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【QAあり】ガイアックス、業績予想修正に伴い、総額2.55億円の特別配当を実施 インキュベーション事業で投資先の上場による営業利益が寄与

投稿:2024/09/04 08:00

目次

上田祐司氏(以下、上田):株式会社ガイアックス代表執行役社長の上田です。本日はどうぞよろしくお願いします。

当社は「人と人をつなげる」をミッションに、特にインターネット領域で、いかに新しいかたちで人と人をつなげることができるのかにこだわり、ビジネスを行っています。

本日は当社のミッションとビジネスモデルについてご説明したのち、中期経営方針についてご説明します。

GAIAX MISSION

上田:ミッションについてご説明します。みなさまもインターネットが普及する前とはまったく違うかたちで、人と人がつながっていることを感じていらっしゃるのではないかと思います。

特にオンラインで人と人をつなげるソーシャルメディアと呼ばれるツールにより、遠くにいる人がどのようなことを考えているのか、まったくこれまで触れたことのない、マスメディアではない、そのような多くの人たちのつぶやきを日々見ている時代になったのではないかと思います。

当社は創業初期からソーシャルメディアに関連した事業に力を注いでおり、もっと新しいかたちで人と人をつなげたいと考えています。

そして、オンラインだけではなく、実際のリアルの物や場所なども含め、赤の他人同士が触れ合うことがシェアリングエコノミーと呼ばれるカテゴリです。また、ブロックチェーンと呼ばれる仕組み、DAOと呼ばれるコミュニティの作り方など、このような分野に注力しています。

また、当社は通常のビジネス形態ではなく、ソーシャルメディア、シェアリングエコノミー、web3/DAOの分野において、次々と新しい事業を作っていきます。例えば、映画スタジオがどんどん映画を作り出していくように、我々もスタートアップを作り出していくようなビジネスモデルで事業を行っています。

GAIAX MISSION

上田:これまでは、赤の他人のことはそれほど気にしないのが普通だったと思います。しかし、赤の他人と赤の他人がつながり、触れ合うことによって、「この人はこんなことを考えている」「では、この人に、もっとこういうことができるかな」と助け合う社会ができるのではないかと考えています。

当社事業概要

上田:当社の事業概要です。セグメントとしては、ソーシャルメディアサービス事業とインキュベーション事業の2つがあります。

ソーシャルメディアサービス事業は、ソーシャルメディアやシェアリングエコノミー、もしくはDAOの分野において、主に企業に対してサービス提供を行います。

例えば、企業がソーシャルメディアをどのように活用したらよいかお困りの時には、コンサルティングや運用代行を行います。これは企業のニーズに応えるサービスを提供するBtoB、いわゆる企業対企業のビジネスで、どちらかと言えば手堅いビジネスです。

一方、インキュベーション事業では、社内で新しい事業を作っていくインキュベーションや、ソーシャルメディア、シェアリングエコノミー、web3の分野に絞った外部への投資を行います。自社での新規事業および外部への投資をインキュベーション事業セグメントとして開示しています。

SUMMARY

上田:続いて、我々が注力している3領域です。

1つ目は、先ほどお伝えしたようなSNSを軸とした企業向けのマーケティング支援です。

2つ目は、起業支援です。我々は創業以来次々と新しい事業を作り出してきました。そのため、最近ではすさまじい勢いで自治体や大手企業から「我々の自治体でスタートアップをどんどん作っていきたいけれど、どうしたらいいか」とご相談をいただくようになっています。

我々はこのようなご相談に対して、どのようにしたら元気ある若い方が上場を目指したり、メガベンチャーになっていったりするのか、そのような支援をするビジネスを行っています。

これまでは自分たちがコストをかけてスタートアップを支援し、その中で良いと思う会社には多く投資し、キャピタルゲインを得るビジネスを行ってきました。しかし、自治体からの受注では、自治体がコストを負担し、その中で良い会社に投資するというかたちで進めています。

3つ目は、web3/DAOです。こちらは新しい概念となりますので、追って詳細をご説明したいと思います。

坂本慎太郎氏(以下、坂本):前回は1年ほど前にご登壇いただいたと思います。この1年で事業はかなり進捗されていると思います。実際にどのあたりが伸びているのか、予告編でも構いませんので教えてください。

上田:その点では、「スタートアップスタジオ」がどんどん増えていること、DAOの事例が増えていることが主なトピックだと思っています。

坂本:ありがとうございます。のちほど詳しく教えていただければと思います。

安定成長のソーシャルメディアサービス事業

上田:ソーシャルメディアサービス事業は、ここ数年間、十数パーセント成長を継続しています。

やはり、今の世の中で企業がマーケティングを行う場合、旧来であればマスメディア中心だったと思いますが、今はソーシャルメディアを活用せざるを得ない時代になっています。今はもはや、ソーシャルメディアが中心になってきているのではないかと思います。

