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クリエイト・レストランツ・ホールディングスのニュース
■決算動向
2. 2021年2月期決算の概要
クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>の2021年2月期の業績(IFRS基準)は、売上収益が前期比46.6%減の74,425百万円、営業損失が14,181百万円、税引前損失が15,021百万円、親会社の所有者に帰属する当期損失が13,874百万円とコロナ禍の影響により大幅な減収となり、各段階損益で損失を計上した。ただ、重視する調整後EBITDA※では5,130百万円のプラスを確保している。また、修正予想(1/14公表)に対しては営業収益、利益面ともに下振れる結果となった。
※調整後EBITDA=営業利益+その他の営業費用−その他の営業収益(協賛金収入、雇用調整助成金及び賃料減免分等を除く)+減価償却費+非経常的費用項目
売上収益は、コロナ禍に伴う休業や時短営業が繰り返し実施されたことにより、すべてのカテゴリーで大幅な減収となった。特に、1回目の緊急事態宣言に伴う一斉休業や時短営業により、第1四半期が大きく落ち込んだ。第2四半期以降は、段階的な通常営業の再開や客足の戻り等により一旦回復に向かったものの、コロナ第3波に伴う一部休業や時短営業により、第4四半期に失速する結果となった(関連グラフを参照)。特に、修正予想(2021年1月14日公表)に対して営業収益が下振れたのは、2回目の緊急事態宣言の期限延長※が理由である。
※当初2月7日の解除予定が結果的に3月21日まで延長された。
四半期ごとの実質既存店売上高※の推移(14ページの関連図表を参照)を見ると、1回目の緊急事態宣言により多くの店舗が休業となった第1四半期が前年比27.8%と極端に落ち込んだ後、緊急事態宣言が解除された第2四半期は徐々に回復に向かったものの、7月下旬からのコロナ第2波に伴う時短営業により前年比51.6%と伸び悩んだ。第3四半期は、通常営業を再開したことや「GoToイートキャンペーン」の効果等により前年比67.5%にまで回復。しかしながら、第4四半期はコロナ第3波に伴う2回目の緊急事態宣言及び期間延長により前年比46.8%と再び落ち込んだ。
※休業店舗を含めて算出。
新規出店については、上期において既に契約済みであった62店舗を出店したものの、通期では68店舗の出店にとどまった。一方、退店については通期で143店舗を実施。特に、第4四半期においては、居酒屋業態を中心に不採算となった55店舗を整理し、今後の損益改善(黒字化)に向けて基盤づくりを行った。
損益面では、徹底した固定費削減(人件費の削減、家賃の減免交渉等)に努めたほか、政府からの雇用調整助成金の給付等があったものの、売上収益の急激な落ち込みに伴って固定費負担が重荷となったことから大幅な営業損失を計上した。四半期ごとの損益の状況を見ると、営業収益が一旦回復に向かった第3四半期には営業黒字化を達成できたものの、第1四半期の落ち込みが大きかったことに加え、第4四半期には退店費用等が膨らんだことも利益を圧迫した。ただ、調整後EBITDAの推移では、第1四半期を除いてプラスを維持しており、固定費削減の徹底により損益分岐点(調整後EBITDAベース)の段階的な引き下げを実現してきた※。なお、営業利益が修正予想(1/14公表)を下回ったのは、1)営業収益の下振れ、2)各自治体からの時短協力金等の入金及び計上の期ずれ、3)店舗退店に伴う損失計上、4)減損損失の計上などによるものである。したがって、2)については、今期(2022年2月期)のプラス要因(約21億円)になるほか、3)及び4)についても、今後の損益改善に貢献するものと評価することができる。
※第4四半期の損益分岐点売上高(調整後EBITDAベース)は、前期比58.5%の155億円にまで低減した。
財政状態については、店舗数の減少等により固定資産が縮小したものの、コロナ禍による影響を勘案し、コスト削減や銀行借り入れに加え、永久劣後ローン※を通じた大型の資金調達(150億円)により「現金及び預金」を大きく積み増したことから、総資産は前期末比7.8%増の161,966百万円に拡大した。一方、自己資本は当期純損失の計上がマイナス要因となったものの、永久劣後ローンによる財務基盤の強化を図ったことで前期末比5.2%増の17,052百万円に増加し、親会社所有者帰属持分比率は10.5%(前期末は10.8%)と前期末とほぼ同水準を維持することができた。また、「現金及び預金」(373億円)に加え60億円のコミットメントラインも設定済みであり、引き続き不安定な局面において、資金面での安全性は十分に確保されている。
※返済の優先順位が一般債権に劣後する借入金であり、議決権や返済期限がないものである。IFRSにおける「資本性金融商品」として資本に計上される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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2. 2021年2月期決算の概要
クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>の2021年2月期の業績(IFRS基準)は、売上収益が前期比46.6%減の74,425百万円、営業損失が14,181百万円、税引前損失が15,021百万円、親会社の所有者に帰属する当期損失が13,874百万円とコロナ禍の影響により大幅な減収となり、各段階損益で損失を計上した。ただ、重視する調整後EBITDA※では5,130百万円のプラスを確保している。また、修正予想(1/14公表)に対しては営業収益、利益面ともに下振れる結果となった。
※調整後EBITDA=営業利益+その他の営業費用−その他の営業収益(協賛金収入、雇用調整助成金及び賃料減免分等を除く)+減価償却費+非経常的費用項目
売上収益は、コロナ禍に伴う休業や時短営業が繰り返し実施されたことにより、すべてのカテゴリーで大幅な減収となった。特に、1回目の緊急事態宣言に伴う一斉休業や時短営業により、第1四半期が大きく落ち込んだ。第2四半期以降は、段階的な通常営業の再開や客足の戻り等により一旦回復に向かったものの、コロナ第3波に伴う一部休業や時短営業により、第4四半期に失速する結果となった(関連グラフを参照)。特に、修正予想(2021年1月14日公表)に対して営業収益が下振れたのは、2回目の緊急事態宣言の期限延長※が理由である。
※当初2月7日の解除予定が結果的に3月21日まで延長された。
四半期ごとの実質既存店売上高※の推移(14ページの関連図表を参照)を見ると、1回目の緊急事態宣言により多くの店舗が休業となった第1四半期が前年比27.8%と極端に落ち込んだ後、緊急事態宣言が解除された第2四半期は徐々に回復に向かったものの、7月下旬からのコロナ第2波に伴う時短営業により前年比51.6%と伸び悩んだ。第3四半期は、通常営業を再開したことや「GoToイートキャンペーン」の効果等により前年比67.5%にまで回復。しかしながら、第4四半期はコロナ第3波に伴う2回目の緊急事態宣言及び期間延長により前年比46.8%と再び落ち込んだ。
※休業店舗を含めて算出。
新規出店については、上期において既に契約済みであった62店舗を出店したものの、通期では68店舗の出店にとどまった。一方、退店については通期で143店舗を実施。特に、第4四半期においては、居酒屋業態を中心に不採算となった55店舗を整理し、今後の損益改善(黒字化)に向けて基盤づくりを行った。
損益面では、徹底した固定費削減(人件費の削減、家賃の減免交渉等)に努めたほか、政府からの雇用調整助成金の給付等があったものの、売上収益の急激な落ち込みに伴って固定費負担が重荷となったことから大幅な営業損失を計上した。四半期ごとの損益の状況を見ると、営業収益が一旦回復に向かった第3四半期には営業黒字化を達成できたものの、第1四半期の落ち込みが大きかったことに加え、第4四半期には退店費用等が膨らんだことも利益を圧迫した。ただ、調整後EBITDAの推移では、第1四半期を除いてプラスを維持しており、固定費削減の徹底により損益分岐点(調整後EBITDAベース)の段階的な引き下げを実現してきた※。なお、営業利益が修正予想(1/14公表)を下回ったのは、1)営業収益の下振れ、2)各自治体からの時短協力金等の入金及び計上の期ずれ、3)店舗退店に伴う損失計上、4)減損損失の計上などによるものである。したがって、2)については、今期(2022年2月期)のプラス要因(約21億円)になるほか、3)及び4)についても、今後の損益改善に貢献するものと評価することができる。
※第4四半期の損益分岐点売上高(調整後EBITDAベース)は、前期比58.5%の155億円にまで低減した。
財政状態については、店舗数の減少等により固定資産が縮小したものの、コロナ禍による影響を勘案し、コスト削減や銀行借り入れに加え、永久劣後ローン※を通じた大型の資金調達(150億円)により「現金及び預金」を大きく積み増したことから、総資産は前期末比7.8%増の161,966百万円に拡大した。一方、自己資本は当期純損失の計上がマイナス要因となったものの、永久劣後ローンによる財務基盤の強化を図ったことで前期末比5.2%増の17,052百万円に増加し、親会社所有者帰属持分比率は10.5%(前期末は10.8%)と前期末とほぼ同水準を維持することができた。また、「現金及び預金」(373億円)に加え60億円のコミットメントラインも設定済みであり、引き続き不安定な局面において、資金面での安全性は十分に確保されている。
※返済の優先順位が一般債権に劣後する借入金であり、議決権や返済期限がないものである。IFRSにおける「資本性金融商品」として資本に計上される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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