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アルプス技研のニュース
■業績見通し
1. 2018年12月期の業績予想
2018年12月期の連結業績予想についてアルプス技研<4641>は、売上高を前期比7.1%増の32,400百万円、営業利益を同5.9%増の3,430百万円、経常利益を同7.2%増の3,510百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同0.1%増の2,370百万円と増収増益を見込んでおり、過去最高の業績を更新する見通しである。
引き続き、同社グループの主要顧客である大手製造業各社からの派遣要請が堅調であり、この傾向が継続することを想定している。業績の伸びが前期と比べてやや緩やかなのは、パナR&Dの連結化効果の一巡によるものであり、巡航ペースの成長が持続するものと評価するのが妥当であろう。創業50周年を迎えることもあり、グループ一体となった業績拡大を目指す構えだ。
損益面でも、創業50周年記念事業に係る費用増※が想定されるものの、増収により吸収することで増益を確保し、営業利益率もほぼ横ばいで推移する見通しである。なお、最終利益(当期純利益)の伸びが僅かなのは、前期の特殊要因(投資有価証券売却益)の剥落によるものである。
※第2ビル建設(第2創業期のシンボルとして新規分野への参入などに活用)や車椅子寄贈(CSR活動の一環で全国各地の縁の深い自治体や福祉協議会等に頑丈な車椅子約450台を寄贈予定)のほか、認知度向上のための広告宣伝費などを計画
弊社でも、良好な外部環境(旺盛な技術者派遣の要請など)に加えて、内部要因(社員定着率の向上、新卒採用の早期稼働など)を勘案し、同社業績予想の達成は十分に可能であると判断している。
2. 活動計画
創業50周年を迎え、第2創業期をスタート(礎作り)するにあたり、以下の施策に取り組む方針である。
(1)次世代を創る施策(個別)
同社の成長を支える3本柱(採用・教育・営業)の仕組みを変革し、相互にプラスの効果を生み出す好循環を実現する。特に、技術や産業の変化を先取りし、成長分野への対応を図っていく方針である。
a) 採用
1)重点校との長期的信頼関係確立、2)技術者やグループ内連携による採用強化、3)グローバルエンジニア採用・育成スキームの拡大などに取り組む。2019年新卒採用については、採用環境が厳しい中で、引き続き質を重視した採用方針(人材の質はもちろん、十分な教育・育成ができる範囲内での採用)により2018年新卒採用と同数の250名を計画している。また、2018年キャリア採用120名(目標)のほか、グローバルエンジニアの採用にも積極的に取り組む方針である。
b) 教育
1) 50年で培った独自教育ノウハウを活かした教育研修の実施、2)成長産業参入に向けた研修実施などに取り組む。特に、AIやIoTなど最先端技術分野の強化をはじめ、顧客ニーズに特化したカスタマイズ研修を取り入れる。
c) 営業
1)成長産業分野への重点営業、2)CS(顧客満足度)向上に向けたグループ営業の強化、3)技術者自らの成長を実現するローテーション※などに取り組む。特に、2)については、同社個別ではフル稼働に近い状況にある中で、顧客からの旺盛な派遣要請へ対応するためにグループ一体となった提案を行っていく方針である。
※同社では、技術者一人一人のキャリアプランをデータベース化したうえで、顧客からの要請とマッチングさせることにより、技術者自身が成長を実感できるような仕組みを取り入れている。
(2)グループ施策
グループ連携を一層強化し、グループ一体となった採用・育成の強化や事業領域の拡大に取り組む。特に国内子会社及び海外事業とのシナジー創出や新規事業の立ち上げに取り組む。
a) 国内事業
アルプスビジネスサービスについては、グループ連携による人員増強や事業拡大(後工程の派遣・請負・紹介事業によるワンストップサービスの提供など)を図るとともに、グループの人材育成のベースとなる教育整備(人間力をつくる研修など)や処遇改善などにも取り組む。一方、パナR&Dについては、受託部門のさらなる強化や基盤環境の整備を推進する。
b) 海外事業
上海及び台湾の現地法人によるグローバル事業(日系企業等に対する生産設備等の据付、メンテナンス並びに人材サービス)をさらに拡大するとともに、ヤンゴン支店(ミャンマー)での人材育成を通じた新規事業(アグリ・介護)の立ち上げにも取り組む。また、引き続き、中国やベトナムにおけるグローバルエンジニア採用ルートの拡大も図る。
3. 業界動向と同社の位置づけ
全国の派遣労働者数は、2008 年リーマンショック時の202 万人をピークに減少傾向にあったが、2013年に底を打ち、2017年時点では129 万人となっている。また、労働者派遣法の改正(2015 年9 月30 日施行)や同一労働同一賃金のガイドラインなどによって、派遣事業をめぐる環境は大きな転回点を迎えている。それは、派遣社員の有する技術力や専門性などと派遣先企業が何を派遣社員に期待するかによって、今後大きく変貌していくものと考えられる。端的に言えば、より新規で高度な技術力・専門性を持った人材へのニーズは堅調に推移するが、下流工程の作業については、景気動向などで大きく変動するだろう。
同社は、技術者の立場が無期雇用(正社員)で安定しており、高度な技術力と専門性を持つべく教育研修を受けているため、顧客企業からも信頼を得ている。無期雇用型技術者派遣に特化した同社の業績は、堅調に拡大していくものと期待される。もちろん、電気・機械、自動車、航空・宇宙など、技術力と専門性が活かせる業種の顧客ニーズをくみ取り、上流工程を任せられるためには、不断の努力が必要であろう。長期的な技術者人間教育に支えられ、顧客の信頼を得ることによって継続的に事業が拡大できるものと考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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1. 2018年12月期の業績予想
