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システム ディのニュース
*13:51JST システム ディ Research Memo(1):製品・サービスの高付加価値化によるシェア拡大を目指す
■要約
システム ディ<3804>は業種・業務特化型の業務支援ソフトウェアを開発し、パッケージ販売やクラウドサービスで提供している。学園ソリューション(大学及び私立高校・専門学校)、ウェルネスソリューション(スポーツ施設及びテーマパーク・文化施設)、公教育ソリューション(公立の小・中・高校)、公会計ソリューション(自治体及び関連公共団体)、ソフトエンジニアリング(民間企業、公益法人、学校法人等)、薬局ソリューション(調剤薬局)の6つの事業を展開しており、薬局ソリューションを除く5つの分野で業界トップクラスのシェアを握っている。ストック収入(クラウドサービス及び保守・サポート料)の売上構成比が約5割を占め、安定した収益基盤を構築している。
1. 2023年10月期第2四半期累計業績は会社計画を若干上回る
2023年10月期第2四半期累計(2022年11月〜2023年4月)の連結業績は、売上高で前年同期比5.8%増の2,428百万円、営業利益で同18.4%減の551百万円と増収減益となったが、会社計画(売上高2,360百万円、営業利益541百万円)に対しては若干上回る結果となった。売上高は公会計ソリューション事業が特需の反動で同30.6%減となったものの、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で低迷していた学園ソリューション事業及びウェルネスソリューション事業が2ケタ増収に転じたほか、公教育ソリューション事業やソフトエンジニアリング事業も増収が続き、半期ベースで過去最高を更新した。ストック収入は、顧客基盤が順調に積み上がったことで同13.9%増の1,167百万円となった。利益面では販売ミックスの変動による売上総利益率の低下や、営業経費並びに人件費の増加により減益となったものの、費用は計画の範囲内に抑えることができた。
2. 営業活動の強化により見込み案件が増加、2023年10月期は増収増益が続く見通し
2023年10月期の連結業績は売上高で前期比9.2%増の4,621百万円、営業利益で同1.3%増の909百万円と期初計画を据え置いた。見込み顧客獲得のためのイベント出展の再開や対面での営業活動を強化したことで商談件数が増加傾向にあり、下期は学園ソリューション事業や公教育ソリューション事業で新規導入案件の売上計上が見込まれることから、計画の達成は可能と見られる。ウェルネスソリューション事業ではクラウド型会員管理システム「Smart Hello」が好調なほか、2022年11月にリリースした次世代クラウド型チケット管理システム「Smart Helloチケット」も数件程度の新規受注が見込まれている。公会計ソリューション事業は2024年10月期まで端境期となるが、2025年10月期以降は既存の公会計システム「PPP」から業務領域を拡大した「Common財務会計システム」へのリプレイスが進むことで、売上規模の一段の拡大が期待される。
3. AIベンチャーを子会社化、製品・サービスの高付加価値化に取り組む
同社は2023年6月にAIベンチャーの中村牧場(株)の全株式を185百万円で取得し、子会社化することを発表した。売上規模は1億円前後で、調整後EBITDAで30百万円前後の規模となる。ソフトウェアの受託開発のほか、AI人材育成プロジェクトを複数の大企業や自治体向けなどに提供している。子会社化の目的は、今後の製品・サービスの開発にAI機能を取り込むことで高付加価値化を図り競争力を高めることや、社内におけるAI人材の育成、新規ソリューションの創出などにある。特に、製品・サービスへのAI機能の取り込みは中長期的に同社の業績拡大を後押しすることになりそうだ。教育ソリューション事業では生徒の学習成績データを収集・分析することで最適な学習指導法を提案することが可能となるほか、ウェルネスソリューション事業では会員データ等から解約防止施策やアップセル施策などを効果的に打つサービスを提供することが可能となる。早ければ2025年頃にAIを活用した新機能のリリースを目指す。新規顧客の獲得とストック収益を積み上げながら、年率10%の売上成長とストック収益比率50%、営業利益率20%を目標に、今後も持続的な成長が続くものと期待される。
■Key Points
・2023年10月期第2四半期累計業績は増収減益となるも会社計画は上回る
・2023年10月期は公会計ソリューション事業の落ち込みを他事業でカバーし増収増益を継続する見通し
・AIベンチャーを子会社化し、製品・サービスの高付加価値化によりさらなる成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<AS>