仮にマスメディアを活用するとしても、「そのマスメディアの反応はいったいどうだったの?」という部分ではソーシャルメディアが出てきます。

マスメディアであれば、より企業としてコントロールできるのですが、みなさまも感じられているとおり、ソーシャルメディアは企業がコントロールすることができません。しかし、そうは言っても、無視もできません。

さらにはソーシャルメディアを上手に活用することで、ベンチャー企業でも大きく売上を伸ばすことができます。このように、本当に扱いづらいものが、今マーケティングの世界では中心に来ています。

我々は、そのようなことを十数年行ってきたプロ集団として、データ分析、クリエイティブ、プランニングを行っています。

坂本:特に成長したのは起業支援とDAOだというお話でしたが、この主力事業でも売上高は2桁以上の伸びがあり、かなり成長していると思います。

SNSマーケティングの支援において「難しい」面としては炎上対策等もあると思いますが、最近のトピックとして、この2年くらいは縦型動画がはやりました。スライド資料には「クリエイティブニーズの伸びが追い風」とありますが、この縦型動画なども取り込んだ成長もあると思います。

最近はどのような需要が多いのでしょうか? どのようなものが売上につながっているか、もう少し教えていただけますか?

上田:企業がどのようなものを求めているかは、端的に言いますと、消費者でもあるみなさまが日頃どのようなサービスを使っているかに直結します。

一昔前は主にパソコンでブログを見ていた時代があったと思いますが、その後、スマートフォンに移り、「YouTube」などを見るようになりました。しかも、初期の「YouTube」は長編の30分ものでした。そして最近では、もう文字を打つことも読むことも面倒くさくなり、「Instagram」を中心に写真で検索しています。

私も初めは驚いたのですが、レストランを探す場合にも写真で検索されることが増えてきています。通信環境の改善と情報量の多さからも、「写真より動画だよね」という流れに変わってきていると思います。

坂本:私も「TikTok」で店を調べます。

上田:おっしゃるとおり、「TikTok」で泊まる場所なども決めるような時代になってきています。

みなさまにもイメージしていただきたいのですが、例えば食事や服などの一般的な商品を扱う全国レベルの店が、はやり廃りで入れ替わるのは30年や50年スパンの話だと思います。

しかし、先ほどのようなインターネット上のサービスは2年、3年で完全に入れ替わりますので、そうすると企業のマーケターは「また新しいものが出てきたけれど、どうしたらいいのだろう」となります。

最近増えているものでは、先ほどもお話が出ていた縦型動画があります。すでに消費者は完全にそちらに寄っており、ベンチャー企業も素早く縦型動画から消費者に切り込んでいます。しかし、企業にしてみると「縦型動画を作ってきたわけではないし、どうしたらいいかわからない」となります。

我々は、場合によってはクリエイターを集め、縦型動画を作るところから参加することもあります。最近ではショート動画と呼ばれる、ドラマの起承転結を1分半に収めたような縦型動画が出ており、それがなければユーザーは次の動画に移ってしまうような時代です。

我々はそのようなものを作れるクリエイターを集めていますし、さらにクリエイターが集まったポータルサイトも運営しています。写真と動画の両方で2万人から3万人規模の体制を作っていますので、それを活用してサービスを提供しています。

GAIAX BUSINESS MODEL

上田:先ほどもご説明した、起業支援や「スタートアップスタジオ」についてご説明します。

まず、当社全体としては、事業会社と投資会社の両方のビジネスモデルを持っています。自社で売上と利益を上げる事業会社と、投資を行い、投資先が売上や利益を上げても当社の連結に売上は入らず、当社がその会社の株を売却して初めて売上に入ってくる投資会社です。

ものによっては、当社自身が行っている事業をカーブアウト(注)し、その会社の株を持つかたちもあります。連結からは外れてしまいますが、その会社が上場するとキャピタルゲインが入ってきます。

注:
・事業の一部を切り出し、新会社として独立させること

事業輩出

上田:当社に新卒で入社したメンバーは、退職した際に約6割が起業します。転職していくことはあまりありません。「転職するのは普通ではなく、起業するのが普通」と、起業家精神あふれるメンバーが集まっています。

これは1つのトピックであり、当社の新卒入社組も、我々が日頃から付き合っている業務委託のメンバーも、我々の投資先も、常に起業について考えているような人々が集まってきています。

坂本:新卒入社の6割が起業するというお話でした。すぐに起業する方、時間をかけて起業する方がいると思いますが、平均何年くらいで起業されるか、データがあれば教えてください。

上田:その点に関してデータは取っていませんが、数ヶ月から十数年くらいまでさまざまです。我々としても、本人の話を聞き、思いついたビジネスを聞き、「それはいいね」と起業を後押しすることもありますが、無理をして後押しするわけではありません。

社内で活躍でき、かつ「別にそのくらいのビジネスのために無理して辞めなくても」ということもあります。当社内でいろいろと活躍していただいてから、「でもこのビジネスは別会社で、自分の資本でしたほうがいいよね」という場合には後押しするかたちです。「入社10年になればみんなが起業する」というわけではありません。

坂本:アイデア次第ですね。

上田:ケース・バイ・ケースです。

坂本:ビジネスアイデアを社内で壁打ちしていただけるのはありがたいですね。在籍しながら起業している方はいらっしゃるのですか?

