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アルプス技研のニュース
■業績推移
2. 2021年12月期業績の概要
アルプス技研<4641>の2021年12月期の連結業績は、売上高が前期比9.8%増の39,261百万円、営業利益が同6.5%増の3,875百万円、経常利益が同0.5%減の4,574百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.2%増の3,095百万円と増収増益(経常利益を除く)となり、売上高及び最終利益は過去最高を更新した。期初予想に対しても、売上高、各利益ともにほぼ計画圏内で着地することができた。
売上高は、2020年7月に連結化したデジタル・スパイスが通年寄与(6ヶ月分の上乗せ)したほか、農業関連分野を手掛けるアルプスアグリキャリアを含めて、グループ各社がそれぞれ伸長した。また、同社単体についても、コロナ禍からの稼働率の回復が進むなかで、稼働人数の拡大や稼働工数の回復により増収を確保した。
損益面でも、増収に伴う収益の押し上げにより営業増益を実現した。なお、経常利益が若干減益となったのは、前期に引き続き、雇用維持を目的とした「雇用調整助成金」を営業外収入に830百万円(前期は887百万円)計上した一方、企業版ふるさと納税制度を活用した寄附金※を営業外費用に計上したことが主因であるが、最終利益では計画を上回る増益(過去最高益)を確保した。
※北海道大樹町における「大樹発!航空宇宙関連産業集積による地域創生推進計画」への寄附。
財務的には、現金及び預金の増加などにより総資産が前期末比7.4%増の22,545百万円に増えたものの、自己資本も内部留保の積み増しにより同14.6%増の14,601百万円に増えたことから、自己資本比率は64.8%(前期末は60.7%)に上昇した。
(1) アウトソーシングサービス事業
売上高は前期比8.1%増の37,519百万円、セグメント利益は同7.0%増の3,671百万円となった。2020年7月に連結化したデジタル・スパイスが通年寄与(6ヶ月分の上乗せ)したことや、新規事業(農業関連分野)を手掛けるアルプスアグリキャリアを含めて、グループ各社がそれぞれ伸長した。同社単体で見ても、稼働率の回復に伴う稼働人数の拡大や稼働工数の回復により前期比4.3%増と増収を確保している。
重視する業績指標(単体)である技術社員数は3,969名(前期末比72名増)、稼働人数は3,706名(同151名増)と増加したほか、1人当たりの平均稼働工数についても、残業抑制の動きが収まったことから164.5時間(前期比2.2時間増)とコロナ禍以前の水準に回復してきた。一方、契約単価が4,021円(同45円減)と減少したのは、コロナ禍の影響を受け、一部技術者(新卒採用者の一部)に対して製造研修を実施したことが主因であり、新卒採用者の稼働が進むまでの一過性要因として捉えることができる※1。また、業種別売上高では、半導体やソフト開発関連など成長分野へのシフトが順調に進んでおり、その動きが業績の伸びに寄与しているとの見方ができる※2。一方、主力の自動車関連については、半導体不足や部品の供給元である東南アジアでのコロナ禍の拡大による影響を受け、構成比は若干減少したものの、おおむね回復基調にあり、売上高では増収を確保している。
※1 年間平均稼働率は93.6%(前期は92.1%)に回復した。特に、第2四半期(四半期ベース)が89.0%(前年同期は89.2%)と前期に引き続き低迷したものの、第4四半期には97.0%(同92.2%)とコロナ禍以前の水準に戻ってきた。
※2 業種別売上高では、半導体関連が20.5%(前年同期は17.7%)、ソフト開発が5.3%(同4.7%)と構成比を高めている。
また、グループ会社については、アルプスビジネスサービス及びパナR&Dが堅調に推移した。新規事業(農業関連分野)を手掛けるアルプスアグリキャリアについても、コロナ禍の影響により外国人材の増員受け入れには制限がかかっているものの、コロナ禍以前に受け入れた外国人材の育成及び派遣等により着実に伸びてきた。
損益面でも、新卒採用者を含む技術者数の増加に伴って売上原価は増えたものの、稼働率の回復等により増益を確保することができた。
(2) グローバル事業
売上高は前期比67.8%増の1,742百万円、セグメント利益は同3.0%減の201百万円となった。大型案件の検収により大幅な増収となった一方、損益面では前期比で減益とはなったものの、利益率の高い人材サービスなどにより、前期に引き続き高い収益性を確保できたと言える。
3. 2021年12月期の総括
以上から2021年12月期を総括すると、1)コロナ禍においても、オンライン採用などを通じて「技術社員数」を着実に増やしたこと、2)リモートワーク対応などにより、稼働率が年度後半に向けて回復してきたこと、3)成長分野へのシフトを迅速に進めていること、4)グループ各社がそれぞれ堅調に推移したことにより、順調に業績を伸ばすことができたところは、改めて同社の収益基盤の強さや対応力の高さを示すものとして評価できるポイントと言える。一方、コロナ禍に伴う入国制限により、アグリ人材などの外国人材の受け入れに遅れが生じているところは、今後の業績への影響が気になるところであるが、国内の人材ニーズは旺盛であるうえ、政策面での後押しも期待できることから、入国制限の緩和とともに十分に挽回できるものと弊社は見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<EY>
