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【QAあり】ディジタルメディアプロフェッショナル、売上高は前期比+30%で過去最高を更新 各段階利益も上場来の最高益を達成

投稿:2024/05/21 11:00

目次

大澤剛氏(以下、大澤):代表取締役専務経営企画部長の大澤です。本日は、株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル2024年3月期決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。

本日は、2024年3月期決算と2025年3月期通期業績予想について私からご説明し、その後、今期の課題と取り組みについて山本からご説明します。

会社概要

2024年3月期決算のご説明に入る前に、当社の概要・強みについて簡単にご説明します。

当社は、2002年7月に大学発のベンチャー企業として発足以来、グラフィックス技術を核にして事業を行ってきました。GPU IPが任天堂のゲーム機に採用され、アミューズメント市場向けに2D/3D統合チップを投入して現在の収益の柱にするなど、大きな成果を上げてきました。

近年は、GPUと親和性の高いAI/Deep Learning領域に進出し、アルゴリズム・ソフトウェアからハードウェア、ならびにエッジからクラウドにわたる一貫した開発体制、製品・サービスを提供できることを強みとして、お客さまや社会のシリアスな課題の解決に貢献しています。

2024年3月期 - 業績ハイライト

2024年3月期の業績ハイライトについてご説明します。売上高は、前年同期比30パーセントアップで過去最高を更新しました。経常利益は11.5倍の増益となるなど、各段階利益は大幅増益し、上場以来の最高益となりました。

分野別では、6.5号機やスマートパチスロ機などパチスロ市場の活況により、アミューズメント分野の売上高が大幅に伸長しました。その他、ロボティクス分野は「Cambrianビジョンシステム」の売上が拡大、利益率の高いIPコアライセンス事業もGPU関連が堅調に推移しました。

2024年3月期 決算ハイライト - 損益計算書

P/Lの概要です。主にアミューズメント分野、製品事業の伸長が寄与し大幅増収となりました。売上高は30億1,600万円、前年同期比6億9,300万円の増収、増収率は29.9パーセントとなりました。

営業利益は3億2,800万円で、前年同期比3億100万円の増益となっています。経常利益は3億3,000万円で、前年同期比3億100万円の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は3億3,100万円で、前年同期比3億800万円の増益となるなど、利益面では大幅増益となりました。

なお、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、回収可能性のある部分について繰延税金資産を計上することとし、法人税等調整額として4,100万円を計上しました。加えて、賃上げ促進税制等の適用により税金費用も減少しています。

2024年3月期 決算ハイライト - 事業/分野別売上高

事業別/分野別の売上高です。

まず、事業別です。IPコアライセンス事業は、売上高1億7,000万円と、前年同期比35パーセントの減収となりました。

デジタル機器向けGPU関連の収益が堅調に推移しましたが、セーフティ分野における前年度のOTA(Over the Air)案件、すなわちエンドユーザー車両に設置された通信機能付きドライブレコーダーに当社ソフトウェアを無線でインストールすることによるロイヤリティ収入が剥落したことが主な要因です。

製品事業は、主に量産向けのグラフィックス半導体「RS1」の売上が大きく伸長したこと、ならびに「Cambrianビジョンシステム」の売上も拡大したことにより、売上高27億5,800万円と、前年同期比41パーセントの増収となりました。

プロフェッショナルサービス事業は、セーフティ、ロボティクス、GPU分野の受託開発サービスの売上を計上し、売上高8,700万円と、前年同期比17パーセントの減収となりました。

全体としては減収となりましたが、より広範なセーフティ分野向けやドローン向け、半導体製造装置領域向けの新しいPoC案件を獲得しました。これらが今後の成長の礎となっていくことを期待しています。

続いて、分野別です。セーフティ分野は、安定的なリカーリング収益に加えて、ドライブレコーダー向けや、より広範なセーフティ向けのプロフェッショナルサービスを提供したものの、製品売上やOTA案件が剥落し、売上高7,100万円と、前年同期比58パーセントの減収となりました。

