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クリーク・アンド・リバー社のニュース
*13:06JST C&R社 Research Memo(6):その他事業は増収・損失縮小。新規に子会社化した2社を除く16社中10社で増収
■クリーク・アンド・リバー社<4763>の業績動向
(5) その他事業
子会社18社で構成されるその他事業の売上高は前年同期比37.7%増の2,426百万円、営業損失は24百万円(前年同期は113百万円の損失)となった。売上高は新規に子会社化した2社を除き、16社中10社で増収となった。一方、利益面では増益が11社(120百万円増)、投資負担増による減益が5社(45百万円減)となり、新規に子会社化した2社で21百万円の増益要因となった。
主要子会社の動向について見ると、ITエンジニア等のエージェンシー事業を主に展開する(株)リーディング・エッジ社(出資比率99.99%)は、ITエンジニアの旺盛な需要に対応するため営業体制の強化とグループ間連携を積極的に進めたが、コスト増に伴い減益となった。ファッション分野のエージェンシー事業を主に展開する(株)インター・ベル(同90.9%)は、インバウンド需要の復活を背景に、百貨店や商業施設向けに販売員の派遣需要が拡大し、増収増益となった。
VRゴーグルの国内での販売・運用・保守サービスを行う(株)VR Japan(同84.21%、12月決算)は、代理店販売が堅調に推移している。また、順天堂大学と2022年より共同で研究開発を進めている世界初のAR技術を用いた胸腔ドレナージについてはプロトタイプが完成し、2024年冬より医師の手術前のシミュレーション用として試験運用を開始し、問題がなければ2025年秋以降、全国の医療機関へ販売していく考えだ。胸腔ドレナージとは、胸腔内にドレーン(管)を挿入することで、貯留した気体や液体(胸水や血液、膿)を体外に排出(ドレナージ)する治療法のことを指す。今回開発したAR胸腔ドレナージは、あらかじめ撮影したCT画像を、臓器、血管、神経の位置情報を立体的に把握するための3D画像データとして処理し、医師が装着するARグラス上で患者の画像に重ね合わせることで、あたかも患者の体内を透視しているような環境を作り出す技術である。ドレーンチューブの胸腔内への挿入が安全に実施でき、医療事故の発生リスクを軽減する効果が期待されている。同社では胸腔ドレナージで実用化したのちには、脳神経外科領域での展開も視野に入れている。
AIシステムの企画・開発・販売・運用・保守事業を行う(株)Idrasys(出資比率80.11%)は、独自開発したAIクラウドプラットフォーム「Forecasting Experience※1」や、生成AIのChatGPTと連携したドキュメント検索システム「ChatGPT+SmartKMS※2」及びチャットボットサービス「ChatGPT+SmartRobot※2」の拡販に取り組んでいる。大きな伸びはないが、徐々に実績を積み上げている段階にある。
※1 「Forecasting Experience」の特長は、学習データをExcelベースで簡単に作成でき、専門知識がなくても比較的容易に予測モデルを構築できる点にある。
※2 合弁先である台湾インツミット製のAIシステム。
アパレル業界を中心にブランドマーケティング事業を展開する(株)forGIFT(出資比率77.5%)は、前期に受注した大型プロモーション案件が不採算となったほか、3DCG技術を活用したサンプル制作サービス「sture(ストゥーラ)」も伸び悩んだことで減収減益となった。
(株)コネクトアラウンド(出資比率100.0%)では、農業分野でのテクノロジーを活用したダイバーシティ&インクルージョン及び農業を基軸とした地域雇用の促進等に取り組んでいる。2023年2月より障がい者雇用による屋内栽培と2次加工品の製造・販売を行う6次化農業ビジネス「FUN EAT MAKERS」事業を神奈川県川崎市内の施設で運営開始し、黒字化を実現している。また、地方創生ビジネスの一環として、2025年2月には福島県大熊町でスマート農業施設「FUN EAT MAKERS in Okuma」を開設する予定となっている。同施設は「高付加価値農業生産エリア(ミニトマト、無農薬栽培リーフレタス)」と「食を楽しむエリア(レストラン)」「様々なプロフェッショナルがつながるワーケーション滞在エリア」の3つのエリアで構成する建物と、地域の人々がつながる半屋外エリア及び屋外エリアで構成されており、建設費用等は国の補助金で賄われる。
