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大幸薬品のニュース
*11:03JST 大幸薬品 Research Memo(3):医薬品事業は2工場生産体制へ方針変更。「クレベリン」は受験生をターゲット
■大幸薬品<4574>のトピックス
1. 医薬品事業:供給力増強、値上げが順調に進捗
医薬品事業の外部環境は良好である。外出機会の増加やインバウンド需要が追い風となり、国内止瀉薬市場はコロナ禍前の水準を上回って推移している。同社の安定供給がシェア拡大のカギとなっていたが、これまで準備を進めてきた吹田工場・小国工場におけるシフト生産体制の強化や、京都工場における「セイロガン糖衣A」の包装ライン立ち上げが2024年12月期の上期に完了した。これにより供給不足のため出荷制限を余儀なくされていた主力の「正露丸100粒」「セイロガン糖衣A36錠」の出荷が回復した。2024年12月期下期以降に「セイロガン糖衣A」の84錠や携帯用24錠も出荷する見通しで、供給はさらに改善する見通しである。
2024年5月には、「正露丸」「セイロガン糖衣A」の出荷価格改定を実施した。エネルギー価格・原材料価格・物流費・為替影響(円安)などの観点から安定した医薬品品質システムを構築するため、約20年振りの値上げとなる。消費者や流通企業を含めて市場の混乱は見られず、順調に受け入れられたもようで、中長期的にサステナブルな利益の確保に向けて目処が立った。
2023年12月期にパッケージリニューアル等のマーケティング施策が奏功し業績を伸ばした「正露丸クイックC」は、2024年12月期においても好調を維持している。また、2024年夏におこなった「学生生活」「訪日観光客」といった様々な場面に合わせた動画をYouTubeやInstagramなどのSNSで展開した施策について、同社は手ごたえを得たようだ。
2. 医薬品事業:生産体制の再編を決定
同社は、医薬品事業の生産体制について、段階的に既存の吹田工場から京都工場への集約を予定していたが、中期的な需要見通しを踏まえ、BCP(事業継続性)の観点や海外薬事への対応方針(ライセンス維持など)、生産の拡張性などを総合的に勘案した結果、吹田工場における老朽化対策の投資を行ったうえで、一定の生産を今後も継続し、2工場体制とする方針を決定した。この決定に基づき、京都工場における生産設備の一部を吹田工場に移設し、一部を除却するため、2024年12月期第3四半期以降に230百万円程度を減損損失として特別損失に計上するとしている。
3. 感染管理事業:受験生の家族向けにデジタル媒体を活用したマーケティングを準備
コロナ禍以降、除菌市場の売上予測が難しい状況が続いていることを踏まえ、2024年12月期はコストコントロールを強化し、売上規模に応じたマーケティング費用の投下を行う方針である。そして「クレベリン」の信頼回復に向けてエビデンス強化に関わるR&D(JSA規格の制定、エビデンス取得など)を優先して取り組む。「クレベリン」の主力アイテムである置き型の店頭販売は2024年1月~6月累計で前年同期比102%となり、底打ちの兆しが見られた。需要期である冬季に向け、コロナ禍を経て除菌意識が大幅に上がった受験生の家族にフォーカスしてマーケティングを準備している。受験シーズンの動画配信に加え、各種デジタル媒体での紹介を通じた信頼促進やEC強化策などでターゲットに合わせた施策を行う予定である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. 医薬品事業:供給力増強、値上げが順調に進捗
医薬品事業の外部環境は良好である。外出機会の増加やインバウンド需要が追い風となり、国内止瀉薬市場はコロナ禍前の水準を上回って推移している。同社の安定供給がシェア拡大のカギとなっていたが、これまで準備を進めてきた吹田工場・小国工場におけるシフト生産体制の強化や、京都工場における「セイロガン糖衣A」の包装ライン立ち上げが2024年12月期の上期に完了した。これにより供給不足のため出荷制限を余儀なくされていた主力の「正露丸100粒」「セイロガン糖衣A36錠」の出荷が回復した。2024年12月期下期以降に「セイロガン糖衣A」の84錠や携帯用24錠も出荷する見通しで、供給はさらに改善する見通しである。
2024年5月には、「正露丸」「セイロガン糖衣A」の出荷価格改定を実施した。エネルギー価格・原材料価格・物流費・為替影響(円安)などの観点から安定した医薬品品質システムを構築するため、約20年振りの値上げとなる。消費者や流通企業を含めて市場の混乱は見られず、順調に受け入れられたもようで、中長期的にサステナブルな利益の確保に向けて目処が立った。
2023年12月期にパッケージリニューアル等のマーケティング施策が奏功し業績を伸ばした「正露丸クイックC」は、2024年12月期においても好調を維持している。また、2024年夏におこなった「学生生活」「訪日観光客」といった様々な場面に合わせた動画をYouTubeやInstagramなどのSNSで展開した施策について、同社は手ごたえを得たようだ。
2. 医薬品事業:生産体制の再編を決定
同社は、医薬品事業の生産体制について、段階的に既存の吹田工場から京都工場への集約を予定していたが、中期的な需要見通しを踏まえ、BCP(事業継続性)の観点や海外薬事への対応方針(ライセンス維持など)、生産の拡張性などを総合的に勘案した結果、吹田工場における老朽化対策の投資を行ったうえで、一定の生産を今後も継続し、2工場体制とする方針を決定した。この決定に基づき、京都工場における生産設備の一部を吹田工場に移設し、一部を除却するため、2024年12月期第3四半期以降に230百万円程度を減損損失として特別損失に計上するとしている。
3. 感染管理事業:受験生の家族向けにデジタル媒体を活用したマーケティングを準備
コロナ禍以降、除菌市場の売上予測が難しい状況が続いていることを踏まえ、2024年12月期はコストコントロールを強化し、売上規模に応じたマーケティング費用の投下を行う方針である。そして「クレベリン」の信頼回復に向けてエビデンス強化に関わるR&D(JSA規格の制定、エビデンス取得など)を優先して取り組む。「クレベリン」の主力アイテムである置き型の店頭販売は2024年1月~6月累計で前年同期比102%となり、底打ちの兆しが見られた。需要期である冬季に向け、コロナ禍を経て除菌意識が大幅に上がった受験生の家族にフォーカスしてマーケティングを準備している。受験シーズンの動画配信に加え、各種デジタル媒体での紹介を通じた信頼促進やEC強化策などでターゲットに合わせた施策を行う予定である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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