＜話題の焦点＞＝乳幼児増が牽引、世界で拡大する紙おむつ市場

　紙おむつ市場が成長を続けている。少子化の進む日本は成熟産業にあるが、世界的には新興国での乳幼児の増加を背景に、拡大を続けている。ユニセフの「世界子供白書２０１４」によると１２年の世界全体の年間出生数は１億３８３１万人で、その約半分がアジア。このうち中国や東南アジアは経済成長で先行し紙おむつ市場も拡大しているが、出生数で東アジアを上回るインドでは、紙おむつ市場は１４０億ルピー（約２３０億円）規模で、１３年までの７年で１０倍以上に拡大している。

　一般的に乳幼児用の紙おむつは、１人当たりの年間ＧＤＰが３０００ドルを超えると浸透し始め、４０００ドルを超えると普及率が加速するといわれている。中国やタイに続いて、２億人超の人口を抱えるインドネシアが１２年に３０００ドルを超えた。フィリピンやインド、ミャンマーなどの需要が伸びそうだ。長期的にはアフリカ市場の参入も期待されている。

　また、大人用紙おむつ市場の拡大も注目されている。ユニ・チャーム<8113.T>では１３年３月期に売上高で大人用が子ども用を抜いた。また、３月には日本企業が販売する大人用の紙おむつの「パッド方式」が、新しい国際標準として認められる見通しになったと伝えられ、高齢化が進むアジア市場などで拡大が期待されている。

◆主な紙おむつ関連銘柄

　銘柄<コード>　　　　　　最近の動向

東レ<3402.T>　　　　紙おむつ用高機能ポリプロピレンスパンボンドで高シェア
旭化成<3407.T>　　　タイで紙おむつ原料の生産増強。来年１１月に稼働へ
王子ＨＤ<3861.T>　　韓国に同社としてはアジア初の紙おむつ生産拠点を設立
大王紙<3880.T>　　　福島に紙おむつ新工場を建設しアジア向けを強化
住友精化<4008.T>　　韓国で吸水性樹脂（ＳＡＰ）の工場を新設へ
日触媒<4114.T>　　　今後６年間でＳＡＰ関連に１５００億円を投じ生産５割増へ
花王<4452.T>　　　　インドネシア新工場で紙おむつの現地生産を開始へ
三洋化成<4471.T>　　韓国で吸水性樹脂（ＳＡＰ）の工場を１００億円をかけ新設
瑞光<6279.T>　　　　紙おむつ製造機器の国内シェアトップ
ユニチャム<8113.T>　各国の事情に合わせ普及価格帯と高価格帯を展開

出所：株経通信（株式会社みんかぶ）