月期の連結業績は、売上高2,346百万円(前期比3.2%減)、営業損失269百万円(前期は133百万円の営業利益)、経常損失290百万円(同115百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は825百万円(同112百万円の当期純利益)となり、期初の2022年10月に発表した売上高2,601百万円、営業利益26百万円が2023年4月に売上高2,322百万円、営業損失211百万円に下方修正、2023年7月には売上高は2,322百万円で据え置かれたが、営業損失が274百万円へ再下方修正され、2度の下方修正を経ての着地となった。
最初の下方修正時はコロナ禍からの経済正常化の流れのなかで、自動検温システムや顔認証システムなどを中心としたAIZE部門の売上高が期初想定から大きく落ち込んだこと、また、それまで資産計上していたソフトウエア開発に関する費用を、研究開発費として販管費に計上することなどによる費用増加が主因であった。また、2度目の下方修正時は、ゼロフィールドの全株式を取得し完全子会社化することに伴い、M&Aに伴う仲介手数料等を計上したことによる。当期純損失が大幅な赤字となっているのは、資本業務提携先の投資有価証券の減損を行ったことによる。
主な部門別の業績としては、SI部門の売上高が1,720百万円(前期比2.8%減)、売上総利益が380百万円(同2.1%減)、AIZE部門の売上高が581百万円(同5.1%減)、売上総利益が173百万円(同38.4%減)で、AIZE部門の落ち込みが業績の足かせとなった。
ソフトウエアや投資有価証券の減損計上で自己資本比率が64.7%から14.4%へと低下。3億円の第三者割当増資の実施で2024年8月期の第1四半期からは回復が見込まれるが、本業での早期黒字化定着が課題
2. 財務状況と経営指標
(1) 連結貸借対照表
2023年8月期末の資産合計は前期末比514百万円増加し、2,302百万円となった。流動資産は現金及び預金が674百万円増加したことなどにより同667百万円増加し2,152百万円となった。固定資産は減損損失の計上などによってソフトウエアを中心とした無形固定資産が229百万円減少したことなどにより、同153百万円減少し149百万円となった。
負債合計は前期末比1,339百万円増加し、1,970百万円となった。流動負債は同365百万円増加し846百万円となった。これは主に、短期借入金が161百万円、1年内返済予定の長期借入金が180百万円増加したことなどによる。固定負債は長期借入金が974百万円増加したことにより、同974百万円増加し1,123百万円となった。株主資本は同825百万円と大幅に減少し332百万円となった。これは2023年8月期に営業損失を計上したことに加え、ソフトウエアの減損損失、投資有価証券の減損損失等により親会社に帰属する当期純損失が825百万円と大幅な赤字になったことによるものである。なお、同社では2023年9月に第三者割当増資により299百万円を資金調達しており、2024年8月期第1四半期末においては株主資本が3億円程度、自己資本比率も2023年8月末の14.4%から24%程度まで回復することが見込まれる。ただ、同社は今期においても営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに赤字予想となっており、本業での早期黒字化の定着が課題である。また、ゼロフィールドの買収に伴い、のれん代がバランスシートで8億円程度計上される可能性があり、のれんの減損を回避すべく買収時の事業計画に沿った運営が重要となろう。
(2) 連結キャッシュ・フロー計算書
2023年8月期における営業活動によるキャッシュ・フローは241百万円の支出となった。これは主に、減価償却費17百万円、減損損失325百万円などの収入要因があったものの、税金等調整前当期純損失801百万円などの支出要因が大きかったことに起因するものである。投資活動によるキャッシュ・フローは399百万円の支出となった。これは主に、投資有価証券の取得による支出252百万円、有形固定資産の取得による支出13百万円、無形固定資産の取得による支出133百万円などによる。財務活動によるキャッシュ・フローは1,315百万円の収入となった。これは、短期借入金による収入161百万円、長期借入れによる収入1,230百万円があったことによる。この結果、2023年8月期の現金及び現金同等物の期末残高は前期比674百万円増の1,754百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
<SI>
1. 2023年8月期の業績概要
