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【QAあり】WOWOW、2Qは売上高・経常利益ともに増加 会員収入減もその他収入やグループ会社の売上が寄与

投稿:2024/11/08 13:00

2024年度第2四半期(中間期)決算 ハイライト①

山本均氏(以下、山本):代表取締役 社長執行役員の山本です。本日は決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

2024年度第2四半期のハイライトについてご説明します。新規加入件数は36万3,000件、解約件数は42万9,000件、正味加入件数は6万6,000件の純減となりました。

新サービス「WOWSPO」の開始、スポーツコンテンツや音楽コンテンツが好評を得たことにより、前年同期比で新規加入件数が増加した一方、目的番組終了などにより解約件数も増加しています。

その結果、正味加入件数はマイナス6万6,000件と前年同期比で1万8,000件良化しています。累計正味加入件数は240万1,000件となりました。

2024年度第2四半期(中間期)決算 ハイライト②

収支のハイライトです。売上高は前年同期と比べ会員収入が減少したものの、映画事業や番組販売などのその他収入やグループ会社の売上が増加したことなどにより、増収となりました。

経常利益は、売上高の増加により増益となりました。

中間純利益は、4Kチャンネル「WOWOW 4K」放送サービス終了、コンテンツ情報統合管理システムの開発中止による減損損失を計上したことなどにより、減益となっています。

2024年度第2四半期(中間期)決算 加入状況

尾上純一氏(以下、尾上):経営管理、経理統括の尾上です。IRを担当しています。

まず、加入状況です。新規加入件数は36万3,000件となりました。「UEFAチャンピオンズリーグ」などのスポーツコンテンツや「SUMMER SONIC 2024」などの音楽ライブが好評を得たことや、4月に開始した新サービス「WOWSPO」により、これまでWOWOWに加入していただけなかった若年層が多く加入したことから、前年同期と比べ6万7,000件の増加となりました。

解約件数は42万9,000件です。目的番組終了による解約が増えたことなどにより、前年同期に比べ4万9,000件の増加となりました。

その結果、正味加入件数は6万6,000件の減少、累計正味加入件数は240万1,000件と、前年同期に比べ7万4,000件の減少となりました。

正味加入件数はマイナスですが、前年同期と比べ1万8,000件良化しています。

また、こちらの数字には含まれませんが、「UEFAチャンピオンズリーグ」など、サッカーのシーズンパスを「WOWOWオンデマンドPPV(ペイパービュー)」で販売しており、WOWOWをお楽しみいただいているお客さまの数は数字以上に良化しています。

なお、サッカーのシーズンパスは昨年9月にも前期シーズンで販売しており、販売数は前年同期に比べて増加しています。

2024年度第2四半期(中間期)決算 収支状況(連結)

連結の収支状況です。売上高は373億6,100万円で、前年同期に比べ7億4,700万円の増収、経常利益は16億500万円で、前年同期に比べ1億3,700万円の増益となりました。

加入者数の減少により会員収入が減少したものの、映画事業や番組販売といったその他の収入や、グループ会社の売上が増加したことなどから売上高は増収となりました。

経常利益は、売上高の増加により増益となっています。

また、特別損失として17億7,000万円を計上しています。すでに公表していますが、4K放送のサービス終了決定による固定資産等の10億3,600万円と、コンテンツ情報統合管理システムの開発中止決定によるシステム開発費用の7億800万円を減損処理したことなどによるものです。その結果、中間純利益はマイナス1億7,900万円で、前年同期に比べ9億円の減益となりました。

セグメント別連結売上高/営業利益対比

セグメント別の状況です。メディア・コンテンツセグメントは、お客さまからの視聴料である会員収入が売上高の多くを占めています。また、コンテンツを軸とした多層サービスの展開などにより、会員収入以外の事業収入拡大にも注力しています。

売上高は、会員収入が前年同期と比べ減収となったものの、その他収入において映画事業や番組販売、連結子会社のグループ外への売上が増加したことなどにより、3億400万円の増収となりました。

