2,046円
サカタインクスのニュース
■事業概要
1. 事業紹介
サカタインクス<4633>は、パッケージ印刷用インキ及び情報メディア向けインキを製造・販売する印刷インキ事業、印刷関連機材事業、機能性材料事業、その他事業を展開している。
印刷インキ事業は、日本・アジア・米州及び欧州の各市場向けのパッケージ印刷用インキ(段ボールや紙器など紙パッケージ印刷用インキ、食品・化粧品・トイレタリー製品・日用品などフィルムパッケージ印刷用インキ、飲料缶など金属缶印刷用インキなど)を主力としている。情報メディア向けインキ(新聞印刷用の新聞インキ、書籍・雑誌・カタログ・ポスター・チラシ・伝票など各種商業印刷用のオフセットインキ)は売上構成比が低下しており、全体の業績に与える影響が小さくなっている。
機能性材料事業は、日本・アジア・米州及び欧州の各市場向けに、デジタル印刷材料(大型出力物やテキスタイルなどに使用される産業用インクジェットインキ、レーザープリンターや複合機に使用されるトナー)、液晶パネルの画像表示材料(カラーフィルター用顔料分散液)、及び機能性コーティング剤を製造・販売している。
印刷関連機材事業は、主として日本市場向けに、CTP(Computer to Plate)セッター、CTP版、インクジェットプルーファー、インクジェットプルーフ用紙、編集用ソフトウェア、カラーマネジメントシステム、インキディスペンサーなどの印刷製版用材料や印刷関連機器を仕入・販売している。
その他事業は主として日本市場向けに、化成品等販売事業(阪田産業(株))、ディスプレイ関連事業(サカタラボステーション(株))などを行っている。
米州とアジアが利益柱
2. セグメント別構成比
連結決算におけるセグメント区分は、印刷インキ・機材(日本)、印刷インキ(アジア)、印刷インキ(米州)、印刷インキ(欧州)、機能性材料、その他としている。営業利益構成比で見ると、グローバル展開の加速によって、市場開拓余地の大きい米州及びアジアが合計で概ね6割前後を占め、利益柱となっている。
2021年12月期第2四半期累計の営業利益構成比は、印刷インキ・機材(日本)が16.8%、印刷インキ(アジア)が25.0%、印刷インキ(米州)が33.7%、印刷インキ(欧州)が1.0%、機能性材料が19.0%、その他が4.6%となった。日本はコスト削減も寄与して大幅増益となり、構成比も上昇した。アジアは構成比が低下したが、コロナ禍や原材料・物流コスト高騰の影響を拡販効果で吸収して大幅増益となった。米州は構成比が低下したが、パッケージ関連の拡販や価格改定が順調で増益となった。欧州は構造改革効果も寄与して黒字化した。機能性材料は前期にコロナ禍の影響を大きく受けたが、需要回復して構成比も大幅上昇した。
環境配慮型製品に強み、高い市場シェア
3.強み
1896年の創業以来120年以上の歴史のなかで培われた環境配慮型高機能・高付加価値製品の開発力・品ぞろえ、及び製品の高い信頼性・品質力を強みとしている。
環境配慮型高機能・高付加価値製品の品ぞろえは豊富である。植物由来成分をインキ固形分中に10%以上含有するボタニカルインキをはじめ、鉱物油を各種植物油(大豆油など)に置き換えた植物油インキ、構成成分中の高沸点石油系溶剤を1%未満に抑えたノンVOCインキ、有機溶剤のトルエン及びMEK(メチルエチルケトン)を使用しないノントルエン・ノンMEKインキ、水性でありながら高い性能を有する水性フレキソインキなどがある。
特に、植物由来成分を含む同社オリジナルブランドの「ボタニカルインキ」は2016年末から展開を始め、大手コンビニエンスストアや食品メーカーのフィルムパッケージに採用されている。さらに「ボタニカルインキ」シリーズとして新たに、紙袋用途向け水性フレキソインキ「エコプラータ」や、紙器カートン用途向け水性グラビアインキ「エコピーノ」を上市するなど、ラインアップ拡充を進めている。なお「ボタニカルインキ」が使用された印刷物には、同社が商標登録した独自のロゴマークを印刷することができる。
情報メディア向けインキにおいては環境配慮型製品の比率が95%以上に達している。新聞インキでは高発色性インキ「ニュースウェブマスター エコピュア」(エコマーク認定)や、カラー紙面の高品質化に対応して色に関する管理を行うカラーマネジメントシステムなどが、新聞社からの大きな信頼を得ている。オフセットインキについても、業界に先駆けて環境配慮型製品の市場導入を図り、近年普及が進む高感度UV印刷機に対応した紫外線硬化型UVインキ「ドリームキュア」シリーズの展開を進めている。
国内・海外とも、ミドルレンジ以上の環境配慮型高機能・高付加価値製品を主力として展開している。そして環境配慮型製品によって高い市場シェアを獲得している。パッケージ印刷用インキ分野における市場シェア(同社推定)は、業界に先駆けて早くから開発を始めた段ボール・紙器用途のフレキソインキが国内1位、食品・日用品などのフィルムパッケージ用途のグラビアインキが国内2位、飲料缶など缶用インキが世界1位である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<EY>
1. 事業紹介
