【井川純一の今夜も兜町で一杯】無駄な抵抗はやめよ…な～んてね

　３月２３日（木曜日）の日経平均株価は４３円９３銭高の１万９０８５円３１銭と４日ぶりに反発。今日は、売り買い交錯の展開で、前日終値を挟んでのもみ合いとなりました。昨日あれだけ下げたので、さすがに値ごろ感からの押し目買いも入った感じですかね。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　◆
　ちょっと前に、アンチエイジングの特集記事を書いたが、案外このテーマは面白い。急速に進む高齢化が、大きな社会問題として浮上して久しいが、いっこうに解決の糸口が見つからないのが現状だ。そんななか、株式市場は介護関連など高齢化社会で活躍する企業に注目が集まり、一大相場を形成したことは記憶に新しい。ただ、相場の視点から見れば、最近ではさすがに新味に欠けるテーマとなったと言わざるを得ない。

　が、発想を変えてみれば、まだまだ「高齢化」という視点での切り口は見えてくる。例えば、前述のアンチエイジング関連もそのひとつに挙げられるわけだ。美を求める女性は、年齢を重ねても、いや年齢を重ねるほどアンチエイジングを求める。まあ、当方美容の美の字も意識せず生きてきたジジイには想像するほかないのだが、長年連れ添った女房の化粧台を見てみると、そう思わざるを得ない。ただ、内心では「無駄な抵抗はやめよ」と思ったりするわけだが、よもや口に出して伝える勇気はまったくない。

　いまや、アンチエイジングは巨大市場へと変貌、市場調査会社の富士経済によると、０６年に４４０２億円だった市場が、１７年には６８３８億円と大幅な拡大を予測している。株式市場でも、資生堂<4911.T>とポーラ・オルビスホールディングス<4927.T>を中心としたアンチエイジング合戦が注目を集めている。資生堂は「レチノール」、かたやポーラは「リンクルショット」を武器に激しい商戦を繰り広げているわけだ。

　ただ、ある化粧品会社に取材しこの点を尋ねると、「高齢化社会の進展が追い風だと言われると、そこは違う。少なくとも、当社は求められるニーズに対して最大限応えていく商品を提供していくことを目的としている」とおっしゃる。異論もないので「了解しましたぁ～」といった感じだが、そこのところは、まあ言わずものがなっていう感じかね。

　老化防止ではなくアンチエイジング、まだまだ市場は急拡大しそう。ただ、当方は色即是空ってなところで、もはやなすがままに年を重ねていくのみであるわな。
《ＫＣ》

出所：株経ONLINE（株式会社みんかぶ）