営業利益は、売上高の増加により1億8,700万円の増益となっています。

テレマーケティングセグメントは、連結子会社のWOWOWコミュニケーションズにおける事業となります。外部顧客のテレマーケティング業務等の売上が減少したものの、昨年度に買収したフロストインターナショナルコーポレーションの売上が加わったことにより、売上高は前年同期に比べ2億3,300万円の増収となりました。

営業利益は、外部顧客からの売上減による利益減をフロストインターナショナルコーポレーションの利益ではカバーできず、前年同期に比べ1,300万円の減益となりました。

連結経常利益 前年同期との差異要因

連結経常利益の差異要因です。スライドの左側が利益の増加要因、右側が利益の減少要因となります。

まず、増加要因です。その他事業収支が8億7,000万円増加しました。先ほどまでご説明していた映画事業や番組販売などの売上増加によるものです。広告宣伝費は費用を効率的に投下したことなどにより、3億600万円減少しています。また、グループ会社の収支は、連結子会社のグループ外の売上が増加したことなどにより、6,000万円増加しました。

次に、減少要因です。会員収入が10億5,800万円減少しました。なお、前年同期は会員収入の減少が14億3,000万円でしたので、減少幅は少なくなっています。

これは正味加入件数の減少幅の改善に加え、加入件数に含まれていないサッカーのシーズンパスの売上が加わったことによるものです。「WOWSPO」の開始をはじめ、新しいサービスの導入が功を奏した結果と捉えています。その結果、その他の要因を加えて1億3,700万円の増益となりました。

番組費の推移

番組費は前年同期と比べ、ほぼ同水準で推移しています。

収益向上に向けた取り組み①

井原多美氏:事業戦略を統括している井原です。収益向上に向けた取り組みについてご説明します。

まず、音楽を軸とした多層化展開です。11月8日からスピッツ初の大規模展覧会「SPITZ, NOW!~ロック大陸の物語展~Special Supporter マイナビ」が開催されます。

2022年に放送・配信したオリジナル番組「優しいスピッツ a secret session in Obihiro」を2023年に劇場版として公開しDVDを販売したことに続く新たな多層サービスの取り組みとして、今回は展示会の開催となりました。

また、10月にはWEST.とWOWOWがタッグを組み、実現したオリジナルライブが放送されましたが、11月22日より劇場版の『WEST. 10th Anniversary Live “W” -Film edition-』が公開されます。

加えて、『劇場版 JUJU 20th ANNIVERSARY「YOUR REQUEST」』も、12月13日より映画館で公開する予定です。映画館ではライブ感をたっぷりお楽しみいただきたいと考えています。

収益向上に向けた取り組み②

スポーツでは、ゴルフ企画をご紹介します。山下美夢有、竹田麗央、岩井明愛・岩井千怜の岩井姉妹、原英莉花ら日本人選手7名の参加が決定した「LPGA女子ゴルフツアー 2025最終予選会」では、全日程、予選ラウンド、決勝ラウンドに分けてWOWOWオンデマンドPPVで配信チケットを販売し、月額2,300円の放送・配信サービスの単一商品以外の商品展開を進めています。

「LPGA女子ゴルフツアー ロッテ選手権」では、古江彩佳選手の優勝で大いに盛り上がり、参加者から好評だった「アムンディ・エビアン・チャンピオンシップ」に続き、HISとのコラボレーション企画による観戦ツアーを実施します。

まもなく出発となる観戦ツアーでは、片平光紀プロがツアー参加者のみなさまだけにロッテ選手権の見どころや注目選手など決勝戦を楽しむポイントを解説する企画や、懇親会の実施、さらにはゴルフ天国ハワイでのWOWOWゴルフコンペ開催など、WOWOWならではのツアーをお楽しみいただく予定です。

音楽ライブやオリジナルドラマを放送・配信

第3四半期は人気アーティストの最新ライブが充実しています。音楽ライブでは、国内のみならずアジアおよび世界でも大きな反響を呼んできたYOASOBIの初ドームライブから、東京ドーム公演2日目を放送・配信します。

