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バルテス・ホールディングスのニュース
*13:51JST バルテスHD Research Memo(1):ソフトウェアテストの専門企業。独自の教育メソッドに特色
■要約
バルテス・ホールディングス<4442>は、現 代表取締役会長兼社長である田中真史(たなかしんじ)氏によって2004年に設立された。同氏は、それまでは一般的なソフトウェアハウスを経営していたが、日本ではソフトウェアを第三者的に評価するテスト市場が未熟であるため、ソフトの品質が低くコスト高にもなっていることに懸念・疑念を持ち、「世に出るソフトウェアの品質をより向上させていきたい」という想いから同社を設立した。その後、多くのソフトウェアテスト案件に携わると同時に、社内のエンジニア教育にも力を入れ、独自の教育メソッドを確立している。現在でもソフトウェアテストの多くはソフトウェアベンダーの内部で行われる場合が多く、外部企業によるソフトウェアテスト市場は発展途上であることから、今後の同社の成長余力は大きいと言える。
1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の連結業績は、売上高が10,362百万円(前期比14.4%増)、営業利益が840百万円(同13.3%減)、経常利益が850百万円(同13.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が518百万円(同20.5%減)となった。2024年3月期第2四半期時点では営業増益を予想していたが、内部体制の不備(ボトルネック)により計画した案件の失注が下半期に発生して通期も減益となった。ただし、市場環境自体は変わっておらず、中長期では後述するように成長が期待できる。主な重要指標(以下、KPI)では、「月間単価(ソフトウェアテスト)」は765千円(同25千円増)、期中の案件数(全セグメント)は4,529件(同661件増)、期末の稼働エンジニア数は1,222名(社員、ビジネスパートナー合計で65名増、正社員は144名増)と順調に増加している。売上総利益率は28.9%(前期は29.8%)と前期比で低下したが、期初に大量の新規採用を行ったことが主要因である。一方で、販管費は採用の増加や業容の拡大に伴い前期比24.2%増となり、営業利益は減益となった。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は、引き続き各KPIの上昇を目指し、売上高で11,500百万円(前期比11.0%増)、営業利益で980百万円(同16.6%増)、経常利益で981百万円(同15.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で633百万円(同22.2%増)を見込んでいる。上記のように2024年3月期は内部体制のボトルネックが露呈して営業減益となったが、その要因は明白であり同社では既にその対策を取っている。そのため、2025年3月期の上半期はまだ赤字が残る見込みだが、通年では増益を目指している。主力のソフトウェアテストサービス事業ではエンタープライズ案件の拡大・深化を進め、さらなる案件大型化・単価上昇を目指す。Web/モバイルアプリ開発サービス事業では、セキュリティ事業の拡大、新規技術を積極導入し高品質な開発を進める。オフショアサービス事業では、エンジニアの教育を継続しさらなる品質向上を目指す。また2023年4月に子会社化した(株)シンフォーや2023年11月に子会社化したフェアネスコンサルティング(株)も通年で業績に寄与するものと思われる。
3. 新中期経営計画を発表
同社では2024年5月、新中期経営計画において中期経営計画ビジョン(10年後)を発表したが、「ソフトウェアテスト市場の社会的価値を高めるバリューアッププラットフォーマー」を目指すことを目標に掲げている。その中で、当面(3年後)の定量的目標として、2027年3月期に売上高157.3億円、営業利益16.8億円、「人に依存しないビジネス(詳細後述)」の売上高比率3%超、戦略投資32.3億円(累計)、配当政策2.4億円(同)を掲げている。またこの間の基本戦略として、「ソフトウェアテスト戦略」「ツール戦略」「バルカレ(教育)戦略」「セキュリティ戦略」「開発事業戦略」を推進する。同社が置かれている「ソフトウェアテスト市場」は、今後も成長が期待される市場のため、これらの戦略・施策を実行していくことで同社がどのように変わっていくか楽しみであるが、まずは3年後の「定量的目標」の達成を期待したい。
■Key Points
・主力はソフトウェアテストサービス事業、市場の拡大に合わせて成長を図る
・2024年3月期は内部体制の不備で減益となったが、問題点を改善して2025年3月期は前期比16.6%の営業増益を予想
