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戸田工業のニュース
*15:34JST 戸田工業 Research Memo(4):2024年3月期上期は前年同期比32.4%減収、経常利益は同57.5%減益
■業績動向
1. 2024年3月期上期の業績概要
戸田工業<4100>の2024年3月期上期の連結業績は売上高12,674百万円(前年同期比32.4%減)、営業損失11百万円(前年同期は1,164百万円の利益)、経常利益970百万円(同57.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益801百万円(同48.5%減)となった。戸田聨合の出資持分を譲渡した影響に加え、機能性顔料事業、電子素材事業とも業界環境が厳しく売上が伸び悩んだ。利益面でも出資持分を譲渡した影響に加え、減収影響、原材料高、競争激化による市況悪化などが重なり営業損失となった。なお2023年5月15日の期初計画に対し、売上高で2,826百万円減額、営業利益で111百万円減額、経常利益で170百万円増額、親会社株主に帰属する四半期純利益で301百万円増額、2023年8月8日の減額修正予想に対しては売上高で174百万円増額、営業利益489百万円増額、経常利益570百万円増額、親会社株主に帰属する四半期純利益501百万円増額となった。第1四半期に営業損失となったことで期初計画を減額修正した。特に上期を厳しく想定したため、営業利益は損失転落ながら修正予想に対しては増額で着地した。経常利益は想定以上に円安に推移したため増額着地となった。また親会社株主に帰属する四半期純利益においては投資有価証券売却益や受取保補償などの特別利益が寄与し、期初、修正予想に対し上振れて着地した。
2. 電子素材事業
電子素材事業は売上高8,430百万円(前年同期比20.1%減)、セグメント利益1,032百万円(同33.4%減)となった。売上面では磁石材料が5,700百万円(事業報告会資料開示ベースで同40百万円増)と、希土類ボンド磁石材料が自動車用で売上が拡大したものの家電向けなどが伸び悩みほぼ横ばいとなった。一方、LIB用材料が1,200百万円(同1,900百万円減)だった。電池関連材料の製造を営んでいる戸田アドバンストマテリアルズ(カナダ)が販売先電池メーカーの不振の影響が長引いたほか市況悪化も追い打ちとなった。加えて射出成形ボンド磁石などの製造販売を行う江門協立などの伸び悩みも影響した。誘電体材料も400百万円(同100百万円減)と、市場回復の遅れ、スマートフォンやPCなどICT機器の需要減退による在庫調整の影響から減収に。利益面ではLIB用材料や誘電体材料の減収影響、市況悪化に加え、原材料・エネルギー価格高止まりの影響から大幅営業減益となり、セグメント利益率は2.5ポイント低下し12.2%となった。
3. 機能性顔料事業
機能性顔料事業は売上高4,243百万円(前年同期比48.3%減)、セグメント利益545百万円(同49.4%減)となった。売上面では前期に連結除外した戸田聯合の影響(約3,500百万円減少)が含まれるが、これを除くと10%程度の減少となる。内訳は複写機・プリンター向けが1,700百万円(同100百万円減)、環境関連は1,300百万円(同水準)など市場における需要の回復の遅れから伸び悩んだ。また路面・建材の着色塗料向け材料なども回復が遅れた。利益面でも戸田聯合の影響は大きく、加えて中国でコロナ禍の影響により1月に生産ストップした影響や、原材料・エネルギー価格高騰の影響に対し価格是正が追いつかなかったことから、戸田聯合の除外影響を除いても利益率の低下があり大幅減益となった。
4. 2024年期初計画に対しての減額はLIB用材料の大幅未達影響が大きい
2024年3月期上期業績は期初計画に対し、売上高で2,826百万円、営業利益で111百万円減額、経常利益で170百万円増額となった。最終用途別連結売上高を前年同期と比較すると、戸田聯合の連結除外により塗料が大幅減となった。その他、売上未達成の主因はLIB用材料の大幅減少にある。これはリチウムイオン電池用正極材料の前駆体を扱う戸田アドバンストマテリアルズが、欧州向けEVを主体とする電池メーカーの在庫調整の影響を大きく受けたためである。その他、磁石事業が増収を見込んでいたものの横ばいとなったことも影響している。利益面については売上減額のわりに営業利益は大きな減額とはなっておらず、経常利益は円安効果で想定以上に為替差益を計上し、期初計画を上回る結果となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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1. 2024年3月期上期の業績概要
