＜動意株・２９日＞（大引け）＝ボヤージュ、ＮＳユナイテッド海運、中村超硬など

　ＶＯＹＡＧＥ　ＧＲＯＵＰ<3688.T>＝後場一段高。同社はきょう、確定拠出年金向け匿名ＳＮＳ「Ｍｏｎｄａｙ　アルファ版」の実証実験を開始すると発表した。同社は、１７年１月から確定拠出年金制度の法改正が施行され、加入対象が大幅に拡張されたことを背景に、ＱＵＩＣＫ（東京都中央区）の国内投資信託情報やＱＵＩＣＫ　Ｍｏｎｅｙ　Ｗｏｒｌｄのマーケットレポートなどを生かし、確定拠出年金向け匿名ＳＮＳ「Ｍｏｎｄａｙ　アルファ版」を開発。これを利用することで、ユーザーは社内で匿名によって確定拠出年金に関しての資産割合や商品構成を共有したり、質問したり、コメントすることができる。

　ＮＳユナイテッド海運<9110.T>＝後場上昇加速。同社は筆頭株主の新日鉄住金<5401.T>を大口荷主とし、鉄鉱石などを運ぶばら積み船を主力としている。ここにきてばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数は戻り歩調を強めている。前日時点で２６ポイント高の９２９と５日続伸、５月２４日以来約１カ月ぶりの水準を回復しており、これが同社株にとって追い風材料となっている。

　中村超硬<6166.T>＝急反発。いちよし経済研究所は２８日、同社株のフェアバリューを１２００円から２２００円に引き上げた。レーティングの「Ｂ」は継続した。同社は太陽電池ウエハ切断用ダイヤモンドワイヤ中心の電子材料スライス周辺事業が主力。多結晶ウエハ切断用ダイヤモンドワイヤ（電子材料スライス周辺事業）の需要が想定以上に強いことに加え、生産性向上や原価低減効果も見込み同証券では１８年３月期の営業利益予想を従来の３億円から８億円に引き上げたほか、１９年３月期は同５億円を１３億円に見直している。ただ、事業環境の急激な変化や中国ワイヤメーカーの台頭などもリスク要因として挙げている。

　Ｊ．フロント　リテイリング<3086.T>＝４日ぶり大幅高。同社が２８日取引終了後に発表した１８年２月期の第１四半期（３～５月）連結決算は、売上収益が１１４０億８４００万円（前年同期比４．０％増）、営業利益は１２９億９２００万円（同３６．８％増）、最終利益は８７億２０００万円（同２３．１％増）と高水準の伸びを示しており、これがポジティブサプライズとなって買いを誘っている。インバウンド消費が好調で収益を押し上げる格好となった。通期業績予想は従来見通しを据え置いているが、不動産売却効果もあって通期最終利益２６５億円（前期比２．６％減）予想に対する第１四半期の進捗率は３２．９％に達している。

　日本カーバイド工業<4064.T>＝大幅続伸。低位株物色の波に乗り動意本番の様相となってきた。電子材料やファインケミカル分野にも展開する化学メーカーで、子会社で手掛けるアルミ建材がマンション向けに好調で業績に貢献している。ＰＢＲは依然として０．８倍前後と解散価値を大きく下回り、割安感がある。材料株素地に富み、２０１３年に特定資金の買い攻勢思惑を背景に大相場を形成、同年６～７月に８００円台目前まで買われた実績がある。

　カネヨウ<3209.T>＝一時ストップ高し、年初来高値更新。２０１３年１０月につけた１５３円を抜き２００６年６月以来１１年ぶりの高値圏に突入している。兼松系でインテリアや寝装品を手掛けており、業績は回復トレンド。前１７年３月期営業利益段階で前の期の３．６倍と高変化を示し、１８年３月期も増益を維持する見通しにある。ここ動意含みにあったが、一気に低位株物色の波に乗った。

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出所：株経ONLINE（株式会社みんかぶ）