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ポーラ・オルビスホールディングス

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ポーラ・オルビスホールディングスのニュース

ポーラ・オルビスホールディングスのニュース一覧

2024年にISS搭載へ! 洗浄・保湿の2ステップスキンケア

配信元:PR TIMES
投稿:2023/08/28 11:47
宇宙でのスキンケアタイムを心地よい豊かな時間に

 ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:釘丸和也)は、宇宙に着想し(補足資料1)、国際宇宙ステーション(ISS)で使用するためのスキンケア製剤2品を開発しました。本製剤は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)のISS搭載可否審査を通過済みで、2024年頃、油井亀美也宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在において使用される予定です。


宇宙用コスメに求められる3つの要件 


ISSで使うスキンケア品のために、主に3つの要件を満たす必要がありました(※1)。

1.「簡潔・凝縮」(スキンケアタイムの充実)
決められたスケジュールの中でも使用可能であること。
2.「節水」(貴重な水資源)
排水をリサイクルするほど貴重な水の使用量を極力減らすこと。
3.「非流動」(中身の飛散防止)
装置や備品などの故障を防ぐため、内容物が飛散しないこと。

※1 この他にも、ISSへの搭載にはさまざまな制約を満たすことが求められる(補足資料2)。


心地よい至福のスキンケアタイムで、宇宙ライフを美しく快適に 


 要件1を満たすため、スキンケアのステップは「洗浄」と「保湿」の2つに集約しました。要件2では、洗浄ステップにすすぎが要らないふき取り式ジェル剤を採用しました。また水を潤沢に使えないISSだからこそ、両品とも最重視した感触は“水”の気持ち良さ、すなわち「みずみずしさ」です。さらに要件3では、粘度を高めて半固形状の剤型にすることで飛散を防止。検討を重ねた結果、使用前は半固形でありながら、使うとみずみずしく変化する製剤を実現したのです。
 これにより、ISSに持ち込む要件を全て満たすスキンケア製剤2品が完成しました。本製剤は、高度な任務を負う宇宙飛行士一人ひとりのスキンケアタイムを豊かな時間とし、より快適な宇宙ライフに繋げられるものと期待しています。

洗浄品と保湿品の2ステップに集約 



洗浄品(補足資料3):
 透明な半固形のジェル状で、コットンやティッシュペーパー上に出してなじませてから、肌に塗布し拭き取ります。塗布中はみずみずしさを感じることができ、使用後の肌はうるおいを残しつつ、メーク汚れ、汗および皮脂などの汚れを落とすことのできるアイテムです。

保湿品(補足資料4):
 半固形の軟らかいクリーム状で、スキンケア機能はもちろん、テクスチャーの変化も楽しむことができるアイテムです。肌に塗るとすっと崩れ、ローションのようにみずみずしく軽やかに伸び、肌に必要なうるおいを与えます。塗布後は、ミルクやクリームまで使用して丁寧にスキンケアしたようななめらかで柔らかい触り心地に肌を整えます。
 本技術は、既存の枠にとらわれない革新的イノベーションを目指して宇宙に着眼したことで生まれ、水資源に乏しい場合にも適するなど地上においても役立つ利点を幅広く備えています。ポーラ化成工業では今後も、お客様のニーズに応える新技術を開発します。


●補足資料1 宇宙で使える製品の開発に取り組んだ経緯
 ポーラ・オルビスグループの研究では、「既存の枠を超えて発想を飛躍させる」ことにトライしてきました。我々の持つ知見や技術を、化粧品の領域とは関係が無いと考えてきたことと掛け合わせることでイノベーションが生まれ、既存の枠を超えた新しい発見や革新的ソリューションにつながると考えています。
 その一つが宇宙との掛け合わせです(※2)。視野を遠く宇宙にまで広げ、地上とは大きく異なる「宇宙」の環境や制約を考慮に入れたことで、本研究では「水に乏しい環境でも“水”を感じ心地よい」「シンプルな使用法ながら必要な機能を果たす」などをはじめ、幅広い利点が備わるスキンケア品が完成しました。