上田:そのようなケースもあります。例えば「ADDress」という多拠点居住ができるサービスを立ち上げたメンバーは、起業後2年くらいは週に何日か当社の仕事をし、週に何日かはそちらの会社の社長の仕事をしていました。当社からも出資しましたし、外部の会社も出資していますが、そのような関係性で行う場合もあります。

坂本:おもしろいですね。そのようなこともあるため起業される方も多く、御社としても出資する会社が多く、将来それがリターンとして返ってくる可能性も当然あるということですね。

上田:おっしゃるとおりです。「会社を辞めてこのビジネスで起業します」となった場合には、ありがたいことに「じゃあうちが出資するよ」と言うと、出資させてもらえるのです。

仲たがいもありませんし、彼らはガイアックスが出資すれば特にアーリーフェーズで非常に手厚いサポートがある状況を日頃から見ています。

坂本:人的サポートや無形の資産があると思いますが、それらを活用しながら起業し、事業ができるということですね。

上田:おっしゃるとおりです。我々は、3年同じ釜の飯を食って一緒に働いてきたメンバーで、「いい人間だ」「スキル、心技体が全部整っている」という人間に出資しています。

他社のように、ベンチャーキャピタルというビジネスモデルの中で面談をして投資する場合に比べると、その点では当社のほうが有利だろうと思います。

坂本:確度が高いという言い方は語弊があるかもしれませんが、よく知っているということですね。

上田:そのとおりです。Photosynth社の河瀬さんが創業した時は、「もちろん河瀬さんなら喜んで出資させてください」と言いました。河瀬さんも、他のベンチャーキャピタルより条件が当社のほうが悪かったとしても、「ガイアックス優先です。そのほうが会社の成長が良い」ということでした。

ガイアックスの社内から実際に起業し、出資を受けて上場している河瀬さんが、ベンチャー起業業界で「ガイアックスから出資を受けるとさまざまなサポートを受けられる」と言ってくれます。

すると、ほかのベンチャー企業でも「ガイアックスは外向けに『いいサービスしています』と言っているだけではなく、中にいた人までそう判断しているのなら結構いいのかもしれない」とご判断いただいていると思っています。

坂本:経験を基にした口コミも大事ですね。

カーブアウト機能を活用した事業の成長加速

上田:先ほどお伝えしたカーブアウトについてご説明します。事業部単位でカーブアウトして会社化し、事業部長をはじめとするメンバーが会社化した株を取得し、上場を目指すというスタイルも存在します。

例えば新入社員が3人おり、その3人が立ち上げた事業に10人のメンバーがいたとします。そして、その3人の事業部長が「カーブアウトします」となれば、その3人が退職と同時に起業しているような状態になりますので、「起業するつもりはなかったけれど、気づいたら起業していた」というケースがあります。

当社としては、持株比率が100パーセントから下がってしまうため痛し痒しでもあります。しかしそれを超えて、外部資本を活用する、あるいは当社だけで支援するのではなく、投資していただける企業など他の株主にも入っていただく、そのシナジーによってより成長できる可能性がある、そのような場合にこのシステムを活用しています。パイは減りますが、ピザの大きさを大きくする考えで行っているものです。

投資先のトピックス

上田:当社からカーブアウトしたTRUSTDOCK社は、eKYCの本人確認サービスで大変伸びています。また、「ADDress」を運営するアドレス社は、当社の卒業生が会社を立ち上げ、多拠点居住のサービスを展開しています。

TRUSTDOCK

坂本:「TRUSTDOCK」のシェアは業界トップということですが、この将来性と御社が保有している株式について聞かせてください。

上田:以前の本人確認では、免許証のコピーを郵送したり、役所で住民票を取ってきたりしていたと思いますが、「TRUSTDOCK」ではその必要はありません。また、単に免許証などの写真を撮って提出してもらうだけでなく、その際に斜めでも撮影させるなど、不正ができないようにするサービスを提供しています。

しかし、これをシェアリングエコノミーの会社や人材サービスの会社がシステム開発することは大変です。そのような部分だけをアウトソーシングしてもらい、日々発生する不正を防ぐために改善しながらツールを作っています。

