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メディアドゥ、電子書籍流通事業が牽引し引き続き増収増益 日本コンテンツの海外展開に向けた体制構築も進捗
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苅田明史氏(以下、苅田):みなさま、株式会社メディアドゥの2026年2月期第3四半期の決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。代表取締役副社長CFOの苅田です。本年もどうぞよろしくお願いします。
本日は、私から決算ハイライトと業績推移について、藤田から成長戦略についてご説明します。
Executive Summary

エグゼクティブサマリーについてはスライドをご確認ください。
連結業績ハイライト

連結業績ハイライトについてご説明します。2026年2月期第3四半期累計の連結業績は、売上高が805億円、前年同期比6.7パーセントの成長、50億6,000万円の増収となっています。これは電子書籍流通事業において、既存商流と新規商流の両方が成長に貢献した結果です。
EBITDAは前年同期比で1億3,000万円増の28億円、営業利益は2億1,000万円増の19億円となりました。これらは戦略投資事業、主にIP・ソリューション事業における赤字幅の改善が貢献したものです。
親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比で7億2,000万円増の16億3,000万円となりました。これは、2025年3月に当社の持分法適用会社であったMyAnimeList(MAL)の売却益計上に伴う特別利益を計上したことにより、前年同期比で大きく増加したためです。
通期業績進捗率

業績進捗率についてご説明します。売上高は805億円で、通期予想に対する進捗率は76パーセントです。EBITDAと営業利益の進捗率は、それぞれ71.4パーセントと70.2パーセント、親会社株主に帰属する当期純利益の進捗率は81.6パーセントです。
第3四半期は第2四半期や第4四半期と比べて、売上高や利益が少なくなる傾向があります。そのため、現時点での売上高進捗率76パーセントは、よい数字だと考えています。
EBITDAと営業利益についても、昨年は第3四半期までで、EBITDAの進捗率が71.4パーセント、営業利益の進捗率が68.3パーセントでした。こちらを踏まえると、今期の通期予想に対する第3四半期までの進捗は、昨年とほぼ同等の水準となっています。
セグメント別売上高

セグメント別の売上高についてご説明します。当社は、電子書籍流通事業と戦略投資事業の2つに分けてセグメント別に報告・開示を行っています。
Webサービス運営は、前年同期比で売上高が減少しましたが、これは前年度末に売却したエブリスタの影響によるものです。それ以外の各事業については、前年同期比で引き続き成長しています。
概況

業績の推移についてご説明します。まずは連結業績です。売上高は第3四半期累計で805億円となっています。今期は第1四半期から第3四半期まで、各四半期で前年同期を上回って推移しています。
営業利益については、第1四半期と第2四半期は前年同期比で増加していますが、第3四半期は前年同期比で減少しています。一方、進捗率については先ほどご説明したとおり、前期は68.3パーセントでしたが、今期はそれを上回って推移しています。
営業利益率は、前期の第3四半期までが2.2パーセントだったのに対し、今期は2.4パーセントと、戦略投資事業の赤字幅の縮小に伴い、徐々に改善しています。
売上高推移(セグメント別)

売上高をセグメント別に分解したものが、スライドのグラフです。棒グラフの紺色は電子書籍流通事業、水色は戦略投資事業の売上高を示しています。今期の電子書籍流通事業は、各四半期で前年同期を上回る推移となっています。
戦略投資事業は前年同期比で減少していますが、先ほどお伝えしたようにエブリスタの売却影響があったためです。それを除けば、前年比でいずれの四半期においても増収となっています。
営業利益推移(セグメント別)

セグメント別の営業利益の推移についてご説明します。第3四半期単体の営業利益は5億800万円となりました。内訳としては、電子書籍流通事業が11億9,500万円と、前年同期比で増益となっています。
一方で、第3四半期の戦略投資事業の赤字額は2億600万円、さらに調整額(本部費用を含む)が4億8,000万円となり、これらは前年同期比で赤字幅が拡大しました。
戦略投資事業は、第3四半期において日本文芸社の業績不振が影響し、営業赤字が拡大しました。調整額(本部費用)については、研究開発費の計上により前年同期比で増加しています。
著作料等原価推移

著作料等原価の推移は、売上高の増減に伴って変動する傾向にあります。
売上原価・販管費推移(著作料等以外)

著作料以外の販管費の推移についてご説明します。今期第1四半期、第2四半期は、販管費を比較的抑制していました。
第3四半期に関しては、子会社のフライヤーがM&AによりAIStep社を獲得し、同社が連結開始となったことが影響しています。また、Bリーグのシーズンが9月末から始まったことに伴い、費用が増加しました。
売上高前年比成長率

電子書籍流通事業についてご説明します。スライドのグラフは、売上高の前年比成長率の推移を示したものです。青の折れ線グラフが今期の実績、黒の折れ線グラフが前期の実績を表しています。
今期の第3四半期累計の成長率は、前年比で8.3パーセントとなっています。内訳は、既存商流の成長率が5.7パーセント、新規商流の成長率が2.6パーセントです。
前年の通期累計成長率は8.9パーセントであり、内訳は既存商流が4.0パーセント、新規商流については「ピッコマ」商流の影響が寄与し、4.9パーセントとなりました。今期は既存商流の成長率が5.7パーセントと、前期の4.0パーセントを上回っています。
また、今期は7月から「めちゃコミック」(アムタス社)の新規商流を獲得しており、7月から11月までの新規商流成長率は、4.2パーセントとなりました。前年同様に既存商流の成長と新規商流の獲得が成長に貢献し、今期は前期比で8.3パーセントの成長となりました。
売上高・営業利益推移