戸田工業<4100>の2024年3月期上期の連結業績は売上高12,674百万円(前年同期比32.4%減)、営業損失11百万円(前年同期は1,164百万円の利益)、経常利益970百万円(同57.5%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益801百万円(同48.5%減)となった。戸田聨合の出資持分を譲渡した影響に加え、機能性顔料事業、電子素材事業とも業界環境が厳しく売上が伸び悩んだ。利益面でも出資持分を譲渡した影響に加え、減収影響、原材料高、競争激化による市況悪化などが重なり営業損失となった。なお2023年5月15日の期初計画に対し、売上高で2,826百万円減額、営業利益で111百万円減額、経常利益で170百万円増額、親会社株主に帰属する四半期純利益で301百万円増額、2023年8月8日の減額修正予想に対しては売上高で174百万円増額、営業利益489百万円増額、経常利益570百万円増額、親会社株主に帰属する四半期純利益501百万円増額となった。第1四半期に営業損失となったことで期初計画を減額修正した。特に上期を厳しく想定したため、営業利益は損失転落ながら修正予想に対しては増額で着地した。経常利益は想定以上に円安に推移したため増額着地となった。また親会社株主に帰属する四半期純利益においては投資有価証券売却益や受取保補償などの特別利益が寄与し、期初、修正予想に対し上振れて着地した。
2. 電子素材事業
電子素材事業は売上高8,430百万円(前年同期比20.1%減)、セグメント利益1,032百万円(同33.4%減)となった。売上面では磁石材料が5,700百万円(事業報告会資料開示ベースで同40百万円増)と、希土類ボンド磁石材料が自動車用で売上が拡大したものの家電向けなどが伸び悩みほぼ横ばいとなった。一方、LIB用材料が1,200百万円(同1,900百万円減)だった。電池関連材料の製造を営んでいる戸田アドバンストマテリアルズ(カナダ)が販売先電池メーカーの不振の影響が長引いたほか市況悪化も追い打ちとなった。加えて射出成形ボンド磁石などの製造販売を行う江門協立などの伸び悩みも影響した。誘電体材料も400百万円(同100百万円減)と、市場回復の遅れ、スマートフォンやPCなどICT機器の需要減退による在庫調整の影響から減収に。利益面ではLIB用材料や誘電体材料の減収影響、市況悪化に加え、原材料・エネルギー価格高止まりの影響から大幅営業減益となり、セグメント利益率は2.5ポイント低下し12.2%となった。
3. 機能性顔料事業
機能性顔料事業は売上高4,243百万円(前年同期比48.3%減)、セグメント利益545百万円(同49.4%減)となった。売上面では前期に連結除外した戸田聯合の影響(約3,500百万円減少)が含まれるが、これを除くと10%程度の減少となる。内訳は複写機・プリンター向けが1,700百万円(同100百万円減)、環境関連は1,300百万円(同水準)など市場における需要の回復の遅れから伸び悩んだ。また路面・建材の着色塗料向け材料なども回復が遅れた。利益面でも戸田聯合の影響は大きく、加えて中国でコロナ禍の影響により1月に生産ストップした影響や、原材料・エネルギー価格高騰の影響に対し価格是正が追いつかなかったことから、戸田聯合の除外影響を除いても利益率の低下があり大幅減益となった。
4. 2024年期初計画に対しての減額はLIB用材料の大幅未達影響が大きい
2024年3月期上期業績は期初計画に対し、売上高で2,826百万円、営業利益で111百万円減額、経常利益で170百万円増額となった。最終用途別連結売上高を前年同期と比較すると、戸田聯合の連結除外により塗料が大幅減となった。その他、売上未達成の主因はLIB用材料の大幅減少にある。これはリチウムイオン電池用正極材料の前駆体を扱う戸田アドバンストマテリアルズが、欧州向けEVを主体とする電池メーカーの在庫調整の影響を大きく受けたためである。その他、磁石事業が増収を見込んでいたものの横ばいとなったことも影響している。利益面については売上減額のわりに営業利益は大きな減額とはなっておらず、経常利益は円安効果で想定以上に為替差益を計上し、期初計画を上回る結果となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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