ロボティクス分野は、「Cambrianビジョンシステム」などの製品事業の売上を計上し、売上高1億6,800万円と、前年同期比9パーセントの減収となりました。

アミューズメント分野は、「RS1」の好調な量産出荷により、売上高26億4,200万円と、前年同期比45パーセントの増収となりました。

その他分野では、堅調なGPU関連のライセンス収入、メンテナンスサポート収入を計上したものの、前年度第4四半期に計上した大型GPU IPライセンス案件の剥落もあり、売上高1億3,400万円と、前年同期比7パーセントの減収となりました。

2024年3月期 決算ハイライト - 貸借対照表

B/Sの概要です。2024年3月末の資産合計は39億1,900万円で、前年度末から7,700万円増加しました。これは主に、売掛金及び契約資産が5億8,700万円減少したこと、現金及び預金が1億6,700万円増加したこと、投資有価証券が4億7,500万円増加したことによるものです。

2024年3月末の負債合計は4億6,100万円で、前年度末から2億5,600万円減少しました。これは主に、買掛金が3億5,600万円減少したことによるものです。

2024年3月末の純資産は34億5,700万円で、前年度末から3億3,300万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、利益剰余金が3億3,100万円増加したことによるものです。

この結果、自己資本比率は88.2パーセントとなりました。引き続き、運転資金や研究開発体制の充実、事業成長に向けた投資資金を十分に確保しています。

2025年3月期 通期業績予想

2025年3月期の通期連結業績予想です。売上高は32億円で6.1パーセントの増収、営業利益・経常利益は3億5,000万円を予想しています。親会社株主に帰属する当期純利益は2億9,000万円で、現段階では繰延税金資産の積み増しや各種税制の適用による税金資産の減少等は織り込んでいません。

当社のパーパスである「Making the Image Intelligent」のもと、「安全安心社会の実現」、「社会課題の解決」に寄与する製品・サービスを創出、提供するとともに、画像処理半導体の安定成長を目指します。

分野別では、アミューズメント分野は「RS1」の安定成長を見込んでいます。

セーフティ分野/ロボティクス分野では、エッジ/クラウド対応AI画像認識ソフトウェアプラットフォームの「ZIA SAFE」、SLAM/自律運転ソフトウェアプラットフォームの「ZIA SLAM」「ZIA MOVE」、「Cambrianビジョンシステム」等の個別提供に加え、それらを組み合わせることで、お客さまに当社独自のソリューションを提供します。

また、本分野で培った独自技術、ビジネス知見、顧客基盤、エコシステムを統合した社会課題解決型新規ビジネスの創出と提供を図ります。後ほど、山本より詳しくご説明します。

その他分野では、GPU IPランニングロイヤリティ等の安定ビジネス基盤に加え、新規GPU/AI IPビジネスの獲得を見込んでいます。

DMPのPurpose

山本達夫氏(以下、山本):代表取締役会長兼社長CEOの山本です。私から課題と取り組みについてご説明します。

当社は昨年からパーパスとして、「Making the Image Intelligent」、「画像の知能化」を掲げてビジネスを進めています。

昨今急速に我々の生活に入ってきている生成AIを例に挙げても、今の生成AI「GPT-4」は、テキストに加えて画像も入力して使えるため、画像の意味を理解した上で、その結果をテキストや画像というかたちで答えを出すことができるところまで進化しています。

そこで行われているのは、まさに「画像の知能化」です。「画像の知能化」は、画像を理解して出力することや、さまざまな方法で人間とAIがコミュニケーションをとっていく手段として非常に重要になっていきます。

我々は、創業以来手掛けている3Dグラフィックス分野や、AI、画像処理、ビジュアルコンピューティングといったマルチモーダルAIをフル活用し、現実社会のさまざまな課題を解決するため、ステークホルダーに価値をもたらす革新的な製品とサービスを提供していきます。

アミューズメント事業

アミューズメント分野についてご説明します。非常に好調な「RS1」搭載のスマートスロット機の販売と高い稼働率がパチスロ市場全体を底上げしています。

「RS1」の優位性は、非常に高画質な2Dと3Dのグラフィックスを提供する業界唯一の統合チップであることです。2Dに加えて、インタラクティブなリアルタイム3Dによるゲーム性も大幅に向上しています。また、4Kディスプレイ出力にも対応し、迫力ある大型画面筐体の開発を支援しています。チップ自体もネットワーク等の機能を備えているため、将来の業界規制緩和にも備えた、新たな長期的投資価値を提供していくことが可能です。