また、世界の舞台で強烈な個性を示し続けている新しい学校のリーダーズの日本凱旋ライブツアーより、ファイナルとなる東京公演の模様を独占生中継します。

その他、オリジナルドラマでは、江戸川乱歩賞作家・佐野広実のヒット作を、主演・江口洋介、共演・蒔田彩珠でドラマ化した社会派ミステリー『誰かがこの町で』を「連続ドラマW」として12月8日からスタートします。

「連続ドラマW-30」では、今年公開され約400万人を動員した映画『変な家』で主演を務めた間宮祥太朗主演、裏社会の道具屋を描いた漫画原作の「ハスリンボーイ」が11月1日からスタートします。

具体的な取り組み①

山本:今年4月26日に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」について公表しました。そこで掲げた成長戦略・財務戦略に基づいた取り組みについてご説明します。

まず、成長戦略については、先ほど井原からもご説明したとおり、さまざまな切り口での商品展開を行い、コンテンツを軸とした多層サービスの開発・提供に取り組んでいます。

このような新たな取り組みに加え、成長戦略で掲げた「メディア・サービス(放送・配信サービス)の構造改革」において、急速に変化する外部環境や競争激化による厳しい状況下を鑑み、不採算事業の撤退として4Kチャンネル「WOWOW 4K」の放送サービス終了を決断しました。

引き続き、中長期的な経営資源の選択と集中を行い、メディア・サービスの構造改革を推進していきたいと考えています。

財務戦略で掲げた「政策保有株式の縮減」に基づいた取り組みとしては、本日、当社保有の上場有価証券1銘柄の売却を決定しました。

今後も政策保有株については、投資先との事業シナジー等も含め、当社の中長期的な向上に資するものかを踏まえ、慎重に保有を検討しつつ、当社の資産効率の向上や財務体質の強化も踏まえて縮減を進めていこうと考えています。

なお、政策保有株式の縮減についてはリリースをご覧ください。

具体的な取り組み②

その他の財務戦略に掲げた投資の推進に基づいた取り組みとしては、株式会社cinraの孫会社化、TNLメディアジーングループ3社との協業を先日発表しました。

当社の連結子会社であるWOWOWコミュニケーションズは、Webサイトの広告の企画・制作などの事業を行っているcinra社を買収しました。当社グループにcinra社を迎え入れることで、デジタルマーケティングのさらなる成長と事業価値の最大化が見込めると判断し、株式を取得しました。

TNLメディアジーングループは、AI、ビッグデータなどを活用し、eコマース、広告、イベントなどの事業を展開し、20を超えるメディアブランドの運営を行っており、当グループであるTNLメディアジーン、株式会社メディアジーン、株式会社インフォバーンとの事業提携、およびTNLメディアジーンの発行する転換社債の取得を実施しました。

当社が今後注力していきたいコマースをはじめ、メディア、広告といった領域でも事業シナジーが見込めると考えています。

2024年度 加入計画

2024年度の加入計画です。加入計画は、正味加入件数プラスマイナスゼロ、累計正味加入件数246万7,000件の公表値から変更はありません。

第2四半期時点の正味加入件数はマイナス6万6,000件となっていますが、積極的に番組費などを投下することで、当初の加入計画プラスマイナスゼロを目指していきます。

2024年度 収支計画(連結)(2024年10月31日公表値)

2024年度収支計画です。業績予想について、9月27日に発表したものから本日修正しました。

売上高については、連結子会社の売上高増により、9月27日の公表値と比べ1億円増収の756億円に修正します。営業利益および経常利益の変更はありません。

親会社株主に帰属する当期純利益についてです。9月27日に「WOWOW 4K」放送サービス終了とコンテンツ情報統合管理システムの開発中止に伴う特別損失の計上を発表したため、親会社株主に帰属する当期純利益を0円に修正しています。

10月31日の公表値では投資有価証券売却益の発生がありますが、第2四半期決算を踏まえて法人税等の見積もりを再検討した結果、9月27日の公表値から変更はありません。

2024年度 配当計画

2024年度配当計画は、当初の計画から変更はありません。1株当たりの配当30円を計画しています。当社も株主還元の重要性を認識しているため、減益の状況下でも継続して安定的な配当を行う方針を維持しています。

質疑応答:番組費について

質問者:番組費の考え方についてです。基本的な方針は単体売上高の40パーセントが目安だと思いますが、下期にいろいろと企画して積極的に費用を投下すれば、通期ベースで40パーセントを超過する可能性もあるのでしょうか? 