四半期ごとの売上高と営業利益については、スライドをご覧ください。
コスト構造(著作料等を除く原価・販管費)

コスト構造についてご説明します。第3四半期は季節性として売上が減少する傾向にあるため、販管費率は第2四半期比で増加しました。ただし、販管費の金額自体は第2四半期とほぼ変わらない水準に抑制できています。
戦略投資事業の主なサービス概要

戦略投資事業についてご説明します。今期から国際事業、IP・ソリューション事業、SC(Sustainability Creation)事業の3つで構成しています。
売上高・営業利益推移

今期は前年比での増収、および営業損益における赤字幅の縮小を目指してきました。
営業損益の赤字幅は、前年通期で9億5,200万円だったところ、今期は4億1,000万円と、約5億円改善することを見込んでいました。しかし、第3四半期単体で赤字幅が拡大したことにより、第3四半期時点の累計赤字幅は4億5,300万円となっています。
第4四半期も引き続き赤字を想定しているため、期初予想の4億1,000万円という赤字幅に抑えるのは難しいと考えています。一方で、電子書籍流通事業が好調であることから、今回は通期の業績予想については変更していません。
コスト構造

戦略投資事業のコストについては、先ほどご説明したとおり、第3四半期からフライヤーにおけるAIStep社の連結開始と、Bリーグのシーズンインにより増加しました。
営業利益 前年同期比較

戦略投資事業の営業利益の前年同期比較について、スライドのグラフで示しています。前期第3四半期累計の営業赤字は7億9,500万円でした。
一方、今期第3四半期累計の営業赤字は4億5,300万円となり、3億4,200万円の改善を達成しました。主に貢献したのが、IP・ソリューション事業です。日本文芸社、フライヤーおよびその他の合計で約2億円の改善となりました。
また、調整額で1億5,400万円の改善となりました。これは、前期に減損を行ったことに伴う、今期ののれん償却費の減少が影響しています。
IP・ソリューション事業に関しては、日本文芸社において第2四半期までに1億7,000万円の改善を実現しました。しかし、第3四半期は前年同期比で赤字幅が拡大したため、第3四半期累計の改善幅は1億600万円にとどまりました。
日本文芸社:実用書の成功に続き、コミックの改革に注力

日本文芸社について、第2四半期までは特に実用書分野で抜本的な改革が進んでいました。これまで拡大が難しかったさまざまなジャンルについての取り組みを増やしたほか、各作品にリソースを集中させて刊行点数を適切にコントロールしました。
その結果、第3四半期は、買収後としては利益が最高水準に達しました。第4四半期以降も、この取り組みを継続していきます。
一方、コミックについては、過去にヒットした特定のジャンルへの依存や、各作品にかけるリソースが分散していたという状況でした。
このような中長期的な課題に十分に対応できていなかったものの、第2四半期までは作品のメディア化やヒット作が寄与し、業績悪化は目立ちませんでした。しかし、人気作品が完結した影響等もあり、第3四半期では前年同期比で業績が悪化しました。
実用書で進めてきた改革を、コミックにも適用することで、抜本的な改革を目指しています。特に編集部門の強化に関しては昨年秋からすでに取り組んでいます。
すぐに効果が出るものではありませんが、第4四半期以降も引き続き改革を進め、一刻も早く日本文芸社を買収時の業績水準に戻したいと考えています。
フライヤー:既存事業の成長回復とM&Aにより収益基盤を拡大

フライヤーに関する詳細は、フライヤーが開示している資料をご覧いただければと思います。
フライヤーの事業は、法人向けおよび個人向けの売上高の成長によって支えられています。今期は上期に法人向け事業が伸び悩みましたが、第3四半期で再び成長基調に入りました。
個人向け事業については、昨年から伸び悩んでいましたが、9月に買収したAIStep社(生成AIワーカーの教育支援事業を展開)の獲得により、第3四半期から売上・利益両面で貢献しています。
このように、事業成長とM&Aを両輪で行うことで、フライヤーの業績拡大を図っていきたいと考えています。
P/L実績