CVC事業を行う(株)C&Rインキュベーション・ラボ(出資比率100.0%)では、グループとの事業シナジーが見込める企業に対して、1件当たり0.3〜1億円を目安に2024年2月までに9社に出資しており、これら出資企業がIPOした場合は、一部株式を売却して投資資金に充当する。既にIPOが決まっている出資先もあるようだ。また、経験豊富な経営人材を派遣・紹介するCXO事業も、2025年2月期より同社からC&Rインキュベーション・ラボに移管している。
2024年2月にパナソニック ホールディングス<6752>から株式を取得し子会社化したShiftall(出資比率100.0%)は、VRヘッドセットやメタバース、IoT製品の企画・開発・販売・サポート事業を展開するファブレス企業である。年間の売上高は10億円強、利益も数千万円と黒字経営となっており、売上高の5割強が海外向けで占められる。主力製品である「HaritoraX※」の販売が好調で、売上高は前期比で増収となったようだ。
※ SteamVR(パソコンでVRが楽しめるサービス)に対応した腰や足の動きをモーション・トラッキングするセンシングデバイス。内蔵バッテリーで10時間動作し、ワイヤレスVRヘッドセットと組み合わせることで無線での全身モーショントラッキング(フル・トラッキング)が可能となる。ゲーム用途などで利用されている。
2024年3月に子会社化したリヴァイ(出資比率100.0%)は、2023年設立のベンチャー企業で、生成AIに関する情報を発信する会員サービスやセミナーの運営、生成AI活用のコンサルティング事業等を展開している。売上規模はまだ小さいものの、今後は同社がネットワークするクリエイターに生成AIを融合してレベルアップを図るほか、同社グループの顧客企業に対して、生成AIを活用したコンサルティングサービスを展開することでグループシナジーを最大化する考えだ。同年8月には、中小企業向けに特化した次世代型生成AI人材育成研修プログラム「アイシル※」の提供も開始した。営業、マーケティング、エンジニアリング、人事、カスタマーサポートの5分野に特化したカリキュラムを提供し、各部門のAI活用スキル向上を支援することで、導入企業の生産性向上や離職率低下、顧客満足度向上などにつなげるサービスとなる。
※ 一人当たり受講料30万円(税別)。厚生労働省の「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」の対象となっており、中小企業は同助成金を活用することで研修費用の最大75%の助成を受けることが可能。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(5) その他事業
子会社18社で構成されるその他事業の売上高は前年同期比37.7%増の2,426百万円、営業損失は24百万円(前年同期は113百万円の損失)となった。売上高は新規に子会社化した2社を除き、16社中10社で増収となった。一方、利益面では増益が11社(120百万円増)、投資負担増による減益が5社(45百万円減)となり、新規に子会社化した2社で21百万円の増益要因となった。
主要子会社の動向について見ると、ITエンジニア等のエージェンシー事業を主に展開する(株)リーディング・エッジ社(出資比率99.99%)は、ITエンジニアの旺盛な需要に対応するため営業体制の強化とグループ間連携を積極的に進めたが、コスト増に伴い減益となった。ファッション分野のエージェンシー事業を主に展開する(株)インター・ベル(同90.9%)は、インバウンド需要の復活を背景に、百貨店や商業施設向けに販売員の派遣需要が拡大し、増収増益となった。
VRゴーグルの国内での販売・運用・保守サービスを行う(株)VR Japan(同84.21%、12月決算)は、代理店販売が堅調に推移している。また、順天堂大学と2022年より共同で研究開発を進めている世界初のAR技術を用いた胸腔ドレナージについてはプロトタイプが完成し、2024年冬より医師の手術前のシミュレーション用として試験運用を開始し、問題がなければ2025年秋以降、全国の医療機関へ販売していく考えだ。胸腔ドレナージとは、胸腔内にドレーン(管)を挿入することで、貯留した気体や液体(胸水や血液、膿)を体外に排出(ドレナージ)する治療法のことを指す。今回開発したAR胸腔ドレナージは、あらかじめ撮影したCT画像を、臓器、血管、神経の位置情報を立体的に把握するための3D画像データとして処理し、医師が装着するARグラス上で患者の画像に重ね合わせることで、あたかも患者の体内を透視しているような環境を作り出す技術である。ドレーンチューブの胸腔内への挿入が安全に実施でき、医療事故の発生リスクを軽減する効果が期待されている。同社では胸腔ドレナージで実用化したのちには、脳神経外科領域での展開も視野に入れている。
