インフォネットのニュース
インフォネット、上期の売上高はCMS事業で計画を上回り、AI事業でも月額利用収益発生で大幅増
2020年3月期第2四半期決算説明会
岸本誠氏:本日はお忙しいなか、弊社の第2四半期決算説明会に足を運んでいただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、機関投資家向けということで、みなさまの前でお話しするのは、1on1を除けばラージミーティング以来となっており、いささか緊張しておりますし、不慣れな点もあろうかと思いますが、質疑を含め多くのご意見を頂戴できればと思いますので、短い時間ではございますが、お付き合いいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
では、スライドをもとに、順を追って弊社の状況を説明させていただきます。
会社概要 ABOUT US
まずは、弊社の会社概要についてご説明させていただきます。弊社は、自社開発のWeb、ITプロダクトをクラウドサービスにて提供するソリューションベンダーです。
本社は大手町にありまして、福井県と佐賀県に拠点を構える3拠点体制で事業を進めております。
会社概要 SOLUTION
事業内容としましては、こちらのモデルになります。Webのインテグレーション領域、Webサイトのデザインを含めた構築であったり、あるいはWebシステムの開発、そしてこれらを稼動させるためのサーバーということで、データセンターについても弊社にて運用しております。
それらのクラウドサービスの提供というところを事業に置きながらも、(スライドの)中央の柱であるCMSサイト構築を主要サービスとしている会社になります。
CMSというものは、コンテンツ・マネジメント・システムの頭文字をとっておりまして、ホームページの管理システムをクラウドサービスにて提供しながら、サービス付きのWeb構築を行う事業とご理解いただければと思います。
また、昨今よりお客様のWeb活用・Webマーケティングを強く支援したいというところから、AIエンジンを活用したAIチャットボットの開発・販売の取り組みを強めており、今日に至ります。
会社概要 事業開発体制
事業体制として、佐賀県と福井県に拠点がありますが、こちらは完全に開発拠点になっており、いわゆるニアショア型の開発体制を持つ会社です。
営業拠点は東京ということで、現在営業スタッフを含めて、主に一都三県をターゲットとした営業活動を行い、展開しているというところです。
会社概要 主要サービス_CMS事業
それではここから、主要サービスについて、紹介をさせていただければと思います。このスライドは成長可能性資料より抜粋したもの(そのためinfoCMS9)となっていますが、今年5月に、infoCMS10という新シリーズを提供しております。
特長としましては、お客様がWebサイトを管理するときに、見たままの状態・画面を直接編集するように、変えたいところを変えられるという圧倒的な操作性、使いやすさを売りにしながら、プラスアルファで、標準でさまざまな機能がパッケージとして搭載されています。
そうしたところで、ページ数やコンテンツ量が比較的多いWebサイト、あるいは操作する人数が複数いる部署で、Webサイトの運用・管理をするような企業様や公共団体にフィットする商品設計になっています。
会社概要 CMS事業 ビジネスフロー
ビジネスフローとしては、CMSのサイト構築事業ということで、スライドにありますように、まずお客様からWebサイトの制作のお仕事を受託しまして、こちらを開発して納品させていただきます。これによって、まず1つ目のフロー収益が立つというかたちです。
その後、ほぼ100パーセントのお客様が、弊社のinfoCMSをご利用いただくための利用料であったり、あるいはそのほかのサポートサービス等々を含めた月額契約に移行することによって、月額収益が立つというストック型の収益となります。
当社は、この二つの収益を兼ね備えたビジネスフローにて販売活動を行っております。
会社概要 主要サービス_AI関連事業
あわせて、先ほど申し上げたAIのエンジンを活用したチャットボットサービス、商品名を「Q&Ai」というのですが、こちらも同様のビジネスフローを持っております。
