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TDCソフト Research Memo(1):金融業界のITソリューションに強みを持つ、独立系SI

配信元:フィスコ
投稿:2023/06/12 12:01
*12:01JST TDCソフト Research Memo(1):金融業界のITソリューションに強みを持つ、独立系SI ■要約

TDCソフト<4687>は、金融業界のITソリューションに強みを持つ、独立系SI(システムインテグレーター)である。日本のIT業界の歴史を長く支えてきた確かな技術力をベースに、銀行、クレジット、保険などの金融ITソリューション分野が売上の約5割を占める。また、既存のSI事業領域を軸に新たな事業領域の拡大を目指し、最新の要素技術を活用した「高付加価値SIサービス」を推進。この取り組みによって次世代型SI事業は順調に拡大しており、ITコンサルティング&サービス分野の高成長が続いている。

1. 2023年3月期の業績概要
2023年3月期の連結業績は、売上高35,242百万円(前期比14.0%増)、営業利益3,458百万円(同16.6%増)、経常利益3,714百万円(同20.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,490百万円(同20.4%増)で着地。昨年からのテレワーク環境の整備・強化に向けた需要が一服する一方、デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)を背景とした企業の戦略的なIT投資需要が活発になり、すべての事業分野が好調に推移。高付加価値SIサービスも順調に拡大。期初計画を期中に2回上方修正したが、最終計画に対して売上高は0.7%増、営業利益は0.3%増、経常利益は3.1%増、親会社株主に帰属する当期純利益は2.0%増で着地した。需要増に対応した技術者を確保するため外注費、労務費など原価が増加するとともに、将来の事業領域拡大に向けた職場環境の整備などワークプレイス戦略や技術、人材への積極的な投資を推進したことにより販管費は膨らんだが、増収効果により増益となった。

2. 2024年3月期の見通し
2024年3月期の連結業績は、売上高37,300百万円(前期比5.8%増)、営業利益3,550百万円(同2.6%増)、経常利益3,750百万円(同1.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,510百万円(同0.8%増)を見込む。今後も市場環境は堅調に推移することが想定され、すべての事業分野で売上高の拡大を見込む。また、引き続き先端要素技術獲得や人材確保・育成に関する投資を積極的に行う。ワークプレイス戦略の一環として策定した「Smart Work構想」として、本社移転及び現本社の開発拠点化に伴うコスト増加を見込むが、収益拡大で吸収し増益を予想。事業環境が好調ななかで予想は保守的に映るが、同社では、人材など経営リソースに応じた売上の伸長を計画しており、トラブルプロジェクトの原因ともなるような外注に依存した無理な受注はしない方針だ。また、2023年3月期は1株当たり普通配当30円に創業60周年記念配当15円を合わせた45円の配当を実施したが、2024年3月期は普通配当を10円増配し、1株当たり40円配当を実施する予定である。

3. 中期経営計画「Shift to the Smart SI Plus」の進捗
2023年3月期からスタートした中期経営計画(FY2022~FY2024)「Shift to the Smart SI Plus」では、主要戦略としての「高付加価値SIサービスの追求」と「SIモデル変革の推進」に、Plusとして「事業領域の拡大」を掲げる。「高付加価値SIサービスの追求」においては、重点分野の事業の拡大と高収益化を推進するため、アジャイル開発事業とセキュリティ関連事業を重点戦略分野と位置付けている。顧客の潜在ニーズに適合するアジャイル、セキュリティ等の最新の要素技術等を活用した高付加価値サービスの提供と、時間や手間などを含めたユーザコストの低減を両立したインテグレーションサービスである次世代型SI事業が順調に拡大している。その結果、2023年3月期の売上高構成比は24.5%と前期の17.4%から順調に伸びているほか、事業の拡大やコスト削減の取り組みにより、収益性が向上した。アジャイル開発事業の売上高が着実に増加していることに加え、セキュリティ関連事業についても既存顧客へクロスセルによるビジネス展開を図り、トータルセキュリティソリューションサービスの提供実績が順調に拡大している。

■Key Points
・2023年3月期は次世代型SI事業が順調に拡大し、すべての事業分野が好調
・分野別では、SaaS、iPaaSなどのクラウド系ソリューションにおいて収益性の高いプライム案件が拡大し、ITコンサルティング&サービスが、前期比47.9%増と売上高を大幅に伸ばす
・新しい要素技術獲得や人材確保・育成に関する投資を積極的に実行
・社員エンゲージメント向上と事業拡大に対応し本社移転及び現本社の開発拠点化を予定

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

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配信元: フィスコ
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