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スペースシャワーSKIYAKIホールディングスのニュース
スペースシャワーSKIYAKIホールディングスのニュース一覧
*14:11JST Sシャワー Research Memo(1):2023年3月期はコロナ禍影響が和らいで営業黒字転換
■要約
スペースシャワーネットワーク<4838>は、ユーザーに対してコンテンツ・感動を、アーティストに対してソリューションを提供し、多様なメディア・コンテンツ事業を展開するエンタテインメント企業である。そして、有料放送を中心とするメディアセグメントの収益を維持しながら、ライブ・コンテンツセグメントやソリューションセグメントの拡大によって新しいエンタテイメントの世界の創造を目指している。
1. ライブ・コンテンツセグメントが回復基調
アーティスト・クリエイターのマネジメントからライブ制作まで、あらゆる音楽エンタテインメント関連事業を展開している。事業区分は2023年3月期より変更して、音楽専門有料放送「スペースシャワーTV」運営や音楽映像収録・プロモーションビデオ等の映像制作を行うメディアセグメント、主催イベント企画・運営やライブハウス・エンタテインメントカフェ運営等を行うライブ・コンテンツセグメント、音楽配信やファンクラブ運営等を行うソリューションセグメントとしている。メディアセグメントの有料放送事業は契約者数の減少で漸減傾向だが、ライブ・コンテンツセグメントは新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響が緩和されて回復基調となっている。ソリューションセグメントのディストリビューション事業は、現在は人員やシステムの増強など先行投資の段階だが、今後の成長ドライバーと位置付けている。
2. 2023年3月期はコロナ禍影響が和らいで営業黒字転換
2023年3月期の連結業績は、売上高が前期比10.9%増の15,381百万円、営業利益が153百万円の黒字(前期は0百万円の損失)、経常利益が同2.2%増の563百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同39.3%減の348百万円だった。売上面は、メディアセグメントが有料放送の契約者数減少などで減収だったが、ライブ・コンテンツセグメントがコロナ禍影響緩和による大型イベントの再開、ライブハウスの回復、エンタテインメントカフェの来店者数増加などで大幅増収となって牽引し、利益面は増収効果で営業利益が黒字転換した。営業利益153百万円増益の事業別分析は、有料放送が110百万円減、イベントが60百万円増、ライブハウスが137百万円増、アーティストが27百万円増、エンタテインメントカフェが218百万円増、ディストリビューションが128百万円減、ファンクラブが25百万円減、その他が26百万円減だった。なお営業外収入での助成金収入減少などで経常利益は小幅増益にとどまった。また、税負担が増加したため親会社株主帰属当期純利益は減益だった。
3. 2024年3月期もライブ・コンテンツセグメントが牽引して大幅営業増益予想
2024年3月期の連結業績予想は、売上高が2023年3月期比8.2%増の16,650百万円、営業利益が同261.3%増の554百万円、経常利益が同6.5%増の600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同7.5%増の374百万円としている。新型コロナウイルス感染症の分類が5類へ移行したことに伴い、社会経済活動が平常化に向かうことを想定し、ライブ・イベントに加えて、ライブハウスやエンタテインメントカフェなどの店舗営業も通常時に回復するため、増収・大幅営業増益予想としている。売上高については過去最高の見込みだ。経常利益と親会社株主帰属当期純利益については、営業外収入での助成金収入が減少するため小幅増益予想としている。なお上期と下期に分解すると、上期偏重の計画としている。これは大型イベント開催が上期に集中することが主因である。また、会社予想は先行きの不透明感や、ソリューションセグメントでの先行投資などを考慮しているが、事業環境が大幅に改善していることを勘案すれば、会社予想に上振れ余地があるだろうと弊社では考えている。
4. 中期経営計画「Daylight 2024」で未来へとつながる光の道を切り開く
