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デリカフーズホールディングスのニュース
*13:46JST デリカフHD Research Memo(6):事業構造の変革とサプライチェーン構造の改革で収益性向上を目指す(2)
■第五次中期経営計画
(2) 青果物サプライチェーンの構造改革
デリカフーズホールディングス<3392>は従来のサプライチェーンを抜本的に見直し、持続可能かつ機能的な青果物流通インフラへの変革を推進していく。主な取り組みとして、輸入依存度の高い野菜の国産化、調達インフラの再構築、青果物サプライチェーンの合理化の3つのテーマを掲げている。
a) 輸入依存度の高い野菜の国産化
輸入依存度の高い野菜の国産化シフトについては、地政学リスクの高まりによる輸入調達リスクの軽減、並びに農業従事者の高齢化によって先細りが懸念される国内農業の支援を目的とした取り組みとなる。現在、同社の青果物の仕入ルートは、国内契約農家が約6割、市場調達で約2割、輸入で約2割の構成となっているが、品目によっては5割以上を海外から調達している青果物もあり、こうした品目について国内調達の比率を上げていく。
第1弾として、タマネギの国内調達比率を引き上げるべく外食企業との交渉を開始している。わが国農業の持続的発展の観点から顧客企業からもおおむね賛同が得られているようで、今後は価格交渉など細かな条件交渉を進めていくことになる。現在、タマネギの輸入比率は5割程度だが、当面の目標として3割程度に引き下げていく。そのほかの品目では、長ネギやトマト、ニンジンなどでも段階的に取り組む予定だ。
b) 調達インフラの再構築
今後さらに深刻化する調達・物流難に対して、持続可能なインフラの再構築に取り組んでいく。具体的には、業務提携先のエア・ウォーターが持つガス技術やベンチャー企業が持つ冷凍技術などを用いて長期保存技術を確立し、貯蔵集出荷拠点の設置計画を進めていく。野菜の長期保存が可能になれば、天候不順による市況変動の影響も軽減され、安定供給体制がより一層強化されるほか、収益性の向上にも寄与することになる。
c) 青果物サプライチェーンの合理化
栽培・流通・加工における他企業との業務提携などを通じて、サプライチェーン全体の合理化による持続可能な農業と流通体制の構築を進めていく。既にエア・ウォーター、ベジテック、神明ホールディングスとの4社業務提携による取り組みがスタートしており、物流インフラに関しての相互乗り入れが進んでいる。例えば、東北・北海道エリアについてはエア・ウォーターの物流インフラが充実しているため活用しているほか、同社の幹線便を他社が活用するケースもある。特に、精米卸販売の最大手である神明ホールディングスとは契約産地や顧客企業など重なる部分も多く、同社の物流インフラを共有化するケースが今後増えていくものと予想される。
(3) 研究部門・開発部門への投資拡大
既存事業の継続的な改善と事業領域の拡大に向けて、各種研究・開発部門の強化を図り、将来の成長エンジンへとつなげていく。具体的な取り組みは以下のとおり。
a) 野菜を中身で評価
野菜の健康効果(抗酸化力など)研究を推進し、野菜の価値向上・消費拡大へとつなげていく。また、効果成分にフォーカスした商品開発との連携により、食材ロスの低減に貢献していく考えだ。
b) 貯蔵の長期化
物流の合理化及び野菜の廃棄低減に向け、貯蔵技術の開発を推進していく。鮮度保持技術と併せて、新たな流通の仕組みを構築する。
c) 新規商品・新規事業の開発
同社の持つ加工技術・施設・ノウハウを最大限活用し、競争力の高い付加価値型商品の開発により販路拡大を目指す。また、マーケティング(市場調査)部門を強化し、青果物を基軸とした新たな事業の開発を推進していく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SO>
(2) 青果物サプライチェーンの構造改革
デリカフーズホールディングス<3392>は従来のサプライチェーンを抜本的に見直し、持続可能かつ機能的な青果物流通インフラへの変革を推進していく。主な取り組みとして、輸入依存度の高い野菜の国産化、調達インフラの再構築、青果物サプライチェーンの合理化の3つのテーマを掲げている。
a) 輸入依存度の高い野菜の国産化
輸入依存度の高い野菜の国産化シフトについては、地政学リスクの高まりによる輸入調達リスクの軽減、並びに農業従事者の高齢化によって先細りが懸念される国内農業の支援を目的とした取り組みとなる。現在、同社の青果物の仕入ルートは、国内契約農家が約6割、市場調達で約2割、輸入で約2割の構成となっているが、品目によっては5割以上を海外から調達している青果物もあり、こうした品目について国内調達の比率を上げていく。
第1弾として、タマネギの国内調達比率を引き上げるべく外食企業との交渉を開始している。わが国農業の持続的発展の観点から顧客企業からもおおむね賛同が得られているようで、今後は価格交渉など細かな条件交渉を進めていくことになる。現在、タマネギの輸入比率は5割程度だが、当面の目標として3割程度に引き下げていく。そのほかの品目では、長ネギやトマト、ニンジンなどでも段階的に取り組む予定だ。
b) 調達インフラの再構築
今後さらに深刻化する調達・物流難に対して、持続可能なインフラの再構築に取り組んでいく。具体的には、業務提携先のエア・ウォーターが持つガス技術やベンチャー企業が持つ冷凍技術などを用いて長期保存技術を確立し、貯蔵集出荷拠点の設置計画を進めていく。野菜の長期保存が可能になれば、天候不順による市況変動の影響も軽減され、安定供給体制がより一層強化されるほか、収益性の向上にも寄与することになる。
c) 青果物サプライチェーンの合理化
栽培・流通・加工における他企業との業務提携などを通じて、サプライチェーン全体の合理化による持続可能な農業と流通体制の構築を進めていく。既にエア・ウォーター、ベジテック、神明ホールディングスとの4社業務提携による取り組みがスタートしており、物流インフラに関しての相互乗り入れが進んでいる。例えば、東北・北海道エリアについてはエア・ウォーターの物流インフラが充実しているため活用しているほか、同社の幹線便を他社が活用するケースもある。特に、精米卸販売の最大手である神明ホールディングスとは契約産地や顧客企業など重なる部分も多く、同社の物流インフラを共有化するケースが今後増えていくものと予想される。
(3) 研究部門・開発部門への投資拡大
既存事業の継続的な改善と事業領域の拡大に向けて、各種研究・開発部門の強化を図り、将来の成長エンジンへとつなげていく。具体的な取り組みは以下のとおり。
a) 野菜を中身で評価
野菜の健康効果(抗酸化力など)研究を推進し、野菜の価値向上・消費拡大へとつなげていく。また、効果成分にフォーカスした商品開発との連携により、食材ロスの低減に貢献していく考えだ。
b) 貯蔵の長期化
物流の合理化及び野菜の廃棄低減に向け、貯蔵技術の開発を推進していく。鮮度保持技術と併せて、新たな流通の仕組みを構築する。
c) 新規商品・新規事業の開発
同社の持つ加工技術・施設・ノウハウを最大限活用し、競争力の高い付加価値型商品の開発により販路拡大を目指す。また、マーケティング(市場調査)部門を強化し、青果物を基軸とした新たな事業の開発を推進していく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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