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ピーバンドットコムのニュース
■業績動向
1. 2021年3月期第3四半期累計業績の概要
ピーバンドットコム<3559>の2021年3月期第3四半期累計業績は、売上高で前年同期比12.5%減の1,377百万円、営業利益で同41.7%減の113百万円、経常利益で同34.7%減の117百万円、四半期純利益で同41.8%減の78百万円となった。コロナ禍の影響により国内製造業の設備投資意欲が冷え込み、新規製品開発需要が停滞したことが減収要因となった。ここ数年はユーザー数の積み上げと複数サービスの利用によるクロスセル戦略(=顧客単価上昇)で売上拡大が続いていたが、2021年3月期第3四半期累計期間ではユーザー数が伸長したのに対して顧客単価が低下しており、新規開発案件が減少したことがうかがえる。ただ四半期ベースの売上高推移を見ると、第2四半期の441百万円を底に、第3四半期は483百万円と増加に転じており、足元は回復感が出てきている。
2021年3月期第3四半期累計の売上総利益は前年同期比16.3%減の448百万円となり、売上総利益率については前年同期の34.0%から32.5%に低下した。売上回復施策として価格戦略を実施したことが要因となっている。また、販管費については同1.7%減の334百万円となった。2021年3月期はEMS事業の本格展開のため、EMS専門の営業人材を採用したことで人件費が10百万円増加したが、広告宣伝費や地代家賃がそれぞれ5百万円減少したほか、テレワーク体制の継続等によりその他経費が5百万円減少した。営業外収支は前年同期に計上した市場変更費用19百万円がなくなったことで、若干改善している。
資本効率の向上を図りながら、高い財務健全性を維持
2. 財務状況と経営指標
2021年3月期第3四半期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比88百万円減少の1,356百万円となった。流動資産では収益減に伴って現金及び預金が57百万円減少したほか、売上債権が50百万円減少した。固定資産では有形固定資産・無形固定資産でそれぞれ2百万円増加した。
負債合計は前期末比57百万円減少の261百万円となった。未払法人税等を中心に流動負債が58百万円減少した。なお、有利子負債はなく無借金経営を継続している。純資産合計は前期末比31百万円減少の1,094百万円となった。利益剰余金が78百万円増加した一方で、自己株式の取得による支出87百万円、配当金の支払額22百万円が減少要因となった。
経営指標について見ると、財務の健全性を表す自己資本比率は前期末の78.0%から80.7%と若干上昇した。現金及び預金は減少したものの、同社はファブレス企業で効率的なビジネスモデルを確立していること、有利子負債もないことから財務の健全性は高いと判断される。収益性に関して2021年3月期通期ではやや悪化することが予想されるものの、2020年3月期までの直近3期間はROA・ROE・売上高営業利益率とすべての指標で10%を超える水準となっている。今後、売上高が拡大基調に転じれば収益性もさらに向上していくものと予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
1. 2021年3月期第3四半期累計業績の概要
ピーバンドットコム<3559>の2021年3月期第3四半期累計業績は、売上高で前年同期比12.5%減の1,377百万円、営業利益で同41.7%減の113百万円、経常利益で同34.7%減の117百万円、四半期純利益で同41.8%減の78百万円となった。コロナ禍の影響により国内製造業の設備投資意欲が冷え込み、新規製品開発需要が停滞したことが減収要因となった。ここ数年はユーザー数の積み上げと複数サービスの利用によるクロスセル戦略(=顧客単価上昇)で売上拡大が続いていたが、2021年3月期第3四半期累計期間ではユーザー数が伸長したのに対して顧客単価が低下しており、新規開発案件が減少したことがうかがえる。ただ四半期ベースの売上高推移を見ると、第2四半期の441百万円を底に、第3四半期は483百万円と増加に転じており、足元は回復感が出てきている。
2021年3月期第3四半期累計の売上総利益は前年同期比16.3%減の448百万円となり、売上総利益率については前年同期の34.0%から32.5%に低下した。売上回復施策として価格戦略を実施したことが要因となっている。また、販管費については同1.7%減の334百万円となった。2021年3月期はEMS事業の本格展開のため、EMS専門の営業人材を採用したことで人件費が10百万円増加したが、広告宣伝費や地代家賃がそれぞれ5百万円減少したほか、テレワーク体制の継続等によりその他経費が5百万円減少した。営業外収支は前年同期に計上した市場変更費用19百万円がなくなったことで、若干改善している。
資本効率の向上を図りながら、高い財務健全性を維持
2. 財務状況と経営指標
2021年3月期第3四半期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比88百万円減少の1,356百万円となった。流動資産では収益減に伴って現金及び預金が57百万円減少したほか、売上債権が50百万円減少した。固定資産では有形固定資産・無形固定資産でそれぞれ2百万円増加した。
負債合計は前期末比57百万円減少の261百万円となった。未払法人税等を中心に流動負債が58百万円減少した。なお、有利子負債はなく無借金経営を継続している。純資産合計は前期末比31百万円減少の1,094百万円となった。利益剰余金が78百万円増加した一方で、自己株式の取得による支出87百万円、配当金の支払額22百万円が減少要因となった。
経営指標について見ると、財務の健全性を表す自己資本比率は前期末の78.0%から80.7%と若干上昇した。現金及び預金は減少したものの、同社はファブレス企業で効率的なビジネスモデルを確立していること、有利子負債もないことから財務の健全性は高いと判断される。収益性に関して2021年3月期通期ではやや悪化することが予想されるものの、2020年3月期までの直近3期間はROA・ROE・売上高営業利益率とすべての指標で10%を超える水準となっている。今後、売上高が拡大基調に転じれば収益性もさらに向上していくものと予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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