最近ではTRUSTDOCK社自体がアプリをリリースしています。そのアプリをインストールし、一度個人認証を済ませておけば、そのアプリにアクセスするだけで本人確認が完了します。利用者も、本人確認をしたい会社もハッピーというポジションに移ってきています。

坂本:シェアをたくさん獲得していただけると、我々も楽になっていいですね。

上田:一消費者としても助かるなと思います。

こちらはもともと当社のカーブアウトのため、保有株式100パーセントからスタートし、当社のカーブアウト時点での通例では40、50、60パーセント程度の比率としています。しかし、その後大型調達を行っているため、比率としてはそれに応じて下がってきています。

具体的なパーセンテージは開示していませんが、大型調達を何回か繰り返していることから、それなりにパーセンテージとしては下がっているものの、まだある程度の株式は所有しています。

坂本:筆頭株主くらいの保有はあるのでしょうか?

上田:そのようにイメージしていただければと思います。

帰らない日は家賃が下がる住まいを提供するUnito

上田:我々はUnitoという会社にも投資をしています。

累計調達額約9億円「暮らしの最適化」ビジョン実現に向けシリーズC総額3.5億円資金調達を実施

上田:このようなシェアリングエコノミー関係の会社には積極的に投資をしています。

帰らない日は家賃が下がる住まいを提供するUnito

荒井沙織氏(以下、荒井):「unito」の仕組みについて教えていただけますか?

上田:外部の会社ではありますが、シェアリングエコノミーということで出資を行いました。私自身も社外役員として入り、ガイアックスとしてもサポートを行っています。

通常、東京で家を借りようとすると、当然1ヶ月分の家賃が必要です。しかし、旅行や帰省をするとなるとこの期間は家が空いてしまいます。そこであらかじめ3日前までに「この日が空きます」と貸主のUnito社に伝えると、その分の家賃が下がります。

坂本:空いた家はどうなるのですか? 

上田:Unito社が責任を持って民泊を行います。

坂本:自分の家でありながら、民泊として貸し出されるのですね。

上田:おっしゃるとおりです。リモートワークが増えていたり、家族のかたちが変わってきていたりします。例えば「週末を中心に半同棲している彼女の家に行っているけれども、平日はオフィスの近くにいる」「リモートワークなので、2週間くらい旅行先で仕事をしてくる」など、本当にいろいろなかたちがあります。そのような若い方に非常に受けています。

荒井:単身者向けの物件が多いのでしょうか?

上田:どちらかと言うと単身者向けが多いです。また、マンションを主体にしているケースと、ホテルを主体にしているケースがあります。ホテルは1ヶ月借り切ることができ、そのうち10日間どこかへ行くと家賃が下がり、ホテルはそれを営業に回すといった仕組みです。

坂本:すでに5万人も会員がいるということは、やはり受けているのでしょうね。

荒井:首都圏が多いのでしょうか?

上田:そのとおりです。みなさまもぜひご利用いただければと思います。

2024年7月、投資先の株式会社タイミー、東京証券取引所グロース市場へ新規上場

坂本:続いて、投資家としては最近の最も有力なトピックスです。

上田:タイミーには創業時の最初のラウンドで投資しました。タイミー自体はシェアリングエコノミーの会社で、この分野の会社については我々もいろいろリーチしていましたので、非常に可能性があることから投資しました。

2024年7月26日、株式会社タイミー 東証グロース市場へ新規上場

上田:タイミーが上場したため、当社はその全株式を売却したことで利益が発生しました。

坂本:早い時期に投資されたことから、おそらくストック単価が安かったのではないかと思います。ロックアップを待たず、売出しの時点で株を放出したことは戦略的なものだったのでしょうか?

上田:我々の説明からも感じていただけたと思うのですが、我々は0から1、進んでも3くらいまでを得意としています。若者が起業するとなった際に、資本政策や初期投資家の集め方、また規定類についてアドバイスやサポートを行うサービスは大変充実しています。

また、当社はそのような層に非常に認知度が高く、学生が卒業後に起業した時に「ガイアックスは頼りになるよね」と言っていただけます。そのように来ていただいた多くの会社の中から、我々が「この会社は行けそうだ」と思う会社に投資をしています。

今後もタイミーは伸びていくと思いますが、すでに上場していますので、我々はもうなかなかサポートすることができません。また、上場株の目利きがあるのかと言われれば、それを専門とするプロに敵うとは思いません。

したがって、またお金を500万円と1,000万円とに分け、次なるタイミーへの最初の投資に回したほうが利益率は高いと考えています。

スタートアップスタジオの知見を起業家輩出支援として自治体へ提供

上田:タイミーの場合のように、当社自身が当社のコストによってスタートアップを支援してきましたが、ここ2年くらいは自治体などからの案件を受注しています。

これまでは、自治体が起業家を支援する場合、以前は地域の税理士や中小企業診断士に依頼していたと思います。

しかし単に「商売を始める」「起業する」のではなく、「スタートアップを作る」という場合には、頼りになる会社として当社の名前が挙がり、発注をいただいています。これまでに東京都・北海道・福岡市などから受注をいただき、起業家支援を行っています。