2018年12月期の連結業績予想についてアルプス技研<4641>は、売上高を前期比7.1%増の32,400百万円、営業利益を同5.9%増の3,430百万円、経常利益を同7.2%増の3,510百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同0.1%増の2,370百万円と増収増益を見込んでおり、過去最高の業績を更新する見通しである。
引き続き、同社グループの主要顧客である大手製造業各社からの派遣要請が堅調であり、この傾向が継続することを想定している。業績の伸びが前期と比べてやや緩やかなのは、パナR&Dの連結化効果の一巡によるものであり、巡航ペースの成長が持続するものと評価するのが妥当であろう。創業50周年を迎えることもあり、グループ一体となった業績拡大を目指す構えだ。
損益面でも、創業50周年記念事業に係る費用増※が想定されるものの、増収により吸収することで増益を確保し、営業利益率もほぼ横ばいで推移する見通しである。なお、最終利益(当期純利益)の伸びが僅かなのは、前期の特殊要因(投資有価証券売却益)の剥落によるものである。
※第2ビル建設(第2創業期のシンボルとして新規分野への参入などに活用)や車椅子寄贈(CSR活動の一環で全国各地の縁の深い自治体や福祉協議会等に頑丈な車椅子約450台を寄贈予定)のほか、認知度向上のための広告宣伝費などを計画
弊社でも、良好な外部環境(旺盛な技術者派遣の要請など)に加えて、内部要因(社員定着率の向上、新卒採用の早期稼働など)を勘案し、同社業績予想の達成は十分に可能であると判断している。
2. 活動計画
創業50周年を迎え、第2創業期をスタート(礎作り)するにあたり、以下の施策に取り組む方針である。
(1)次世代を創る施策(個別)
同社の成長を支える3本柱(採用・教育・営業)の仕組みを変革し、相互にプラスの効果を生み出す好循環を実現する。特に、技術や産業の変化を先取りし、成長分野への対応を図っていく方針である。
a) 採用
1)重点校との長期的信頼関係確立、2)技術者やグループ内連携による採用強化、3)グローバルエンジニア採用・育成スキームの拡大などに取り組む。2019年新卒採用については、採用環境が厳しい中で、引き続き質を重視した採用方針(人材の質はもちろん、十分な教育・育成ができる範囲内での採用)により2018年新卒採用と同数の250名を計画している。また、2018年キャリア採用120名(目標)のほか、グローバルエンジニアの採用にも積極的に取り組む方針である。
b) 教育
1) 50年で培った独自教育ノウハウを活かした教育研修の実施、2)成長産業参入に向けた研修実施などに取り組む。特に、AIやIoTなど最先端技術分野の強化をはじめ、顧客ニーズに特化したカスタマイズ研修を取り入れる。
c) 営業
1)成長産業分野への重点営業、2)CS(顧客満足度)向上に向けたグループ営業の強化、3)技術者自らの成長を実現するローテーション※などに取り組む。特に、2)については、同社個別ではフル稼働に近い状況にある中で、顧客からの旺盛な派遣要請へ対応するためにグループ一体となった提案を行っていく方針である。
※同社では、技術者一人一人のキャリアプランをデータベース化したうえで、顧客からの要請とマッチングさせることにより、技術者自身が成長を実感できるような仕組みを取り入れている。
(2)グループ施策
グループ連携を一層強化し、グループ一体となった採用・育成の強化や事業領域の拡大に取り組む。特に国内子会社及び海外事業とのシナジー創出や新規事業の立ち上げに取り組む。
a) 国内事業
アルプスビジネスサービスについては、グループ連携による人員増強や事業拡大(後工程の派遣・請負・紹介事業によるワンストップサービスの提供など)を図るとともに、グループの人材育成のベースとなる教育整備(人間力をつくる研修など)や処遇改善などにも取り組む。一方、パナR&Dについては、受託部門のさらなる強化や基盤環境の整備を推進する。
b) 海外事業
上海及び台湾の現地法人によるグローバル事業(日系企業等に対する生産設備等の据付、メンテナンス並びに人材サービス)をさらに拡大するとともに、ヤンゴン支店(ミャンマー)での人材育成を通じた新規事業(アグリ・介護)の立ち上げにも取り組む。また、引き続き、中国やベトナムにおけるグローバルエンジニア採用ルートの拡大も図る。
3. 業界動向と同社の位置づけ
全国の派遣労働者数は、2008 年リーマンショック時の202 万人をピークに減少傾向にあったが、2013年に底を打ち、2017年時点では129 万人となっている。また、労働者派遣法の改正(2015 年9 月30 日施行)や同一労働同一賃金のガイドラインなどによって、派遣事業をめぐる環境は大きな転回点を迎えている。それは、派遣社員の有する技術力や専門性などと派遣先企業が何を派遣社員に期待するかによって、今後大きく変貌していくものと考えられる。端的に言えば、より新規で高度な技術力・専門性を持った人材へのニーズは堅調に推移するが、下流工程の作業については、景気動向などで大きく変動するだろう。
同社は、技術者の立場が無期雇用(正社員)で安定しており、高度な技術力と専門性を持つべく教育研修を受けているため、顧客企業からも信頼を得ている。無期雇用型技術者派遣に特化した同社の業績は、堅調に拡大していくものと期待される。もちろん、電気・機械、自動車、航空・宇宙など、技術力と専門性が活かせる業種の顧客ニーズをくみ取り、上流工程を任せられるためには、不断の努力が必要であろう。長期的な技術者人間教育に支えられ、顧客の信頼を得ることによって継続的に事業が拡大できるものと考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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