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日本エンタープライズのニュース
■要約
アクセル<6730>は、遊技機器(パチンコ、パチスロ)向けグラフィックスLSI(以下、G-LSI)市場で約50%のシェアを握るファブレス半導体メーカー。LSI開発販売関連事業で培った開発力を活かして、今後の成長が見込まれるAI/機械学習、ブロックチェーン領域等の新規事業への展開を進めている。
1. 2022年3月期の業績概要
2022年3月期の連結業績は、売上高で前期比18.5%増の10,666百万円、経常利益で同42.0%増の1,001百万円となった。収益柱であるパチンコ・パチスロ機向けG-LSIの販売数量が前期比4万個増の約44万個と伸長したほか、メモリモジュールも販売数量の増加並びに販売単価の上昇により大幅に伸長したことが要因だ。事業セグメント別ではLSI開発販売関連(パチンコ・パチスロ向け事業)が売上高で前期比18.2%増の10,144百万円、セグメント利益で同21.3%増の2,007百万円となった。一方、機械学習/AI領域を中心とした新規事業関連は売上高で同25.3%増の522百万円、セグメント損失で545百万円(前期は495百万円の損失)となった。新規事業では機械学習/AI領域における開発支援サービスが伸長した。独自開発したエッジ推論向けディープラーニング・フレームワーク「ailia(アイリア) SDK」を中核に、学習から推論までAIを使ったシステム構築をトータルに提供できる開発力の強みを生かし受託開発案件が増加したほか、「ailia SDK」のロイヤリティ収入も増加した。
2. 2023年3月期の業績見通し
2023年3月期業績は売上高で前期比5.9%増の11,300百万円、経常利益で同42.1%減の580百万円を見込んでいる。売上高は、パチンコ・パチスロ機向けG-LSIの販売数量が前期比1万個増の約45万個、メモリモジュールが同1万個増の約78万個とそれぞれ堅調に推移するほか、新規事業関連も機械学習/AI領域を中心に成長が続く。一方、利益面では一部半導体製品の仕入単価上昇による売上総利益の低下(前期比5.3ポイント減の29.5%)と体制強化に伴う人件費を中心とした販管費の増加(同192百万円増)が減益要因となる。なお、仕入単価上昇分の販売価格への転嫁にはタイムラグが発生することも想定されるため、今後の利益率改善が期待される。新規事業関連ではミドルウェアやセキュリティ製品など複数の領域があるものの、当面は機械学習/AI領域を育成すべく、リソースを傾注していく方針となっている。
3. 今後の成長戦略
同社は今後の成長戦略として、LSI開発販売関連(パチンコ・パチスロ機市場)については安定的な収益を獲得するキャッシュ・カウの位置づけとして展開し、成長ポテンシャルの高い機械学習/AI領域などの新規事業関連を育成することで高成長を目指す方針を打ち出している。2022年4月には日本エンタープライズ<4829>と画像認識技術を活用したAI画像解析サービスの強化やブロックチェーン技術を活用したNFT関連サービスの創出等についての戦略的事業提携を締結した。日本エンタープライズは幅広い顧客基盤と営業力を持っており、同社のAIソリューション等をこれら顧客へと提案していくことになる。アライアンスやM&Aなどに積極的に取り組み事業展開を加速する考えだ。そのほか、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)の公募事業※として開発を進めてきた完全自動運転用AIチップは試作品が完成、2022年秋以降に実証実験を開始し、製品化の検討を進めていく計画である。ターゲットは工場やショッピングモール内の自動搬送車など移動エリアが限定された市場向けを想定している。自動運転分野ではデンソー<6902>からスピンアウトしたIPベンダーの(株)エヌエスアイテクスとの協業も2021年6月に発表しており、将来的に業績に貢献するものと期待される。
※公募事業「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発/研究開発項目(1)革新的AIエッジコンピューティング技術の開発」に採択され、「完全自動運転に向けたシステムオンチップとソフトウェアプラットフォームの研究開発」について、東京大学、埼玉大学、(株)ティアフォーと2018年以降共同開発してきた。
■Key Points
・2022年3月期はパチンコ・パチスロ機向け半導体需要の回復で増収増益に
・2023年3月期は仕入価格上昇により増収減益を見込むが新規事業関連は2ケタ増収が続く見通し