アントレプレナーシップ教育プログラムから、自治体受託まで

上田:我々はもともと中学校や高校などの教育機関向けサービスとして、「起業は楽しいよ」といったレベルからの「起業ゼミ」を持っていました。そのようなことも相まって、アントレプレナー教育に関してはかなり力を入れています。

北海道、東京都などの起業家・スタートアップ創出支援を受託

上田:こちらのスライドは東京都との取り組みについてです。

坂本:御社は東京都のスタートアップ支援事業もサポートされています。受講された方が起業する場合、御社は相談を受けたり、出資に応じたり、またその受け皿となったりする部署はあるのですか?

上田:まさに今おっしゃったようなことに対応しています。「起業ゼミ」自体は、中学校、高校、大学からお金をいただいて実施していますが、その中で可能性がありそうな方がいた場合には、その後我々のコストでサポートし、場合によっては出資もします。

しかし、最近では全国の自治体におけるスタートアップ支援のサービスも受託していますので、例えば「東京都の支援サービスも利用してみてはどうですか?」などとお伝えすることもあります。そのような流れができれば、みんながハッピーな状態になりますので、そのようなケースも増えてきています。

坂本:いろいろな窓口があれば、起業する側の可能性も広がることになりますね。

注目されるweb3/DAO

上田:web3/DAOについてご説明します。DAOは、ブロックチェーンを使った、中央管理ではない自律分散型の組織のことです。

DAO型シェアハウス「Roopt DAO」

上田:具体的なサービスについてお伝えしたほうがイメージしやすいと思いますので、我々が取り組んでいるシェアハウスの事例をお話しします。

我々はシェアハウスを運営している巻組という会社に投資しています。同社が展開しているのは「Roopt(ループト)」というシェアハウスです。

これまでシェアハウスの運営会社はオープンするまでいろいろと大変でした。家具家電を選び、ハウスルールを作り、住んでいる方にクレームを言われながら、何かトラブルがあると行って対応し、そして入居希望者が増えるとそのたびに社員が説明し、入居者からは「また人口比率が増えるのですか?」と渋い顔をされます。

Roopt DAOの仕組み

上田:そこで今回、DAOを活用することにしました。簡単に言うと、入居者に株を持っていただくようなイメージで、入居者に意思決定をしてもらいます。「設備は何もありませんが、年間100万円をお渡ししますので、これで冷蔵庫を買うなどしてください」とお伝えします。

例えば、神楽坂にあるシェアハウスでは「洗濯機をもっと買おう」ということになりました。我々には想像できなかったことですが、洗濯機を2台買ってきたのです。すると、シェアハウス内には置く場所がないため、入居者で軒先にDIYで屋根を作って設置していました。

我々にしてみればまったく労力もかかりませんので問題はありませんし、入居者の方々もそれぞれ満足されている様子でした。

また、ハウスルールはシェアハウスを運営する上でコアになる部分です。しかしこれを運営会社が作りたいのかと言われれば、作りたくないというのが正直なところです。

坂本:全員が同じ意識ではありませんよね。ペットを飼いたい人、飼いたくない人といった意見の違いもあると思います。

上田:おっしゃるとおりです。せっかくルールを作ってもクレームを言われることもありますし、作るスタッフの人件費もかかります。そこでこれを選挙制にし、全員の発議で作ったり入れ替えたりできるようになれば、入居者が好きなようにでき、納得できるものになっていますし、何より運営会社には一切コストがかかりません。

また、新しい入居希望者がいれば、入居者から入居希望者にハウスルールなどを説明するかたちをとっています。入居希望者にしてみれば「こういうところが良く、こういうところは良くない」と実際に住んでいる人から直接話を聞けることで信用できるようになりますし、運営会社としても社員が行く必要がなく、説明してくれる入居者に少しの株を渡すだけですので非常に楽です。

先ほどもご説明したように、これは住人が株を持っているようなものです。正確にお伝えすると、トークンと呼ばれるブロックチェーン上の通貨を持っており、シェアハウスの売上、利益が上がると、入居者が持っている株の値段が上がることになります。

したがって、入居状況がガラガラになってしまうと入居者も困るのです。「入居者が増えると住み心地は若干下がるけれども、これもシェアハウスの利益のため」と考えることができます。全員がステークホルダーになり、全員シェアハウスを経営するかたちになっています。

DAOの活用がもたらす効果(Roopt DAO運営1年後の結果より)

上田:これにより巻組は、もう十数店舗ものシェアハウスを運営していますが、当初イメージしていた売上の1.7倍の数字を出しています。入居者が新しい方を入れてくれますので、利益率も向上します。

さらに、入居の際には先に株を買っていただくことになりますので、運営会社も初期投資の必要がなくなり、結果として資金繰りも安定します。今シェアハウスでこのような結果が出ていますが、このDAOは他にもいろいろな可能性があると感じています。

坂本:例えばどのような可能性がありますか?