2022~2024年度中期経営計画「Daylight 2024」では、混迷の時代にあっても、エンタテインメントが持つ力を信じ、未来へとつながる光の道「Daylight」を切り開くことを目指すとしている。経営目標値には、2024年度までに連結売上高200億円、連結営業利益10億円(営業利益率5%)、連結経常利益10億円、ROE20%を掲げ、セグメント別経常利益構成比の目標をメディアセグメント17%、ライブ・コンテンツセグメント41%、ソリューションセグメント42%としている。成長の重点領域と位置付けるライブ・コンテンツセグメントでは、ロイヤリティの高いファンを有する優良コンテンツの「SWEET LOVE SHOWER」や「あっとほぉーむカフェ」などの水平展開と付加価値向上により、事業収益の拡大を目指す。さらに、従来のロックフェスとは異なるジャンル、ターゲットのコンテンツ開発により新たな顧客獲得を目指す。ソリューションセグメントでは、FUGA社との連携を強化し、データマーケティング力の強化、音楽業界のネットワークを活用したクライアントアクイジションを強化する。メディアセグメントについては、有料放送市場が緩やかな漸減傾向であることを想定し、既存の有料放送事業の収益堅守に向けて顧客ニーズに最適化したコンテンツ制作や番組編成に注力する。映像制作については、既存事業の柱である音楽映像制作のうち、大型ライブ映像収録案件獲得に注力するとともに、先進的な映像演出機能の獲得を目指す。
5. アナリストの注目点
音楽エンタテインメント市場については、技術革新によって配信プラットフォームや配信機器が変化する傾向があるものの、音楽配信そのものの市場は拡大基調が予想される。こうした事業環境の下、同社にとっては、従来の収益基盤であったメディアセグメントの有料放送事業の収益維持が課題となるものの、メディアセグメントの映像制作、ライブ・コンテンツセグメント、さらにソリューションセグメントのディストリビューション事業は市場開拓余地が大きいと考えられる。中期経営計画「Daylight 2024」において、こうした成長領域への取り組みを積極化させる強い意気込みがうかがえることを勘案すれば、中長期的に収益拡大が期待できるだろうと弊社では評価している。
■Key Points
・多様なメディア・コンテンツ事業を展開し、新しいエンタテインメントの世界の創造を目指す企業
・2023年3月期はコロナ禍の影響が和らいで営業黒字転換
・2024年3月期もライブ・コンテンツセグメントが牽引して大幅営業増益予想
・中期経営計画「Daylight 2024」で未来へとつながる光の道を切り開く
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<SI>
スペースシャワーネットワーク<4838>は、ユーザーに対してコンテンツ・感動を、アーティストに対してソリューションを提供し、多様なメディア・コンテンツ事業を展開するエンタテインメント企業である。そして、有料放送を中心とするメディアセグメントの収益を維持しながら、ライブ・コンテンツセグメントやソリューションセグメントの拡大によって新しいエンタテイメントの世界の創造を目指している。
1. ライブ・コンテンツセグメントが回復基調
アーティスト・クリエイターのマネジメントからライブ制作まで、あらゆる音楽エンタテインメント関連事業を展開している。事業区分は2023年3月期より変更して、音楽専門有料放送「スペースシャワーTV」運営や音楽映像収録・プロモーションビデオ等の映像制作を行うメディアセグメント、主催イベント企画・運営やライブハウス・エンタテインメントカフェ運営等を行うライブ・コンテンツセグメント、音楽配信やファンクラブ運営等を行うソリューションセグメントとしている。メディアセグメントの有料放送事業は契約者数の減少で漸減傾向だが、ライブ・コンテンツセグメントは新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響が緩和されて回復基調となっている。ソリューションセグメントのディストリビューション事業は、現在は人員やシステムの増強など先行投資の段階だが、今後の成長ドライバーと位置付けている。
2. 2023年3月期はコロナ禍影響が和らいで営業黒字転換
2023年3月期の連結業績は、売上高が前期比10.9%増の15,381百万円、営業利益が153百万円の黒字(前期は0百万円の損失)、経常利益が同2.2%増の563百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同39.3%減の348百万円だった。売上面は、メディアセグメントが有料放送の契約者数減少などで減収だったが、ライブ・コンテンツセグメントがコロナ禍影響緩和による大型イベントの再開、ライブハウスの回復、エンタテインメントカフェの来店者数増加などで大幅増収となって牽引し、利益面は増収効果で営業利益が黒字転換した。営業利益153百万円増益の事業別分析は、有料放送が110百万円減、イベントが60百万円増、ライブハウスが137百万円増、アーティストが27百万円増、エンタテインメントカフェが218百万円増、ディストリビューションが128百万円減、ファンクラブが25百万円減、その他が26百万円減だった。なお営業外収入での助成金収入減少などで経常利益は小幅増益にとどまった。また、税負担が増加したため親会社株主帰属当期純利益は減益だった。