業界動向としては、スロット市場が非常に好調です。特に「RS1」を搭載したスマートスロット機は高い稼働率を記録しています。この業界では数年前より、パチンコからスマートパチンコ、パチスロからスマートスロットといった新しいタイプの遊技機への置き換えが進んでいます。

特にスマートスロットへの置き換えが進んでおり、2023年12月時点で見ると、スマートパチンコへの置き換えは約13パーセントであるのに対し、スマートスロットへの置き換えは約80パーセントとなっています。高い稼働率や、50週から80週という稼働期間の実績が、スマートスロットのホール需要を高める1つの大きな要因となっています。

これらのスマートスロットに主に使われているのが当社の「RS1」です。スロットにおいては、我々の主要顧客であるセガサミー社とユニバーサル社の2社のシェアが非常に高く、パチンコビレッジ社の調査によると、この2社を合わせて41パーセントのシェアを獲得しています。

この2社の合弁会社であるZEEG社の共通筐体が他のお客さまにも普及していることも、「RS1」の販売を押し上げる要因となっています。

アミューズメント事業

アミューズメント販売台数の推移を見てみると、2020年を大きな底に、再び台数が増えています。特に、2021年以降はスロット市場の拡大が続いており、「RS1」にとって追い風となっています。

ロボティクス事業 Cambrian売上推移

ロボティクス事業についてご説明します。当社は、ピッキング市場に対し、「Cambrianビジョンシステム」を提供しています。

人手不足のような課題を抱える製造業、あるいは流通の現場においては、ピッキングという作業が全工程の半分くらいを占めると言われており、ピッキングシステムの需要が高まっています。

それに対応するのが我々の「Cambrianビジョンシステム」で、市場の中で売上的には2023年度は2022年度と比較して2.7倍の成長となっており、非常に大きく伸びています。国内のほぼすべての大手自動車メーカーに加えて、電機メーカー、部品メーカーあるいは三品業界といったお客さまに、少なくとも1台は使用していただけるような状態になっています。

そのような中で、今年の課題は、台数及びお客さま数の増加と、それぞれのお客さまにおけるインライン導入です。我々は「インライン」と呼んでいますが、ラインへの導入を加速していくことが大きな課題になっています。

これまで他のメーカーのビジョンシステムを扱っていた販売代理店等も、「Cambrianビジョンシステム」を購入し、販売プロモーションを開始している状況です。

ロボティクス事業 Cambrian優位性

「Cambrianビジョンシステム」の特徴についてご説明します。

ピッキングというのは、対象物によっていくつかのエリアに分かれています。お客さまは、ピッキング対象となる認識可能な対象物のタイプや値段を基準に選択しています。その中で、ソリッドメタルやソリッドプラスティックという分野においては、Cambrian社の他にも国内や中国の会社などが、この市場に参入しています。

しかし、それ以外の1ミリ以下の微小物の部品、光沢物や透明物などを対象とした場合、これらをハンドリング、ピッキングできるのは、現在この業界においてはCambrian社のシステムだけだと広く認知が広がっています。

それによって、この分野における圧倒的な優位性をCambrian社が持っている状況となっています。

ロボティクス事業 Cambrian顧客事例

三品業界の例をご紹介します。食品や化粧品などの分野において、花王が「花王ダイナミックセル生産システム」というものを構築しています。こちらは、花王の少量多品種生産のための、柔軟な次世代の生産システムとなっています。

この中で「Cambrianビジョンシステム」を使って、透明のプラスティックボトル等のピッキングを行う工程が作られています。スライド上のビデオには、「花王ダイナミックセル生産システム」において、「Cambrianビジョンシステム」を使って透明のボトルをピッキングしている様子が映っています。

ロボティクス事業 ZIA MOVE

我々の主力製品「ZIA MOVE」についてご説明します。「ZIA MOVE統合ロボット開発プラットフォーム」は、カメラベース(VSLAM)のローコストで非常に精度の高い自律走行ロボットの開発プラットフォームです。

ロボットの自己位置推定や経路作成、さらに走行までカバーする統合開発プラットフォームとなっています。例えば、走行しながら地図を作成したり、障害物を回避したりします。また、特徴点の少ないところを割り出して可視化すること、複数のロボットを同時に制御することなどが可能です。

