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ダイキアクシスのニュース
■業績動向
2. 財務状況とキャッシュ・フロー
(1) 財務状況とキャッシュ・フロー
ダイキアクシス<4245>の2020年12月期末の資産合計は、27,778百万円と前期末比2,129百万円減少した。流動資産は、1,457百万円減少した。営業債権の回収が進み、進行基準適用債権が減ったことから現金及び預金が増加した。完成工事未収入金が973百万円、未成工事支出金が385百万円減少した。固定資産は、太陽光発電設備への投資がピークを過ぎ、DADの株式譲渡により、有形固定資産が315百万円減少した。負債の部では、流動負債が2,745百万円減少した。主要な項目は、仕入債務(-360百万円)、短期借入金等(-1,271百万円)、未成工事受入金(-839百万円)などである。固定負債は、グリーンボンド発行(3,000百万円)のため、2,185百万円増加した。長短合わせた有利子負債は、1,026百万円増の12,555百万円となった。
2020年12月期末の現金及び現金同等物残高は、前期末比910百万円増の8,035百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローは、2,358百万円の収入であった。太陽光発電設備への投資が一巡したものの、子会社優先株式取得による支出(-2,044百万円)により投資によるキャッシュ・フローが3,048百万円の出超であったため、フリー・キャッシュフローは-690百万円であった。財務活動によるキャッシュ・フローは、長短借入金の返済があったもののグリーンボンド発行により、1,619百万円の入超となった。
(2) 財務比率
財務の安全性の比率は、流動比率が前期末比8.4ポイント増の109.9%、自己資本比率は同3.6ポイント増の27.5%へ上昇した。太陽光発電システムへの積極投資により、財務の安全性比率は2019年12月期まで低下傾向にあったが、2020年12月期より回収期に入った。今後も改善が見込まれる。
経営の総合指標となるROE(自己資本当期純利益率)は6.5%と4期続いた10%超の水準を割った。収益性、回転性、財務レバレッジのいずれも低下した。売上高当期純利益率は、実効税率の上昇と特別損失の計上など一時的な要因により低下した。売上高経常利益率は前期比0.3ポイント上昇しており、総資産経常利益率(ROA)は4.2%と前期比0.1%の微増となった。
(3) 設備投資の動向
年間設備投資額は、親会社株主に帰属する当期純利益と減価償却費を合算したキャッシュ・フローの範囲内であったが、再生可能エネルギー関連事業の投資が本格化した時期は大幅な出超となった。太陽光発電事業関連の投資は、2018年12月期(投資額:1,836百万円)と2019年12月期(同1,954百万円)の2期に集中した。一巡後の2020年12月期は207百万円に縮小し、2021年12月期の予算は58百万円まで減少する予定だ。DCMグループのホームセンター既存店舗の屋根を利用するため新たに土地開発が必要なく、比較的短期間に130ヶ所での設置を完了した。太陽光発電事業は、追加投資や運用コストが少なく、長期にわたって安定的な収益を生み出していく。
(4) グリーンボンドの発行とサステナビリティファイナンス(新株予約権・バックアップローン)
グリーンボンドは、地球温暖化対策や再生可能エネルギーなど環境問題を解決するための資金を調達するために発行される債券を言う。環境省によると、国内企業等によるグリーンボンド等の年間発行件数と発行総額は、2017年が11件、2,223億円、2018年が34件、5,364億円、2019年が58件、8,238億円、2020年は77件、1兆170億円となった(出典:「グリーンファイナンスポータル」(環境省))。
同社は、2020年2月末に10年債のグリーンボンド30億円を発行した。投資表明機関は、地銀2行とメガバンク3行である。調達資金は、環境改善の推進とサステナブルな社会の実現を目指すESG経営のうち、再生可能エネルギー関連事業の太陽光発電事業及び小形風力発電事業に使われる。外部レビュー機関としてDNV GL ビジネス・アシュアランス・ジャパンが、同社グリーンボンドの適格性を評価した。
また同社は2020年8月に、環境・社会貢献に資するプロジェクトに充当する資金の調達手段となるサステナビリティファイナンスとして、サステナビリティ新株予約権の発行とサステナビリティローン21億円の契約締結を行った。新株予約権の発行条件は、潜在株式数250万株、調達予定総額21億円、当初行使価格875円、行使期間3年となる。行使価格は、下限が805円、同社の取締役会決議により725円に修正可能としている。そのため、株価によっては調達額が当初想定した21億円に満たない可能性がある。そのような状況となっても設備投資計画に遅延が生じないようバックアップローンとして21億円を設定した。資金調達の目的として、同社の成長戦略の1つである環境機器関連事業において「水関連インフラ事業の海外(中国・東南アジア・インド)展開」の推進とアジア・アフリカ地域の水資源の有効活用並びに汚染の防止、管理を行うためとしている。サステナビリティファイナンスで調達した資金を活用して、環境改善の推進及びサステナブルな社会の実現を目指すと同時に成長戦略を加速していく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