上田:本来DAOはブロックチェーンの概念で、リアル社会にはなかなか適用できないと考えられていました。しかし我々は積極的に「リアル社会でどのように活用できるか」にフォーカスしています。

前述のシェアハウスの事例だけでなく、今はシェアオフィスや不動産投資などの分野でも活用しています。我々は飲食店、ホテルにも活用できるのではないかと考えています。

2024年4月22日、法改正に伴い、合同会社型DAO解禁

上田:DAOはこれまで法律上の建て付けが曖昧でした。そこで政府も増えてくるDAOを法的に整理しようと、2024年4月22日に法改正を行いました。その最初の例として、「Roopt DAO」は合同会社型DAOへと変更しています。

2024年4月、DAOに関する法律が改正

上田:その他、我々もDAOに関しては非常に数多くの取り組みを行っていますので、企業の新規事業として、「これまで新規事業として考えていたけれど、DAOの組織を活用してやろう」「今から起業するのだけどDAO型でやろう」などのご相談をいただいています。

当社ではこれまで1社1社に対し、カスタムメイドのコンサルティングとシステムを提供していましたが、DAOのオールインワンツールを作り、現在はそれを提供するかたちになっています。そのツールが「DAOX」というサービスです。

DAO組成・運用プラットフォーム「DAOX(ダオエックス)」を提供開始

上田:このツールを作る前は、4つ、5つのDAOツールを使って組織運営を行っていました。

会社にグループワークやファイル共有システムがあったり、入退社システムがあったりするように、この「DAOX」ではそれらをDAO用にワンストップで可能にするものとして作っています。

取り組み事例

上田:スライドに記載している事例のように、現在さまざまな取り組みを進めています。以上が当社のご紹介となります。

中期経営方針

上田:最後のトピックとして、中期経営方針についてご説明します。中期経営方針としては、BtoBのソーシャルメディアサービス事業では、コンサルティングや運用代行で年成長率10パーセント以上、営業利益率20パーセントを維持しながら事業を伸ばしていきたいと思っています。

インキュベーション事業に関しては、やはり投資をしてリターンが返ってくるまで非常に時間がかかります。例えば投資先の会社が上場した場合、その時点で当社に利益は出ず、我々が株を売却して初めて利益になりますので、そのような意味では非常に不安定でした。

しかし、幸いにも当社が投資した会社が何社か上場してきましたので、そのような銘柄も当社内にあります。そのような意味では、利益のコントロールがだいぶできるようになってきました。また、投資に関してもこれまでかなりの社数に投資を行ってきましたので、コストのコントロールもできるようになってきたと思っています。

このようなことを踏まえ、売上全体としては安定成長で、全体的に黒字を出しながら継続的な配当を出していく方針で進めています。

2023-2027年度 中期経営方針 業績目標

上田:2023年度から2027年度にかけての中期経営方針における業績目標です。連結売上では2024年度は29億7,000万円、2027年度は40億円、連結営業利益では2024年度は1億2,000万円、2027年度は6億円となっています。

業績予想の修正に伴い、特別配当を実施

上田:株主への継続的な利益還元です。2024年12月期は5円の期末配当額を予定しており、今後も継続的かつ安定的に配当を出していくつもりです。

2024年12月期はタイミーの上場により、当社としては株の売却により利益が大幅に上回る見込みが出たために、基準日を今年6月30日とする中間時点で配当総額2.55億円規模の特別配当50円を行いました。

坂本:今後も、今回のタイミー上場のような特別利益が出た際には株主にも還元していくイメージでよろしいですか? 

上田:還元を行うかどうかは総合的観点からの判断となりますが、方針として、今回のような利益が出た場合には、できれば何割かの配当を出せるようにしていきたいと考えています。

質疑応答:タイミーへの出資の経緯について

坂本:「御社はこのシェアリングエコノミーに対してかなり幅広く投資をされており、このタイミーにもかなり早い時期に出資されたというお話がありました。その出会いや意思決定に至った経緯などについて教えてください」というご質問です。

事前にいただいた質問でも、タイミーに関連した質問がけっこう多く、やはり興味があるところなのだと思います。

上田:まず前提として、我々は投資先としてソーシャルメディア、シェアリングエコノミー事業に分野を絞っていますので、その分野のベンチャー企業には数多くお会いしています。