「ZIA MOVE」については、2023年度に新たに5社のお客さまからライセンスをいただきました。お客さまには、大手自動車メーカー、製造装置、清掃ロボット、そしてAMRのメーカーが含まれます。

例えば、大手の電機メーカーでは、すでに「LiDAR」を使ったロボットをラインに数百台展開していますが、それを置き換えるために「ZIA MOVE」を評価した結果、「LiDAR」をローコストのカメラベースの「ZIA MOVE」に置き換えられると評価されています。

それによって、非常に大きなコストの削減が可能になるという期待がかかっています。数年以内に、「ZIA MOVE」の量産導入という可能性もあり、今後このような量産から得られるライセンスを、当社としても増やしていきます。

ロボティクス事業 映像点検ビジネス

当社は今、「Visual SLAM」あるいは自律運転制御「ZIA MOVE」の技術と、「ZIA SAFE」のAIの解析技術を活用したソリューションとして、映像点検ビジネスを行っています。大手のデータセンター運営会社や通信インフラ管理会社、ビルのゼネコン、半導体工程内のシステム会社のようなお客さまと、ビジネスの検証を始めています。

「ZIA MOVE」と「ZIA SAFE」の統合による高付加価値の映像解析サービスを、今後リカーリングモデルで提供することを目指しています。

生成AIの取り組み

当社の生成AIに対する取り組みについてご説明します。ご存知のように、生成AIについては、昨日もアメリカのOpenAIが「GPT-4o」を発表しており、非常に高速な会話、音声によるAIとのやり取りを実現しています。

そのようなOpenAIや大手ITベンダー、そして日本でもNECが国内向けの大規模言語モデル(LLM:Large Language Models)の構築等を行っています。先ほどもお話ししましたが、AIはランゲージモデルを使ってテキストあるいは音声を理解し、最近の「GPT-4」は画像も理解することができます。

言語と画像で入力されたものを推論して、答えを言語あるいは画像で出力することができます。ここに使われているのはVLMという技術で、Vision Language Modelと言います。画像を解析し、さらにその中に言語を理解するLLMを内包しています。

当社は、安全運転支援システム「ZIA SAFE」を展開しており、これに生成AIを組み合わせることによって、さらに高度な機能を提供することを目指しています。

例えば、女性がスマートフォンを操作しながら運転している画像を、生成AIをベースとしたシステムに入力すると、生成AIは自動車、運転者、スマートフォン、ハンドルを認識します。ここから、運転者がスマートフォンを見て危険運転していることを判断し、事故のリスクが高まることと、その防止策といった洞察まで含めた回答を出してきます。

このような生成AIを活用することで、既存のディープラーニングの技術では非常に判別が困難だった状況も、判別が可能になってくるということです。

生成AIの取り組み

現在、生成AIは多くのリソースを必要としています。例えば、80ギガバイトなどの巨大なメモリ、また非常に重い推論処理を行うために高性能で価格の高いGPUを必要としています。そして、高い消費電力やレスポンスが遅いという課題があります。

『日本経済新聞』のあるコラムに、「生成AIは1つの質問に答えるために、コップ1杯分の冷却水を必要としている。1つの画像を描画するために、スマートフォン1台を充電する電力を毎回使っている」と書いてありました。

当社は、このような非常に高い負荷を必要とする生成AIを、エッジ環境でも動作可能なように軽量化することを目指しています。低メモリ、低消費電力でありながら、高速に動作可能なLLM/VLMを研究しています。

重点施策

重点施策として、「Making the Image Intelligent」のパーパスのもとビジネスを加速していきます。

「ZIA MOVE」「ZIA SAFE」プラットフォームビジネスを推進していきます。「Cambrianビジョンシステム」では、特に顧客内インライン導入を加速します。また、ロボティクスとセーフティ技術の融合により、映像点検ビジネスといった新しいビジネスを創出します。

FA検査市場に向けた新しい製品の開発を進めています。詳細に関してはお話しできませんが、非常に高度な認識技術に基づいたAIを使った、新しい検査システムの技術開発を行っており、製品化を目指しています。

次世代AIプロセッサのIP開発及び、それをベースにしたAI半導体の開発も検討しています。そして、生成AIのセーフティ分野への応用と軽量化の取り組みを行っていきます。