P/Lの詳細についてはスライドをご確認ください。
B/S実績

B/Sの詳細についてはスライドをご確認ください。続きまして、成長戦略についてご説明します。
中期経営計画における成長戦略の軸は3つ

藤田恭嗣氏(以下、藤田):代表取締役社長CEOの藤田です。本年もどうぞよろしくお願いします。私から、当社の成長戦略についてお話しします。
昨年4月に中期経営計画(5ヶ年)を発表し、成長戦略の軸として、3つの柱を掲げました。引き続き、国内の電子書籍流通事業を当社の成長基盤として確固たるポジションを確立しながら、新たなポジションの確立にも取り組んでいきます。
日本の人口減少にともない、コンテンツの数や売れ行きが減少するリスクがあります。それを防ぐためにも、作家の先生や出版社のみなさまとともに作り上げたマンガをはじめとする文字ものや雑誌など、日本が生み出したすばらしいコンテンツの価値を高めていく必要があります。
さらに、近年のインバウンド需要や円安の影響を受け、日本のコンテンツが世界に進出するチャンスが広がっています。この好機を活かし、AIテクノロジーなども活用しながら、海外展開を力強く推進していきたいと考えています。
当社のビジョンは「ひとつでも多くのコンテンツを、ひとりでも多くの人に届ける」というものです。従来はベースが日本語で、その下に英語で「MORE CONTENT FOR MORE PEOPLE!」と記載していました。
中期経営計画において、日本語と英語を逆転させ、日本のコンテンツを英語圏をはじめとする世界中に広げていくことを目指し、海外展開と、地方創生(SC)事業を推進しています。特にSC(Sustainability Creation)事業については、単に地方創生を行うだけでなく、日本が持続可能であり続けるために必要な視点で取り組んでいます。地方には隠れたアセットがあり、それにビジネスやテクノロジーを加えることで、新たな価値を創造できる可能性があります。このようなアセットを日本全国で活用することができれば、日本全体の活力向上につながると確信しています。
当社は、このようなアプローチで事業を展開し、先頭を走る存在であり続けたいと考えています。そのため、あえて「地方創生事業」とは謳わず、これを「SC(Sustainability Creation)事業」として展開しています。
メディアドゥは国内最大手の電子書籍取次として出版業界における圧倒的なポジションを確立

当社は、国内最大手の電子書籍取次事業者として、引き続き日本の出版社および読者に貢献していきたいと考えています。
当社は、年間でおおよそ90万点のコンテンツを各出版社からお預かりする役割を担っています。
また、当社は日本国内で電子書籍の流通・ビジネスを行っているほぼすべての出版社と直接契約を結んでいる点が、他社と大きく異なっています。
直接契約をしていることで、新しい提案がしやすい環境にあります。例えば海外展開を行う際には新しい契約が必要になる場合がありますが、一般的な企業では、出版社に対してゼロから提案を行い、新規開拓を進める必要があります。
しかし当社の場合、毎月の取引に基づく取引口座がすでに存在しているため、それを前提に新しい提案を行うことが、非常に容易なポジションにあると考えています。
現在までに、当社にお預けいただいているコンテンツは317万超に達し、日本国内の150店以上の電子書店にコンテンツを提供しています。
流通総額は昨年度実績で1,820億円となっており、今年度は2,000億円に近づく見込みです。Amazonの「Kindle」に次いで、当社の流通総額は全世界で第2位のポジションを維持しています。
メディアドゥはビジョンをアップデート 世界中に日本のコンテンツを届ける

そのような中で、当社は今後、本格的に日本のコンテンツを海外に向けて発信していこうと考えています。日本国内にとどまることなく、海外展開においても、日本のコンテンツ、日本の出版社、日本の作家の先生方に心から喜んでいただける、「メディアドゥがあってよかった」と評価いただけるような存在になることが、当社の存在意義であると考えています。
そのため、現在お預かりしているコンテンツの中で、各出版社から翻訳および海外展開について許諾をいただいたコンテンツについては、当社が翻訳を行い、日本国内の1億人だけでなく、全世界の80億人に向けて展開していきたいと思います。
日本の“本”を世界に届けるゲートウェイとして代替不可能なポジションを築く

当社は、日本のコンテンツを世界に届けるゲートウェイとして、各出版社からお預かりしたコンテンツの翻訳、印刷・流通、マーケティング・PRを手掛けています。特に電子書籍やオーディオブックは、当社の得意とする分野です。
紙書籍については、これまで日本国内では事業を展開していませんでした。しかし海外では、紙書籍の市場が電子に比べて圧倒的に大きいため、当社は紙書籍についても新たな挑戦をしていきたいと考えています。
各国の出版市場では、依然として紙が圧倒的に主流 海外展開においては紙書籍市場を攻略する必要

海外の出版業界および紙書籍市場の状況についてご説明します。スライドをご覧のとおり、日本は左から2番目に位置し、紙書籍と電子書籍を合わせた出版市場の規模は1兆5,716億円となっています。そのうち電子書籍が占める比率は36パーセント、紙書籍は64パーセントです。
一方、アメリカでは紙書籍が88パーセントを占め、電子書籍は12パーセントにとどまっています。また、全世界の平均では、電子書籍の比率は11パーセントに過ぎず、依然として紙書籍の流通が主流であることが、日本との大きな違いと言えます。
このような状況の中で当社が海外展開を行うにあたり、日本の出版社の作品をお預かりし、翻訳して流通させ、外貨を稼ぎ、還元していくためには、電子書籍やオーディオブックだけでなく、紙書籍の市場にも挑戦することが重要だと考えています。
日本国内では、例えば講談社、小学館、集英社、KADOKAWAなどの大手出版社は、アメリカに現地法人を設立し、自社の流通システムを確立しています。しかし、中小の出版社や書店については、海外展開がまだこれからという状況です。
また、大手出版社であっても、現在の流通経路を活用して、日本国内で生み出されたすべてのコンテンツを海外に流通させられているかというと、まだ十分ではありません。この点で、当社は大手出版社の海外展開についてもサポートする余地があると考えています。
各出版社から「メディアドゥがいてくれてよかった」と感じていただけるよう、紙書籍を主とした海外展開を推進していくための調査・マーケティングを進めています。
日本コンテンツの海外展開において重要な紙書籍の海外流通網の確保に注力