トリプルアイズ<5026>の2023年8月期の連結業績は、売上高2,346百万円(前期比3.2%減)、営業損失269百万円(前期は133百万円の営業利益)、経常損失290百万円(同115百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は825百万円(同112百万円の当期純利益)となり、期初の2022年10月に発表した売上高2,601百万円、営業利益26百万円が2023年4月に売上高2,322百万円、営業損失211百万円に下方修正、2023年7月には売上高は2,322百万円で据え置かれたが、営業損失が274百万円へ再下方修正され、2度の下方修正を経ての着地となった。
最初の下方修正時はコロナ禍からの経済正常化の流れのなかで、自動検温システムや顔認証システムなどを中心としたAIZE部門の売上高が期初想定から大きく落ち込んだこと、また、それまで資産計上していたソフトウエア開発に関する費用を、研究開発費として販管費に計上することなどによる費用増加が主因であった。また、2度目の下方修正時は、ゼロフィールドの全株式を取得し完全子会社化することに伴い、M&Aに伴う仲介手数料等を計上したことによる。当期純損失が大幅な赤字となっているのは、資本業務提携先の投資有価証券の減損を行ったことによる。
主な部門別の業績としては、SI部門の売上高が1,720百万円(前期比2.8%減)、売上総利益が380百万円(同2.1%減)、AIZE部門の売上高が581百万円(同5.1%減)、売上総利益が173百万円(同38.4%減)で、AIZE部門の落ち込みが業績の足かせとなった。
ソフトウエアや投資有価証券の減損計上で自己資本比率が64.7%から14.4%へと低下。3億円の第三者割当増資の実施で2024年8月期の第1四半期からは回復が見込まれるが、本業での早期黒字化定着が課題
2. 財務状況と経営指標
(1) 連結貸借対照表
2023年8月期末の資産合計は前期末比514百万円増加し、2,302百万円となった。流動資産は現金及び預金が674百万円増加したことなどにより同667百万円増加し2,152百万円となった。固定資産は減損損失の計上などによってソフトウエアを中心とした無形固定資産が229百万円減少したことなどにより、同153百万円減少し149百万円となった。
負債合計は前期末比1,339百万円増加し、1,970百万円となった。流動負債は同365百万円増加し846百万円となった。これは主に、短期借入金が161百万円、1年内返済予定の長期借入金が180百万円増加したことなどによる。固定負債は長期借入金が974百万円増加したことにより、同974百万円増加し1,123百万円となった。株主資本は同825百万円と大幅に減少し332百万円となった。これは2023年8月期に営業損失を計上したことに加え、ソフトウエアの減損損失、投資有価証券の減損損失等により親会社に帰属する当期純損失が825百万円と大幅な赤字になったことによるものである。なお、同社では2023年9月に第三者割当増資により299百万円を資金調達しており、2024年8月期第1四半期末においては株主資本が3億円程度、自己資本比率も2023年8月末の14.4%から24%程度まで回復することが見込まれる。ただ、同社は今期においても営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに赤字予想となっており、本業での早期黒字化の定着が課題である。また、ゼロフィールドの買収に伴い、のれん代がバランスシートで8億円程度計上される可能性があり、のれんの減損を回避すべく買収時の事業計画に沿った運営が重要となろう。
(2) 連結キャッシュ・フロー計算書
2023年8月期における営業活動によるキャッシュ・フローは241百万円の支出となった。これは主に、減価償却費17百万円、減損損失325百万円などの収入要因があったものの、税金等調整前当期純損失801百万円などの支出要因が大きかったことに起因するものである。投資活動によるキャッシュ・フローは399百万円の支出となった。これは主に、投資有価証券の取得による支出252百万円、有形固定資産の取得による支出13百万円、無形固定資産の取得による支出133百万円などによる。財務活動によるキャッシュ・フローは1,315百万円の収入となった。これは、短期借入金による収入161百万円、長期借入れによる収入1,230百万円があったことによる。この結果、2023年8月期の現金及び現金同等物の期末残高は前期比674百万円増の1,754百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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