サカタインクス<4633>は、パッケージ印刷用インキ及び情報メディア向けインキを製造・販売する印刷インキ事業、印刷関連機材事業、機能性材料事業、その他事業を展開している。
印刷インキ事業は、日本・アジア・米州及び欧州の各市場向けのパッケージ印刷用インキ(段ボールや紙器など紙パッケージ印刷用インキ、食品・化粧品・トイレタリー製品・日用品などフィルムパッケージ印刷用インキ、飲料缶など金属缶印刷用インキなど)を主力としている。情報メディア向けインキ(新聞印刷用の新聞インキ、書籍・雑誌・カタログ・ポスター・チラシ・伝票など各種商業印刷用のオフセットインキ)は売上構成比が低下しており、全体の業績に与える影響が小さくなっている。
機能性材料事業は、日本・アジア・米州及び欧州の各市場向けに、デジタル印刷材料(大型出力物やテキスタイルなどに使用される産業用インクジェットインキ、レーザープリンターや複合機に使用されるトナー)、液晶パネルの画像表示材料(カラーフィルター用顔料分散液)、及び機能性コーティング剤を製造・販売している。
印刷関連機材事業は、主として日本市場向けに、CTP(Computer to Plate)セッター、CTP版、インクジェットプルーファー、インクジェットプルーフ用紙、編集用ソフトウェア、カラーマネジメントシステム、インキディスペンサーなどの印刷製版用材料や印刷関連機器を仕入・販売している。
その他事業は主として日本市場向けに、化成品等販売事業(阪田産業(株))、ディスプレイ関連事業(サカタラボステーション(株))などを行っている。
米州とアジアが利益柱
2. セグメント別構成比
連結決算におけるセグメント区分は、印刷インキ・機材(日本)、印刷インキ(アジア)、印刷インキ(米州)、印刷インキ(欧州)、機能性材料、その他としている。営業利益構成比で見ると、グローバル展開の加速によって、市場開拓余地の大きい米州及びアジアが合計で概ね6割前後を占め、利益柱となっている。
2021年12月期第2四半期累計の営業利益構成比は、印刷インキ・機材(日本)が16.8%、印刷インキ(アジア)が25.0%、印刷インキ(米州)が33.7%、印刷インキ(欧州)が1.0%、機能性材料が19.0%、その他が4.6%となった。日本はコスト削減も寄与して大幅増益となり、構成比も上昇した。アジアは構成比が低下したが、コロナ禍や原材料・物流コスト高騰の影響を拡販効果で吸収して大幅増益となった。米州は構成比が低下したが、パッケージ関連の拡販や価格改定が順調で増益となった。欧州は構造改革効果も寄与して黒字化した。機能性材料は前期にコロナ禍の影響を大きく受けたが、需要回復して構成比も大幅上昇した。
環境配慮型製品に強み、高い市場シェア
3.強み
1896年の創業以来120年以上の歴史のなかで培われた環境配慮型高機能・高付加価値製品の開発力・品ぞろえ、及び製品の高い信頼性・品質力を強みとしている。
環境配慮型高機能・高付加価値製品の品ぞろえは豊富である。植物由来成分をインキ固形分中に10%以上含有するボタニカルインキをはじめ、鉱物油を各種植物油(大豆油など)に置き換えた植物油インキ、構成成分中の高沸点石油系溶剤を1%未満に抑えたノンVOCインキ、有機溶剤のトルエン及びMEK(メチルエチルケトン)を使用しないノントルエン・ノンMEKインキ、水性でありながら高い性能を有する水性フレキソインキなどがある。
特に、植物由来成分を含む同社オリジナルブランドの「ボタニカルインキ」は2016年末から展開を始め、大手コンビニエンスストアや食品メーカーのフィルムパッケージに採用されている。さらに「ボタニカルインキ」シリーズとして新たに、紙袋用途向け水性フレキソインキ「エコプラータ」や、紙器カートン用途向け水性グラビアインキ「エコピーノ」を上市するなど、ラインアップ拡充を進めている。なお「ボタニカルインキ」が使用された印刷物には、同社が商標登録した独自のロゴマークを印刷することができる。
情報メディア向けインキにおいては環境配慮型製品の比率が95%以上に達している。新聞インキでは高発色性インキ「ニュースウェブマスター エコピュア」(エコマーク認定)や、カラー紙面の高品質化に対応して色に関する管理を行うカラーマネジメントシステムなどが、新聞社からの大きな信頼を得ている。オフセットインキについても、業界に先駆けて環境配慮型製品の市場導入を図り、近年普及が進む高感度UV印刷機に対応した紫外線硬化型UVインキ「ドリームキュア」シリーズの展開を進めている。
国内・海外とも、ミドルレンジ以上の環境配慮型高機能・高付加価値製品を主力として展開している。そして環境配慮型製品によって高い市場シェアを獲得している。パッケージ印刷用インキ分野における市場シェア(同社推定)は、業界に先駆けて早くから開発を始めた段ボール・紙器用途のフレキソインキが国内1位、食品・日用品などのフィルムパッケージ用途のグラビアインキが国内2位、飲料缶など缶用インキが世界1位である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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