そしてタイミー単体で見た場合、株の売却時点の売上から当社のタイミー株の原価を引いた時の粗利率は非常に高く、もう1,000倍などの単位で利益が出ています。

しかし、その裏でも何社にも投資を行い、日の目を見ないまま終わっていった会社が本当にたくさんあるというのが正直なところです。タイミーだけに出会い、タイミーだけに出資をし、大成功を収めたのかと言えば、残念ながらそうではありません。

しかし、当社もシェアリングエコノミーの事業を持っていますし、その分野には重点的に投資も行っています。

出典:https://sharing-economy.jp/ja/

また、我々は、シェアリングエコノミー協会を立ち上げています。現在では企業は300社、自治体にいたっては百数十の自治体が加盟しており、ロビイング活動や、情報交換、勉強会などの活動を行っています。

そのような活動の中でも、シェアリングエコノミーに取り組んでいるベンチャー企業との接点は本当に数多く持っています。我々の目利きも完璧ではありませんが、多くの創業初期の企業を見ていく中で、「勢いがあるな」「このビジネスいけそうだな」「海外でも成功事例あるな」というような観点で見て投資しています。

坂本:投資する基準は当然とても難しいですし、流動的な部分もあり、絶対的な基準と言えるものは少ないと思います。そこで、事業のビジネスモデルと経営者の資質をどのくらいの比率で見ているかなど、イメージとしてありますか?

上田:我々は創業した時に出資をすることや、創業後初めての外部投資家として入るケースが非常に多く、そのような意味では経営者もしくは経営陣が7割、8割です。

一方、投資先の上場にあたってはシリーズB、シリーズCと言われるレイターステージで投資家とのコミュニケーションがありますが、そのフェーズに入ると事業が7割、8割になってきます。

本来は利益の見通しに対しての時価総額がつくことが当たり前の世界なのですが、アーリーステージはまったく別の世界です。

そのマーケットにおいて「確かにそのような困りごとがありますよね」と納得できるペインがあり、「だから、このソリューションを作りました」というものであっても、正直に言ってそのソリューションがそのペインに当たるかどうかはわからないのです。

坂本:なるほど、確かにそれがすばらしいモデルだったとしても、それが育ってくれば大資本がものすごい資本力で一気に突破してくるパターンもあり得るということですね。

上田:そのような意味からも、もう事業というよりは、そのような困難が来ることがわかっている中で切り抜けられるメンバーかどうかがとても重要だと考えています。

我々は新卒採用もかなりがんばっており、全国の有名大学の起業部などとはもう本当に仲良くしています。

坂本:サークルのようなものでしょうか?

上田:サークルやそのほか起業イベントなどにも協賛し、常にそのような起業精神あふれる学生さんと接点を持っています。その中でも優秀な方に入社していただけるようにクロージングしたりしています。

そのような方々も起業しますので、起業するのか入社するのかという話の中で、「入社した場合でも、もし起業することになれば我々が投資してもいいのですが」といったやり取りをしています。

また、「シェアリングエコノミーでこういう会社を作ったのですが」という方にもお会いし、そのレベルで見て「この方は優秀だな」という場合には、「ぜひ投資させてください」とアプローチをしています。

坂本:それはすごいことですね。私が若い頃にこのようなサポートがあったならば、本当に良かっただろうと思います。当時は1円起業ができるようになったぐらいの時代で、本当に今の方が羨ましいなと思ったりもします。

質疑応答:採用基準について

坂本:「やはり起業を目指すような方を採用しているのでしょうか?」というご質問です。

採用基準のようなものがあれば、教えていただければと思います。

上田:起業家を目指す方に多く入っていただいています。ただし、「起業家を目指しています」イコール「採用」ではありません。やはりお客さまにサービスを提供するわけですので、仕事ができるかどうかも重要です。

その観点では、まずコミュニケーション力は見ています。実はプレゼンする能力よりも、相手が何を言おうとしているのかを把握する能力のほうがはるかに重要です。混沌とした中でサービスを作り出す時に、相手が言いたいことをつかむ能力の高さのコミュニケーションがあるかどうかです。

もう1つは、知識がいくらあってもそれだけでは駄目で、どちらかと言えば、例えばボードゲームなどを得意とするような地頭の良さがけっこう重要です。このような資質を併せ持ちながら、起業して社会にインパクトを出したいという方を積極的に採用します。

質疑応答:DAOの今後の展開イメージについて

坂本:DAO事業はおそらく今後も発展していくと思います。私もいつも投資家としてさまざまなビジネスや技術を見ていますが、どこかで爆発的にそのサービスが伸びる瞬間がありますよね? DAOの場合もなにかのきっかけで爆発的に伸びてくるパターンがあると思います。