日本のコンテンツの海外展開においては、コンテンツの獲得と契約が重要です。これについては、当社がすでに締結している出版社との契約を基盤とし、各出版社や作家の先生からコンテンツの許諾を得るかたちになります。
また、すでに翻訳されている場合は流通をお手伝いし、翻訳されていない場合は、できるだけ早く、コストを抑えた翻訳を進めていきます。
この部分で、当社が開発しているAIテクノロジーを活用していく方針です。この仕組みを「MDTS(MediaDo Translation System)」と呼んでいます。
当社の取り組みにおいて特に重要となるのが、「現地流通網」です。具体的には、印刷や配送の方法、お客さまとの窓口となるリアル書店との連携などが挙げられます。
こちらに関しては、当社の常勤取締役である関谷が、KADOKAWAにおいて、30年以上にわたって書店と徹底して向き合ってきた経験に基づくノウハウを活用します。
そして、制作した作品はマーケティングを行う必要があります。この点については、当社が2016年に海外で設立した拠点、Media Do International, Inc.や、「NetGalley」「Booktrovert」といったマーケティングツールを活用して展開していきたいと考えています。
制作期間と制作コストの大幅な削減を目的として、翻訳家の業務をサポートするMDTSを開発

「MDTS」というAIを活用した翻訳システムについては、AIがすべてを翻訳することは現実的に難しく、当社が対応できるのは一部であると考えています。
ただし、その一部であっても、文章を翻訳した上で作品固有の対応を行ったり、本のレイアウトを調整したり、最終的にはデザインの確認を含む最終調整を行うため、人が対応するとなると多くの時間と工数を要します。
通常、本の翻訳から流通までには約5ヶ月かかるところ、当社ではMDTSの活用により大幅に期間を短縮し、約2ヶ月での完了を目指しています。
紙書籍の現地流通網を早期に確立し、2026年中に本格的な流通開始を目指す

現在、「MDTS」というAI翻訳システムは、文字ものの翻訳において完成しています。一方で、マンガや雑誌に向けた画像認識の開発も進めています。
これらを用いて翻訳期間の短縮を実現した後は、流通網の確保が必須となります。こちらについても、積極的に取り組んでいきたいと考えています。
現在のSC事業は大きく分けて2つ 地域との信頼をもとに、事業を推進

SC事業(地方創生事業)についてご説明します。現在の当社のSC事業は、大きく分けて2つです。
1つは起業家支援です。この起業家支援は、当社が販売する商品ではなく、これにより直接的に売上が立つものではありません。しかし、本質的に地方創生を考える際、人口減少や地方衰退が課題となります。それを数字で表現すると、例えば100が99になり、99が98になるといった状況を指します。
これを「100にする(元に戻す)」だけでなく「100を101にする(付加価値を上げる)」取り組みが重要です。そのために必要なのは、「0から1をつくることができる」起業家の力です。当社は、日本全国に起業家を輩出し続けるメカニズムを構築することが、地方創生の鍵であると考えています。
地方の経営をつかさどるのは、行政、メディア、そして金融機関です。この3つの領域に各種情報が集まっていると考えています。そこで、行政、メディア、金融機関と、当社が支援する起業家が連携し、後世にわたって起業家やアントレプレナーシップを持った人材を輩出し続ける仕組みを構築する必要があると考えています。
もう1つはスポーツ事業です。当社がBリーグで展開している「徳島ガンバロウズ」は、徳島を拠点とするプロバスケットボールクラブです。
徳島県をモデルケースに全国規模へ 全国の地域社会の発展に貢献しながら事業規模を拡大

当社が現在考えているSC事業のモデルについてです。地方創生というテーマはあまりにも面積が大きく、地域によって事情や背景も異なっています。
一方で、日本全国に共通する課題として、地方創生が重要になってきています。そのような中、私の出自である徳島県で、多くの方々とともに、さまざまなトライアルを行っています。そこで得られた成果をパッケージ化することで、他県にも応用できる可能性があると考えています。
徳島県で生み出された「徳島モデル」を、日本全国、さらには世界へ展開していきたいと考えています。
その1つとして、先ほどお伝えした起業家支援においては、2020年に当社が中心となって作り上げた仕組みが、現在では全国18道府県に展開されています。この取り組みは、2026年度中には25道府県に、さらに5年以内には東京都を除く46道府県に広がると予想しています。
このようなかたちで、徳島県のみなさまとともに構築したモデルを、いかにして日本全国および世界へ広げていくかが重要であると考えています。
いきなり日本全国で展開するのではなく、ある地域・地方で作り上げた成功モデルや実証実験の結果をもとに、具体的な提案を行うことで、前例がある分、みなさまにも理解しやすいものになると考えています。そのようなかたちで事業を進め広げていきたいと思っています。
このような中、私がSC事業の本丸と考えているのが、「地方創生事業において先頭を走る」ということです。例えば、「農業ならここだよね」や「漁業ならここだよね」といった企業や団体が挙げられるかもしれません。
それらを包含するような「地方創生」という大きな考え方の中で、先頭を走る企業はどこなのか。当社がその1つとなることができれば理想的だと考えており、事業展開をしていくのであれば、一等賞を狙いたいと思っています。その具体的な仕組みとして挙げられるのが、「SCカンファレンス」です。
第1回のSCカンファレンスは1,500名規模で開催予定 今後、規模を拡大しながら毎年開催