質疑応答:粗利等の公表について

司会者:「現在、売上高は各セグメント別に管理し発表されていますが、粗利等の公表はしないのでしょうか?」というご質問です。

大澤:当社は単一セグメントを採用していますが、投資家や株主のみなさまのご参考として事業別、分野別の売上情報を開示しています。粗利、営業利益については、競合他社やお客さまに事業利益構造を知らしめるという一面もあるため、現段階では公表の予定はありません。

ただし、ビジネスがもう少し大きくなっていく中では、利益等もセグメント別情報として提示していく必要があると考えており、中期的に検討していきたいと考えています。

質疑応答:「RS1」「Cambrianビジョンシステム」等の出荷数の月次公表について

司会者:「製品事業で『RS1』や『Cambrianビジョンシステム』の出荷数の月次公表は行わないのでしょうか?」というご質問です。

大澤:会社によって、いろいろなKPIを月次で提示していることは認識しています。当社としては、現段階で月次の特定製品の出荷数や売上高の公表は考えていませんが、貴重なご意見として中期的に検討したいと考えています。

質疑応答:「Cambrianビジョンシステム」の導入実績について

司会者:「『Cambrianビジョンシステム』について教えてください。2024年1月15日に『花王ダイナミックセル生産システム』での試験運用が発表されましたが、本採用、本稼働時にIR活動は行うのでしょうか?

また、2024年3月21日に、御社の出資するCambrian社は、トヨタ、スズキ、花王など業界をリードするメーカー向けにビジョンシステムをテスト展開しているとプレスリリースを発表されていましたが、花王と同様に、トヨタ、スズキについても採用のアナウンスはしないのか教えてください」というご質問です。

大澤:先ほど山本からもご説明したとおり、今は、1社に1台を導入し、顧客工場内でのインライン化を目指している段階です。本格的な採用実績は、お客さまとの相談にはなりますが、積極的にプレスリリースしていきたいと考えています。

質疑応答:中期経営計画の更新について

司会者:「環境も大きく変化していますので、2021年5月に策定した中期経営計画の更新が必要と考えています。特に、アミューズメント分野の計画は2024年3月期で終わっているため、新たな戦略と計画を教えてください。中期経営計画は、いつ更新されるのでしょうか?」というご質問です。

大澤:中期経営計画については、毎年6月に公表している事業計画及び成長可能性に関する事項において、アップデートを行うかたちで提示したいと考えています。

質疑応答:生成AIの研究について

司会者:「生成AIの研究のお話がありましたが、大手がしのぎを削って開発している状況下、御社はどのように戦っていくのでしょうか?」というご質問です。

山本:おっしゃるとおり、この分野では、ほとんど毎日新しい論文が出てくるぐらい、新しい技術が出てきています。今回、研究の対象となっているLLMの分野においても同様です。

その中で、共通の圧縮技術あるいは軽量化を図るのは、ご指摘のように非常にチャレンジングです。これまで、AIプロセッサ、GPU分野において、当社が軽量化技術に取り組んできたことで得た知見を活かせると考えています。

AIに関しては、演算処理のビット数を減らす量子化により、精度を落とさず効率化を図ります。また、不要な処理を省くプルーニングという技術を活用していきます。ただし、AI全般に使う技術というよりは、当社がこれまでずっと行ってきているように、ドメインスペシフィック、すなわち当社が注力する分野への最適化を行っていきます。

それにより、特定分野における最適化、あるいは軽量化でリードを取れると考えています。また、そのような研究により、今後新しいモデルが出てきた時にも、対応できるようなノウハウが蓄積されていくと考えています。

質疑応答:アミューズメント分野の安定成長見込みについて

司会者:「御社の『RS1』を採用しているセガサミー社の今期の遊技機事業は、好調だった前期の反動で減収減益の予想が出ています。また、同業のアクセル社の今期業績予想も減収減益となっています。一方で、御社のアミューズメント分野は安定成長を見込んでいるとのことですが、その背景、根拠について教えてください」というご質問です。

山本:先ほどもお話ししましたが、当社の主力のお客さまはセガサミー社とユニバーサル社の合弁会社であるZEEG社ですので、当社の数量予測はZEEG社の需要をもとに計画を立てています。ZEEG社の共通筐体が2社以外のお客さまにも普及していくことで、そうした遊技機の販売も、当社の「RS1」の売上に寄与します。