それが技術なのか、利用率なのかなど、イメージをお持ちではないかと思いますが、このあたりの未来像のようなものを教えていただければと思います。

上田:ソーシャルメディアサービスにも言えることですが、DAOにおいても、普通の企業がDAOのビジネスを始める、DAOのコンサルティングを探す際には、我々はすでに第一人者のポジションは獲得できているだろうと思っています。

そのような意味では、市場がいつ来てくれるのかということが本当に重要であり、もう来てくれさえすれば、当社は絶対に良いポジションが取れると考えています。

我々としては、市場を喚起するための成功事例をどんどん作らなければならないと考えていますので、今もいろいろと相談を受け、さまざまなものを提供しています。

一つひとつしっかりと成功させ、「DAOでやったから結果として売上が増えたよね」「DAOでやったから結果として利益が増えたよね」など、そのような成功事例を徹底して作っていくことによって広がるのではないかと思っています。

少し残念なことに、我々が取り組んでいる肌感としては、「DAO」という言葉の響きは物足りないなと感じています。

例えば、「ソーシャルメディア産業が大きい」などということは、投資家のみなさまが感じていることです。「Facebook」「TikTok」「Youtube」などの時価総額が大きいことはおそらく投資家目線でわかるのです。しかし、一般消費者の方に「TikTok」と言えば全員に伝わりますが、「ソーシャルメディア」と言うと伝わらないのです。

DAOでも同じことが起きています。「このトークンを使って、インセンティブをステークホルダーが持って、みんなで意思決定しながら、サービスを作りながら、享受していく」と言っても、ピンとこないのです。

そこで、「お客さん自身が投票でメニューを決められます、しかもそれが売れるとみなさんにも儲けが配られます」と言い方を変えます。これでもまだ説明が長いのですが、このような一般ユーザーでもわかるような事例を作っていかなければならないと考えています。

しかし「DAO」という単語は最後まであまり普及しないかもしれないとも思っています。

坂本:サービスとしてはもう当たり前になっているかもしれないけれども、将来、「これがDAOだった」「もともと、このサービスを考えていたのがDAOだった」となる未来像ですね。

上田:そうなるのではないかと思います。

坂本:現状、技術面で不足しているものはあるのでしょうか? もう今のプラットフォームで広がっていける状況まで来ていますか? 

上田:テクノロジー的な不足はありません。むしろ、UI/UXが問われます。しかし、それについてもそこまで大きな話ではないと思います。

坂本:既存のものと技術で十分で、今はどちらかと言えば待ちの状況なのですね。当然仕掛けはしつつも、使う人が増えれば爆発的に増える可能性があるということですね。

上田:巻組のシェアハウスでも1店舗でDAOを活用して運営してみました。すると、労力はかからず、売上は増え、利益は増え、お客さま満足度は高いという結果で、今はほかの店舗にも導入を進めています。

1店舗目はブロックチェーンやウォレット、「MetaMask」などけっこう専門用語が必要だったためにかなりハードルが高くなっていました。

しかし、今用意しているものでは、そのようなことは一切気にせず、普通に仕事をするとお金がもらえたり、仕事が並んでいたりするような、わかりやすいUI/UXを準備しています。

それさえ完成してしまえば、あとは基本的にDAOのコンセプトを入れて損はないと力強く感じています。

質疑応答:営業活動について

坂本:今後の普及として、やはりこのような技術にパッションを持っている人が「使ってみよう」となることは当然あると思います。御社のスタンスとして、もうすでにプラットフォームを持っているところに「これを入れてください」と営業しに行くような、日本的な営業活動などはされていないのでしょうか?

上田:企業からDAOに取り組みたいとお話があった時の営業活動については、かなり鍛えられてきたと思います。DAOを使った新規事業を立ち上げたいという担当者は多いのですが、それを社内で通せるかどうかが非常に難しいのです。

坂本:営業をかけるのであればトップセールスでなければならず、それでも通せるかわからない、新しい技術だということですね。

上田:「リスクないですよ」「同じような会社さんでこんな成功事例ありますよ」としっかりと打ち出していくような営業をすることはあります。しかし、いざサービスになると、あとはもう口コミやソーシャルメディアを活用した広がりをいかに有効活用するのかにフォーカスしています。

坂本:そこは御社の本業の領域ですね。非常にイメージが湧きました。

当日に寄せられたその他の質問と回答

当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。

<質問1>

質問:資金調達に関連して金利上昇の影響はどのように見ていますか?

回答:グループで2億円から3億円程度を金融機関から借り入れしておりますが、固定金利での調達分もあり、それほど大きな金額ではないので、あまり影響はございません。

<質問2>

質問:TRUSTDOCK社、Unito社以外に、現在何社程出資されていますか?

回答:これまでにおよそ70社への投資を実行しています。なお、うち5社が株式上場を果たしており、当社がこれまでに培ってきた企業選定および支援の成果が結実しているものと考えています。

配信元: ログミーファイナンス

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