最近多数のWebサイト……、おそらく、会場にいらっしゃるみなさまもご覧になったことがあるのではないでしょうか。よくWebサイトの右下あたりに「お困りですか?」「ご質問はありませんか?」のようなかたちで吹き出しのようなものがあって、それをクリックすると小さなウィンドウが立ち上がって、そこにいろいろな質問を入れていく、そうすると返事が返ってくるといったものになります。インターフェースデザインについては、他社ともなかなか差別化ができないのですが、このようなかたちで既存のWebサイトに設置するという導入方法になります。
しかしながら、弊社の場合はAIエンジンを組み込んでおります。このメリットとしては、たとえば、とあるホームページに訪れたユーザー様が料金について知りたいときに、「料金は?」と聞くこともあると思いますが、「コストは?」「費用は?」「プライスは?」など、聞き方はさまざまかと思います。
そのように、聞き方は違えども本質的な意味……、この場合は料金を返答すべきなのですが、それをAIが解析して判断し、適切な回答を行うところが特長になります。
会社概要 AI事業 ビジネスフロー
こちらがビジネスフロー図になります。お客様からお申し込みをいただいた際に、初期設定というかたちで、お客様の目的に合わせてAIのなかにデータを投入して、若干のチューニング作業を行う必要があります。
これらを行ったうえで、お客様のWebサイトに設置するというかたちで、まず初期料金を受領するというフロー収益になります。
その後、「Q&Ai」の利用にかかる利用料、およびAIをより進化させて賢く返答していくためのチューニングサービス等々をご契約いただいた場合、それらの契約を含めた月額契約に移行しストック型収益というかたちで、こちらもCMS事業と同様にフロー型とストック型の収益を兼ね備えた販売形態をとっています。
これらが弊社の主要サービスとなっております。
会社概要 成長戦略
こちらのスライドは、今年6月にマザーズ市場に上場させていただいた際に示した成長戦略になります。
まずCMS事業に関しては、一都三県のみならず、地方の大都市圏等々にも弊社のサービスがフィットする企業や団体様も多数いらっしゃると思いますので、自社の営業部員を多く採用し、また地方展開を強みとしている業者様とのパートナーシップの構築等々によって、ユーザー基盤のさらなる拡大を行っていきたいと思います。
そして、CMSというホームページの管理システムの月額利用料のみならず、たとえばマーケティングオートメーション系のツールであったり、あるいはリスティングやDSP等々の広告関連のソリューションなども連携して、とくにストックにかかる部分のサービスラインの拡充によって、さらにお客様のお役に立ちたいというのがCMS事業の成長戦略です。
AI関連事業としては、先ほど申し上げた「Q&Ai」になりますが、これはWebサイトに設置するかたちでの提供になりますので、当然、弊社が持ち合わせている顧客資産、既存のお客様のWebサイトへの設置のご提案、あるいは、AIチャットボットのみをご要望の企業様に、もう少し広く、Webマーケティングという視点で、Webサイトの再構築、関連システムであるCMSの導入といったクロスセル・アップセルについてが3つ目の成長戦略です。
そして、今ほど申し上げたAIエンジンを活用することによって得られるさまざまな個別の受託開発案件にもチャレンジしていきたいと思っております。
このように、CMS事業とAI関連事業を社内で分けつつも、相乗させながら、しっかり成長していきたいということで今日に至っております。
CMS事業/AI関連事業
このような弊社の主要サービスおよび方針というなかで、2019年3月期第2四半期の決算概況について説明を進めさせていただければと思います。
まずはトピックス、ハイライトになりますが、CMS事業に関しましては、第2四半期の累計で計画を7パーセント上回るかたちで達成することができております。そのほか、AI関連事業に関しては、先ほど申し上げたように、昨年販売した分の月額利用収益が当期より発生していますので、記載のとおり前期を上回る累計売上高で、919万円の大幅増となっています。
月額利用収益/受託開発受注高
また、全体での月額の利用収益に関してはCMSを含めたかたちになりますが、前期を15パーセント上回るかたちでの進捗です。