・新中期経営計画で2027年3月期に売上高157.3億円、営業利益16.8億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<AS>
バルテス・ホールディングス<4442>は、現 代表取締役会長兼社長である田中真史(たなかしんじ)氏によって2004年に設立された。同氏は、それまでは一般的なソフトウェアハウスを経営していたが、日本ではソフトウェアを第三者的に評価するテスト市場が未熟であるため、ソフトの品質が低くコスト高にもなっていることに懸念・疑念を持ち、「世に出るソフトウェアの品質をより向上させていきたい」という想いから同社を設立した。その後、多くのソフトウェアテスト案件に携わると同時に、社内のエンジニア教育にも力を入れ、独自の教育メソッドを確立している。現在でもソフトウェアテストの多くはソフトウェアベンダーの内部で行われる場合が多く、外部企業によるソフトウェアテスト市場は発展途上であることから、今後の同社の成長余力は大きいと言える。
1. 2024年3月期の業績概要
2024年3月期の連結業績は、売上高が10,362百万円(前期比14.4%増)、営業利益が840百万円(同13.3%減)、経常利益が850百万円(同13.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が518百万円(同20.5%減)となった。2024年3月期第2四半期時点では営業増益を予想していたが、内部体制の不備(ボトルネック)により計画した案件の失注が下半期に発生して通期も減益となった。ただし、市場環境自体は変わっておらず、中長期では後述するように成長が期待できる。主な重要指標(以下、KPI)では、「月間単価(ソフトウェアテスト)」は765千円(同25千円増)、期中の案件数(全セグメント)は4,529件(同661件増)、期末の稼働エンジニア数は1,222名(社員、ビジネスパートナー合計で65名増、正社員は144名増)と順調に増加している。売上総利益率は28.9%(前期は29.8%)と前期比で低下したが、期初に大量の新規採用を行ったことが主要因である。一方で、販管費は採用の増加や業容の拡大に伴い前期比24.2%増となり、営業利益は減益となった。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は、引き続き各KPIの上昇を目指し、売上高で11,500百万円(前期比11.0%増)、営業利益で980百万円(同16.6%増)、経常利益で981百万円(同15.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で633百万円(同22.2%増)を見込んでいる。上記のように2024年3月期は内部体制のボトルネックが露呈して営業減益となったが、その要因は明白であり同社では既にその対策を取っている。そのため、2025年3月期の上半期はまだ赤字が残る見込みだが、通年では増益を目指している。主力のソフトウェアテストサービス事業ではエンタープライズ案件の拡大・深化を進め、さらなる案件大型化・単価上昇を目指す。Web/モバイルアプリ開発サービス事業では、セキュリティ事業の拡大、新規技術を積極導入し高品質な開発を進める。オフショアサービス事業では、エンジニアの教育を継続しさらなる品質向上を目指す。また2023年4月に子会社化した(株)シンフォーや2023年11月に子会社化したフェアネスコンサルティング(株)も通年で業績に寄与するものと思われる。
3. 新中期経営計画を発表
同社では2024年5月、新中期経営計画において中期経営計画ビジョン(10年後)を発表したが、「ソフトウェアテスト市場の社会的価値を高めるバリューアッププラットフォーマー」を目指すことを目標に掲げている。その中で、当面(3年後)の定量的目標として、2027年3月期に売上高157.3億円、営業利益16.8億円、「人に依存しないビジネス(詳細後述)」の売上高比率3%超、戦略投資32.3億円(累計)、配当政策2.4億円(同)を掲げている。またこの間の基本戦略として、「ソフトウェアテスト戦略」「ツール戦略」「バルカレ(教育)戦略」「セキュリティ戦略」「開発事業戦略」を推進する。同社が置かれている「ソフトウェアテスト市場」は、今後も成長が期待される市場のため、これらの戦略・施策を実行していくことで同社がどのように変わっていくか楽しみであるが、まずは3年後の「定量的目標」の達成を期待したい。
■Key Points
・主力はソフトウェアテストサービス事業、市場の拡大に合わせて成長を図る
・2024年3月期は内部体制の不備で減益となったが、問題点を改善して2025年3月期は前期比16.6%の営業増益を予想
・新中期経営計画で2027年3月期に売上高157.3億円、営業利益16.8億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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