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イグニスのニュース
■成長戦略
1. 今後の方向性
イグニス<3689>の成長戦略は、積み上げ型となる「マッチング事業」及び爆発力のある「エンターテック事業」のそれぞれに経営資源を集中することでバランスの良い事業ポートフォリオを構築し、成長及び拡大を目指す方向性を描いている。
ただ、2本目の成長軸として期待される「エンターテック事業」については、コロナの影響を含め、新たな市場の創出に向けて、不確定な要素が数多く存在することから、現時点で中期計画(数値目標)のガイダンスは行わない方針である。環境の変化に柔軟に対応しながら、新たな市場を創出し、成長加速に結び付けていく戦略である。
主力事業の方向性は以下のとおりである。
(1) マッチング事業
国内のオンライン恋活・婚活マッチングサービス市場の拡大が予想されるなかで、今後も広告費の増枠による認知度の向上や独自機能の投入により、持続的な成長と利益の積み上げを目指していく方針である。
(2) エンターテック事業
引き続き、バーチャルライブプラットフォームとIP展開による垂直統合型の事業構造により、バーチャルライブの普及(プラットフォームの強化)を推進していく戦略である。特に、バーチャルライブプラットフォームについては、VRでの音楽ライブ体験に加え、新たなVRソーシャル機能(自分だけのアバダー機能の作成やフレンド機能、特設ワールドの設置等)により、これまでにない音楽体験(音楽体験の、次のあたりまえを創る)を提供し、圧倒的なポジションを確立していく。さらには、市場の大きな中国への展開も視野に入れており、世界最先端ライブ特化型仮想空間SNSの開発、中国市場との強いパイプ、中国でも人気の高い日本IPの誘致、日本のトップクリエーターと新規IPの開発などを通じて市場を開拓し、爆発力のある成長を目指す構想を描いている。
2. 財務方針
積み上げ型の『with』(マッチング事業)を中心に財務体質を改善し、当面は既存のファイナンススキーム(ドイツ銀行割当新株予約権)を除き、新たに希釈化を生じさせるスキームは組まない方針である。
3. 弊社の注目点
弊社でも、積み上げ型の『with』が順調に伸びており、今後も収益の底上げが期待できることや、これまで利益を圧迫してきた『INSPIX WORLD』への先行投資が一巡することにより、同社の収益構造は大きく改善に向かうものとみている。注目すべきは、新たな価値を提供する『INSPIX WORLD』への展開により、どのくらいの収益の上乗せが期待できるかにあろう。マネタイズの仕組みやライブ当たりの原価のかかり方など、収益性を判断するうえでまだ見えない部分があり、しばらくは試行錯誤となる可能性も否定できないが、今後どのような立ち上がりを見せ、どのように収益モデルを確立していくのかが、将来性を占ううえで重要な判断材料として注目している。いずれにしてもうまく軌道に乗ってくれば、他に類を見ない新たな音楽体験を提供するバーチャルライブプラットフォームとして大きな可能性を期待しても良いであろう。また、バーチャルライブプラットフォームと自社IP展開による垂直統合型の事業構造についても、相互にプラスの効果を生み出す仕組みとして理にかなった戦略と評価しており、同社ならではシナジー創出(バーチャルライブプラットフォームと自社IPの連携による価値創出等)がポイントになるとみている。さらに中長期目線では、市場の大きな中国市場への展開にも注目していきたい。
■株主還元
配当による株主還元はしばらく見送りとなる公算
同社では、財務体質の強化と事業拡大のための内部留保の充実を図ることが重要であると考え、過去において配当の実績はない。2021年9月期も無配を予定している。弊社では、これから本格的な成長ステージに入っていくとする同社の成長戦略から見て、配当による株主還元はしばらく見送られる公算が大きいと見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1. 今後の方向性
イグニス<3689>の成長戦略は、積み上げ型となる「マッチング事業」及び爆発力のある「エンターテック事業」のそれぞれに経営資源を集中することでバランスの良い事業ポートフォリオを構築し、成長及び拡大を目指す方向性を描いている。
ただ、2本目の成長軸として期待される「エンターテック事業」については、コロナの影響を含め、新たな市場の創出に向けて、不確定な要素が数多く存在することから、現時点で中期計画(数値目標)のガイダンスは行わない方針である。環境の変化に柔軟に対応しながら、新たな市場を創出し、成長加速に結び付けていく戦略である。
主力事業の方向性は以下のとおりである。
(1) マッチング事業
国内のオンライン恋活・婚活マッチングサービス市場の拡大が予想されるなかで、今後も広告費の増枠による認知度の向上や独自機能の投入により、持続的な成長と利益の積み上げを目指していく方針である。
(2) エンターテック事業
引き続き、バーチャルライブプラットフォームとIP展開による垂直統合型の事業構造により、バーチャルライブの普及(プラットフォームの強化)を推進していく戦略である。特に、バーチャルライブプラットフォームについては、VRでの音楽ライブ体験に加え、新たなVRソーシャル機能(自分だけのアバダー機能の作成やフレンド機能、特設ワールドの設置等)により、これまでにない音楽体験(音楽体験の、次のあたりまえを創る)を提供し、圧倒的なポジションを確立していく。さらには、市場の大きな中国への展開も視野に入れており、世界最先端ライブ特化型仮想空間SNSの開発、中国市場との強いパイプ、中国でも人気の高い日本IPの誘致、日本のトップクリエーターと新規IPの開発などを通じて市場を開拓し、爆発力のある成長を目指す構想を描いている。
2. 財務方針
積み上げ型の『with』(マッチング事業)を中心に財務体質を改善し、当面は既存のファイナンススキーム(ドイツ銀行割当新株予約権)を除き、新たに希釈化を生じさせるスキームは組まない方針である。
3. 弊社の注目点
弊社でも、積み上げ型の『with』が順調に伸びており、今後も収益の底上げが期待できることや、これまで利益を圧迫してきた『INSPIX WORLD』への先行投資が一巡することにより、同社の収益構造は大きく改善に向かうものとみている。注目すべきは、新たな価値を提供する『INSPIX WORLD』への展開により、どのくらいの収益の上乗せが期待できるかにあろう。マネタイズの仕組みやライブ当たりの原価のかかり方など、収益性を判断するうえでまだ見えない部分があり、しばらくは試行錯誤となる可能性も否定できないが、今後どのような立ち上がりを見せ、どのように収益モデルを確立していくのかが、将来性を占ううえで重要な判断材料として注目している。いずれにしてもうまく軌道に乗ってくれば、他に類を見ない新たな音楽体験を提供するバーチャルライブプラットフォームとして大きな可能性を期待しても良いであろう。また、バーチャルライブプラットフォームと自社IP展開による垂直統合型の事業構造についても、相互にプラスの効果を生み出す仕組みとして理にかなった戦略と評価しており、同社ならではシナジー創出(バーチャルライブプラットフォームと自社IPの連携による価値創出等)がポイントになるとみている。さらに中長期目線では、市場の大きな中国市場への展開にも注目していきたい。
■株主還元
配当による株主還元はしばらく見送りとなる公算
同社では、財務体質の強化と事業拡大のための内部留保の充実を図ることが重要であると考え、過去において配当の実績はない。2021年9月期も無配を予定している。弊社では、これから本格的な成長ステージに入っていくとする同社の成長戦略から見て、配当による株主還元はしばらく見送られる公算が大きいと見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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