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サカタインクス Research Memo(1):積極的投資による成長加速とESG取り組み強化、環境配慮型で収益拡大

配信元:フィスコ
投稿:2019/10/02 15:31
■要約

サカタインクス<4633>は世界3位の大手印刷インキメーカーである。1896年の創業以来、120年以上の歴史の中で培われた環境配慮型高機能・高付加価値製品の開発力・品ぞろえ・高シェア及び製品の高い信頼性・品質力を強みとしている。そしてインキの開発・生産で培ってきた基盤技術を機能性材料事業に応用展開している。グローバル展開の加速と環境配慮型高機能・高付加価値製品の拡販で、中期的に収益拡大が期待される。

1. パッケージ印刷用インキを主力にグローバル展開
パッケージ印刷用インキ(段ボールや紙器など紙パッケージ印刷用のフレキソインキ、食品・化粧品・トイレタリー製品・日用品などフィルムパッケージ印刷用のグラビアインキ、飲料缶など金属缶印刷用のメタルインキ)を主力として、日本及び海外合わせて18の国・地域に印刷用インキ製造・販売拠点をグローバル展開している。グローバル展開の加速や環境配慮型高機能・高付加価値製品の拡販によって、市場拡大・開拓余地の大きいアジア、米州、及び機能性材料が利益柱に成長している。

2. 2019年12月期第2四半期累計は計画超で営業・経常増益
2019年12月期第2四半期累計(1月-6月)の連結業績は、売上高が前年同期比5.4%増の83,167百万円、営業利益が同13.9%増の3,051百万円、経常利益が同5.0%増の3,718百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同8.5%減の2,386百万円だった。アジアと米州を中心とするパッケージ印刷用インキの販売数量増加効果、販売価格改定効果、新規連結(タイとブラジルの子会社)効果に加えて、海外市場で原材料価格の上昇が想定を下回ったことも寄与した。期初計画との比較で見ると各利益は大幅に上振れの形となり、営業利益と経常利益は減益計画から一転して増益での着地となった。

3. 2019年12月期通期は利益を上方修正して大幅増益予想
2019年12月期通期の連結業績予想(2019年8月9日に売上高を下方修正、各利益を上方修正)は、売上高が前期比4.9%増の170,000百万円、営業利益が同33.0%増の6,800百万円、経常利益が同18.7%増の8,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同11.9%増の5,250百万円としている。販売数量増加効果、販売価格改定効果、製品ミックス改善効果、新規連結効果、コストダウン効果、原材料価格上昇落ち着き効果などで増収・大幅増益予想である。期初計画との比較では、製品ミックス改善効果に加えて、原材料価格の上昇が想定を下回っていることなどで、各利益は大幅に上振れる見込みとなった。なお営業利益を半期別に見ると、2018年12月期下期をボトムとして回復基調である。

4. ESGへの取り組み強化と環境配慮型高機能製品の拡販で中期成長期待
「中期経営計画2020」では成長戦略に、コア事業である印刷インキ事業及び機能性材料事業の拡大、コア事業で培った技術の応用展開による新規事業の創出推進を掲げている。またESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを強化し、植物由来成分を含む「ボタニカルインキ」シリーズ、地球温暖化ガス排出抑制に貢献するUV・EB硬化型インキ、食品ロス削減に向けたガスバリア剤「エコステージ」シリーズ等、地球環境保護に貢献する新製品の開発・拡販を推進している。同社は先行してグローバル展開した実績、各国の地域特性に合わせて製品投入するノウハウ、環境配慮型高機能・高付加価値製品の開発・品ぞろえ・高シェアが強みであり、グローバル展開の加速と環境配慮型高機能製品の拡販によって中期的な収益拡大が期待される。

5. 連結配当性向20%~30%目安、株主優待制度は毎年12月末の株主対象
連結配当性向は20%前後から30%前後の範囲を目安としている。この基本方針に基づいて、2019年12月期の配当予想は前期と同額の1株当たり年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。予想配当性向は33.3%となる。株主優待制度は毎年12月31日現在の1単元(100株)以上保有株主を対象として実施している。なお2018年12月31日現在の保有株主から、保有期間に応じた株主優待制度に変更した。

■Key Points
・世界3位の大手印刷インキメーカーでパッケージ印刷用インキが主力
・2019年12月期通期は利益を上方修正して大幅増益予想
・グローバル展開の加速と環境配慮型高機能製品の拡販で中期的に収益拡大期待

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

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配信元: フィスコ
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