アクセル社については、主にパチンコを主力にしていると理解しています。一方で、当社は「RS1」でスロットに注力しています。かつては、パチンコがスロットの約2倍の市場規模でした。この数年間は、パチスロとパチンコの市場が同等になってきており、パチスロが大きく伸びています。例えば、今年の当社予測では、だいたい同数の80万台ずつの数量を見込んでいます。

先ほども申し上げたとおり、スマートパチンコあるいはスマートスロットへの置き換えの中で、パチンコよりも非常に高い比率で、スロットの置き換えが進んでいます。スロットは新しいスマート機種に移行が進み、その中で「RS1」を搭載した大きなヒットタイトルも生まれています。

一方パチンコでは、ヒットタイトルがなかなか出ず、スマート機種への置き換えが進まない状況が続いています。このような、スロットとパチンコの市場特性の違いというものが、業績予想の違いに表れている側面もあると考えています。

質疑応答:今後の投資方針について

司会者:「業績が力強く回復し、現金も積み上がってきました。今期は累損を解消し、財務体質も非常に良くなる見通しかと思います。一方、順調に積み上がってきた現金が現金のままであることについて、経営上どのようにお考えでしょうか?

また、資金効率の観点から有効活用が必要だと思いますが、今後の人材確保、M&A、その他投資に対する方針を教えてください」というご質問です。

大澤:おっしゃるとおり、今期予想している業績を達成できれば、累損が解消する目途が出てきています。一方で、山本が先ほど重点施策として挙げた、次世代AI IPや半導体の開発などに関わる研究開発への投資もあります。人材の採用も必要と考えていますので、総合的に勘案し、株主還元について検討していきます。

山本:大澤がお伝えしたことに加え、今後、M&Aというかたちでのリソース強化も十分あり得ると考えています。例えば、Cambrian社に出資したことで、Cambrian社のビジネスは非常に伸びてきています。このようなケースのように、今後はM&Aにより業績を拡大し、さらに業界とのグリップを深めていきたいと考えています。

質疑応答:2025年3月期業績の柱について

司会者:「2024年3月期の業績を見ると、製品事業、特にアミューズメント分野が非常に大きな比率を占めていて、他は2023年3月期よりも減少しています。2025年3月期も同様に、製品事業が柱になる展開を予想しているのでしょうか?」というご質問です。

大澤:製品事業が引き続き柱になるとは考えていますが、セーフティ、モビリティ、ロボティクス分野、もしくはそれらを統合した分野も新しい取り組みを進めていきます。そちらもランプアップしてくる予定ですので、どちらもできるだけ成長していく青写真を描いているところです。

質疑応答:Cambrian社の今後について

司会者:「Cambrian社の今後に、大きな可能性を強く感じていますが、トータルの出資金額を教えてください。また、Digital Media Professionals Vietnamも独占販売店であれば、本格的な導入は今期になるのでしょうか?」というご質問です。

大澤:Cambrian社には、累計で2回出資しており、合計で1億円超ぐらいです。

山本:Digital Media Professionals Vietnamの独占権は、Cambrianとの契約には含まれていません。先ほどもご説明しましたが、この3年間で「Cambrianビジョンシステム」は大手のお客さまにかなり普及してきたため、今後はお客さまの中でインライン展開することが大きな課題となっています。数量を大きく伸ばしていきたいと考えており、今期は非常に重要なタイミングです。

質疑応答:「ZIA A3000」の状況について

司会者:「可能な範囲で、『ZIA A3000』の状況について教えてください。守秘義務等の縛りがあれば、ご回答は控えていただいてもけっこうです」というご質問です。

山本:新しいアプリケーションに対する「ZIA A3000」の提供によりお客さまの評価が進むなど、着実に進捗しています。

また、当社で「ZIA A3000」のバージョン2を開発中であり、お客さまにプロモーションしている状況です。

質疑応答:プロフェシー社との協業状況について

司会者:「フランスのプロフェシー社との協業状況を教えてください」というご質問です。

山本:プロフェシー社のイベントベースカメラを使ったソリューションについて、同社と継続的に協業しています。このソリューションを使って、大手のお客さまとシステム評価を進めている状況です。

配信元: ログミーファイナンス
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