2,950円
三菱ガス化学のニュース
■ウェーブロックホールディングス<7940>の会社概要
(3) アドバンストテクノロジー事業
アドバンストテクノロジー事業では、金属調加飾フィルム(主に自動車の内外装及び外装部品向け)やPMMA(アクリル樹脂)/PC(ポリカーボネート)2層シート(主にスマートフォン筐体、カーナビゲーション向け)の製造販売、医療用湿布の不織布印刷や離型フィルムへの印刷・シリコン処理加工のほか、食品包材向け開封テープの仕入販売を行っている。
金属調加飾フィルムは、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに金属を蒸着させ、耐候性を保つために表面側にPMMAシート、下面側にABSフィルムを重ね、ドライラミネート工法※により貼り合わせた6層構造となっている。同フィルムは平面的な形状だけでなく、異型押出成形やフィルムインサート成形、真空成形など様々な加工技術を用いることで立体的な形状にすることも可能となっている。メッキ加工品とは異なり、錆びず、車体の軽量化に寄与するなど環境負荷が小さいだけでなく、電波並びに光の透過性が高いこと、成型性、意匠性にも優れるといったメリットを持つことから、自動運転技術の普及を見据えて自動車エンブレム等への採用拡大も期待されており、潜在的な成長ポテンシャルは大きいと見られる。樹脂部品へ金属を直接蒸着する製法を採用する競合企業もあるが、同社の製法は歩留まりが高くコスト面でも有利となるケースが増えている。
※基材となるフィルムに接着剤を塗布し、乾燥炉で乾燥させた後、別のフィルムと圧着して貼り合せる加工方法。
こうした特性を生かせる用途として、主に自動車の外装・内装用並びに自動車・自動二輪向けの部品外装用、家電製品用として採用が進んでいる。自動車向けでは国内だけでなく中国や欧米、韓国、南米、ロシア等で販売実績があり、米国と欧州については現地に拠点を設け、営業活動を一段と強化している。自動二輪向けでは、エンブレム用としてインドや東南アジアで採用されている。製造拠点は古河工場と名古屋工場の2拠点体制だが、フィルムは古河工場で製造されており、名古屋工場(2018年6月新設)では、従来、外部委託していたシート成型加工工程を行い、内製化率を高めている。
金属調加飾フィルムのうち、自動車外装用の競合としてオランダのAkzo Nobel N.V.(アクゾノーベル)が挙げられる。また、PMMA/PC 2層シートのうちスマートフォン筐体向けに関しては中国ローカル企業と競合し価格競争も激しいため、今後は光学特性の高さを強みとして車載分野(カーナビゲーションやインストルメントパネル向け等)での取り組みに注力していく方針となっている(同分野では三菱ガス化学<4182>が最大手)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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(3) アドバンストテクノロジー事業
アドバンストテクノロジー事業では、金属調加飾フィルム(主に自動車の内外装及び外装部品向け)やPMMA(アクリル樹脂)/PC(ポリカーボネート)2層シート(主にスマートフォン筐体、カーナビゲーション向け)の製造販売、医療用湿布の不織布印刷や離型フィルムへの印刷・シリコン処理加工のほか、食品包材向け開封テープの仕入販売を行っている。
金属調加飾フィルムは、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに金属を蒸着させ、耐候性を保つために表面側にPMMAシート、下面側にABSフィルムを重ね、ドライラミネート工法※により貼り合わせた6層構造となっている。同フィルムは平面的な形状だけでなく、異型押出成形やフィルムインサート成形、真空成形など様々な加工技術を用いることで立体的な形状にすることも可能となっている。メッキ加工品とは異なり、錆びず、車体の軽量化に寄与するなど環境負荷が小さいだけでなく、電波並びに光の透過性が高いこと、成型性、意匠性にも優れるといったメリットを持つことから、自動運転技術の普及を見据えて自動車エンブレム等への採用拡大も期待されており、潜在的な成長ポテンシャルは大きいと見られる。樹脂部品へ金属を直接蒸着する製法を採用する競合企業もあるが、同社の製法は歩留まりが高くコスト面でも有利となるケースが増えている。
※基材となるフィルムに接着剤を塗布し、乾燥炉で乾燥させた後、別のフィルムと圧着して貼り合せる加工方法。
こうした特性を生かせる用途として、主に自動車の外装・内装用並びに自動車・自動二輪向けの部品外装用、家電製品用として採用が進んでいる。自動車向けでは国内だけでなく中国や欧米、韓国、南米、ロシア等で販売実績があり、米国と欧州については現地に拠点を設け、営業活動を一段と強化している。自動二輪向けでは、エンブレム用としてインドや東南アジアで採用されている。製造拠点は古河工場と名古屋工場の2拠点体制だが、フィルムは古河工場で製造されており、名古屋工場(2018年6月新設)では、従来、外部委託していたシート成型加工工程を行い、内製化率を高めている。
金属調加飾フィルムのうち、自動車外装用の競合としてオランダのAkzo Nobel N.V.(アクゾノーベル)が挙げられる。また、PMMA/PC 2層シートのうちスマートフォン筐体向けに関しては中国ローカル企業と競合し価格競争も激しいため、今後は光学特性の高さを強みとして車載分野(カーナビゲーションやインストルメントパネル向け等)での取り組みに注力していく方針となっている(同分野では三菱ガス化学<4182>が最大手)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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