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サスメドのニュース
*14:04JST サスメド Research Memo(4):不眠障害治療用アプリの医療機器製造販売承認を取得
■事業概要
3. 治療用・診断用アプリの開発パイプラインと国内市場規模
サスメド<4263>の治療用・診断用アプリの開発パイプラインは、2023年2月10日時点で10件(注:不眠障害治療用アプリは2023年2月15日付で製造販売承認を取得)となっている。なお、治療用アプリの研究・開発→探索的試験→検証的試験→承認申請→承認→保険収載に至る過程は、医薬品の新薬の開発過程(基礎研究→非臨床試験→臨床試験→承認申請→保険収載)とほぼ同じである。ただし、治療用アプリの一般的な開発期間はおおむね5~6年で、10年以上を要することも珍しくない医薬品の新薬開発に比べて半分程度の期間となり、開発コストも低い。
不眠障害治療用アプリ(販売名:サスメド Med CBT-i 不眠障害用アプリ)については、2021年12月に塩野義製薬と販売提携契約(塩野義製薬に対して日本における独占的販売権を供与、契約締結に伴う一時金及び開発進展などに応じたマイルストン収入として総額最大47億円を受領)を締結した。そして2023年2月15日付で厚生労働省より医療機器製造販売承認を取得した。今後は塩野義製薬とともに、マーケティングプラン・メディカルプランの策定やオペレーション構築など、保険適用及び上市(2023年秋頃の見込み)に向けて準備を進める。製品上市後は塩野義製薬から販売額に応じたロイヤリティーを受領する。不眠障害治療用アプリに関する技術は、これまで日本、米国、韓国、インドネシアで特許が成立しており、同月には欧州特許庁より特許査定を受けた。
アドバンス・ケア・プランニング(以下、ACP)用プログラム医療機器「SMD402」(国立がん研究センターと共同開発)については、探索的試験において2023年2月に被験者登録が完了した。期待される効果としては、患者の不安・抑うつ症状の改善、不適切な治療の中止などがある。
腎臓病リハビリアプリ「SMD201」(東北大学と共同開発)については、2023年2月に臨床試験の患者登録が完了した。慢性腎臓病患者の腎機能の改善もしくは悪化抑制において腎臓リハビリが有効であることが示され、保存期の慢性腎臓病患者において、運動療法をはじめとする腎臓リハビリが推奨されている。また、医療の質と効率性の向上を両立させるために、スマートフォンを活用した治療用アプリは医療ニーズに合致すると、同社は考えている。
そのほかの開発状況として、治療分野では、乳がん患者運動療法アプリ「SMD401」が検証的試験の開始に向けて準備中である。また、遷延性悲嘆障害を対象疾患とする「SMD102」、オピオイド誘発性便秘症を対象疾患とする「SMD202」、乳がん切除後疼痛症候群の「SMD105」(名古屋市立大学と共同開発)は、それぞれ探索的試験の開始に向けてアプリ開発中である。
耳鼻科領域における治療用アプリ「SMD403」は、2022年11月にキョーリン製薬ホールディングス<4569>の子会社である杏林製薬と共同研究開発及び販売に関する契約を締結した。契約一時金(1億円)及び開発の進捗に応じたマイルストン(契約時判明分で6億円)を受領し、製品上市後は販売額に応じた一定のロイヤリティーを受領する。現在は探索的試験の開始に向けてアプリ開発中である。
診断分野では、妊産婦うつを対象疾患とする「SMD103」(名古屋大学と共同研究)が探索的試験の開始に向けてアプリ開発中である。既にアルゴリズム及び装置に関する特許が成立している。ADHD(注意欠陥・多動性障害):視線解析を対象疾患とする「SMD104」は探索的試験の開始に向けてアプリ開発中である。
同社が進めている開発パイプラインの国内市場規模(保険償還点数×対象人数)は、同社資料によると不眠障害治療用アプリはターゲット市場を1,000億円、潜在患者まで含めると3,500億円と推定している。このうち、ターゲティング需要であるSAM(Serviceable Available Market)については、合計400億円超(既存の睡眠薬治療からの切り替えニーズ192億円+不眠症の自覚があるが睡眠薬治療に抵抗がある未治療患者の掘り起こし216億円)と試算している。そのほかの開発中パイプラインの国内市場規模は、乳がん患者運動療法アプリ「SMD401」が70億円、ACP用プログラム医療機器「SMD402」が277億円、腎臓リハビリアプリ「SMD201」が660億円と推定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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3. 治療用・診断用アプリの開発パイプラインと国内市場規模