システム ディ<3804>は業種・業務特化型の業務支援ソフトウェアを開発し、パッケージ販売やクラウドサービスで提供している。学園ソリューション(大学及び私立高校・専門学校)、ウェルネスソリューション(スポーツ施設及びテーマパーク・文化施設)、公教育ソリューション(公立の小・中・高校)、公会計ソリューション(自治体及び関連公共団体)、ソフトエンジニアリング(民間企業、公益法人、学校法人等)、薬局ソリューション(調剤薬局)の6つの事業を展開しており、薬局ソリューションを除く5つの分野で業界トップクラスのシェアを握っている。ストック収入(クラウドサービス及び保守・サポート料)の売上構成比が約5割を占め、安定した収益基盤を構築している。
1. 2023年10月期第2四半期累計業績は会社計画を若干上回る
2023年10月期第2四半期累計(2022年11月〜2023年4月)の連結業績は、売上高で前年同期比5.8%増の2,428百万円、営業利益で同18.4%減の551百万円と増収減益となったが、会社計画(売上高2,360百万円、営業利益541百万円)に対しては若干上回る結果となった。売上高は公会計ソリューション事業が特需の反動で同30.6%減となったものの、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で低迷していた学園ソリューション事業及びウェルネスソリューション事業が2ケタ増収に転じたほか、公教育ソリューション事業やソフトエンジニアリング事業も増収が続き、半期ベースで過去最高を更新した。ストック収入は、顧客基盤が順調に積み上がったことで同13.9%増の1,167百万円となった。利益面では販売ミックスの変動による売上総利益率の低下や、営業経費並びに人件費の増加により減益となったものの、費用は計画の範囲内に抑えることができた。
2. 営業活動の強化により見込み案件が増加、2023年10月期は増収増益が続く見通し
2023年10月期の連結業績は売上高で前期比9.2%増の4,621百万円、営業利益で同1.3%増の909百万円と期初計画を据え置いた。見込み顧客獲得のためのイベント出展の再開や対面での営業活動を強化したことで商談件数が増加傾向にあり、下期は学園ソリューション事業や公教育ソリューション事業で新規導入案件の売上計上が見込まれることから、計画の達成は可能と見られる。ウェルネスソリューション事業ではクラウド型会員管理システム「Smart Hello」が好調なほか、2022年11月にリリースした次世代クラウド型チケット管理システム「Smart Helloチケット」も数件程度の新規受注が見込まれている。公会計ソリューション事業は2024年10月期まで端境期となるが、2025年10月期以降は既存の公会計システム「PPP」から業務領域を拡大した「Common財務会計システム」へのリプレイスが進むことで、売上規模の一段の拡大が期待される。
3. AIベンチャーを子会社化、製品・サービスの高付加価値化に取り組む
同社は2023年6月にAIベンチャーの中村牧場(株)の全株式を185百万円で取得し、子会社化することを発表した。売上規模は1億円前後で、調整後EBITDAで30百万円前後の規模となる。ソフトウェアの受託開発のほか、AI人材育成プロジェクトを複数の大企業や自治体向けなどに提供している。子会社化の目的は、今後の製品・サービスの開発にAI機能を取り込むことで高付加価値化を図り競争力を高めることや、社内におけるAI人材の育成、新規ソリューションの創出などにある。特に、製品・サービスへのAI機能の取り込みは中長期的に同社の業績拡大を後押しすることになりそうだ。教育ソリューション事業では生徒の学習成績データを収集・分析することで最適な学習指導法を提案することが可能となるほか、ウェルネスソリューション事業では会員データ等から解約防止施策やアップセル施策などを効果的に打つサービスを提供することが可能となる。早ければ2025年頃にAIを活用した新機能のリリースを目指す。新規顧客の獲得とストック収益を積み上げながら、年率10%の売上成長とストック収益比率50%、営業利益率20%を目標に、今後も持続的な成長が続くものと期待される。
■Key Points
・2023年10月期第2四半期累計業績は増収減益となるも会社計画は上回る
・2023年10月期は公会計ソリューション事業の落ち込みを他事業でカバーし増収増益を継続する見通し
・AIベンチャーを子会社化し、製品・サービスの高付加価値化によりさらなる成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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