2026年7月30日に、日本全国から1,500名規模で地方創生のイベントを開催予定です。これは、日本全国の地方関係者や国(官庁)と連携しながら進めていきます。
地方行政やメディア、地方の金融機関、xIBやTIBから始まり、現在18県に広がっているプラットフォーム上で育った起業家のみなさまなど、あらゆる「地方の関係者」に参加いただきたいと考えています。官庁としては経済産業省、国土交通省、農林水産省など、幅広く連携しています。
この取り組みのマーケティングとして、2025年9月4日に「SC事業 1DAYカンファレンス 第ゼロ回」と題したイベントを開催しました。合計134名の方に参加いただき、当社が考える地方創生について、関係者のみなさまから高い関心と協力の姿勢をお寄せいただくことができました。
今後はさらにイベント規模を拡大し、今年は1,500人、来年には1万人、そして数年以内には10万人規模にしたいと考えています。
また、東京都でのイベント開催だけでなく、全国各地域に広げるプラットフォームを作り、イベントの事業化も進めていく考えです。
SCカンファレンスに向け、徳島で初の事業説明会を開催 様々な関係者とさらに強固な関係を構築

この「SCカンファレンス」について、「どこからどのように始めていくのか」「どのように説明し、どのように協力を仰いでいくのか」について、お話しします。
現在、官公庁のみなさまと連携を進めていますが、徳島でも協力いただきたいということで、昨年12月3日に徳島県でメディアドゥの事業説明会を開催しました。
説明会では、メディアドゥのテクノロジーを活用した電子書籍流通事業や海外展開についてご理解いただくための説明を行いました。
それだけでなく、徳島県のみなさまに対して、昨年4月にメディアドゥが開始したSC事業がどのようなものかを紹介するとともに、地方創生の可能性を語り合う企画として実施しました。
結果的に、170名のメディア関係者や銀行関係者、行政関係者、徳島県の後藤田知事をはじめ、その他の首長の方々にもご来場いただき、盛況のうちに終えることができました。この経験や学びを「SCカンファレンス」においても積極的に活かしていきたいと考えています。
徳島県版ダボス会議「うずしおサミット」を開催 地方の価値をグローバル視点で再発見

SC事業を立ち上げるに至った大きなきっかけは、昨年1月に開催した徳島県版ダボス会議「うずしおサミット」です。この会議は、2025年1月24日に第ゼロ回として、マーケティングの機会として開催しました。
会議のコンテンツとしては、「地方からのビジネス」「環境」「教育」「文化・芸術」の4つで開始しました。非常に盛況でしたので、今年は第1回として3月6日に開催予定です。主なテーマとして、スライドに掲げているさまざまな事項を中心に、このイベントを開催します。
このようなイベントを繰り返すことで、「地方創生はどうあるべきか」について、参加者である有識者のみなさまからの意見を反映し、事業の解像度と確度を高めていくことができると考えています。
また、この規模のイベントを次々に仕掛けていくことで、当社も「イベントをどのように設計し、イベント自体をどのように成功に導くのか」といった経験を積むことができると考えています。
徳島県版トビタテ!留学JAPANは9月に正式採択 徳島モデルとして他県にも拡大

「うずしおサミット」から派生したものとして、「徳島県版トビタテ!留学JAPAN」という取り組みがあります。これはメディアドゥの事業ではありませんが、地方創生を進めるにあたっては、さまざまな視点や角度から物事を捉える必要があります。
その最大公約数として、地方の方々に興味を持ってもらい、関心を寄せてもらい、味方になってもらうことが一番重要だと考えています。
また、地方創生は未来の大人たち、すなわち現在の子どもたちがどのように成長するかによって大きく左右されると考えています。
2013年から文部科学省は全国版の「トビタテ!留学JAPAN」という取り組みを実施しています。このプログラムは、返済不要の奨学金で日本の高校生および大学生が海外留学できるすばらしい制度です。そして、その徳島県版モデルとして、「徳島県版トビタテ!留学JAPAN」が昨年から始動しました。
この取り組みにおいて、徳島県の協力と、徳島県内企業14社の支援を受け、総額3,000万円の資金を拠出しました。この資金を活用して、県内からの留学高校生を毎年50名送り出すことを目指しています。
先週土曜日に、説明会を開催しました。スライドには、新聞にも掲載された説明会の様子が映し出されています。50名しか留学できない枠に対し、初回の説明会には親御さまを含めて150名もの方々にご参加いただきました。
徳島県においては、高校生が返済不要の奨学金を利用し、2週間から2ヶ月の留学が可能になります。学業の関係で留学期間が短期間にとどまっていますが、文部科学省からの認定を受けたこの制度を活用することで、当社がしっかりと地域貢献に取り組んでいると評価していただけているのではないかと考えています。
このような取り組みには、「何が正解か」「どこまでが事業なのか」といった課題もあると思います。しかし、地方創生事業を推進していくためには、地域・地方のみなさまからの信頼を地道に積み重ねていくことが大事だと考え、これらの取り組みを実施しています。
ガンバロウズは首位を快走 B1平均を超える満員率を維持