尾上:売上に対してどれくらい番組費を投下するかを1つの基準としていますが、期中における加入の変動により売上は変動します。

そのような意味では、当期、加入獲得や将来の収益獲得において、番組費を投下することは考えられるため若干の変動はあると認識しています。

質疑応答:政策保有株式の売却益の用途について

質問者:政策保有株式の売却資金について教えてください。下期に売却予定とのことですが、どのような用途を考えていますか?

尾上:売却益により入ってきたキャッシュの用途としては、さまざまな投資という観点で考えています。具体的な用途はありませんが、番組またはさまざまな事業投資といった将来の成長に向けて投下したいと考えています。

質問者:株式市場から、御社のネットキャッシュ水準を踏まえると自社株買いなどの追加還元も期待できると思います。この点についてはいかがでしょうか? 

尾上:当社の現状の経営水準や、将来に向けて成長戦略を行っていく中で、そのような資金を成長に振り向ける追加の株主還元については、ことを第一に考えております。一方、市場の状況を見ながら別途適宜考えていきたいです。

質疑応答:今後の4Kコンテンツ制作への姿勢について

質問者:御社はこれまで積極的に4Kコンテンツを制作していたと思います。2025年2月に4K放送が終了することを受けて、御社の4Kコンテンツ制作に対する姿勢はどのように変わるのでしょうか?

山本:当社の今のドラマは4Kで制作しています。ドラマの4K制作は引き続き推進したいと考えています。その他のいわゆる購入物は、権利元との素材にもよりますが、オリジナル作品は4Kで制作を続けていきたいと考えています。

質問者:4K放送チャンネルの終了により、放送の出し口がなくなるわけですが、今後御社で作るオリジナル4K作品の出し口はどこを考えていますか? そして、現在、WOWOWオンデマンドは4K配信に耐えられる仕様になっているのでしょうか? 

山本:現在はWOWOWオンデマンドの4K配信は考えていません。

4Kの素材は、2Kで放送しても画質が良いですし、二次利用や他のOTT事業者への番組販売もあり得るため、オリジナル作品は4K素材で残したいという考えのもと進めています。

質問者:放送や配信などの自社プラットフォームでは、編成も自由にできて勝手が良いと思いますが、他社依存のプラットフォームのみで4K作品を流していくことには不安や懸念はないのでしょうか? 

山本:スマートフォン・タブレット・テレビなどさまざまなデバイス環境でお客さまにご視聴いただいている中、通信や画質環境も考えて放送・配信する上で、必ずしも4K制作のものを4Kで放送・配信することにはこだわっていません。それよりも、お客さまに選んでいただける魅力あるコンテンツを用意し、さまざまな出し口にお届けすることを優先して考えております。

IPやオリジナルコンテンツを持ち、それをいかにマルチ展開していくかという考えのもとで進めてまいりたいと思っております。

山本氏からのご挨拶

山本:本日は決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。2024年4月1日に私が社長に就任してから、あっという間に半年が経ちました。「WOWSPO」やTVOD、サッカーのシーズンパスなど、新しい商品の展開を進めてきました。

また、音楽コンテンツの劇場公開や、劇場でのサッカーのライブビューイング、スピッツの展覧会を行い、新たな収益の創出というチャレンジを進めています。その他にも先ほどご説明した事業展開やM&A、4Kの不採算事業の撤退という決断を行いました。

WOWOWを再度成長軌道に乗せるためのさまざまなチャレンジやアクションを、精一杯行ってきた半年間だったと思います。これから先はこのような取り組みのスピードを上げて、役員一同気を引き締めて取り組んでいきたいと考えています。

何卒ご支援のほど、引き続きよろしくお願いします。本日はありがとうございました。

配信元: ログミーファイナンス
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