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ソフトブレーンのニュース
■ソフトブレーン<4779>の今後の見通し
1. 2020年12月期の業績見通し
2020年8月14日付で未定としていた2020年12月期の連結業績見通しを会社側で発表した。売上高は前期比6.3%減の9,273百万円、営業利益は同42.5%減の670百万円、経常利益は同42.8%減の670百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同45.7%減の415百万円となる見通し。売上高は9期ぶりの減収、営業利益は2期連続の減益となり、利益については2015年12月期の水準まで落ち込むことになる。コロナ禍の収束時期や業績への影響がまだ見通しにくいなかで、発表時点において入手可能な情報や予測に基づいた見通しとなっている。
アフターコロナに対応した働き方改革への取り組みや、営業部門の一段の生産性向上・効率化を目的とした投資を前向きに検討する企業がある一方で、景気の先行き不透明感や経営状況の悪化を背景に投資に慎重になる企業もあり、全体で見れば第3四半期以降の回復ペースは緩やかなものにとどまると会社側では見ている。下期だけで見ると、売上高は前年同期比5.6%減の4,761百万円、営業利益は同21.6%減の458百万円となり、対上期比では増収増益となるものの、前年の水準まで戻るのは2021年12月期以降となる見通しだ。
こうしたなか、営業イノベーション事業では、主力の「eセールスマネージャー」において急増するテレワーク需要に対応した機能を順次追加していく予定となっている。その第一弾として、2020年7月にWeb会議ツール「Zoom」との連携機能をリリースした。具体的には、「eセールスマネージャー」にWeb会議スケジュールを登録するだけで、自動的に「Zoomミーティング」のスケジュールの登録と会議URLが発行されるようにした。従来は、「eセールスマネージャー」と「Zoom」の双方にスケジュール登録する必要があったため、手間が省けることになる。
訪問営業と比べてWeb商談ではまだ成約につなげていくまでの時間を要する、あるいは成約に結び付かないといったケースも多く、Web商談の成功確率を高めるためのノウハウや機能をさらに追加していくことで、製品力を高め新規顧客の開拓を進めていくものと思われる。
また、中小企業をターゲットとしたセルフサーブ型の「eセールスマネージャーRemix MS」については現在、機能の最適化に向けた開発・改良を行っている段階にある。コロナ禍の状況もにらみながら、2020年内にはバージョン2.0をリリースし、本格的なプロモーションを開始したい考えだ。国内景気の悪化により、中小企業の経営状況も厳しくなるなかで、売上拡大は喫緊の課題であり、低コストで営業の生産性を向上する効果が期待できる同社製品の潜在需要は大きく、2021年以降の本格拡大が期待される。なお、同社のセルフサーブ型の仕組み(アンケートをもとに自動的に業務にフィットしたシステム環境を用意するプログラム)は、2018年にビジネス特許を取得しており、今後の差別化要因となる可能性がある。
一方、フィールドマーケティング事業では、緊急事態宣言の解除を受け、フィールドビジネスが再開されており、2020年6月以降は売上高も徐々に回復し始めている。新規案件の獲得についてはまだ鈍いものの、今後、営業活動を強化し、下期以降の収益回復を目指していく。
フロー型からストック型への収益構造転換と、新規ビジネスの育成により2021年以降の成長スピードを加速していく方針
2. 中期経営計画の概要と進捗状況
同社は、2018年1月に2020年12月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を発表した。基本方針としては、2021年以降の成長スピードを加速していくため、「フロー型からストック型収益構造への転換」を図るための構造改革の期間としてこの3年間を位置付け、重点施策として、既存ビジネスにおける継続的な成長と新規ビジネスの育成に向けた投資に取り組んでいく方針を打ち出した。
経営数値目標としては2020年12月期に連結売上高113億円、営業利益15億円、営業利益率14%を掲げていたが、前述のとおりコロナ禍の影響などにより、売上高、営業利益ともにも未達となる見通しだ。ただ、2021年以降の次期中期経営計画では、売上成長を加速していく方針であることに変わりはない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