スポーツ事業についてご説明します。参入3年目である男子プロバスケットボールクラブ「徳島ガンバロウズ」に関しては、BリーグにおいてB1・B2・B3という3つのカテゴリがある中で、一番下のB3カテゴリではありますが、現在15クラブ中1位で、9連勝中です。
満員率については、B1平均やB2平均を上回る水準を、B3でありながら徳島県で確立できています。このような点からも、「徳島ガンバロウズ」がいかに徳島県で多くのみなさまに応援されているかをイメージいただけるのではないかと思います。
「ガンバロウズセブン」アプリがファンの粘着性を生み出し、クラブ経営力の向上に貢献 徳島モデルとして全国クラブへの普及を目指す

当社はBリーグに参戦し、徳島県をはじめとする地域を盛り上げていくことはもちろんのこと、私自身がBリーグの理事になったこともあり、徳島県だけでなく日本全国の盛り上がりについても考えていかなければならない立場にあります。
そのような中、一昨年から「ガンバロウズセブン」という新しい取り組みを始めました。この取り組みは「徳島ガンバロウズ」の試合会場にお越しいただいたファンのみなさまから非常に好評をいただいています。
これまでWebで提供していたものを、今月中にアプリとしてリリースし、「徳島ガンバロウズ」のファンのみなさまに利用いただきます。その結果を踏まえ、来シーズンには「徳島ガンバロウズ」で本格的にアプリを活用した取り組み内容をメディア化し、スポンサーのみなさまに提供します。この提供したパッケージを、日本全国(現在は55クラブ)に対してライセンスしていきたいと考えています。
現在、Bリーグのビジネス規模は、前年度実績でB3までを合わせて約810億円となっています。一方、Jリーグはその約2倍である約1,900億円に達しています。
Bリーグは、2030年頃にはJリーグと同規模の1,900億円まで拡大させることを目指しています。この「ガンバロウズセブン」は、全国展開する際には「Bセブン(仮称)」という名称に変更する予定です。
どのようなアプリかについてご説明すると、バスケットボールは点の取り合いが非常に激しいスポーツであり、平均的に80対80といったような展開になることが多いゲームです。その中で、1ゴール目から7ゴール目まで、「徳島ガンバロウズ」の選手の誰がゴールするかを予想して、試合開始前に投票します。
1ゴール目が当たり、2ゴール目も当たれば「2連単」、3ゴール目まで当たれば「3連単」と、難易度が上がっていきます。オープン懸賞とし、景品表示法に抵触しないかたちで、例えば「7連単」まで当たれば「自動車がもらえます」といったモデルにします。自動車メーカーにスポンサーしてもらうことが、広告となるモデルです。
このような取り組みを、まずは「徳島ガンバロウズ」でスタートさせます。単にクラブの勝利だけを目的とするのではなく、ファンがより深いレベルで楽しめる仕組みを構築し、クラブに収益をもたらすアプリの提供を目指しています。
B.LEAGUEは、B.革新によるリーグ構造の変革を通じて本格的な地方創生リーグへ

Bリーグについては、今シーズンまでは従来のB1・B2・B3というルールで運用されますが、9月末から10月頃に開始予定の来シーズンからは、「B.LEAGUE PREMIER」「B.LEAGUE ONE」「B.LEAGUE NEXT」という3つのカテゴリに変更されます。
「B.LEAGUE PREMIER」は、アリーナの設置が必須となるなど、高いレベルが求められます。これまでのB1が単純に「B.LEAGUE PREMIER」に名称変更されるのではなく、「Bリーグが目指すのはアメリカのNBAである」という考えのもと、NBAとB1の間に位置する格上げステージとして設けられます。
現在「徳島ガンバロウズ」はB3に該当していますが、来季以降は「B.LEAGUE ONE」への参入が確定しています。「B.LEAGUE ONE」は、B1とB2の間に位置付けられています。したがって、来シーズン以降はレベルが一気に高くなると見ています。
当社としては、リーグ構造が変わるタイミングであることや、「徳島ガンバロウズ」が現在3シーズン目であること、4シーズン目には「B.LEAGUE ONE」に参入する予定であること、さらに私がBリーグの理事になったこともあり、この流れをしっかりと組み込みつつ、事業化を進めていきたいと考えています。
徳島アリーナ整備計画を追い風にさらなる成長を目指す

この「徳島ガンバロウズ」ができたことによって、徳島県でホームアリーナ構想が進んでいます。
現在、「B.LEAGUE PREMIER」に昇格するためには、アリーナが必要です。つまり、アリーナが完成すれば、事業規模の拡大が見込まれます。
当社としては、「B.LEAGUE ONE」でしっかりと実績を積みながら、徳島県とともにアリーナ建設の実現を目指したいと考えています。
当社が直接資金を提供するわけではありませんが、県や国、そしてみなさまのお力添えをいただきながら、アリーナが完成した暁には、事業をさらに発展させ、徳島県を盛り上げるためのコンテンツに仕上げていきたいと思います。
株式の流動性と出版流通インフラ維持を目的とした、大規模買付行為に対する基本方針を導入