2. 2021年12月期業績の概要
アルプス技研<4641>の2021年12月期の連結業績は、売上高が前期比9.8%増の39,261百万円、営業利益が同6.5%増の3,875百万円、経常利益が同0.5%減の4,574百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.2%増の3,095百万円と増収増益(経常利益を除く)となり、売上高及び最終利益は過去最高を更新した。期初予想に対しても、売上高、各利益ともにほぼ計画圏内で着地することができた。
売上高は、2020年7月に連結化したデジタル・スパイスが通年寄与(6ヶ月分の上乗せ)したほか、農業関連分野を手掛けるアルプスアグリキャリアを含めて、グループ各社がそれぞれ伸長した。また、同社単体についても、コロナ禍からの稼働率の回復が進むなかで、稼働人数の拡大や稼働工数の回復により増収を確保した。
損益面でも、増収に伴う収益の押し上げにより営業増益を実現した。なお、経常利益が若干減益となったのは、前期に引き続き、雇用維持を目的とした「雇用調整助成金」を営業外収入に830百万円(前期は887百万円)計上した一方、企業版ふるさと納税制度を活用した寄附金※を営業外費用に計上したことが主因であるが、最終利益では計画を上回る増益(過去最高益)を確保した。
※北海道大樹町における「大樹発!航空宇宙関連産業集積による地域創生推進計画」への寄附。
財務的には、現金及び預金の増加などにより総資産が前期末比7.4%増の22,545百万円に増えたものの、自己資本も内部留保の積み増しにより同14.6%増の14,601百万円に増えたことから、自己資本比率は64.8%(前期末は60.7%)に上昇した。
(1) アウトソーシングサービス事業
売上高は前期比8.1%増の37,519百万円、セグメント利益は同7.0%増の3,671百万円となった。2020年7月に連結化したデジタル・スパイスが通年寄与(6ヶ月分の上乗せ)したことや、新規事業(農業関連分野)を手掛けるアルプスアグリキャリアを含めて、グループ各社がそれぞれ伸長した。同社単体で見ても、稼働率の回復に伴う稼働人数の拡大や稼働工数の回復により前期比4.3%増と増収を確保している。
重視する業績指標(単体)である技術社員数は3,969名(前期末比72名増)、稼働人数は3,706名(同151名増)と増加したほか、1人当たりの平均稼働工数についても、残業抑制の動きが収まったことから164.5時間(前期比2.2時間増)とコロナ禍以前の水準に回復してきた。一方、契約単価が4,021円(同45円減)と減少したのは、コロナ禍の影響を受け、一部技術者(新卒採用者の一部)に対して製造研修を実施したことが主因であり、新卒採用者の稼働が進むまでの一過性要因として捉えることができる※1。また、業種別売上高では、半導体やソフト開発関連など成長分野へのシフトが順調に進んでおり、その動きが業績の伸びに寄与しているとの見方ができる※2。一方、主力の自動車関連については、半導体不足や部品の供給元である東南アジアでのコロナ禍の拡大による影響を受け、構成比は若干減少したものの、おおむね回復基調にあり、売上高では増収を確保している。
※1 年間平均稼働率は93.6%(前期は92.1%)に回復した。特に、第2四半期(四半期ベース)が89.0%(前年同期は89.2%)と前期に引き続き低迷したものの、第4四半期には97.0%(同92.2%)とコロナ禍以前の水準に戻ってきた。
※2 業種別売上高では、半導体関連が20.5%(前年同期は17.7%)、ソフト開発が5.3%(同4.7%)と構成比を高めている。
また、グループ会社については、アルプスビジネスサービス及びパナR&Dが堅調に推移した。新規事業(農業関連分野)を手掛けるアルプスアグリキャリアについても、コロナ禍の影響により外国人材の増員受け入れには制限がかかっているものの、コロナ禍以前に受け入れた外国人材の育成及び派遣等により着実に伸びてきた。
損益面でも、新卒採用者を含む技術者数の増加に伴って売上原価は増えたものの、稼働率の回復等により増益を確保することができた。
(2) グローバル事業
売上高は前期比67.8%増の1,742百万円、セグメント利益は同3.0%減の201百万円となった。大型案件の検収により大幅な増収となった一方、損益面では前期比で減益とはなったものの、利益率の高い人材サービスなどにより、前期に引き続き高い収益性を確保できたと言える。
3. 2021年12月期の総括
以上から2021年12月期を総括すると、1)コロナ禍においても、オンライン採用などを通じて「技術社員数」を着実に増やしたこと、2)リモートワーク対応などにより、稼働率が年度後半に向けて回復してきたこと、3)成長分野へのシフトを迅速に進めていること、4)グループ各社がそれぞれ堅調に推移したことにより、順調に業績を伸ばすことができたところは、改めて同社の収益基盤の強さや対応力の高さを示すものとして評価できるポイントと言える。一方、コロナ禍に伴う入国制限により、アグリ人材などの外国人材の受け入れに遅れが生じているところは、今後の業績への影響が気になるところであるが、国内の人材ニーズは旺盛であるうえ、政策面での後押しも期待できることから、入国制限の緩和とともに十分に挽回できるものと弊社は見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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