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*13:01JST タナベ Research Memo(1):一気通貫で支援できる経営コンサルティングモデルでさらなる成長を目指す
■要約
タナベコンサルティンググループ<9644>並びに主要事業会社であるタナベコンサルティングは、今年創業67年を迎える日本の経営コンサルティングのパイオニア。大企業から中堅企業を広範にカバーし、企業が抱える様々な経営課題に対して戦略策定(上流)からDXなどの現場における経営オペレーションの実装・実行(中流~下流)まで一気通貫で支援。トップマネジメント(経営者層)にアプローチし顧客基盤の拡大かつ長期契約を実現していることが特徴であり、強みである。
2019年以降は経営コンサルティングメニューの拡充とプロフェッショナルDXサービス(現場の実行支援におけるデジタル技術を駆使したサービスメニュー)の強化を図るべく、M&Aを積極的に推進してきた。2019年にBtoB企業向けのデジタルマーケティング支援を行う(株)リーディング・ソリューション、2021年にクロスボーダーを含むM&A全般の支援やバックオフィス部門に対するBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)などのDX支援を行うグローウィン・パートナーズ(株)、ブランディング、CX(カスタマーエクスペリエンス)デザイン、マーケティングDX支援などを行う(株)ジェイスリー、直近では2023年2月に国内外における戦略PR・PRコンサルティングやSNS・オウンドメディア戦略の実行支援などを行う(株)カーツメディアワークスをグループ会社化した。グループ化以降、相互送客を行うなどシナジーを高めており、いずれの子会社も収益を伸ばしている。
1. 2024年3月期第2四半期累計の業績概要
2024年3月期第2四半期累計(2023年4月〜9月)の連結業績は、売上高で前年同期比11.4%増の6,000百万円、営業利益で同3.0%減の583百万円となった。成長戦略を立案・推進する「ストラテジー&ドメイン」、DX戦略を立案・実装させる「デジタル・DX」、人的資本経営を実装させる「HR」、企業価値向上を実現する「ファイナンス・M&A」、ブランドの本質的価値を高める「ブランド&PR」などすべての経営コンサルティング領域が伸長し、売上高は過去最高を更新した。コンサルティングメニューの拡充により、既存顧客におけるクロスセル・アップセルが進んだほか新規顧客の獲得も進んだことが要因だ。利益面では今後の成長に備えてコンサルタントなどを前倒しで採用するなど、人的資本投資を中心とした先行投資費用の増加により減益となったが、実質的には通期計画達成に向けて順調に進捗していると見られる。
2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期は、売上高で前期比6.3%増の12,500百万円、営業利益で同6.8%増の1,230百万円と期初計画を据え置いた。景気の先行き不透明感が続くものの、中長期ビジョンの策定やグローバル戦略、DX、人的資本経営、M&Aなどをテーマとしたコンサルティングニーズは強く、こうしたニーズをグループ連携も図りながら取り込んでいく。下期から日本オラクル<4716>のクラウドERP「NetSuite(ネットスイート)」の導入から定着化までを支援する「サービス業DX Cloud-経営プラットフォームコンサルティング」の提供を開始したほか、タナベコンサルティングとグローウィン・パートナーズとの連携により、事業承継や承継後の経営全体をデザインし、経営を未来へとつなぐ最適なソリューションを提供する「MIRAI承継」を開発、提供を開始し、M&A仲介業務にも本格的に取り込む方針を打ち出した。また、アフターコロナでニーズが高まっている「グローバル戦略」について、グループ横断で専門チームを組成して受注活動を強化しており、下期以降の収益拡大につなげる考えだ。
3. 中期経営計画
同社は中期経営計画の業績目標として、2026年3月期に売上高150億円、営業利益18億円を掲げている。2023年3月期までは2期連続で計画を超過するなど順調に進捗している。経営戦略の策定支援機能(上流)をアップデートしていくとともに、実装・実行支援機能(中流~下流)も、デジタルを駆使するプロフェッショナルDXサービスとして強化しながら、一気通貫で企業の成長を支援できる唯一無二の経営コンサルティングファームとしてさらなる成長を目指す考えだ。5つの経営コンサルティング領域での強化を目指し、M&Aについても引き続き検討を進めている。従業員数はコンサルタントを中心に、2023年9月末時点の592名から800名まで増強する。なお、同社は中期経営計画で目標に掲げる「ROE10%」の達成を確実にするために、株主還元方針の変更および成長投資方針を打ち出している。具体的には、2026年3月期まで連結総還元性向100%目安という大胆な株主還元方針を掲げており、DOE(株主資本配当率)6%以上の安定的な配当を継続し、また機動的な自己株式の収得も実施するとしている同方針に基づき、2024年3月期の1株当たり配当金は前期比2.0円増配の44.0円を予定しており、2023年10月に終了した自己株取得399百万円も合わせると連結総還元性向は147.6%となる見込みだ。加えて、成長性および収益性の向上も実現するために、手元現預金10億円以上を活用し、積極的な成長M&A投資も引き続き実施する考えだ。
■Key Points
・2024年3月期第2四半期累計業績は、すべての経営コンサルティング領域、グループ会社が伸長し過去最高売上高を更新
・プロフェッショナルDXサービスをM&Aにより強化し、グループシナジーを高めていくことで2024年3月期も売上高、営業利益で過去最高更新を狙う
・2026年3月期売上高150億円、営業利益18億円の目標達成に向け進捗は順調、M&Aも引き続き検討