2025年12月29日に、当社は買収防衛策の導入を発表しました。この買収防衛策は、有事に対応するためのものです。
具体的に、当社に対して買収提案があったわけではありませんが、機関投資家である光通信株式会社が、当社の事業可能性を高く評価し、純投資として20パーセントまで株式を取得しました。
しかしながら、純投資という性質上、将来的に株式を売却する可能性があります。そのため、これ以上株式を取得された後に、一度に大量に売却されると、経営に大きな影響を及ぼすリスクがあります。
このような状況に対応するため、買収防衛策の導入を決定し、1月6日に株主の方々と私が直接お話ししました。「株主としては、基本的には投資的な魅力を感じており、長期的な保有を考えている」という、大変ありがたいお話をいただいています。通常ではあまりない取り組みを導入しましたので、ご説明しました。
私からのご説明は以上です。ありがとうございました。
質疑応答:海外展開における「現地流通網の確保に注力」について

質問者:海外展開での「現地流通網の確保に注力」という部分についてです。こちらは例えば、現地子会社を立ち上げるのか、あるいは配送では現地の既存物流網に相乗りするのか、具体的にどのようなかたちになりそうか教えてください。
藤田:当社はさまざまな可能性を検討しています。既存の流通業者に当社が印刷したものを乗せていただくことや、既存の出版社と提携して進めること、さらには既存の出版社と合弁会社を設立することなど、多岐にわたる選択肢を考えています。
まだ具体的に発表できる段階には至っていませんが、年内には方向性を正式に発表できる予定です。その際には、改めてご説明します。
質疑応答:中期経営計画の進捗と今後の見通しについて
質問者:業績の進捗として、中期経営計画の初年度である1年目をクリアする見込みに見えるのですが、2年目、3年目については、どのように進捗を示す計画になるのか、お話しいただける範囲で教えてください。
藤田:中期経営計画は、既存事業を主軸に作成しており、海外流通などの新規事業は含めていません。
新規事業の進捗により、投資コストがかかる可能性もありますが、売上が立つ可能性もあります。そのような点も鑑みながら、当社は来年・再来年ともに計画を達成するべく事業を構築しています。
質疑応答:海外における日本コンテンツの評価と、徳島地方創生の進捗について
質問者:海外における日本のコンテンツの人気についてです。昨年、中期経営計画を出された時期よりも、文字ものなどで賞を取る話題が増えていると感じています。そのため、想定と比べて、よい意味で変化しているのではないかとお見受けします。感触的なところも含めて意見をお聞きしたいと思います。また、徳島の地方創生についても、中期経営計画を発表された時期と比べるとかなり進展しているのではないかと思います。当初の想定と現在の状況の違いについて、あわせて教えてください。
藤田:まず、日本のコンテンツが海外でどのように評価されているのかについてです。もともと高い評価を得ていましたが、ご質問いただいたとおり、当社が中期経営計画を発表した後、さらに日本のコンテンツが求められていると実感しています。
日本政府、特に経済産業省や文部科学省、その他の関連機関から、日本コンテンツを世界に発信することへの注目度が高まっています。それに伴い、補助金や助成金といった予算も充実してきています。
具体的には、まず翻訳への助成が挙げられます。一方で、まだ十分ではないと感じるのが、流通に対する助成です。そのため、当社としては、コンテンツの流通において、このような助成が利用可能になれば大変ありがたいと考えています。今後も、このような支援を受けられるよう交渉を進めていきます。
日本政府としても「JAPANコンテンツ」を、マンガや文字もの、アニメを含めて国を挙げて世界に発信していこうという意思が、より明確に打ち出されています。当社としても、これにしっかりと連携しながら展開していきたいと考えています。
SC事業(地方創生事業)についてですが、先ほどご説明したとおり、このSC事業を立ち上げるきっかけとなったのは、昨年1月に開催された徳島県版ダボス会議「うずしおサミット」です。イベントを実施したことで、その可能性や、多くの方が「ぜひやりたい」と考えていることが明確に分かりました。
一方、昨年4月に中期経営計画を発表した段階では、起業家支援事業とスポーツ事業という2つの事業についてお話ししましたが、それらの受け皿となるプラットフォームの構築までは、その時点では明確には見えていませんでした。
昨年9月4日に行ったイベントでは、官庁の関係者など多くの方の意見をうかがいながら進めた結果、非常に盛り上がり、「こういった仕掛けは世の中にないので、ぜひやってほしい」という要望もいただきました。
このように、SC事業では人々を巻き込み、出会いや情報交換、学びを提供するプラットフォームを構築することが本来の目的であると考えています。現在では、それを前提に事業を進めており、昨年4月の時点では見えていなかったものが、現在では明確になり、大きく進展したと考えています。
質問者:海外のコンテンツ流通に関して、流通手数料を得るようなモデルを想像していますが、新しい収益の取り方について、可能な範囲で教えてください。ビジネスモデルとして新しい要素を取り入れることを、今後検討されているのでしょうか?
藤田:まず大前提として、日本のコンテンツが世界でますます求められるようになっていることについて、私としては、市場が確立しつつあり成長していると考えています。
そのような状況では、どのようにコストを抑えて効率よく翻訳を進めるかが重要になります。一方で、翻訳にはコストが発生するため、その費用を当社と出版社でどのように按分するかについては、各出版社と相談するべき課題だと考えています。
また、これまで日本の出版社、特に中小出版社が海外展開を目指す際には、エージェントが関与していましたが、エージェントはあくまで仲介役であり、流通自体を担っているわけではありません。当社は流通を担う点で、大きく異なる立場にあると認識しています。