 本技術は地上においても、例えば水を潤沢に使えない地域で快適に過ごす一助となり得るなど、地上の生活においても多方面への展開が期待できます。宇宙を考えることで、一人ひとりのニーズにより合ったソリューションや、より彩ある生活に結び付くワクワクする循環が始まりました。今後の展開にもご期待ください。

※2 2018、2019年には宇宙ビジネスアイデアコンテストS-Boosterに参画。提案したビジネスアイデアがANAホールディングス賞を受賞し、それを契機としてCosmoskinプロジェクトが発足しました。

参考リリース
➢「宇宙ビジネスアイデアコンテスト S-Booster2019 にてポーラ・オルビスグループのチームが ANAホールディングス賞を獲得」(2019年11月29日) 
https://ir.po-holdings.co.jp/news/news/news7008031861941656997/main/0/link/20191129_S-Booster2019_ANA_Holdings_Rewards.pdf   
➢「ポーラ・オルビスホールディングスと ANA ホールディングス 宇宙でも使える化粧品の共同開発へ 『CosmoSkin』プロジェクト ~宇宙が教えるあなたのあした~ を開始」(2020年9月11日)
http://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20200911.pdf 
➢「CosmoSkin プロジェクトにて共同開発中のスキンケア化粧品が 国際宇宙ステーション(ISS)搭載を目指す生活用品のアイデアに選定」(2022年3月22日)
http://www.pola-rm.co.jp/pdf/release_20220322.pdf


●補足資料2 ISSに搭載するために課せられる厳しい制約

多くの制約と審査
 ISSに持ち込む日用品に対しては、事故や不具合の防止、船内環境の汚染回避などのため、本リリースで触れたものを含め、製品の形状や成分などに対して多くの制約が設けられています。「搭載可能」とされるには、それら一つ一つ全てを満たしている必要があります。

半固形化とみずみずしさの両立に立ちはだかった制約
 粘度の高い製剤は、べたつきが発生しやすい傾向にあります。これを解消する一般的な方策として、さっぱりとした感触のアルコールの配合が挙げられます。しかし揮発性のあるアルコールはISSへの搭載が制限されています。したがって、アルコール配合以外の方法でみずみずしさを生み出す技術が必要とされ、これを実現しました。
このほか、拭き取りに用いるものとしてコットン以外にISS内に持ち込まれているティッシュペーパーなども問題なく使用できるようにするなどの工夫も行いました。

補足資料3 洗浄品の特徴

探究 拭き取り式でのみずみずしさの感じ方
 拭き取り式のスキンケア品で、みずみずしさを感じていただくには。その答えは塗布中の拭き心地にありました。コットンがジェルの上をすっとなめらかに滑ると「みずみずしさ」を感じます。

ジェルの肌なじみがなめらかな拭き心地を左右
 そこで、ジェルが肌上をしっかり覆うよう、肌と親和性が高い「肌なじみ成分」を活用しました。これによりコットンと肌の摩擦を軽減でき、みずみずしい感触を長く堪能できる(図2)、つまり“水”を感じる製剤が完成しました(図3)。




補足資料4 保湿品の特徴

ベースとなる処方を厳選
 さまざまな種類の製剤の中から、半固形ながらも使用時にみずみずしい感触に変化し、かつISSに持ち込める成分で構成できるものとして特殊なジェルクリームを採用しました。

絶妙なオイルの配合バランスで、感触の変化×保湿ケアを完了できる機能性を両立
 選定した剤をベースとし、保湿機能性を高めるためオイルの配合を増やす検討を行いました。しかしやみくもにオイルを増やすと、ジェル中のネットワーク構造が乱れ、狙いの感触が得られなくなってしまいます。そこでオイルの種類や量の検討を重ね、感触の変化と機能を両立する製剤を完成させました(図4、5)。

配信元: PR TIMES
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