・2026年3月期まで連結総還元性向100%目安を掲げ、DOE6%以上の安定的な配当を継続し、機動的な自己株式取得も実施することでROE10%の達成を確実にし、プライム市場上場維持基準の継続的な達成を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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タナベコンサルティンググループ<9644>並びに主要事業会社であるタナベコンサルティングは、今年創業67年を迎える日本の経営コンサルティングのパイオニア。大企業から中堅企業を広範にカバーし、企業が抱える様々な経営課題に対して戦略策定(上流)からDXなどの現場における経営オペレーションの実装・実行(中流~下流)まで一気通貫で支援。トップマネジメント(経営者層)にアプローチし顧客基盤の拡大かつ長期契約を実現していることが特徴であり、強みである。
2019年以降は経営コンサルティングメニューの拡充とプロフェッショナルDXサービス(現場の実行支援におけるデジタル技術を駆使したサービスメニュー)の強化を図るべく、M&Aを積極的に推進してきた。2019年にBtoB企業向けのデジタルマーケティング支援を行う(株)リーディング・ソリューション、2021年にクロスボーダーを含むM&A全般の支援やバックオフィス部門に対するBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)などのDX支援を行うグローウィン・パートナーズ(株)、ブランディング、CX(カスタマーエクスペリエンス)デザイン、マーケティングDX支援などを行う(株)ジェイスリー、直近では2023年2月に国内外における戦略PR・PRコンサルティングやSNS・オウンドメディア戦略の実行支援などを行う(株)カーツメディアワークスをグループ会社化した。グループ化以降、相互送客を行うなどシナジーを高めており、いずれの子会社も収益を伸ばしている。
1. 2024年3月期第2四半期累計の業績概要
2024年3月期第2四半期累計(2023年4月〜9月)の連結業績は、売上高で前年同期比11.4%増の6,000百万円、営業利益で同3.0%減の583百万円となった。成長戦略を立案・推進する「ストラテジー&ドメイン」、DX戦略を立案・実装させる「デジタル・DX」、人的資本経営を実装させる「HR」、企業価値向上を実現する「ファイナンス・M&A」、ブランドの本質的価値を高める「ブランド&PR」などすべての経営コンサルティング領域が伸長し、売上高は過去最高を更新した。コンサルティングメニューの拡充により、既存顧客におけるクロスセル・アップセルが進んだほか新規顧客の獲得も進んだことが要因だ。利益面では今後の成長に備えてコンサルタントなどを前倒しで採用するなど、人的資本投資を中心とした先行投資費用の増加により減益となったが、実質的には通期計画達成に向けて順調に進捗していると見られる。
2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期は、売上高で前期比6.3%増の12,500百万円、営業利益で同6.8%増の1,230百万円と期初計画を据え置いた。景気の先行き不透明感が続くものの、中長期ビジョンの策定やグローバル戦略、DX、人的資本経営、M&Aなどをテーマとしたコンサルティングニーズは強く、こうしたニーズをグループ連携も図りながら取り込んでいく。下期から日本オラクル<4716>のクラウドERP「NetSuite(ネットスイート)」の導入から定着化までを支援する「サービス業DX Cloud-経営プラットフォームコンサルティング」の提供を開始したほか、タナベコンサルティングとグローウィン・パートナーズとの連携により、事業承継や承継後の経営全体をデザインし、経営を未来へとつなぐ最適なソリューションを提供する「MIRAI承継」を開発、提供を開始し、M&A仲介業務にも本格的に取り込む方針を打ち出した。また、アフターコロナでニーズが高まっている「グローバル戦略」について、グループ横断で専門チームを組成して受注活動を強化しており、下期以降の収益拡大につなげる考えだ。
3. 中期経営計画
同社は中期経営計画の業績目標として、2026年3月期に売上高150億円、営業利益18億円を掲げている。2023年3月期までは2期連続で計画を超過するなど順調に進捗している。経営戦略の策定支援機能(上流)をアップデートしていくとともに、実装・実行支援機能(中流~下流)も、デジタルを駆使するプロフェッショナルDXサービスとして強化しながら、一気通貫で企業の成長を支援できる唯一無二の経営コンサルティングファームとしてさらなる成長を目指す考えだ。5つの経営コンサルティング領域での強化を目指し、M&Aについても引き続き検討を進めている。従業員数はコンサルタントを中心に、2023年9月末時点の592名から800名まで増強する。なお、同社は中期経営計画で目標に掲げる「ROE10%」の達成を確実にするために、株主還元方針の変更および成長投資方針を打ち出している。具体的には、2026年3月期まで連結総還元性向100%目安という大胆な株主還元方針を掲げており、DOE(株主資本配当率)6%以上の安定的な配当を継続し、また機動的な自己株式の収得も実施するとしている同方針に基づき、2024年3月期の1株当たり配当金は前期比2.0円増配の44.0円を予定しており、2023年10月に終了した自己株取得399百万円も合わせると連結総還元性向は147.6%となる見込みだ。加えて、成長性および収益性の向上も実現するために、手元現預金10億円以上を活用し、積極的な成長M&A投資も引き続き実施する考えだ。
■Key Points
・2024年3月期第2四半期累計業績は、すべての経営コンサルティング領域、グループ会社が伸長し過去最高売上高を更新
・プロフェッショナルDXサービスをM&Aにより強化し、グループシナジーを高めていくことで2024年3月期も売上高、営業利益で過去最高更新を狙う
・2026年3月期売上高150億円、営業利益18億円の目標達成に向け進捗は順調、M&Aも引き続き検討
・2026年3月期まで連結総還元性向100%目安を掲げ、DOE6%以上の安定的な配当を継続し、機動的な自己株式取得も実施することでROE10%の達成を確実にし、プライム市場上場維持基準の継続的な達成を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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