受託開発の受注高に関しては、残念ながら前期を16パーセント下回るかたちでの着地となっています。
当社の収益構造
続いてこちらが、ぜひみなさまに強くお伝えしたい弊社の収益構造です。
先ほどご説明したCMSとAIについての、サブスクリプション型の収益構造を図によってあらわしたものになります。また受託開発も同時にありますので、フロー収益も絡んできます。
現在、弊社の売上の構成比率は、受託開発によるフロー収益が全体売上の約6割を占めており、月額利用料によるストック型のサブスクリプション収益が全体売上の約4割というかたちで、毎年推移していく計画です。
売上高実績(前期比)
こちら(前のスライド)を踏まえ売上高の実績に関して、まず前期比というかたちで説明させていただきます。前期に対して約8.8パーセントのマイナスでの着地となりました。
ただし、月額の利用料の収益は、前期比15.1パーセントの増加、受託開発売上に関しては、前期比33.1パーセントのマイナスでの着地となります。
受託開発売上(納品)件数実績(前期比)
こちらのスライドは、フロー収益にかかる納品件数の実績になっております。件数としましては、この上期は前期に対して46件減少というかたちでの着地となります。
受注案件規模が非常に大型化している傾向にあり、開発にかかるリードタイムが長期化し、より下期に偏重していくというのが理由だと弊社側で分析しているところです。
受託開発受注高実績(前期比)
また、受託開発の受注状況の累計の前期比になります。こちらも前期に対してマイナス15.9パーセントで、第2四半期を締めるかたちになりました。
月額利用収益実績累計(前期比)
月額の利用料は、前期に対して成長率15パーセントということで、着実に成長しています。
月額契約社数推移(前期比)
月額の契約社数に関しても同様に、多少の解約はもちろんありますが、差し引きで2社の純増です。また、先ほどの「Q&Ai」の利用料も含めて、平均単価は1万円増加しています。
売上高計画比
続いて今期の計画に対する売上高の進捗についてのご説明になります。
売上高の計画比に関しては、計画に対してプラス6.7パーセント、進捗率30パーセントで計画どおりに進んでいるかたちです。
売上総利益実績(前期比)
売上総利益、粗利の部分に関しては、前期比でマイナス21.9パーセントになります。
理由としましては、赤字案件の納品を完了することによって、仕掛品がかなり減少していることが1つ。また、データセンターのシステム的な老朽化に伴い、クラウドサーバーを新しく移行している費用が発生しており、こちらも大きくインパクトを与えた理由になっております。ただし、こちらに関しては8月にて移行を完了している状況です。
売上総利益計画比
売上総利益の計画に対しては、今ほど申し上げた理由に引っ張られ、マイナス11.9パーセントというかたちで未達になり、進捗率は20パーセントです。
営業利益実績(前期比)
また、営業利益に関しても同様に、前期比マイナス6,815万円の減少というかたちで第2四半期を締めております。
純粋に粗利の減少というところもありますが、販管部門の人員の増加であったり、あるいは支払報酬等の管理費用の増加も大きな一因であると捉えております。
営業利益計画比
また、営業利益の計画対比に関しては、約63万円ということで、若干の未達というかたちで第2四半期累計を締めさせていただくことになりました。
この次のページは、BSとPLの増減比較のサマリーを載せておりますので、後ほど資料をご確認ください。では、トピックスにまいりたいと思います。
TOPICS AI関連事業
第2四半期のトピックスとしては、まずIT導入補助金の支援事業者に認定をいただくことができました。こちらをもとに、弊社のサービスを導入いただいた企業様に助成金が出ます。また、その取次等を弊社が行うこともできるというかたちで、営業力の一助になると捉えています。
そのほか、AI関連になりますが、佐賀県の産業スマート化センターという行政関連の組織でサポーティングカンパニーとして登録させていただきました。こちらは「Q&Ai」のデモンストレーションブースを佐賀県に設置させていただき、いろいろお引き合い等をいただいているというかたちです。
