先読み作戦指令室＝日本化成：三菱系再編成で重要な位置との思惑、収益拡大も続く

　日本化成に注目したい。

　コスト高などの要因から親子上場をやめ、親会社が株式交換制度などを使って子会社を１００％子会社化する動きが続いており、大企業傘下の有力企業買いが強まろうとしている。

　同社は三菱ケミカルホールディングスの主体企業である三菱化学の子会社。これまで三菱化学はアンモニア系製品事業を日化成に集約化したり、合成石英事業を譲渡したり、日化成をファインケミカル企業に育成するなど、いわば日化成は三菱化学の秘蔵っ子的存在。

　しかも、三菱ケミカルＨＤは三菱レイヨンに対して株式公開買い付けを実施、三菱系化学業界再編成の動きに日化成も加わるとの思惑も根強い。

　１０年３月期連結営業利益は低公害型ディーゼル車向け脱硝用高品位尿素水の好調などから１１億４０００万円（前期比６５．９％増）の見通し。１１年３月期は太陽電池、自動車、電線向けタイク（ゴム・プラスチック架橋助剤）、タイク誘導品、液晶向け高純度薬品、電子向け合成石英の回復も加わり、収益拡大が続きそう。

　有機・無機ハイブリッド光学材料を育成する「みらいプロジェクト」にも期待したい。

　日足は緩やかな上昇トレンドとなっているが、１０年１月８日１９４円抜けから０９年８月２８日２３４円への挑戦場面を迎えそうだ。

　午前９時３７分現在の株価は３円高の１９０円。



◎注目株関連情報は投資の参考として情報提供のみを目的としたものであり、株式の売買は自己責任に基づき、ご自身で判断をお願いします。



［ 株式新聞速報ニュース／ＫＡＢＤＡＳ－ＥＸＰＲＥＳＳ ］

提供：モーニングスター社