AIシステムの企画・開発・販売・運用・保守事業を行う(株)Idrasys(出資比率80.11%)は、独自開発したAIクラウドプラットフォーム「Forecasting Experience※1」や、生成AIのChatGPTと連携したドキュメント検索システム「ChatGPT+SmartKMS※2」及びチャットボットサービス「ChatGPT+SmartRobot※2」の拡販に取り組んでいる。大きな伸びはないが、徐々に実績を積み上げている段階にある。
※1 「Forecasting Experience」の特長は、学習データをExcelベースで簡単に作成でき、専門知識がなくても比較的容易に予測モデルを構築できる点にある。
※2 合弁先である台湾インツミット製のAIシステム。
アパレル業界を中心にブランドマーケティング事業を展開する(株)forGIFT(出資比率77.5%)は、前期に受注した大型プロモーション案件が不採算となったほか、3DCG技術を活用したサンプル制作サービス「sture(ストゥーラ)」も伸び悩んだことで減収減益となった。
(株)コネクトアラウンド(出資比率100.0%)では、農業分野でのテクノロジーを活用したダイバーシティ&インクルージョン及び農業を基軸とした地域雇用の促進等に取り組んでいる。2023年2月より障がい者雇用による屋内栽培と2次加工品の製造・販売を行う6次化農業ビジネス「FUN EAT MAKERS」事業を神奈川県川崎市内の施設で運営開始し、黒字化を実現している。また、地方創生ビジネスの一環として、2025年2月には福島県大熊町でスマート農業施設「FUN EAT MAKERS in Okuma」を開設する予定となっている。同施設は「高付加価値農業生産エリア(ミニトマト、無農薬栽培リーフレタス)」と「食を楽しむエリア(レストラン)」「様々なプロフェッショナルがつながるワーケーション滞在エリア」の3つのエリアで構成する建物と、地域の人々がつながる半屋外エリア及び屋外エリアで構成されており、建設費用等は国の補助金で賄われる。
CVC事業を行う(株)C&Rインキュベーション・ラボ(出資比率100.0%)では、グループとの事業シナジーが見込める企業に対して、1件当たり0.3〜1億円を目安に2024年2月までに9社に出資しており、これら出資企業がIPOした場合は、一部株式を売却して投資資金に充当する。既にIPOが決まっている出資先もあるようだ。また、経験豊富な経営人材を派遣・紹介するCXO事業も、2025年2月期より同社からC&Rインキュベーション・ラボに移管している。
2024年2月にパナソニック ホールディングス<6752>から株式を取得し子会社化したShiftall(出資比率100.0%)は、VRヘッドセットやメタバース、IoT製品の企画・開発・販売・サポート事業を展開するファブレス企業である。年間の売上高は10億円強、利益も数千万円と黒字経営となっており、売上高の5割強が海外向けで占められる。主力製品である「HaritoraX※」の販売が好調で、売上高は前期比で増収となったようだ。
※ SteamVR(パソコンでVRが楽しめるサービス)に対応した腰や足の動きをモーション・トラッキングするセンシングデバイス。内蔵バッテリーで10時間動作し、ワイヤレスVRヘッドセットと組み合わせることで無線での全身モーショントラッキング(フル・トラッキング)が可能となる。ゲーム用途などで利用されている。
2024年3月に子会社化したリヴァイ(出資比率100.0%)は、2023年設立のベンチャー企業で、生成AIに関する情報を発信する会員サービスやセミナーの運営、生成AI活用のコンサルティング事業等を展開している。売上規模はまだ小さいものの、今後は同社がネットワークするクリエイターに生成AIを融合してレベルアップを図るほか、同社グループの顧客企業に対して、生成AIを活用したコンサルティングサービスを展開することでグループシナジーを最大化する考えだ。同年8月には、中小企業向けに特化した次世代型生成AI人材育成研修プログラム「アイシル※」の提供も開始した。営業、マーケティング、エンジニアリング、人事、カスタマーサポートの5分野に特化したカリキュラムを提供し、各部門のAI活用スキル向上を支援することで、導入企業の生産性向上や離職率低下、顧客満足度向上などにつなげるサービスとなる。
※ 一人当たり受講料30万円(税別)。厚生労働省の「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」の対象となっており、中小企業は同助成金を活用することで研修費用の最大75%の助成を受けることが可能。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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