<EY>
2. 財務状況とキャッシュ・フロー
(1) 財務状況とキャッシュ・フロー
ダイキアクシス<4245>の2020年12月期末の資産合計は、27,778百万円と前期末比2,129百万円減少した。流動資産は、1,457百万円減少した。営業債権の回収が進み、進行基準適用債権が減ったことから現金及び預金が増加した。完成工事未収入金が973百万円、未成工事支出金が385百万円減少した。固定資産は、太陽光発電設備への投資がピークを過ぎ、DADの株式譲渡により、有形固定資産が315百万円減少した。負債の部では、流動負債が2,745百万円減少した。主要な項目は、仕入債務(-360百万円)、短期借入金等(-1,271百万円)、未成工事受入金(-839百万円)などである。固定負債は、グリーンボンド発行(3,000百万円)のため、2,185百万円増加した。長短合わせた有利子負債は、1,026百万円増の12,555百万円となった。
2020年12月期末の現金及び現金同等物残高は、前期末比910百万円増の8,035百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローは、2,358百万円の収入であった。太陽光発電設備への投資が一巡したものの、子会社優先株式取得による支出(-2,044百万円)により投資によるキャッシュ・フローが3,048百万円の出超であったため、フリー・キャッシュフローは-690百万円であった。財務活動によるキャッシュ・フローは、長短借入金の返済があったもののグリーンボンド発行により、1,619百万円の入超となった。
(2) 財務比率
財務の安全性の比率は、流動比率が前期末比8.4ポイント増の109.9%、自己資本比率は同3.6ポイント増の27.5%へ上昇した。太陽光発電システムへの積極投資により、財務の安全性比率は2019年12月期まで低下傾向にあったが、2020年12月期より回収期に入った。今後も改善が見込まれる。
経営の総合指標となるROE(自己資本当期純利益率)は6.5%と4期続いた10%超の水準を割った。収益性、回転性、財務レバレッジのいずれも低下した。売上高当期純利益率は、実効税率の上昇と特別損失の計上など一時的な要因により低下した。売上高経常利益率は前期比0.3ポイント上昇しており、総資産経常利益率(ROA)は4.2%と前期比0.1%の微増となった。
(3) 設備投資の動向
年間設備投資額は、親会社株主に帰属する当期純利益と減価償却費を合算したキャッシュ・フローの範囲内であったが、再生可能エネルギー関連事業の投資が本格化した時期は大幅な出超となった。太陽光発電事業関連の投資は、2018年12月期(投資額:1,836百万円)と2019年12月期(同1,954百万円)の2期に集中した。一巡後の2020年12月期は207百万円に縮小し、2021年12月期の予算は58百万円まで減少する予定だ。DCMグループのホームセンター既存店舗の屋根を利用するため新たに土地開発が必要なく、比較的短期間に130ヶ所での設置を完了した。太陽光発電事業は、追加投資や運用コストが少なく、長期にわたって安定的な収益を生み出していく。
(4) グリーンボンドの発行とサステナビリティファイナンス(新株予約権・バックアップローン)
グリーンボンドは、地球温暖化対策や再生可能エネルギーなど環境問題を解決するための資金を調達するために発行される債券を言う。環境省によると、国内企業等によるグリーンボンド等の年間発行件数と発行総額は、2017年が11件、2,223億円、2018年が34件、5,364億円、2019年が58件、8,238億円、2020年は77件、1兆170億円となった(出典:「グリーンファイナンスポータル」(環境省))。
同社は、2020年2月末に10年債のグリーンボンド30億円を発行した。投資表明機関は、地銀2行とメガバンク3行である。調達資金は、環境改善の推進とサステナブルな社会の実現を目指すESG経営のうち、再生可能エネルギー関連事業の太陽光発電事業及び小形風力発電事業に使われる。外部レビュー機関としてDNV GL ビジネス・アシュアランス・ジャパンが、同社グリーンボンドの適格性を評価した。
また同社は2020年8月に、環境・社会貢献に資するプロジェクトに充当する資金の調達手段となるサステナビリティファイナンスとして、サステナビリティ新株予約権の発行とサステナビリティローン21億円の契約締結を行った。新株予約権の発行条件は、潜在株式数250万株、調達予定総額21億円、当初行使価格875円、行使期間3年となる。行使価格は、下限が805円、同社の取締役会決議により725円に修正可能としている。そのため、株価によっては調達額が当初想定した21億円に満たない可能性がある。そのような状況となっても設備投資計画に遅延が生じないようバックアップローンとして21億円を設定した。資金調達の目的として、同社の成長戦略の1つである環境機器関連事業において「水関連インフラ事業の海外(中国・東南アジア・インド)展開」の推進とアジア・アフリカ地域の水資源の有効活用並びに汚染の防止、管理を行うためとしている。サステナビリティファイナンスで調達した資金を活用して、環境改善の推進及びサステナブルな社会の実現を目指すと同時に成長戦略を加速していく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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