サスメド<4263>の治療用・診断用アプリの開発パイプラインは、2023年2月10日時点で10件(注:不眠障害治療用アプリは2023年2月15日付で製造販売承認を取得)となっている。なお、治療用アプリの研究・開発→探索的試験→検証的試験→承認申請→承認→保険収載に至る過程は、医薬品の新薬の開発過程(基礎研究→非臨床試験→臨床試験→承認申請→保険収載)とほぼ同じである。ただし、治療用アプリの一般的な開発期間はおおむね5~6年で、10年以上を要することも珍しくない医薬品の新薬開発に比べて半分程度の期間となり、開発コストも低い。
不眠障害治療用アプリ(販売名:サスメド Med CBT-i 不眠障害用アプリ)については、2021年12月に塩野義製薬と販売提携契約(塩野義製薬に対して日本における独占的販売権を供与、契約締結に伴う一時金及び開発進展などに応じたマイルストン収入として総額最大47億円を受領)を締結した。そして2023年2月15日付で厚生労働省より医療機器製造販売承認を取得した。今後は塩野義製薬とともに、マーケティングプラン・メディカルプランの策定やオペレーション構築など、保険適用及び上市(2023年秋頃の見込み)に向けて準備を進める。製品上市後は塩野義製薬から販売額に応じたロイヤリティーを受領する。不眠障害治療用アプリに関する技術は、これまで日本、米国、韓国、インドネシアで特許が成立しており、同月には欧州特許庁より特許査定を受けた。
アドバンス・ケア・プランニング(以下、ACP)用プログラム医療機器「SMD402」(国立がん研究センターと共同開発)については、探索的試験において2023年2月に被験者登録が完了した。期待される効果としては、患者の不安・抑うつ症状の改善、不適切な治療の中止などがある。
腎臓病リハビリアプリ「SMD201」(東北大学と共同開発)については、2023年2月に臨床試験の患者登録が完了した。慢性腎臓病患者の腎機能の改善もしくは悪化抑制において腎臓リハビリが有効であることが示され、保存期の慢性腎臓病患者において、運動療法をはじめとする腎臓リハビリが推奨されている。また、医療の質と効率性の向上を両立させるために、スマートフォンを活用した治療用アプリは医療ニーズに合致すると、同社は考えている。
そのほかの開発状況として、治療分野では、乳がん患者運動療法アプリ「SMD401」が検証的試験の開始に向けて準備中である。また、遷延性悲嘆障害を対象疾患とする「SMD102」、オピオイド誘発性便秘症を対象疾患とする「SMD202」、乳がん切除後疼痛症候群の「SMD105」(名古屋市立大学と共同開発)は、それぞれ探索的試験の開始に向けてアプリ開発中である。
耳鼻科領域における治療用アプリ「SMD403」は、2022年11月にキョーリン製薬ホールディングス<4569>の子会社である杏林製薬と共同研究開発及び販売に関する契約を締結した。契約一時金(1億円)及び開発の進捗に応じたマイルストン(契約時判明分で6億円)を受領し、製品上市後は販売額に応じた一定のロイヤリティーを受領する。現在は探索的試験の開始に向けてアプリ開発中である。
診断分野では、妊産婦うつを対象疾患とする「SMD103」(名古屋大学と共同研究)が探索的試験の開始に向けてアプリ開発中である。既にアルゴリズム及び装置に関する特許が成立している。ADHD(注意欠陥・多動性障害):視線解析を対象疾患とする「SMD104」は探索的試験の開始に向けてアプリ開発中である。
同社が進めている開発パイプラインの国内市場規模(保険償還点数×対象人数)は、同社資料によると不眠障害治療用アプリはターゲット市場を1,000億円、潜在患者まで含めると3,500億円と推定している。このうち、ターゲティング需要であるSAM(Serviceable Available Market)については、合計400億円超(既存の睡眠薬治療からの切り替えニーズ192億円+不眠症の自覚があるが睡眠薬治療に抵抗がある未治療患者の掘り起こし216億円)と試算している。そのほかの開発中パイプラインの国内市場規模は、乳がん患者運動療法アプリ「SMD401」が70億円、ACP用プログラム医療機器「SMD402」が277億円、腎臓リハビリアプリ「SMD201」が660億円と推定している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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