1. 2020年12月期の業績見通し
2020年8月14日付で未定としていた2020年12月期の連結業績見通しを会社側で発表した。売上高は前期比6.3%減の9,273百万円、営業利益は同42.5%減の670百万円、経常利益は同42.8%減の670百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同45.7%減の415百万円となる見通し。売上高は9期ぶりの減収、営業利益は2期連続の減益となり、利益については2015年12月期の水準まで落ち込むことになる。コロナ禍の収束時期や業績への影響がまだ見通しにくいなかで、発表時点において入手可能な情報や予測に基づいた見通しとなっている。
アフターコロナに対応した働き方改革への取り組みや、営業部門の一段の生産性向上・効率化を目的とした投資を前向きに検討する企業がある一方で、景気の先行き不透明感や経営状況の悪化を背景に投資に慎重になる企業もあり、全体で見れば第3四半期以降の回復ペースは緩やかなものにとどまると会社側では見ている。下期だけで見ると、売上高は前年同期比5.6%減の4,761百万円、営業利益は同21.6%減の458百万円となり、対上期比では増収増益となるものの、前年の水準まで戻るのは2021年12月期以降となる見通しだ。
こうしたなか、営業イノベーション事業では、主力の「eセールスマネージャー」において急増するテレワーク需要に対応した機能を順次追加していく予定となっている。その第一弾として、2020年7月にWeb会議ツール「Zoom」との連携機能をリリースした。具体的には、「eセールスマネージャー」にWeb会議スケジュールを登録するだけで、自動的に「Zoomミーティング」のスケジュールの登録と会議URLが発行されるようにした。従来は、「eセールスマネージャー」と「Zoom」の双方にスケジュール登録する必要があったため、手間が省けることになる。
訪問営業と比べてWeb商談ではまだ成約につなげていくまでの時間を要する、あるいは成約に結び付かないといったケースも多く、Web商談の成功確率を高めるためのノウハウや機能をさらに追加していくことで、製品力を高め新規顧客の開拓を進めていくものと思われる。
また、中小企業をターゲットとしたセルフサーブ型の「eセールスマネージャーRemix MS」については現在、機能の最適化に向けた開発・改良を行っている段階にある。コロナ禍の状況もにらみながら、2020年内にはバージョン2.0をリリースし、本格的なプロモーションを開始したい考えだ。国内景気の悪化により、中小企業の経営状況も厳しくなるなかで、売上拡大は喫緊の課題であり、低コストで営業の生産性を向上する効果が期待できる同社製品の潜在需要は大きく、2021年以降の本格拡大が期待される。なお、同社のセルフサーブ型の仕組み(アンケートをもとに自動的に業務にフィットしたシステム環境を用意するプログラム)は、2018年にビジネス特許を取得しており、今後の差別化要因となる可能性がある。
一方、フィールドマーケティング事業では、緊急事態宣言の解除を受け、フィールドビジネスが再開されており、2020年6月以降は売上高も徐々に回復し始めている。新規案件の獲得についてはまだ鈍いものの、今後、営業活動を強化し、下期以降の収益回復を目指していく。
フロー型からストック型への収益構造転換と、新規ビジネスの育成により2021年以降の成長スピードを加速していく方針
2. 中期経営計画の概要と進捗状況
同社は、2018年1月に2020年12月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を発表した。基本方針としては、2021年以降の成長スピードを加速していくため、「フロー型からストック型収益構造への転換」を図るための構造改革の期間としてこの3年間を位置付け、重点施策として、既存ビジネスにおける継続的な成長と新規ビジネスの育成に向けた投資に取り組んでいく方針を打ち出した。
経営数値目標としては2020年12月期に連結売上高113億円、営業利益15億円、営業利益率14%を掲げていたが、前述のとおりコロナ禍の影響などにより、売上高、営業利益ともにも未達となる見通しだ。ただ、2021年以降の次期中期経営計画では、売上成長を加速していく方針であることに変わりはない。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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