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デリカフーズホールディングスのニュース
*13:42JST デリカフHD Research Memo(2):2024年3月期までの第四次中期経営計画では当初目標を超過して着地
■第五次中期経営計画
1. 第四次中期経営計画の振り返り
デリカフーズホールディングス<3392>は、2024年5月に第五次中期経営計画「keep on trying 2027」(2025年3月期〜2027年3月期)を発表した。第四次中期経営計画では新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で事業環境が大きく変化するなかで、1) 事業ポートフォリオの変革、2) 青果物流通インフラの構築、3) サステナビリティ経営の推進を基本方針に掲げ、おおむね当初に目指した計画を達成することができた。
「事業ポートフォリオ」の変革では、コロナ禍前(2020年3月期)まで80%以上あった外食企業向けの売上構成比を2024年3月期に63%まで引き下げる計画であったが、その後外食業界が急速に回復したことから69.7%となった。この間に、コロナ禍に強い外食(テイクアウト、宅配・デリバリー業態等)や量販・小売や給食などの販路を拡大することに成功し、2021年に開始したミールキット※事業についても、OEM先を開拓して売上を伸ばすなど市場環境の変化に対応できるポートフォリオを構築できたものと評価される。
※ミールキットとは、あらかじめ決まった料理メニューを簡便に作れるように、肉や魚、野菜などの食材と調味液などをパックにして提供する商品で、肉や魚などは半分調理した状態、野菜はカットした状態で提供される。
また「青果物流通インフラの構築」についても、2024年4月に大阪FSセンターが稼働を開始し、全国主要都市へのFSセンター設置が完了したほか、物流面においても拠点間配送(幹線便)の強化による全国コールドチェーン化を実現するなど、当初の計画を達成した。当初、関東エリアにもFSセンターを新設することを検討していたが、建設コストが上昇したことで投資効率が見合わなくなったほか、業務提携先と協業することである程度カバーできると判断し、賃借による物流センターの設置となった。
「サステナビリティ経営の推進」では、2023年10月にサステナビリティ推進室を新設し、様々な社会課題の解決への積極的な取り組みを加速した。野菜を100%使い切る取り組みとして、端材を使って出汁にした「ベジブロード」や規格外野菜を活用したポタージュ類の販売を開始したほか、冷凍野菜製造工場を竣工し製造販売を開始した。また、地球環境問題への取り組みとして、省エネ化の推進、物流部門の配送ルート・配車の効率化、低燃費低排出車両の導入によるCO2排出量削減などに取り組んだ。人財育成の面でも、外国籍従業員の活躍推進のため国際人財室を新設したほか、キャリア推進プロジェクト・女性活躍推進プロジェクトの発足、デリカ次世代アカデミーの開講や働く環境を整備するための各種人事制度を導入した。そのほか、「健康な社会の実現」をテーマとして、一般消費者の健康志向に応える商品開発(ミールキット「楽彩」)や抗酸化力評価の実装、従業員の健康管理強化の取り組みを推進した。地域社会への貢献としては、中高生向けの工場見学会への対応や食育セミナーの実施、子ども食堂・フードバンクへの寄付、スポーツ選手支援などの活動を実施した。
こうした取り組みの成果として、2024年3月期の業績は売上高で528億円、経常利益で12.5億円、ROEで12.3%と当初目標数値(売上高450億円、経常利益10億円、ROE7.0%)を大きく上回り、過去最高業績を更新した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SO>
1. 第四次中期経営計画の振り返り
デリカフーズホールディングス<3392>は、2024年5月に第五次中期経営計画「keep on trying 2027」(2025年3月期〜2027年3月期)を発表した。第四次中期経営計画では新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で事業環境が大きく変化するなかで、1) 事業ポートフォリオの変革、2) 青果物流通インフラの構築、3) サステナビリティ経営の推進を基本方針に掲げ、おおむね当初に目指した計画を達成することができた。
「事業ポートフォリオ」の変革では、コロナ禍前(2020年3月期)まで80%以上あった外食企業向けの売上構成比を2024年3月期に63%まで引き下げる計画であったが、その後外食業界が急速に回復したことから69.7%となった。この間に、コロナ禍に強い外食(テイクアウト、宅配・デリバリー業態等)や量販・小売や給食などの販路を拡大することに成功し、2021年に開始したミールキット※事業についても、OEM先を開拓して売上を伸ばすなど市場環境の変化に対応できるポートフォリオを構築できたものと評価される。
※ミールキットとは、あらかじめ決まった料理メニューを簡便に作れるように、肉や魚、野菜などの食材と調味液などをパックにして提供する商品で、肉や魚などは半分調理した状態、野菜はカットした状態で提供される。
また「青果物流通インフラの構築」についても、2024年4月に大阪FSセンターが稼働を開始し、全国主要都市へのFSセンター設置が完了したほか、物流面においても拠点間配送(幹線便)の強化による全国コールドチェーン化を実現するなど、当初の計画を達成した。当初、関東エリアにもFSセンターを新設することを検討していたが、建設コストが上昇したことで投資効率が見合わなくなったほか、業務提携先と協業することである程度カバーできると判断し、賃借による物流センターの設置となった。
「サステナビリティ経営の推進」では、2023年10月にサステナビリティ推進室を新設し、様々な社会課題の解決への積極的な取り組みを加速した。野菜を100%使い切る取り組みとして、端材を使って出汁にした「ベジブロード」や規格外野菜を活用したポタージュ類の販売を開始したほか、冷凍野菜製造工場を竣工し製造販売を開始した。また、地球環境問題への取り組みとして、省エネ化の推進、物流部門の配送ルート・配車の効率化、低燃費低排出車両の導入によるCO2排出量削減などに取り組んだ。人財育成の面でも、外国籍従業員の活躍推進のため国際人財室を新設したほか、キャリア推進プロジェクト・女性活躍推進プロジェクトの発足、デリカ次世代アカデミーの開講や働く環境を整備するための各種人事制度を導入した。そのほか、「健康な社会の実現」をテーマとして、一般消費者の健康志向に応える商品開発(ミールキット「楽彩」)や抗酸化力評価の実装、従業員の健康管理強化の取り組みを推進した。地域社会への貢献としては、中高生向けの工場見学会への対応や食育セミナーの実施、子ども食堂・フードバンクへの寄付、スポーツ選手支援などの活動を実施した。
こうした取り組みの成果として、2024年3月期の業績は売上高で528億円、経常利益で12.5億円、ROEで12.3%と当初目標数値(売上高450億円、経常利益10億円、ROE7.0%)を大きく上回り、過去最高業績を更新した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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