TOPICS 人員推移
また、先ほどの成長戦略の1つの肝になっている、拡販のための営業人員の増加というところに関しては、8名を採用というかたちになります。
ONE STOP SERVICE
最後が、我々の変わらぬ強みというところです。CMSというプロダクトのみ、あるいはAIチャットボットのみを販売・開発されている企業様というのは数多あろうかと思いますが、我々はそれを導入するためのコンサルティング部分から、実際に開発するためのデザイン、あるいはシステムの開発、そして導入後の運用サポートまで、ワンストップで提供できるところを強みとしております。
繰り返しになりますが、先ほどの成長戦略をもとに、堅実に前に進んでいきたいと思っておりますので、ぜひ今後とも、ご支援のほどをよろしくお願いいたします。
私からの説明は以上となります。どうもありがとうございました。
質疑応答:受注高実績が減少している背景について
質問者1:18ページで、受注高の実績が減少している背景について、ご解説をお願いします。
岸本:こちらは、案件の大型化に起因するところが非常に大きくあると分析しています。案件の規模が大きくなってくることにより、お客様側で決済のために要する時間が非常に長くなってきております。
スライドしながら受託を積んでいるようなかたちになりますので、それによって第2四半期はスライドがかなり出ているのが現状です。
質問者1:受注残高としては増加しているでしょうか?
岸本:前期比という考え方では減少している状況です。
質問者1:別のところで赤字の案件があったということですが、この状況について、もう完了したということで、とくに問題ないと思いますが、確認をお願いいたします。
日下部拓也氏(以下、日下部): 2年ぐらい引きずっていました案件と、昨年に受注し作成させていただいた案件について、それぞれ赤字が出ました。そちらについて当第2四半期で納品まで完了しております。
質問者1:また、下期に向けての足元の状況と言いますか、需要です。下期に繁忙期を迎えますので、そこでの手応えについてお願いいたします。
岸本:弊社側の傾向といたしまして、第3四半期の10月、11月、12月が、受注における一番の繁忙期を迎えるかたちです。
この期間でしっかり受注しつつ、同時に制作開発体制に関しても、さまざまなパートナー様との連携で、それらを迎えるかたちですでに備えています。現段階において、もちろん現状の状況がそれほどよろしくないため慎重に検討しますが、計画に対してはこのまま進む見込みで考えています。
質疑応答:下期の見通しについて
質問者2:計画についてあらためて教えてください。上期については計画を下回ったということですが、下期は後ろ倒しになっているものがあったり、計画よりも費用を切り込んでいけるような目処が立っているのかを教えていただければと思います。
日下部:そもそも、受注の後ろ倒しの部分については、お客様側の意思決定が後ろ倒しになっているところがあります。先ほどの岸本の説明と被りますが、10月、11月、12月あたりは受注の繁忙期になっており、そちらに合わせてコストコントロールもしていきたいとは思っています。
質問者2:受託開発は、過去からずっと下がってきていますが、これは積極的に取らないようにしていると言うよりは、狙っているところが大きくなっているところがあるのでしょうか?
なかには、ストック型を意図的に増やすために、カスタマイズのようなところは抑えるような動きをする会社様もあると思います。御社の場合は、セットでストック型のビジネスを増やすためには、こうした受託も必要ということですか?
岸本:まさに、ご指摘、ご理解のとおりです。一部、補足させていただきますと、今期の受託開発の受注高の実績が下がってきている1つの要因としては、既存のお客様からの追加改修の減少が内訳として大きく占めているところがあります。
新規の受託案件件数は増加傾向にあり、まさにご指摘のとおり、しっかり新規営業・新規販売に力を入れて、かつ増加した営業部員をもとに既存のお客様のフォローアップに回すことよって、年内での追加開発であったり、あるいはスポットでの制作のご依頼等々にもリーチしていく考えでおります。
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