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イグニスのニュース
■業績見通し
1. 2021年9月期の業績予想
2021年9月期の業績予想についてイグニス<3689>は、売上高を前期比23.2%増の7,000百万円と大幅な増収で、過去最高の売上高を見込んでいる。一方、利益予想については現時点で非公表としている。
売上高は、引き続き『with』(マッチング事業)が順調に伸びるほか、「エンターテック事業」が『INSPIX WORLD』のローンチ等により大きく拡大する見通しとなっている。ただし、「エンターテック事業」については、コロナの影響を含め、『INSPIX WORLD』のローンチの時期やライブスケジュール、売上予測などに不確定要素が多く存在するため、保守的な想定となっているようだ。また、依然として投資フェーズにある医療機関向けSaaS等による「その他」の売上貢献についても、現時点で織り込んでいない。事業別の売上高では、「マッチング事業」を前期比39.4%増の6,100百万円、「エンターテック事業」を同163.9%増の900百万円と見込んでいる。
一方、利益予想についても、『with』による利益の底上げを見込むものの、『INSPIX WORLD』への開発費用などに不確定要素があるため、現時点では非公表としている。
2. 弊社の見方
事業別の売上高予想に目を向けると、「マッチング事業」の伸びについては、外部要因(オンライン恋活・婚活マッチングサービス市場の拡大)や内部要因(広告費の積極投入による足元業績の伸び等)から判断して、高成長を継続していくことは可能であるとみている。一方、「エンターテック事業」については、『INSPIX WORLD』のローンチのタイミングしだいと言えそうだ。早期ローンチが実現すれば、すでに『INSPIX WORLD』を活用した「初音ミク GALAXY LIVE 2021」の開催が決定しているうえ、他社IPの企画についても開発・準備中であることから、売上高予想の達成も十分に視界に入ってくるものと考えられる。また、IP関連についても、コロナの影響を受けながらも、市場環境に対応した新たな手法などにより、一定の積み上げは可能であると判断している。
一方、利益面については、『INSPIX WORLD』への開発費用等が不確定要素となっているなかで、営業黒字への転換を実現できるかどうかが最低限の注目点と言える。その点では、『INSPIX WORLD』への開発費用と『with』による利益の積み上げのバランスをどう見るかが重要な判断材料となろう。ひとつの考え方として、仮に『with』の売上高が6,100百万円の予想を達成したとすると、営業利益率の実績や直近業績の伸び率に基づいて試算すると、2,000百万円を超える営業利益が期待できる。一方、「エンターテック事業」の前期の営業損失は1,710百万円であったことから、そこは十分にカバーしており、極端な不採算案件が発生しない限り、少なくても営業黒字への転換は可能であると判断しても良いであろう。したがって、『INSPIX WORLD』への開発費用を抑えるとともに、マネタイズの仕組みを早期に確立することにより、どの程度のアップサイド(利益の積み上げ)を目指していくのかが最大のポイントになると捉えている。ただ、他社との圧倒的な差別化を図るため、クオリティの追求やノウハウの蓄積を優先すべき段階にあることから、案件によっては想定以上の費用をかける可能性も否定できないため、そこは慎重に見ていく必要があろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1. 2021年9月期の業績予想
2021年9月期の業績予想についてイグニス<3689>は、売上高を前期比23.2%増の7,000百万円と大幅な増収で、過去最高の売上高を見込んでいる。一方、利益予想については現時点で非公表としている。
売上高は、引き続き『with』(マッチング事業)が順調に伸びるほか、「エンターテック事業」が『INSPIX WORLD』のローンチ等により大きく拡大する見通しとなっている。ただし、「エンターテック事業」については、コロナの影響を含め、『INSPIX WORLD』のローンチの時期やライブスケジュール、売上予測などに不確定要素が多く存在するため、保守的な想定となっているようだ。また、依然として投資フェーズにある医療機関向けSaaS等による「その他」の売上貢献についても、現時点で織り込んでいない。事業別の売上高では、「マッチング事業」を前期比39.4%増の6,100百万円、「エンターテック事業」を同163.9%増の900百万円と見込んでいる。
一方、利益予想についても、『with』による利益の底上げを見込むものの、『INSPIX WORLD』への開発費用などに不確定要素があるため、現時点では非公表としている。
2. 弊社の見方
事業別の売上高予想に目を向けると、「マッチング事業」の伸びについては、外部要因(オンライン恋活・婚活マッチングサービス市場の拡大)や内部要因(広告費の積極投入による足元業績の伸び等)から判断して、高成長を継続していくことは可能であるとみている。一方、「エンターテック事業」については、『INSPIX WORLD』のローンチのタイミングしだいと言えそうだ。早期ローンチが実現すれば、すでに『INSPIX WORLD』を活用した「初音ミク GALAXY LIVE 2021」の開催が決定しているうえ、他社IPの企画についても開発・準備中であることから、売上高予想の達成も十分に視界に入ってくるものと考えられる。また、IP関連についても、コロナの影響を受けながらも、市場環境に対応した新たな手法などにより、一定の積み上げは可能であると判断している。
一方、利益面については、『INSPIX WORLD』への開発費用等が不確定要素となっているなかで、営業黒字への転換を実現できるかどうかが最低限の注目点と言える。その点では、『INSPIX WORLD』への開発費用と『with』による利益の積み上げのバランスをどう見るかが重要な判断材料となろう。ひとつの考え方として、仮に『with』の売上高が6,100百万円の予想を達成したとすると、営業利益率の実績や直近業績の伸び率に基づいて試算すると、2,000百万円を超える営業利益が期待できる。一方、「エンターテック事業」の前期の営業損失は1,710百万円であったことから、そこは十分にカバーしており、極端な不採算案件が発生しない限り、少なくても営業黒字への転換は可能であると判断しても良いであろう。したがって、『INSPIX WORLD』への開発費用を抑えるとともに、マネタイズの仕組みを早期に確立することにより、どの程度のアップサイド(利益の積み上げ)を目指していくのかが最大のポイントになると捉えている。ただ、他社との圧倒的な差別化を図るため、クオリティの追求やノウハウの蓄積を優先すべき段階にあることから、案件によっては想定以上の費用をかける可能性も否定できないため、そこは慎重に見ていく必要があろう。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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