・LSI開発販売関連を安定収益源とし、新規事業関連で持続的かつ飛躍的な成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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アクセル<6730>は、遊技機器(パチンコ、パチスロ)向けグラフィックスLSI(以下、G-LSI)市場で約50%のシェアを握るファブレス半導体メーカー。LSI開発販売関連事業で培った開発力を活かして、今後の成長が見込まれるAI/機械学習、ブロックチェーン領域等の新規事業への展開を進めている。
1. 2022年3月期の業績概要
2022年3月期の連結業績は、売上高で前期比18.5%増の10,666百万円、経常利益で同42.0%増の1,001百万円となった。収益柱であるパチンコ・パチスロ機向けG-LSIの販売数量が前期比4万個増の約44万個と伸長したほか、メモリモジュールも販売数量の増加並びに販売単価の上昇により大幅に伸長したことが要因だ。事業セグメント別ではLSI開発販売関連(パチンコ・パチスロ向け事業)が売上高で前期比18.2%増の10,144百万円、セグメント利益で同21.3%増の2,007百万円となった。一方、機械学習/AI領域を中心とした新規事業関連は売上高で同25.3%増の522百万円、セグメント損失で545百万円(前期は495百万円の損失)となった。新規事業では機械学習/AI領域における開発支援サービスが伸長した。独自開発したエッジ推論向けディープラーニング・フレームワーク「ailia(アイリア) SDK」を中核に、学習から推論までAIを使ったシステム構築をトータルに提供できる開発力の強みを生かし受託開発案件が増加したほか、「ailia SDK」のロイヤリティ収入も増加した。
2. 2023年3月期の業績見通し
2023年3月期業績は売上高で前期比5.9%増の11,300百万円、経常利益で同42.1%減の580百万円を見込んでいる。売上高は、パチンコ・パチスロ機向けG-LSIの販売数量が前期比1万個増の約45万個、メモリモジュールが同1万個増の約78万個とそれぞれ堅調に推移するほか、新規事業関連も機械学習/AI領域を中心に成長が続く。一方、利益面では一部半導体製品の仕入単価上昇による売上総利益の低下(前期比5.3ポイント減の29.5%)と体制強化に伴う人件費を中心とした販管費の増加(同192百万円増)が減益要因となる。なお、仕入単価上昇分の販売価格への転嫁にはタイムラグが発生することも想定されるため、今後の利益率改善が期待される。新規事業関連ではミドルウェアやセキュリティ製品など複数の領域があるものの、当面は機械学習/AI領域を育成すべく、リソースを傾注していく方針となっている。
3. 今後の成長戦略
同社は今後の成長戦略として、LSI開発販売関連(パチンコ・パチスロ機市場)については安定的な収益を獲得するキャッシュ・カウの位置づけとして展開し、成長ポテンシャルの高い機械学習/AI領域などの新規事業関連を育成することで高成長を目指す方針を打ち出している。2022年4月には日本エンタープライズ<4829>と画像認識技術を活用したAI画像解析サービスの強化やブロックチェーン技術を活用したNFT関連サービスの創出等についての戦略的事業提携を締結した。日本エンタープライズは幅広い顧客基盤と営業力を持っており、同社のAIソリューション等をこれら顧客へと提案していくことになる。アライアンスやM&Aなどに積極的に取り組み事業展開を加速する考えだ。そのほか、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)の公募事業※として開発を進めてきた完全自動運転用AIチップは試作品が完成、2022年秋以降に実証実験を開始し、製品化の検討を進めていく計画である。ターゲットは工場やショッピングモール内の自動搬送車など移動エリアが限定された市場向けを想定している。自動運転分野ではデンソー<6902>からスピンアウトしたIPベンダーの(株)エヌエスアイテクスとの協業も2021年6月に発表しており、将来的に業績に貢献するものと期待される。
※公募事業「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発/研究開発項目(1)革新的AIエッジコンピューティング技術の開発」に採択され、「完全自動運転に向けたシステムオンチップとソフトウェアプラットフォームの研究開発」について、東京大学、埼玉大学、(株)ティアフォーと2018年以降共同開発してきた。
■Key Points
・2022年3月期はパチンコ・パチスロ機向け半導体需要の回復で増収増益に
・2023年3月期は仕入価格上昇により増収減益を見込むが新規事業関連は2ケタ増収が続く見通し
・LSI開発販売関連を安定収益源とし、新規事業関連で持続的かつ飛躍的な成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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