3. 2024年3月期もライブ・コンテンツセグメントが牽引して大幅営業増益予想
2024年3月期の連結業績予想は、売上高が2023年3月期比8.2%増の16,650百万円、営業利益が同261.3%増の554百万円、経常利益が同6.5%増の600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同7.5%増の374百万円としている。新型コロナウイルス感染症の分類が5類へ移行したことに伴い、社会経済活動が平常化に向かうことを想定し、ライブ・イベントに加えて、ライブハウスやエンタテインメントカフェなどの店舗営業も通常時に回復するため、増収・大幅営業増益予想としている。売上高については過去最高の見込みだ。経常利益と親会社株主帰属当期純利益については、営業外収入での助成金収入が減少するため小幅増益予想としている。なお上期と下期に分解すると、上期偏重の計画としている。これは大型イベント開催が上期に集中することが主因である。また、会社予想は先行きの不透明感や、ソリューションセグメントでの先行投資などを考慮しているが、事業環境が大幅に改善していることを勘案すれば、会社予想に上振れ余地があるだろうと弊社では考えている。
4. 中期経営計画「Daylight 2024」で未来へとつながる光の道を切り開く
2022~2024年度中期経営計画「Daylight 2024」では、混迷の時代にあっても、エンタテインメントが持つ力を信じ、未来へとつながる光の道「Daylight」を切り開くことを目指すとしている。経営目標値には、2024年度までに連結売上高200億円、連結営業利益10億円(営業利益率5%)、連結経常利益10億円、ROE20%を掲げ、セグメント別経常利益構成比の目標をメディアセグメント17%、ライブ・コンテンツセグメント41%、ソリューションセグメント42%としている。成長の重点領域と位置付けるライブ・コンテンツセグメントでは、ロイヤリティの高いファンを有する優良コンテンツの「SWEET LOVE SHOWER」や「あっとほぉーむカフェ」などの水平展開と付加価値向上により、事業収益の拡大を目指す。さらに、従来のロックフェスとは異なるジャンル、ターゲットのコンテンツ開発により新たな顧客獲得を目指す。ソリューションセグメントでは、FUGA社との連携を強化し、データマーケティング力の強化、音楽業界のネットワークを活用したクライアントアクイジションを強化する。メディアセグメントについては、有料放送市場が緩やかな漸減傾向であることを想定し、既存の有料放送事業の収益堅守に向けて顧客ニーズに最適化したコンテンツ制作や番組編成に注力する。映像制作については、既存事業の柱である音楽映像制作のうち、大型ライブ映像収録案件獲得に注力するとともに、先進的な映像演出機能の獲得を目指す。
5. アナリストの注目点
音楽エンタテインメント市場については、技術革新によって配信プラットフォームや配信機器が変化する傾向があるものの、音楽配信そのものの市場は拡大基調が予想される。こうした事業環境の下、同社にとっては、従来の収益基盤であったメディアセグメントの有料放送事業の収益維持が課題となるものの、メディアセグメントの映像制作、ライブ・コンテンツセグメント、さらにソリューションセグメントのディストリビューション事業は市場開拓余地が大きいと考えられる。中期経営計画「Daylight 2024」において、こうした成長領域への取り組みを積極化させる強い意気込みがうかがえることを勘案すれば、中長期的に収益拡大が期待できるだろうと弊社では評価している。
■Key Points
・多様なメディア・コンテンツ事業を展開し、新しいエンタテインメントの世界の創造を目指す企業
・2023年3月期はコロナ禍の影響が和らいで営業黒字転換
・2024年3月期もライブ・コンテンツセグメントが牽引して大幅営業増益予想
・中期経営計画「Daylight 2024」で未来へとつながる光の道を切り開く
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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