また、日本とアメリカの商習慣の違いにも適応する必要があります。その観点で言えば、新しいビジネスモデルというよりも、当社が従来行っていなかった「紙」という分野自体が新しいビジネスモデルであると捉えることができます。そのため、しっかりと流通体制を構築することが、当社にとって新しいビジネスになると考えています。
質疑応答:海外展開と今後の投資計画について
司会者:「2026年の海外展開について、先行投資の規模感を確認させてください。小規模で展開を開始されるのか、一定以上の規模で展開されるのか、どちらなのでしょうか?」というご質問です。
藤田:最初のご質問と重なる部分があるかもしれませんが、現在、ありとあらゆる方法を模索しています。当社が取り組むべきことはエージェントではなく流通業務だと考えており、それには現地企業との深いアライアンスが必要になると思います。
そのため、場合によってはB/Sを用いた展開になることも考えられますし、P/L的にコストがかかるシステム開発などが必要になる可能性もあります。また、デジタルでAIを活用するというよりは、むしろ「紙の流通をどうするか」という領域への投資が求められると考えています。
現時点では、具体的にご説明できる段階には至らず、調査・調整段階です。
質疑応答:文字ものとマンガ事業の業績改善施策について
司会者:「今回の第3四半期にて、戦略投資事業の足かせとなった日本文芸社の今後の見通しを教えてください」というご質問です。
苅田:先ほどご説明したとおり、文字もの、特に実用書に関しては、一昨年5月に新しく竹村社長が就任し、改革が進むにつれて業績は良くなってきています。
マンガに関しては、これまでメディア化作品による業績の下支えがあったものの、中期的な課題が第3四半期に露呈した状況です。
編集部の拡大や体制の見直しについてはすでに取り組んでいますが、これがすぐに効果を発揮するわけではなく、最終的には作品作りに関わる話となります。そのため、来期以降には改善の兆しを示せるのではないかと思います。
また、第4四半期以降においては、コスト削減を含むさまざまな取り組みや組織の見直しも進めています。こちらに関しては、一部では早い段階で効果を見通せる部分もあると考えています。
質疑応答:取次事業における新規取引先の動向について
司会者:「取次事業について、新規取引先の動きがあれば教えてください」というご質問です。
苅田:現状について、大きな新規取引先として「獲得できそう」といった具体名をご説明するのは難しい状況です。ただし、業界全体として電子書籍流通事業におけるキャンペーン数やファイル数の大幅な増加があり、取次の存在意義は引き続き見直され、その重要性が高まってきていると見ています。
そのため、当社としては今後も「ピッコマ」や「めちゃコミック」のように、さまざまな書店の商流の獲得を目指していきたいと考えています。
質疑応答:オーディオブック市場の拡大可能性について
司会者:「オーディオブックは成長ドライバーになりそうでしょうか?」というご質問です。
苅田:海外市場に比べると、日本のオーディオブック市場には大きな拡大余地が残されていると考えています。
当社はAmazonの「Audible」と協業しており、その成長性の高さは引き続き実感しています。一方で、オーディオブックについては、日本では「Audible」以外のメディアがほとんど存在していないように思います。
海外では「Spotify」や「Audible」など、多くのプレーヤーが切磋琢磨することで市場が成長していますが、日本ではまだそのような大きな動きは見られていないようです。
日本がマンガ分野で電子書籍市場を拡大させてきた背景には、さまざまなプレイヤーの新規参入があります。それにより市場が活性化し、大きく成長したと考えています。
当社としては、オーディオブック市場においても、今後さらに市場が活性化するような動きが見られればと考えています。
質疑応答:メディアドゥのビジネスモデルの優位性について
司会者:「電子書籍取次の成長の前提となる御社の優位性についてお聞きします。例えば、『メディアドゥを利用すれば流通規模を取れるため、競合他社よりも高い手数料を取れる』というような価格面での違いはありますか? また、他社との価格競争があれば教えてください」というご質問です。
苅田:日本の電子書籍取次というビジネスモデルは、他国ではあまり見られないものとなっていると考えています。これは市場構造や、さまざまなプレイヤーの状況が影響しているためです。
例えば、アメリカに比べて日本では、大手出版社の市場占有率がそれほど高くないことに加え、中小のプレイヤーが非常に多い構造になっています。電子書店のプラットフォームに関しても、多種多様なプレイヤーが存在しています。当社は、2,200社以上の出版社や150店以上の電子書店と取引を行っています。
すなわち、新規参入される場合には、電子書店であれば、2,200社以上の出版社とコミュニケーションを取る必要があります。出版社がさまざまな電子書店で配信を行うためには、それぞれのプレイヤーと契約を結び、毎月のファイル更新や売上管理、キャンペーン管理などを行う必要もあります。
当社は多種多様なプレイヤーと取引を行っており、出版社の場合、当社と契約するだけで複数の電子書店で配信が可能となります。電子書店においては、当社と契約することで、さまざまな出版社のコンテンツを入手できるといった体制を整えています。そのため、取引先のみなさまは、取引におけるカロリーを軽減し、流通におけるスピードを向上させることができると考えています。
当社の成長率は、電子書籍市場全体の成長率に沿ったものになると見ています。当社の既存商流の成長率は、市場全体の成長率に非常に近いものになってくるのではないかと考えています。
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